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86話 砦救出作戦2(砦の危機!障壁崩壊)

―――『電風の丘ダンジョン』付近連合軍砦前オブリヴィオン側―――☆



「……まだ落ちぬか……」


”ボソ”っと言うサディコ将軍に部下のアントマンが冷や汗を掻きながら、すまな

さそうに無言で恐縮していると。


「まぁ、よい……それも、もう限界だろうて」


そう言って、連合軍砦から1kmほど離れたオブリヴィオンの前線基地として使っ

ている洞窟で言うサディコ将軍。


そして徐に洞窟内の作戦室の椅子から立ち上がり部下の1人のアントマンに聞いた。


「そろそろ魔物達のエネルギー補給も終わったのであろう?アントマン293よ」


「ギギ」


サディコ将軍にそう言われたアントマンの1人が、将軍に頭を下げて言った。


それを目で見たサディコ将軍は、1つ頷くとこう部下達に命じる。


「これより全軍出陣!人間どもを殲滅する!」


「「「「「ギギ」」」」」


サディコ将軍の言葉に、将軍の側に居た数人のアントマンがそう言って頭を下げた。




◇◇◇◇◇





―――『電風の丘ダンジョン』付近連合軍砦内―――☆



 砦内広場の一角にあるテント内で、二人の男が話し合っていた。


1人は、デスロ同盟国ポリスパルタスの第一軍団長、虎族のベンガル。

もう一人は、イーシャイナ王国第一騎士団長のアラン・マクラーレン。


 虎族のベンガルは見た目、二足歩行のトラで古代ローマ帝国風の革鎧に身を包

んでる身長2mのマッチョな大男。年齢27歳。


 一方アランは、身長178cmで中肉の栗色の髪少しくせ毛で肩までの長さ左目

を髪で隠して中世の金属鎧に身を包んだ実直そうな青年で年齢26歳。


「こう何回も波状攻撃を掛けられると、守りに徹していてもいずれ持たなくなる」


「ああ、いっそ砦の外に打って出でてはどうかなマクラーレン殿」


アランの言葉にそう返すベンガルだが、その言葉にアランは首を横に振り言った。


「いや、ただでさえ、司令官の王子と将軍が居ない今、我々で全軍を率いては戦え

まい」


そう言う、アランにベンガルが、静かに言い返す。


「確かに、我らで全軍は率いられないが、アラン殿の第一騎士団と我の第一軍団で

戦えば……」


と言いかけた時、アランがその言葉に割り込んで言った。


「確かに……貴公の軍団が無傷であればそれも可能かもしれんが、今貴公の軍団は

先の戦闘で半分にも及ばん数に……いくら勇猛果敢なポリスパルタスの第一軍団と

我ら第一騎士団が力を合わせたとしても、も、ワイバーンと新種の不死身の魔物相

手では、どうにもなるまい」


そう言い返すアランにベンガルは口淀み、歯を食いしばり黙っていたが、突然テー

ブルを右の拳でたたき割り、立ち上がって叫ぶ。


「このまま、ここにじっと留まっていても、砦の障壁を張るための魔法円に使っ

ている魔結晶の魔力も後わずかになっておる現状で、しかも、けが人の治療で魔法

士達はそのほとんどの魔力を使い果たし、疲労している現状では……座して死を待

つのと同じだぞマクラーレン殿!」


そう立ち上がって叫ぶベンガルがテーブルを突き破った右拳を胸のあたりにもて来

て、プルプル震えながら更に言った。


「ワシは、ポリスパルタスの戦士として……いや、誇り高き虎族の戦士として、座

して死を待って居るくらいなら戦って討ち死にを選ぶ~!」


そう言うとベンガルはテントを後にした。


 ベンガルがテントを出て行ったのとすれ違いに、伝令がアランの前に駆け寄ると

、膝をついて報告する。


「団長!てっ、敵襲~です!」


「なっ、なに!」


報告を受けて、立ち上がってそう叫ぶアランであった。




◇◇◇◇◇





 俺は、上空1,000mで砦に向かって飛行している。

これは、ワイバーンの飛行高度が500mだと言うことで、奴らに気づかれないた

めにこの高度で飛んでいる。


しばらく、砦付近を飛行していると、砦に向け魔物達が押し寄せて来るのが見え

る。


 俺の遥か下の高度にワイバーン7体が飛行し……地上の魔物おおよそ600体ほ

どか……。


俺 視界をズームして、見て見ると……。


≪名称 ワイバーン≫

≪戦闘力    20,000≫

≪防御力   10,000≫

≪スピード     300≫

≪MP     5,000≫

≪特技   風のブレス(超音波)≫


×7


≪名称       サンダーコング≫

≪戦闘力      90,000≫

≪防御力     60,000≫

≪スピード     2,000≫

≪MP      35,000≫

≪特技   腕力、電撃、ドラミング(超音波)≫


×3


≪名称       マンティス≫

≪戦闘力       2,000≫

≪防御力      2,000≫

≪スピード     2,000≫

≪MP         500≫

≪特技      鎌 高速切断≫


×6


≪名称 ゴブリントロール(強化型)≫

≪戦闘力     4,600≫

≪防御力   10,000≫

≪スピード   1,000≫

≪MP     5,000≫

≪特技   金棒、錆びた槍再生能力≫


×100


≪名称 ゴブリンマジシャントロール(強化型)≫

≪戦闘力     4,800≫

≪防御力   10,000≫

≪スピード   1,000≫

≪MP    10,000≫

≪特技   金棒、初級魔法、再生能力≫


×20


≪名称 ホブゴブリントロール(強化型)≫

≪戦闘力     4,600≫

≪防御力   12,000≫

≪スピード   1,000≫

≪MP     8,000≫

≪特技   金棒、錆びた剣、再生能力≫


×40


≪名称 ゴブリンクイーン強化型)≫

≪戦闘力     6,000≫

≪防御力   20,000≫

≪スピード     500≫

≪MP    20,000≫

≪特技   卵の生産、統率ゴブリン


×4


≪名称 アントマン(オブリヴィオン雑兵)≫

≪戦闘力   1000≫

≪防御力   800≫

≪スピード  100≫

≪武器     顎、酸≫

×500



「?ゴブリントロール(強化型)ってなっじゃこりゃ」


と1人呟く。


 恐らくファルコさんが言っていた新種の魔物ってのはこいつらだろうけど……。

ゴブリントロール(強化型)、ゴブリンマジシャントロール(強化型)、ホブゴブ

リントロール(強化型)いずれも首から上がないトロールの体にゴブリン、ゴブリ

ンマジシャン、ホブゴブリンの上半身が生えており、まるで昔のアニメ、マシンガ

ーXに出て来る敵幹部のピクシー子爵のようだ。


 腕はゴブリン各種の腕とトロールの腕の4本生えているとは言え、たいして戦闘

に有利だとは思えない……しいて言えばゴブリンマジシャンなら、魔法を使うので

多少有利な戦闘ができる……とは思うけど。魔王軍オブリヴィオンの考えがよくわからない

が……とりあえず、俺は見えたデーターをソフィーに念話で送り、それを受けたソ

フィーが各人に無線で知らせた。


 ミオンの見解だと……特撮の悪の組織がよくやる、過去の怪人を合成したり強化

したりするパターンではないか?と言うのだが……。


 それにしては、オリジナルのダンジョンの魔物の方が戦闘力があるし、ダンジョ

ンの魔物は改造されていないのは、解せないが……。


 それは兎も角、俺はワイバーンを倒すため高度を落とした。




◇◇◇◇◇





―――『電風の丘ダンジョン』付近連合軍砦内―――☆



「各隊に伝達!イーシャイナ王国第ニ騎士団~第五騎士団の弓隊並びに投げ槍隊及

び魔法士隊で動けるものは砦城壁上部にて、ワイバーンの攻撃に当たられたし」


「はぁっ!」


アランさんの命令にイーシャイナの伝令が返事をすると、そのままテントを後にし

て出て行った。


それを見送ったアランさんは、ポリスパルタスの伝令に向き直り、こう言った。


「我、第一騎士団はポリスパルタス第一軍団を援護すべくこれより砦を出て、地上

の魔物達を迎え撃ちまする、願わくばポリスパルタスの各軍のご加勢願えないたい

と。」


「承ったでございます」


そう言って、ポリスパルタスの伝令を見送ってから、テントを出て、外に居た第一

騎士団の部下たちに向かってこう言った。


「第一騎士団はこれより砦を出る!」


「おう!」


アランさんの言葉に、大勢の男たちが剣を抜いて天にかざしながらそう叫んだ。




◇◇◇◇◇





―――『電風の丘ダンジョン』付近連合軍砦前オブリヴィオン側―――☆



「ほう、あの虎の奴の部隊か……」


とサディコ将軍は呟くと、すぐさま思念波を魔物達に送った。


≪ゴブリントロール20体及びホブゴブリントロール10体とアントマン100体

敵前衛部隊を殲滅せよ≫


その命令に魔物達が砦の前で部隊を展開しているベンガルさん率いる第一軍団に襲

い掛かた。


 交戦状態を見届けたサディコ将軍は次に別の命令を出す。


≪サンダーコング、ワイバーンに次ぐ砦障壁を破壊せよ≫


この命令を受け、3体のサンダーコングが砦に向け口から電撃を吐き、ワイバーン

7体もそれに合わせるように空中からブレスを吐いた。


サンダーコングと、ワイバーンの吐いた電撃とブレス(超音波)を受け砦に張られ

た魔法の障壁が揺れる。


それを見たサディコ将軍は、続けてサンダーコングとワイバーンに命令をする。


≪もう一息じゃ、攻撃をつづけろ!≫




◇◇◇◇◇





―――『電風の丘ダンジョン』付近連合軍砦内―――☆


 砦の障壁の魔法円を管理している魔法士が叫ぶ。


「だめだ!魔水晶の魔力がほとんど切れかかってる!もう魔法円が維持できんぞ~

!」


その叫びと共に、3度目のワイバーンとサンダーコングの攻撃を受けて、ついに砦

の障壁が破られた。


”バリバリバリ~”


サンダーコングの電撃とワイバーンのブレス(超音波)がついに砦の障壁を破り、

砦城壁にぶち当たる。


”バリバリバリ~””ドスーン”


大きな音と衝撃で砦城壁が揺れ、城壁上部でワイバーンに対し、弓や槍、魔法攻撃

をしていた兵士数人が城壁から落ちた。


 城壁は深く削られはしたが、穴が開いたわけではなかった。


「しかし、次の攻撃で……」


と城壁上部でワイバーンに向け弓を向けていた兵士の1人が呟いた時、同じく弓を

構えていた隣の兵士が言った。


「なんだ?あれは……鳥か……鳥人族か?」


その言葉に


「いや、そんなスピードで飛べる鳥人族はいないぞ!」


上空を猛スピードでワイバーンに向け降下する何かを呆然と見つめる兵士達であった。



 

本文で言う『マシンガーXに出て来る敵幹部のピクシー子爵のようだ。』

は、ご存じマジ○ガーZに出て来るピグマ○子爵のことです。

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