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いつか僕にも花束を  作者: アルーエット
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移動本屋に転職を

魂を売った日から、1ヶ月がたった。

ドルトの胸には疑問がいくつも鎮座している。

何故、自分の命を妹に移したのに生きているのか。

何故、妹に心臓を刺されても生きているのか。

何故悪魔は、妹に心臓を刺されたことを知っていたのか。

そして、本当に不老不死になってしまったのか。

それらを解くには本を読むしかないと信じて、渉猟するもまだ、答えは見つからない。

まだ1ヶ月しかたっていないのだから当たり前だが、ドルトは良しとしなかった。

1ヶ月の間に、気付いたことがあった。

空腹を感じなくなり、食べなくても生きていられること。

眠らなくても差し支えのないこと。

負った傷はすぐに治ること。

息をしなくても苦しくないこと。

など。

その半年後に、髪が伸びないことにも気付く。

手にあった本を全て読み終わると、悪魔についての文献を本屋の力を発揮して、できるだけ集めた。

悪魔に関する童話。

黒魔術の本。

悪魔とは関係のなさそうな民俗学の本。

あらゆる本を読み漁った。

そして、読むのに飽きると自殺を図った。

首吊りもしたし、睡眠薬も飲んだ。頭を逆さにして、町の教会からも飛び降りた。

それでも死ななかった。

本屋の仕事はしつつ、訪ねてくる客に、悪魔についての情報を求めた。

情報を記録し、夜に文献と照らし合わせた。

食事もせず、眠りもせず、ひたすら答えを探し求めた。

そんな生活が5年続き。

町の人たちはドルトに違和感を感じた。

大人といえど、変わらなさすぎではないか?

それに、こんな噂も流れた。

ドルトは食料を買いにこない。もしかして、人を捕まえて食っているのではないか。

それに滅多に外に出てこない。世話係を雇っているわけでもないのに。どうやって生活しているんだろう。

夜、高い所へ登り、飛び降りているのを見た。なのに生きている。

最初は好奇の目で見ていたが、やがて疑念に変わる。


ドルトは化け物なのだ。


ある時に町中で噂になり、店には毎日人が押しかけ、質問攻撃を受けた。

とても居られなくなり、町から離れることを考えた。

そのための計画を練り、実行に移した。

準備には1年かかった。

噂は消えていたが、別の目的で旅に出ることにした。

あちこちを旅し、不老不死についての情報を集める。悪魔についてはもうどうでもよくなっていた。

自作の乗り物で移動し、本を売りながら情報を集める。

移動本屋になるわけだ。

それが上手くいくかどうか分からない。

しかし、そうするしか方法はないように思えた。

死を求め、ドルトは旅をすることにした。


サブタイトルが思いつかない。

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