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勝負のとき  作者: eight
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携帯の着信音がなっている。まだ醒めない目をこすり、ふと時計を見るとまだ朝の8時を少し回ったところだった。8時なのにもう暑く、外もかなり明るくなり窓からは蝉の鳴く声が聞こえてくる。布団からやっとの思いで身を起こした前田美穂は電話の相手を見て驚いた。先輩記者の北村徹だった。通話ボタンを押した。

(もしもし、前田か、起きてるか?すまないな朝早くから)

 朝にはあまり聞きたくない声を憂鬱に感じながら携帯から聞こえる声に耳を傾ける。今日は休みの日だった。甲子園の宮崎予選が終わって、忙しく、刺激のない取材も一段落し、久しぶりの休みをもらえたのだった。もう少し寝ていたかったという思いとは逆に「起きています」と答えてしまっていた。たしかに、さっきより眠気はなくなっていた。

(そうか、起こしたら悪かったと思ったからな)

「いえ、大丈夫です。それより何かあったんですか?」

(あったもなにもお前には大ニュースかもしれんな)

 すこし心臓が早くなった。そもそも北村から電話がかかってくるというのが珍しい。

「大ニュースってなんですか?」

(高野連が北方高校、延岡南高校、延岡北高校の連合チームを認めた。)

 携帯を耳に当ててまま美穂は心臓の動きが早くなるのを感じた。また、あの自分の記者としての熱意を引き起こす左腕の投球を見ることができる。記者という職業に自分との適合性を考えていた美穂はその考えがつぎつぎに払拭されていくのを感じた。

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