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94話 海水浴

 7月に入り、期末テストも終わった。

プロキシ オートマトンのお陰で、テストの成績は皆かなりいいはずだ。


 何故かって?それはプロキシ オートマトンは俺達の代わりに経験したことをす

べて記憶している。したがって、授業の内容もバッチリ記憶していて、その記憶が

バッチリ俺達の頭に反映されているからだ。


(便利な道具だな……)



 現在、元ケンタウロスの砦を俺達の基地化も急ピッチで進んでいるところではあ

るが、まだもう少し掛かりそうだ。


 また、俺達が電風の丘ダンジョンで、魔王軍(オブリヴィオン)を退けてから、他の3つのダン

ジョン付近の魔王軍(オブリヴィオン)が姿を消したとの報告も上がっている。


今の所、魔王軍(オブリヴィオン)を倒した電風の丘ダンジョン以外の永久凍土の監獄ダンジョン

、炎毒の谷ダンジョン、冥界のオベリスクダンジョン付近んで戦ていた各国の軍

はその場に留まり各ダンジョンを監視するそうだ。

 また、電風の丘ダンジョン付近の砦で魔王軍(オブリヴィオン)と戦ったイーシャイナとデロス同

盟軍は、ダンジョンの結界復旧までは、その戦力の半分を残し、ダンジョンの監視

をするそうだ。


 なので、もうしばらくはこっちにいる。


 こっちにいるなら……夏はやっぱり……”海水浴”てことで皆で海水浴に行くこ

とになった。


(当然言い出しっぺはミオンだけどね)


 経費(ゴブリンを倒したときの金)で、異世界組の水着を買うことに。


 今、ミオンを中心に女性陣が水着を買いに行っているところ。


 お姫様のソフィーは当然のことながら、クレアさん、エドナさん、アイーシャさ

ん達も海水浴はしたことがないようで、初めての海水浴にテンション高めだった。


(魔物がでる海では泳げないよね)




◇◇◇◇◇





海水浴当日、当初、俺やミオン、シノブの3人はバイクで行くつもりだったが…

…後ろにソフィーを乗せて……でも、それだとゲキ達の足がない。


 当初俺達がバイクで行くって言ったら、ゲキ、クレアさん、エドナさん達は馬で

行くって言いだして……。


(馬って……海水浴場の駐車場に”馬”は預けられないっしょ)


 そこで、時田さんが、マイクロバスを出してくれることになった。


 一旦、それぞれの家からバイクや”馬”でンドワン国の大使館に集合し、そこか

らマイクロバスに乗り海水浴場に出発する。


 バスで移動すること、小一時間(約1時間弱)目的の海水浴場に着いた。 


 バスを降りると、強い日差しと潮の匂いがして、今年も海に来たな~って感じだ。


「う~んやっぱ潮の香りはいいね♪」


とその大きな胸いっぱいに空気を吸うミオン。


「すごい人ですねぇ~」


とエドナさんが言うと、


「こちらの人達は”海水浴”をお楽しみになる習慣があるようですね」


とすでに浜辺に居た多くの海水浴客を見て、ソフィーがぽつりと言う。


「さぁ、皆、行くよ~」


とミオンが駆け出すので、俺達も慌ててミオンに続いて海の家に向かった。


 事前に時田さんが予約して(裏から手を回して)いた海の家に行き、早速男女に分かれて水着に着替える。


 当然、俺達男子の方が早く着替えが終わったので、浜辺に指定された場所に向かった。

これも当然、時田さんの根回しで、この場所を抑えてもらったんだけどね。


 因みに、俺は青っぽい生地にアロハシャツのような柄が入ったトランクスの水着

で、シノブは無地のカーキー色の同じくトランクスの水着なんだけど、ゲキは黒の

……ブーメランパンツ……ゲキは泳ぎ重視で水着を買っているんだ。


 浜辺の指定された場所には、8つのビーチパラソルに8つのデッキチェアー(樹

脂製)が置いてあった。


「なんか俺達だけ海水浴ってより、海外のリゾートだな」


って俺が言うとゲキもあんぐりとした顔で頷いていた……ただ約1名シノブだ

けは当然のようにデッキチェアーに腰掛け、すでにくつろいでいた。


「おまたせ~」


「「「「お待たせしました(にゃ)」」」


そこへ、遅れてミオン、ソフィー、クレアさん、エドナさん、アイーシャさん達

がやって来た。


「おお!」


「IT’S A BEAUTIFUL」


「……」


俺、そしてミオン達の声を聞いてデッキチェアーで寝そべっていたシノブが振り返

り言う。そして、ゲキは無言だが心なしか顔を赤らめているようだ。


(主に、クレアさんとエドナさんの方を見て)



 ミオンの水着はピンク色で肩ひものないタイプ。


(胸が大きいのに肩紐なくて大丈夫なのだろうか……)


そして、クレアさんは赤い色のビキニで胸の部分にフリジン(紐状のヒラヒラ)付。


 エドナサンはライトグリーンのビキニだけど胸の肩紐が首でクロスしてるタイプ。


 つづく、アイーシャさん……う……アイーシャさんは紺色のワンピースと言うよ

りも所謂、スクール水着……だろうか。


 そして、そして、ソフィーの水着はと言うと……白いワンピースタイプなんだけど水着の真ん中はぱっくり2つに分かれていて胸の所で紐で結んでいる……そしてそして、背中はバックりえぐられた感じで……お尻!?パンツ部分?がお尻の割れ目ギリギリの水着……(割れ目は辛うじて見えてないようだが)


 俺はソフィーの水着を見て顔を赤らめるというより、あまりの光景に興奮……俺の心の”獣”が目覚めそうになるのを必死で押さえながら我慢していると。


「なに、ソフィーの水着見て反応してるのよ」


”パシッ”


とミオンに思いっきり背中を叩かれた。


 おかげで俺の背中にはミオンの手形がくっきりとついている。


「さぁ泳ぐわよ~」


と俺をしり目にミオンが海に入ろうとすると、


「待て!」


と言いながらミオンを止めた。


「準備体操をしてからだミオン」


そう言うゲキにミオンは一瞬嫌な顔をするが、ここはゲキに素直に従った。


 全員で、ラジオ体操第一をした。……って言っても異世界組はよくわからないみ

たいで、俺達の動きを見て真似てはみるものの、かなり怪しい動きになっていた。




◇◇◇◇◇





 俺とミオンは軽く流す程度で泳いだ。


(背中がまだ、ヒリヒリするが……)


 異世界組のソフィー、クレアさん、エドナさん、アイーシャさんはあまり泳ぎが

得意ではないので、持参した大きな浮き輪でプカプカ浮いている。


 若干2名の男どもは、沖にある筏(泳ぎ疲れた人が休憩できるようになっている)所を目指し、本気でどちらが早く着くか勝負しているようだ。


 勝負の結果は……やはりゲキが勝ったようだ。


(ブーメランパンツは伊達じゃないってことかな)


 俺とミオンは軽く泳いだ後、異世界組と浅瀬に行き、ビーチボールで遊んでいると、勝負がついたゲキとシノブが戻って来て皆の輪の中に入り、続けて皆でビーチボールを楽しんだ。


 一頻りビーチボールで遊び疲れたので、例のビーチパラソルとデッキチェアーが置いてある所に戻ると、チェアー脇のテーブルにすでに飲み物が用意されていた。


(たぶん時田さんだろう)


 ミオン、俺、ソフィー、アイーシャさん、シノブ、エドナさん、ゲキ、クレアさんの順にデッキチェアーに掛けて飲み物を飲む。


「っあ~冷たくて美味しい」


飲み物を一口のんでミオンが言った。


 因みにこの飲み物はブルーハワイ(ノンアルコール)だ。


「そうだな」


と隣のミオンに俺が言った。


「夏にこんな楽しみ方があるなんて……」


とクレアさんが飲み物を見つめながらそう言った。


「本当ねぇ~ここは私達の居る世界とは違い平和だものね~」


とエドナさんが言うと、シノブが人差し指を横に振りながら言った。


「平和なのはこの日本だけだよ~Missエリス」


その言葉に、驚く、クレアさんエドナさん、アイーシャさんにソフィー。


「ああ、シノブの言う通りだ、日本は確かに平和だが、他の国や地域では未だに戦争で何万人と人が死んでいる」


「それは本当ですかセイア様」


そう言うソフィーに俺が黙って頷くと、クレアさんが、ゲキに聞いた。


「その戦争は魔物とですか……それとも……」


ゲキはクレアさんの言葉にただ、首を横に振るとシノブがゲキの代わりに言った。


「人……人間同士の争いでだMissリード」


「そうなんですか……悲しいことですね」


シノブの答えにソフィーが悲しそうに言う。


「そうなんだ、だからある意味、人同士の争い、特に人同士の戦争がないソフィー達の世界の方が人として理想なのかもな」


と俺がソフィーに言うと皆それぞれしんみりとなった。


 その時であった。


”ぐ~ぐぅ~”


とゲキのお腹が鳴った。


「あっ、もうお昼ですね」


とクレアさんがゲキのお腹の音を聞いて少し笑いながら言うと、なぜか皆が一斉に吹き出し、大笑いした。




◇◇◇◇◇





お昼ご飯を食べる前に、お互いの体にサンオイルを塗りっこする。


 俺、ミオン、ソフィーそして、ゲキ、クレアさんエドナさん、最後にシノブとア

イーシャさんそれぞれお互いの体(主に背中だけどね)にサンオイルを塗った。


 因みに、俺は、ソフィーの背中にサンオイルを塗っている時に、またもや俺の心の中の”獣”が目覚めようとするのを必死で抑えたのは言うまでもない。




◇◇◇◇◇





 お昼は、水着に着替えた海の家で食べる。


 俺、ソフィー、ミオンは、焼きそばとおにぎりで、アイーシャさんは、おにぎりの代わりにフランクフルトを付け、クレアさん、エドナさんはラーメンとチャーハンを注文した。


 約若干2名はと言うと……。


 焼きそば、ラーメン、カレーライス、それにフランクフルトに……から揚げ。


 お店の人も2人の食欲に目を剥いていた。


(お前らどんだけ食うんだよ)



「このヤキソーバーと言うのは美味しいですね」


「この香ばしいソース~?って言うのがいいですにゃ」


焼きそばを食べて言うソフィーとアイーシャさん。


「海と言えば焼きそばだよね~」


とミオンも笑顔で言う。


「そうだな……俺もそう思うけど、人によってはラーメンと言う人もいる」


と俺がミオンに言うと、


「そーかな、私は焼きそばだけど……ゲキはどう思う?」


とミオンに急に振られたゲキが、すすっていたラーメンにせ。


「ぐっふっ……俺は両方だミオン」


と噎せながらもそう言うと


「カレーライスもGoodだよMissシラトリ」


とすでにラーメンを食べ終え、カレーライスを食べながらシノブが言った。


「あんたら、2人に聞いた私がばかだったわ」


と少し、呆れ顔で言うミオン。


「そーですねぇ~私としてわぁ~このラウメンが美味しいと思いますけど~」


と笑顔でミオンに言うエドナさんだった。




◇◇◇◇◇





 お昼ご飯を食べ終え、デッキチェアーに寝そべる俺とミオンとソフィー。


(海でこうして寝そべっている時が俺は一番好きだな~)


って、思っていたらすでに俺の横でミオンが寝息を立てて寝ていた。


(寝顔は可愛いんだけどね~)


「ミオン様はお疲れのようですね」


とミオンの反対側に居るソフィーが俺に言った。


「お疲れ~と言うか、こいつはいつもこうなんだよ」


と二人で笑顔で会話しながら、ふと海に目を向けると、クレアさん、エドナさん、アーシャさん達は、海で浮き輪で浮かんでいるのが余程気に入ったらしく、今も浅瀬で3人そろって”プカプカ”浮いていた。


「いいですね~こんな光景~セイア様達は毎年これをしておられるのでしょう~羨ましい」


「羨ましいなら、これからソフィーも毎年参加すればいい」


「えっ、良いのですか~♪」


「良いも何も……俺としてはソフィーと毎年こうしていたいけどな」


と言う俺のセリフにソフィーは顔を赤らめ


「まぁ!」


と言いながら照れだした。


「そこは、毎年俺が海に連れてきてやる~ってセリフでしょうセイア!?」


と寝ていたと思ったミオンが、むくりと起きて俺達に言った。


「へっ、おまえ起きてたの?」


俺は寝ていたと思ったミオンが、起きていたことでソフィーとの会話を聞かれたってことに狼狽える。


そして、急に恥ずかしくなり、顔を赤らめた。


 俺とソフィーが顔を赤らめている中、海ではクレアさん、エドナさん、アーシャさん達は海に”プカプカ”浮き、若干2名の男達は……。


「ウオ―――――! I win!」


沖に浮かぶ筏に上り、右手の人差し指を天に向け叫ぶシノブの雄たけびのような大きな声が聞こえてきた。


(あっ、シノブがゲキに勝ったんだな)











今年の夏は本当に暑かったもんね~。


ところで、豆ごはんは、海やプールでは焼きそば派何ですが皆さんはどうなんでしょう?

私の周りには、ラーメン派と若干ではありますがカレー派もいました。

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