憂いたドルトに黒魔術
両親が死んだ時、ドルトは泣かなかった。
これからは自分が妹を守らなければならない。その使命感の前で泣くことはできなかった。
両親が死んだ日から学校通いをやめ、父の書店を継いだ。
残されたものはそれだけだった。
貧しいながらもその書店だけで自分達子供を養ってきた親に感謝しながら、必死に働いた。
なりふり構わず働くと、時は早く過ぎるもので、3年の月日が流れた。
ドルトは21歳に、妹は19歳になった。
妹は誰もが振り向く美人で、たくさんの男から言い寄られた。しかし、1人を除いて全てはねのけた。
妹は恋に夢中になり、毎日恋人のもとへ出かけた。
その恋人もかなりの美男で、町中の女の憧れだった。
2人の関係は良好。もう少し時間がたてば結婚するだろうというくらいに愛し合った。
でもそれを良しとしない者がいるみたいで。
ある日妹は毒に倒れた。
ドルトはたった1人の家族の死を憂いた。
こんな悲しい思いをするくらいなら、死んだほうがましだ。と。
だが考え直した。
自分の命を妹にやれば。
その考えは最良のものに思え、その方法を探し本を読み漁った。
やがて行き着いたのは黒魔術。
悪魔を召喚し、魂を売ることで願いを叶えてもらう。
ドルトは悪魔を召喚した。
最初は面白くないだろうけど、だんだん面白くなるように頑張ります。