第七章 青いリボン
トミーはその晩、病院に泊まった。彼は大丈夫だった。軽い酸欠程度で。
リジーは盛大なお帰りパーティーをトミーのために開いた。彼女はアニーと僕と彼女のたくさんの人形やぬいぐるみを呼んだ。
トミーは喜んでいた。まぁこれが自分のお誕生日パーティーだと勘違いしているようではあったが。
以後、リジーはトミーにすごく優しくするようになった。彼女は彼に自分の持っているすべてのおもちゃをわけてあげて、より忍耐強くなった。そしてもちろん、絵の事は完ぺきに許してあげた。
リジーはトミーとたくさん時間を過ごしたが、わけありそうな感じで自分の部屋で一人で時間を過ごすこともあった。
一週間後ぐらいに、リジーの絵画コンテストの日が到来した。僕たちは僕も含めてみんなリジーの幼稚園に行った。いや、本当は僕は行っちゃいけなかったんだけど、後部座席に忍び込んだ。
僕たちはリジーが絵がないことをまったく悲しんでいないことに驚いた。それか、もしかしたら秘密で僕の絵を書き直したのかもしれない。
すぐにわかった。
「みなさん、ニュートン幼稚園の絵画コンテストへようこそ。みなさんにお会いできて光栄です。すべての絵のテーマは『あなたにとって一番大事な人』です。三位には黄色いリボンを、二位には赤いリボンを、一位には青いリボンを差し上げます。どの絵も美しく、創造性豊かであったため、順位を決めるのはとても難しかったです。」とグリーン先生は言った。
そして審判長のスティーベンソン先生がステージに登った。「では、入賞者を発表します。第三位はルイザ・ケインの『私のお父さん』です。」
ルイザはステージに登り、黄色いリボンを受け取った。
「第二位はジョセフ・ブルーノの『ヴィッキー』です。」
ジョセフは親友のヴィッキー・ストーンの絵を描いた。彼は赤いリボンを受け取った。
「そして第一位は…」審判はドラマチックに一呼吸おき、観客をドキドキさせた。「リジー・リチャードの『私の特別な弟』です。」
僕らはみんな歓声をあげた。リジーは照れ臭そうにステージに登った。リジーは青いリボンとベースキン・ロビンズ・アイスクリームショップのサンデーの無料クーポンを表彰された。
「他にもたくさんの素晴らしい絵があります。教室の壁にかかっています。ご自由に見てください。」
僕らはリジーの教室に直行した。そこには優勝した絵が部屋の真ん中に飾ってあった。僕はその絵をうまく言葉で表せない。別に新しいゴッホとかじゃないけど。素晴らしく美しかったり立派であったりというわけでもなかったが。でも…愛に満ちていた。その絵はトミーを特別な風に描いていた。彼がいかに可愛く、かついたずらっぽいかが表現されていた。
リジーはトミーの手を堅く握り、絵を指さした。「ほらね、あれがトミーだよ。」と彼女は言った。「トミーが一晩病院で過ごして、私を死ぬほど心配させてくれたおかげで、私はトミーがとってもとっても私にとって大切だってことを知ったの。」
リジーとトミーは外に出た。僕は彼女らについていった。
「見て、トミー、虹だよ。」とリジーが言った。
確かに、空には大きな虹がかかっていた。「わぁ、きっと一番向こうには宝が隠れてるよ。探しに行こう!」リジーはトミーの手を取り、二人は蝶々たちと一緒に草の丘を走り下りていった。
それは、僕の今までの人生の中で一番可愛い光景だった。