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96話 ソフィーの誕生日後編(ビームライフル大会)

「題してビームライフル大会!」


(あれ?2回言った……)


「パフパフドンドン」


(えっ口で鳴り物をまねたね……とうさん何考えてんの?)


「え~これからルール説明の前に、ここのBBQの道具をかたずけます」


「「えっ!」」


俺とミオンが思わずそう叫び、とうさんに抗議しようとしたが、

 

 他のメンバーはすでに片付け始めていたので、慌てて俺とミオンも片付けに加わ

った。


 片付けが終わり、ルールー説明を……説明を……かあさんがする。


(なんで、とうさんが説明しない)


 かあさんの説明では、赤と青に別れお互いの陣地にある旗を取り合うのが基本だ

そうで、まず裏庭の端にそれぞれ赤と青の旗を立てる。


 その周り直径1mの円を描く、そこがそれぞれの陣地となる。


そして、その中間に大きなタライが2個置いてあった。


そこには、それぞれ右のタライに赤色の水と、左のタライに青色の水が入っていた。


 さらに、旗を取り合いするために使用する武器!?ってのが、ポンプ式の水鉄砲?


 つまり、水鉄砲を使ってサバイバルゲームをするらしい。


赤と青の陣地の距離およそ100m、その中間にあるタライはそれぞれの給弾所だそうで、

給弾中は無敵って言うか敵の攻撃は受けない(当然給弾中の攻撃もできない)そうだ。


 それと、自陣を守る人には盾(発砲スチロール製)を持つことが許され、それで

敵のビーム(水)を弾くことができるが、盾はその陣地の旗の周りに書かれた半径

1mの円内のみ使用を許される。


旗を先に取るか、敵を殲滅すれば勝ちとなるとのことだった。


 ただ、ソフィーはこういうのは不向き(お姫様だから)なので、見学することに

なり、人数の関係で俺もメンバーから外してもらった。


(よかった……)


 俺とソフィー以外の面々は、やる気十分鼻息が荒い。


 参加メンバーは以下の通りとなる。


セイア父、シノブ、アイーシャさん、ミオン、これが青チームで、セイア母、ゲキ

、クレアさん、エドナさんが赤チーム。


 次いで参加者は、白いTシャツと白い半パンに着替える。

これはビーム(色付きの水)が当たったのを確認しやすくするためらしい。


 因みに審判は時田さんが、かって出てくれた。




◇◇◇◇◇





参加者全員が着替え終わり裏庭に出て来ると、チームに分かれてしばし、作戦タイム。


 俺とソフィーは大使館の建物2階に上がり、窓を開けて皆の戦いを観戦することにした。

 

 「それではご準備よろしいですか?」


そう言う時田さんに皆が頷くと、時田さんが手を上げ


「はじめ~!」


と上げた手を降ろすと同時にホイッスルを吹く。


”ピー”


 始まると同時に、とうさんとシノブが真ん中の給弾所を越え、赤チームのエリア

に攻め込んだ。


 それを迎えるゲキ。


”ビシュー””ビシュー”


 とうさんと、シノブの攻撃をひらりとかわしたゲキが応戦し、とうさんを狙うも……


”ビシュー”


それを とうさんがひらりとかわし、ゲキに言う。


「正確な射撃だ。それゆえコンピュータには予想しやすい。」


(?どこかで聞いたようなセリフ)


とうさんのセリフにそう思う俺。


そして、再びゲキに対し、シノブと とうさんの猛攻が続く


”ビシュー””ビシュー””ビシュー””ビシュー”


”ビシュー””ビシュー””ビシュー””ビシュー”


それをことごとくかわすゲキ。


そして2人は弾(水)切れをおこし……


「ええいっ!!戦わずして後退か!!」


と言う、とうさんのセリフと共に、2人して給弾所に入った。


 一先ず、とうさんとシノブの攻撃をかわし、ゲキがホッとしたその時だった。


青チームの給弾所付近の植え込みに隠れていたアイーシャさんが飛び出し、ゲキを襲う。


”ビシュー”


「しまった!」


アイーシャさんの一撃をゲキがとっさにかわすが、わずかにゲキの脇腹にビーム

(水)が当たり……。


”ピー”


「下峠様!一抜けてください」


と時田さんがゲキに言った。


ゲキが倒され、士気が上がる青チーム。


 給弾を終え、アイーシャさんと合流した とうさんとシノブが、赤の陣地を守る

クレアさんに3人で迫るが……。


 その時、赤陣地の右側の植え込みから、赤いビーム(水)が、とうさんとシノブ

を襲った。


”ビシュー””ビシュー”


とうさんと、シノブの足にそれぞれ赤いビーム(水)が命中し……。


「ちぃー」


「Shit!」


”ピー”


「お坊ちゃま、大鷲様、一抜けてください」


と時田さんが言った。


陣地付近の植え込みに隠れていたエドナさんの攻撃だった。


その光景に青の陣地を守っていたミオンが浮足立ち


「おじさん、シノブ何やってるの!」


と言いながら少し陣地から離れたその時だった。


青色陣地左側の植え込みから、何かが飛び出してきた。


「えっ!」


とミオンが振り返り、ライフル(水鉄砲)を向けるより早く


青い旗を奪い、うちの かあさんがにんまり笑って立っていた。


「えっうっそ~ん」


”ピー”


「勝者、赤チーム」


ミオンの嘆きに無情にも時田さんの笛が吹かれ勝利宣言された。




◇◇◇◇◇





二回戦


 うちの とうさんと かあさんを入れ替える。


今度は、とうさんが赤チームで、かあさんが青チーム。

他のメンバーはそのまま。


「はじめ~!」


”ピー”


時田さんの合図で第二回戦が始まった。


 とうさん率いる赤チームがまたもや攻める。


 とうさんと、ゲキ、エドナさんが真ん中の給弾所を越え、青チームのエリアに攻め込む?さっきと似た戦法だが……。


 ただ、エドナさんはそのまま赤い水が入ったタライ、つまり赤チームの給弾所に

留まる。


 とうさんとゲキが陣地を守るミオンに向けビーム(水)を連射する。


”ビシュー””ビシュー””ビシュー””ビシュー”


それを必死で盾(発砲スチロール)で弾くミオン。


”ビシャ””ビシャ””ビシャ””ビシャ”


「あっもー!」


盾でビーム(水)を弾いているが……正直言ってミオンは水浸しの状態。


(ルール上これはノーカウントだけどね)


 そこにシノブが駆けつけ応戦する。


”ビシュー””ビシュー”


弾切れを起こした とうさんはすぐさま給弾所にいるエドナさんにカラの銃を渡すと、エドナさんは自分の銃をとうさんに渡し、カラの銃に水を詰める。ゲキの弾切れも同じようにして、絶え間なく、ミオンとシノブにビーム(水)を叩き込む。


”ビシュー””ビシュー””ビシュー””ビシュー”


 その時、青の給弾所付近の植え込みに隠れていたアイーシャさんが飛び出し、それに気づいた とうさんがアイーシャさんを追撃。赤の陣地付近で打ち合いになり、


”ビシュー””ビシュー”

”ビシュー””ビシュー”


陣地を守るクレアさんも加わり、3つどもえの打ち合いが始まった……。


”ビシュー””ビシュー””ビシュー”


 その時またもや、赤陣地付近の植え込み(先ほどエドナさんが隠れていた所)から影が飛び出す……。


って……かあさんだった。


 そして、先程と同じように赤い旗を奪い満面の笑みでピースサインする かあさん。


”ピー”


「勝者、青チーム」


無情にも時田さんの笛が吹かれ勝利宣言された。


(さっきもそうだけど……かあさん……1発も撃ってねぇ~よね)




◇◇◇◇◇





三回戦


 またもや、うちの両親がチームを交代する他のメンバーは同じ。

今度は1回戦と同じで青が、とうさんで、赤が、かあさん。


 表向き、赤と青1対1のイーブンだけど……いずれも、かあさん居た方のチーム

が勝ってるわけだが……。


「はじめ~!」


”ピー”


時田さんの合図で第三回戦が始まった。


 とうさん今度は余程考えたのか、攻撃ではなく守りに徹するようだ。


 陣地にいるミオンの前に、とうさんが真ん中で右にアイーシャさん、左にシノブ

で、お互い離れて左右と真ん中をそれぞれ受け持って守るようだ。


 そして、銃を構えるが、ミオンを含め4人は決して自らは撃たないようだ。


 すると、赤チームはゲキとエドナさんが真ん中の とうさんの方に近づき、

2人掛かりでとうさんを狙う。


”ビシュー””ビシュー”


「ふん、甘いな~」


と体を捻り避ける とうさん。


”ビシュー””ビシュー”


「ド素人め、間合いが遠いわ」


と右足を上に上げて避ける とうさん。


”ビシュー””ビシュー”


「当たらなければどうということはない。」


ジャンプして避ける とうさん。


 だが、次第に とうさんの動きが鈍くなってくる。


そして、6発目のエドナさんが放ったビーム(水)が、とうさんの胸に当たった。


”ビシュー”


「直撃だと!」


とは言うものの、正直、息切れし”はぁはぁ”言っていた。


”ピー”


「大鷲様、一抜けてください」


 だが、青チームは余程、かあさんの動きを警戒してか、シノブもアイーシャさんもその場から動かなかった。


 それを見てか、ゲキとエドナさんの影に隠れていた かあさんが飛び出し、とうさんが居なくなった中央から青チームの陣地に攻め込んだ。


「えっ!」


慌ててミオンが、かあさんに向けビーム(水)を撃つが、かあさんはミオンが持つ銃の反対側、つまり盾を持った方に回り込みミオンのビーム(水)を避け、陣地の旗に飛び込む……。


ミオンもすぐさま右側から回り込んで再度ビーム(水)を撃つが……。


 間一髪、かあさんが旗を取る方が早かったようだ。


”ピー”


「勝者、赤チーム」


 またもや笑顔で旗を持ちピースサインをする……。


その後、俺はゲキとシノブに


「「お前の母親(mum)は化け物か!」」


って言われた……。


(バケモノって……うちのかあさんは、ただの主婦です)




◇◇◇◇◇





 ゲーム終了後、参加者全員大使館のシャワーを借り、着替えて皆で、客間に集まってお茶を頂きながらエドナさんが作ったソフィーの誕生日ケーキをいただく。


 ゲキとシノブはなぜか、うちのかあさんにいろいろ質問をしてるようだ……。


「って言われても……ただ、私は勝ことより生き残ることを心掛けてるだけで……」


とたぶんゲームのコツを聞かれ、かあさんが2人に言ったのだろう。


「そうね、サバゲイのコツは……かくれんぼよ」


「「かくれんぼ!!」」


「そう、敵に見つからず、ひたすら隠れて生き残ること」


かあさんの意外な言葉に絶句するシノブとゲキだあった。


?……ってさ、今日は確かソフィーの誕生会だよね。


なんか、全然ソフィーのためになっていないような。


なんか、うちのとうさんのわがままって言うか……うちの かあさんのワンマンショーになってないかい?これ。


大鷲家では、これで良いのかもしれないが……。


そんなことを考え苦笑する俺であった。








お気づきだと思いますが、「ガ○ダム」のセリフが随所に入っています。それと、時田さんのセリフ

「○○様一抜けてください」も実は無敵鋼人ダ○ターン3の有名な執事さんのセリフです。

 また、劇中の「ビームライフル大会」は、豆ごはんが5~6年前の夏河原でBBQした時に実際やりました(水の色は変えてませんが)……しかし、参加者に幼い子供が多く、ルールーを理解してもらえず、結局、水かけ大会になってしまいました(悲)


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