1. 変わらない日々
すみません、案外時間かかっちゃいました。
前回、次回はこの小説の説明と書きましたが、方針を変えたので今回から本編始まります。
短いと思います。
「ん……眩しい。」
顔に当たる日の光が眩しくて、目覚めたくないのに勝手に目が覚めてしまう、まだ寝ていたい気分のはずなのだが、一度目が覚めてしまうと二度寝が出来ないので半ば仕方なく身体を起こした。
そこには、妹の紅羽が居た。
「おはよう、お兄ちゃん」
「おはよう、紅羽」
朝の挨拶を紅羽と交わした俺は時計を見て、紅羽がいつもより早い時間に起こしに来たことに気付いた。
「紅羽、朝の修行はもう終わったのか?」
「うん! 頑張って早く終わらせたんだ~」
「どうしてだ?」
「それは私がお兄ちゃんと少しでもいっぱい一緒に居たいからに決まってるじゃん」
別に決まってないだろ。そう思ったが紅羽が嬉しそうな顔をしていたので言わないことにした。
制服に着替えて俺は紅羽とリビングの前で別れリビングに入った。
「おはよう、父さん、母さん」
俺は普通に挨拶をしたつもりなのだが、自分でもわかるくらいにテンションが低いと思った
「あぁ、おはよう」
「おはよう、大輝」
そんなあいさつに父の大吾と母の雅は返してきた。
学校に行くにはまだだいぶ早い時間だが、俺が来たことによりだいぶ空気が重くなった気がするので、昼の分の弁当と朝の分のおにぎりをもって家を出る。
「行ってきます。」
そこに制服に着替えて学校のバックを持った紅羽が来た。
「待ってよ、お兄ちゃーん」
紅羽は今年受験を迎える中学三年生だ。進学希望の高校は俺が通っている。公立前ヶ原高等学校、この辺りではそこそこ勉強ができる奴が通う至って普通の学校だ、紅羽に志望動機を聞いたらこう言った。お兄ちゃんがいるから。まさかとは思ったが本当にそれが理由だったとは思わなかった。ちなみに俺は二年生だから合格したとしても一緒に通えるのは一年だけだと言ったが。それでもいいと言われた。なぜ紅羽はここまで俺を慕っているのかさっぱりわからない。まぁその話は置いといて。
「紅羽、離れろ。熱いしそれに、俺たちは兄妹だぞ。」
「それがどうしたの?」
何を言っているの? って顔で見てくる。
「いいか、普通兄妹ってのはなこんなにくっついたりしないんだよ」
「他の兄弟はどうかは知らないけど、私たちは私たちでしょ?他の兄弟なんてどうでもいいじゃん」
俺の妹はいつからこんなことになってしまったのだろうか。とても謎である。
そんなことを話していると紅羽の通っている私立桜花女学院の前についた。今ではもう慣れたが最初紅羽を送りに来たときは周りが女の子だらけで死ぬかと思ったのは今では懐かしい思い出である。
「じゃあまたな紅羽」
「うんじゃあねお兄ちゃん」
紅羽を送った後いつのも桜の木と横を流れる川を見ながら歩道を歩いていた。いつもこの道を歩きながら桜を見ると、とても懐かしい感じがするなだが、いつも思い出せないでいる、子供のころここを通ったことがあるの子も知れない。
それから一人でしばらく歩いていると俺の通う前ヶ原高校が見えてきた。時間にまだ余裕があるのでこのまま歩いていても間に合うだろうそう思っていたら、先の方から声が聞こえた。
「子供が! 子供が川に流されてる!」
咄嗟のことだったが俺はバックを捨て急いで川に飛び込んだ。
(どうも俺は無力のはずなのに助けを求められると放って置けないようだ。)
「だっ! だずけてっ!」
泳いで追いついて子供を抱えて岸に向かって泳いでいく。
岸についたら大勢の人が集まっていた。その中から一人の女性が出てきた。
「健太! よかった無事で」
子供の母親は子供の安全を確認するとこっちを向いて頭を下げた。
「うちの健太を救ってくれてありがとうございました」
それに続いて健太も母親の見よう見まねで頭を下げた。
「お兄ちゃん、健太を助けてくれて、ありがとう」
「いえ、別に大したことはしていないので」
その後あの親子は何度も頭を下げるので、悪いが逃げてきた。
その時学校の鐘が鳴った。
「やっべ! 忘れてた! もう遅刻じゃんか!」
その後走ったがやっぱりもう手遅れ先生に散々怒られて俺は自分の教室のある3階に向かった。
教室のドアを開けたらすでに朝のホームルーム終わっていた。
(なんか、超気まずいんだけど)
そう思いながら教室に入って自分の席についた。
自分の席に着いたら俺の友達の、斉藤 和樹、望月 直哉、小林優斗、の3人が来た。そして和樹が話しかけてきた。
「よっ! 大輝が遅刻するなんて珍しいじゃねえか、もしかして紅羽ちゃんに起こして貰えなかったのか? ざまあ見やがれ」
それに対して返答する。
「違うよ。学校に来るときに子供が川で溺れていたから助けたんだけど、それで遅刻しちゃってさ。」
その言葉聞いた和樹は羨めしそうな目をしながら言ってきた。
「! ってことはお前今日も紅羽ちゃんに朝起こして貰ったのかよ! 大輝だけずるい! 俺にも妹がいれば!」
そんなことを嘆いている和樹は置いといて直哉が話しかけてきた。
「大輝君、また勉強を教えてくれないかい?」
「ああ、わかった、明日の放課後でいいか? 今日は早く帰らないといけないから、今日は無理なんだ」
「うん、いいよ。いつもありがとう。」
「教えている俺も勉強になるから喜んで教えるよ」
直哉との話が終わるのを見計らって優斗が話しかけてきた。
「大輝、その勉強会僕も参加させてもらってもいいかい?」
「ああ、勿論、人数が多い方が教えるかいがある、それに、優斗に教わることもあるだろうし、それじゃあ明日の放課後、場所は図書館でいいか?」
「「「わかった」」」
その質問に直哉と優斗といつの間にか和樹も入っていた。
俺はそれに対してわざと和樹をからかうことにした。
「え? 俺、和樹には勉強教えるって言ってないけど?」
その言葉を聞いて和樹はえ? って顔をした。
「嘘嘘。冗談だよ。和樹にも勉強教えてあげるよ」
「あってめぇ大輝!」
その会話を聞いていたらしく、クラスみんなが笑っていた。
(やっぱり和樹をいじるのは楽しいな)
そんな会話をしていると授業の鐘がなった。と、同時に鈴木先生が入ってきた。
「よーし、授業を始めるぞー」
その日の授業はいつもと変わらず楽しかった。
次回は、15時ごろに更新予定です。