表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームプランナー転生 異世界最強の魔道士は企画職  作者: 自転車和尚
第五章 忘れられた王国編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

253/277

252 沼地の魔女(ウイッチ)

「おーっほっほっほ……よくここまできたな冒険者!」


「えー……ここまできてそう言うキャラかよ……」

 不死者(アンデット)の大群を退けた俺たちは、泥だらけになりながらも沼地を進むこと二時間以上……ようやく沼地の中心部に当たる場所まで到着した俺たちを待っていたのは、小さな小屋とその前に立っている白髪に赤い眼をした俺たちとそれほど年齢が変わらなさそうな女性だった、だが体型は恐ろしくグラマラスで妖艶な印象が漂っている。

 彼女の傍には二本の黒い刀身を煌めかせた大剣(グレートソード)を地面へと突き刺したまま動かない白骨の巨人が膝をついており、その前に立って腰に手を当てて沼地の魔女……モーガンが仁王立ちしている。

「随分汚い格好ではあるが……それでもまあ、お前らがこの王国の冒険者であることには変わりないな?」


「俺の名前はクリフ・ネヴィル……冒険者夢見る竜(ドリームドラゴン)のリーダーだ、お前がモーガンか?」


「いかにも……私が沼地の魔女(ウイッチ)モーガンだ。待っていたぞ強い魔力を持つものよ」


「待っていた? 俺を?」


「いかにも……貴方、私と手を組む気はない?」

 モーガンは手招きするような仕草で俺に向かって手を伸ばすが、どう言うことだ? 俺は訳がわからないと言う表情で彼女をみるが……急に俺の周囲に一瞬不可視の魔力がたちのぼるが、俺の体に絡みつくといきなりバシッ! と弾き飛ばすような音が巻き起こり、俺は慌てて防御姿勢をとる。

 こいつは……混沌(ケイオス)の魔獣鬼火熊(ジャカベア)が使う相手を無力化する調和(ハーモニー)か? 先制攻撃に近いこの能力が無力化されたことで、軽く舌打ちをするモーガン。

「……調和(ハーモニー)が効かない? どう言うことだ?」


「……話し合いって雰囲気じゃないよな? これは」

 俺の言葉にアイヴィーやロラン、仲間たちが一斉に武器を構える……能力が無効化されたことを認識したモーガンは、舌打ちをしながら何か不思議な言葉をつぶやく。

 それに呼応して、彼女の背後に控えていた白骨の巨人……いやこの場合は巨人(ジャイアント)を白骨化させたようにも見えるその怪物がゆっくりと立ち上がっていく。

 その姿は大荒野で戦った単眼巨人(サイクロプス)に匹敵するほど巨大で威圧感のある姿をしており、どう言う原理かわからないがまるで操り人形のように不可思議な関節の動きを見せながら俺たちへと向かってくる。


「ハハハハッ! 外縁部にいた不死者(アンデット)は私の用意した駒の中でも最弱っ! 私の護衛を任せているのは西方で倒された森巨人フォレストジャイアントを蘇らせた最高傑作である巨人兵士(スパルタン)に滅ぼされるがいいわ!」

 雄叫びと共に巨人兵士(スパルタン)と呼ばれた巨大な不死者(アンデット)が、地面に突き刺さっていた二本の大剣(グレートソード)を振り上げ薙ぎ払おうとするが、その攻撃を前衛として出ていたアイヴィーか身を翻して回避し、ロランは大盾(タワーシールド)を使って受け流すと俺に向かって叫んだ。

「クリフ! モーガンを止めろ!」


「え? って逃げてるぅ?!」

 モーガンの方を見ると、魔女は身を翻して走り出しており、小屋へと逃げ込もうとしているところだった……なんて逃げ足が早いんだ……だが、どうやら巨人兵士(スパルタン)は自律的に動かせるようで、彼女が逃げている間もアイヴィーとロランに向かってギクシャクとした動きで大剣(グレートソード)を振るっており、その援護にアドリアは支援魔法をかけ、ロスティラフは複合弓(コンポジットボウ)を相手に射掛けているが、その矢が体に突き刺さっても大したダメージにはなっていない。

「クリフ! 追いかけよう!」


「ああ、逃すわけにはいかない……!」

 ヒルダが接近戦用の小剣(ショートソード)を鞘から引き抜き、走り出したのを見て俺も慌てて追いかけていく。

 身軽な彼女は俺よりも数歩先を駆けていくが、モーガンは小屋の中へと走り込むと、そのまま部屋の中へと姿を消していく……これは? 何か違和感がある……なんとなく嫌な気持ちを感じて俺は一瞬戸惑うが、ヒルダが勢いのまま小屋へと飛び込んだのを見て、仕方なしに小屋の中へと飛び込む。

「ま、待て! なんかおかしい……ああ、くそっ!」




「……何?! 何か……おかしい?」

 モーガンを追いかけてクリフとヒルダが小屋の中へと飛び込むのと同時に、あたり一体に軽い振動と強い魔力の収縮を感じ、アドリアは背筋がゾッとするような感覚に見舞われる。

 目の前では巨人兵士(スパルタン)がアイヴィーとロランの攻撃を、大剣(グレートソード)を使って受け止め、人間には不可能な関節の動きを見せながら攻撃を繰り出しており、正直他に気を取られている暇もないのだが……。

「むぅ? あの小屋が……!」


「あれは……」

 ロスティラフの言葉にハッとしてクリフたちが駆け込んでいった小屋を見ると、そこにあったはずの小屋がまるでオーロラのように揺らめくのが見える……強い幻覚とも言える力で小屋だと認識させられていたが、その本当の姿を見せ始める……それはあまりに強い魔力と混沌(ケイオス)の力による空間の亀裂となって現れた混沌の門(ゲートオブケイオス)と呼ばれ、古代の魔法使いたちが研究を重ねていた異界への入り口……伝説の迷宮の入り口が広がっている。


「もしかして星幽迷宮(アストラルメイズ)……? まさか……モーガンは最初からそこに逃げ込むつもりで……」

_(:3 」∠)_ モーガンさん(年齢不詳)の高笑い


「面白かった」

「続きが気になる」

「今後どうなるの?」

と思っていただけたなら

下にある☆☆☆☆☆から作品へのご評価をお願いいたします。

面白かったら星五つ、つまらなかったら星一つで、正直な感想で大丈夫です。

ブックマークもいただけると本当に嬉しいです。

何卒応援の程よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ