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どうやら彼らは転生したらしい。《修正版》

大きくとは言いませんが、一度修正を入れます。

 何の変哲もない中学生ライフ。


 今、俺の生活を言葉で表すのならそれが一番適しているだろう。

 顔も悪い方ではなく、成績も中の上。まさに平凡そのものだった。


 だけどなにもかも平凡な俺にも、周りと少しだけ違うところがある。それは友達というものが他人と比べて圧倒的に少ないことである。


 小学生の頃は、友達を作ろうと努力した。実際、一人友達ができた。逆に言えば一人しかいないのだが。


 小学一年生の頃、始めての友達ができたことに舞い上がっていた俺は、その事実に気がついた時、心が折れかけたのがいい思い出だ。少なくとも、次の日枕が使い物にならなくなるレベルには。


 だが、それでも友達を作ろうと必死に努力し続けた。面白い話も考えたし流行りのゲームだっていち早く買った。友達までとはいかないが、俺にもある程度親しいと感じる奴ができ始めた。


 しかし、それが長く続くことはなかった。


 信じていた者に陥れられ、周りのみんなは俺から遠ざかっていく。たった一人の友人を除いて。そんな中で俺が感じたのは怒りでも悲しみでもない。


 ただ、友情というものに疑問を持った。それだけだ。


 友情とは何か、と何度もコンピュータのように計算して求めた結果、何もわからなかった。友情というものがさらに信じられなくなっただけだった。


 それからは友達作りなんて面倒になり、いなくて困るなんてこともないので、気にしなくなった。


 ほ、本当だぞっ! 俺は嘘はつかないんだぞっ!

 なんたって俺は、冗談を言うような親しい関係はあまり持っていないからな。……言ってて悲しくなってきた。


 だが、周りとの関係を気にしなくなったのは事実だ。それから俺は家族や友人以外の人間と関わることは極端に減っていった。心に大きな壁……いや、大きな溝と言った方が正しいか。人を観察してその人にあった溝を作り、寄せ付けない。これが俺のやり方だ。


 まあ、何故こんな話をしているのかというと、


「お主、聞いておるのか?」


 目の前の眼鏡をかけたイケメンが仁王立ちしながら俺を睨んできている。

 こいつこそが唯一俺が友人といえる存在なのだ。


 名前は富山成雅とみやまなりまさ。二、三ヶ月見ないうちに、性格が大分変わっていた。

 俺がここに転校してくる前までは内気だが少しだけ勇敢な少年だったと記憶していたが何故か痛い人になっている。


 どこの、ビフォーでアフターな大改造だよ。全っ然嬉しくねえ。むしろ性格に関しては、アフターよりビフォーのほうが絶対にいい。あの内気だったころの坂本が懐かしい。内気すぎて俺以外としゃべらない奴だったが。


 というかこいつ、学校内で中二病さらして恥ずかしくないのだろうか。俺なら軽く不登校になるレベルだぞ。


 と、軽く現実逃避していたわけだ。


「お、おう。で、何の話だ?」


 俺は成雅になんの話をしていたのか質問する。現実逃避していたのだから、聞いていなくても仕方がないだろう。だから俺は何も悪くない。


「やはり聞いていないではないか!? ……我が今作っているゲームがチュートリアルまで出来たのだ。その名も……《オクペイションワールド》ッ!」


 まんまじゃねえか。まあ、他の作品のパクリよりは断然マシだが。


 こいつは昔からゲームを製作したり、小説を書いたりするのが好きだった。すべて駄作だったが。どうでもいいけど、俺駄作って二回言ったな。大事なことなのだろう。多分。


横山裕義( よこやまゆうぎ)殿、テストプレイ、してくれるか? 頼むっ!」


 こんな俺にも、頭を下げて頼み込んでくる友人がいる。そう思うと胸の中が熱いものを感じた。

 答えなんて決まってる。俺は―――、




「却下、断る、無理、出直して来い……やっぱ出直さなくていい。二度と来るな。」




 成雅の頼みを、全力で切り捨てる。


「ぐぬぅ、何故だ!」

「お前のゲーム、面白くないじゃん」


 いや、だって駄作だよ? いくら俺が無類のゲーム好きでもクソゲーは嫌だよ。


「ふ、ふむ。具体的にどこが面白くないのかご教示願おうか」

「ストーリーがメチャクチャだ。チュートリアルまでは傑作だったりするんだが、そこからは計画なんてなかったかのように明後日の方向に話が吹き飛んでいく。だれがこんなものを面白がってやるんだっつの」

「げふぅ!」


 俺の鋭い言葉の刃が、富山成雅を襲う―――ッ!


 成雅が体を大きくのけ反らせ、拒絶反応を示す。効果は抜群みたいだ。


 いい気味なのでもっとやろうかと思ったが、流石にこれ以上はやめておいた方がいいだろう。


 坂本はどうにか体勢を立て直したようだ。よほどショックだったらしく鼻息は荒く、胸を押さえている。


 駄作なのは本当のことだし仕方がないだろう、慈悲はない。それに友人には嘘をつきたくないからな。こいつもそんなことされるくらいなら酷評される方がマシだろう。

 だが俺は優しいからこれ以上は言わない。ショック死されたら面倒だ。

 しばらくすると立ち直ったらしく、


「しかし今回はちゃんとしたストーリーを作ったぞ! しかも妹からもオーケーをもらえた!」


 フハハハハハハ、と高笑いしながら自慢げに、そう話してくる。その姿は、本当に楽しそうだ。

 成雅は、自分の気持ちを誰かに伝えたい、それで心を動かしたい、ということを本気で思っているようなやつだ。酷評でも、評価してくれたことが嬉しいのだろう。


 全く、俺にはできた友人だよ。

 ……創作の才能が壊滅的なのと、重度のシスコンなのを除いて、だが。


「お前がそこまで言うなら試してやるよ。これでも俺は、自称一流のゲーマーだ。簡単に合格点が取れると思うなよ?」

「もちろんだ」


 唯一の友人が、それを一生懸命作ったのだ。それに、俺が応じなくてどうする。と思い、俺がそう言った時、




『緊急事態!現在、校内にいる生徒は速やかに避難してください。道中、決して不審物に触れないようにしてください。繰り返します。現在―――』


 校内放送がなる。それは、いつものような落ち着いた、聞きやすい声ではなく、ところどころ恐怖で声が上ずり、焦っているのが容易に想像できた。

 室内がざわめく。


 何が起きているのかは俺もわからない。ただ、混乱が脳を支配する。


 ……まてよ、不審物? まさか……


「もしかして……爆弾?」


 俺の最悪な予想を肯定するかのように、一人の女子がかすかな声で、そう呟いた。


 その声が引き金となり、クラスメイトは混乱する。

 やがて混乱は恐怖になり、ショクで気絶するもの、大声で泣き叫ぶもの、現実を受け入れられずに立ち尽くすものなど、クラスメイト達は様々な反応を示す。


 恐怖で自分の顔が引きつっているのが分かる。

 混乱している俺でもこの状況は危険だとわかった。


 全員が冷静さを欠いているいま、このままにしておくと全員死んでしまう。冷静に対処するんだ。混乱したままだと、出来ることもできなくなる。


「お、おい。早く逃げねえと―――ッ!!」


 しかし俺の声は、強烈な爆発音と光によってかき消された。

 全身に強い衝撃と鋭い痛みを感じ、俺は、無意識のうちに声にならない悲鳴をあげる。


 なにかが焦げる臭いにおいがする。それが自分の体が焼ける臭いだということに気づくには数秒もかからなかった。

 俺は死ぬのか? 中学生で死ぬとかマジで笑えねえよ。


 ……もっと、生きていたかった。まだ親孝行もしてねえし成雅にも恩返しをしてない。

 ハハハ、後悔ばっかだな、俺の人生。



 その後、俺は意識は暗闇の中に落ちていった。



 ◇◆◇



 結果、あっけなく二年B組の生徒は死んだ。全員即死だった。

 だが、この時、二年B組の生徒の魂は奇跡的に死んではいなかった。


 その主な原因は、富山成雅。


 基本的に人の妄想や創作物は新たな世界として生成される。俗に言う異世界、というやつだ。


 偶然富山成雅が新たにゲームを作ったから。


 偶然そのゲームがまだ未完成で、不安定な世界ができてしまったから。


 偶然、富山成雅と、なにかしらの関わりがあったから。


 偶然、ゲームの製作者、富山成雅と時を同じにして死んでしまったから。


 いくつかの偶然が重なり、裕義たちの魂は、成雅の製作したゲーム、《オクペイション・ザ・ワールド》の世界に流され、本来ならありえない、異世界への転生を果たすのであった。



 ◇◆◇



《対象の人間性をゲームにインストールします……インストール完了。

 アバター名を〈ユウギ〉に設定しました……

 ユニークオクペイション(職業)を追加します……追加しました》




―――それでは、ゲームを開始します。



 はじめまして、十宮ユウギです。

 初めての作品はVRMMOにしようと思いましたが、異世界転生ものを書かせていただきました。この内容だとVRMMOでもよかったかもしれない、と後悔していますが、書いたものは仕方ない、と思い切って投稿してみました。

 この作品は一週間おきの投稿を目指しています(あくまで目指している)

 こんな駄文でも読んでくださる方、興味を持ってくれる方が居れば幸いです。

 それでは次回も閲覧お願いします。

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