15-10
次に目が覚めた時、ノゾミはメドウスの背中にいた。あたたかくて意外と大きい背中は、ノゾミを安心させた。
ラトルの声が聞こえた時、ノゾミは自分でも意外なほどホッとした。嬉しかった。
メドウスのインカムは砕かれてしまったが、機能が完全に停止する前に、なんとか本体の石化は解けていた。通信が間に合い、サブのラトルは本体と同期をとることに成功した。
メドウスはノゾミをおぶったまま、彼女の船へと向かう。ベッドに寝かせ、ラトルが治療を始める。
「すみません。ここの設備では、足を接合することまではできませんでした。一度ちゃんとしたところで見てもらわなきゃいけませんけど、残念ながら義肢を使うことになると思います」
ラトルが申し訳なさそうに言う。
仕方ない、あのケガだ。
メドウスのほうが泣きそうな顔をしていたので、ノゾミは笑顔で抱きしめて欲しいとねだった。
グレンは既にこの星から出て行った。
ノゾミとメドウスはもちろん、ラトルまでもが、グレンを追うつもりだった。
三人の意見は、珍しく一つの文句も出ずに一致した。
とりあえずは一度ベーメンに戻り、準備と別れを済ませる。
遠い遠い場所だと聞いていたメドウスは、もう二度と戻れないのだろうと思っていた。
不安がないわけではないが、何よりもノゾミを守りたいという気持ちが先にある。
師の墓に別れを告げ、ディーコンだけに事情を伝えた。
グレンは、グレン・ダンジグは去った。
女王レイナは残っているが、その命を実行するものはいない。バルサラの願いは、成就したのだ。
想定した形とはだいぶ違うけれど、この星は本来の形を取り戻したのだ。
ノゾミはとにかく気が重かった。
この星へ、マニフィコへ来るために、色々とよろしくないこともして金を集めている。
二度と会うこともないと思っていたあの男に、たった数か月でまた仕事を頼まなくてはならないとは。
それでも、前へ――
約二週間後、モンジベロの複数の漁師から、クェルノ島付近で空へ向かう火柱を目撃したという報告が入った。
読んでいただき、ありがとうございました。
この物語はここでおしまいですが、第二部も後日投下予定です。
そちらもよろしくお願いします。




