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79話 電風の丘ダンジョン15(風亜人)

今回ご迷惑かけたんで長めです……

って結局いろいろ入れてしまったのが本音です。





アップルツリーマンから、報酬の”魔力の実”20個を受け取り、意気揚々のミオン。

取りあえず、受け取った”魔力の実”は、シノブの背負っているマジックボックス小

に仕舞いこみ。先を急いだ。


 ちなみに、この”魔力の実”は見た目はリンゴそっくりだが、俺達の知るリンゴ

より、艶やかで、赤々としている。まるで、サンプルで見る塩化ビニール製の見本

のようだし、重さは殆ど感じない。フェリクス王子の話だと、これを一口かぶりつ

くと、一気に体内に魔力が入ってくるそうだ。同時に実は”ぼわっ”と消えるとか

…… ただ、通常の人はこれを直に食べたりしないそうだ。なぜなら、通常一般の

人は魔力があると言っても、1000MPも持っていない。せいぜい数百程度だそ

うで、そんな人がこれを食べると一気に過剰な魔力が、体内に入り過剰魔力状態に

なり魔力酔いを起こしてしまうらしい。そのためこれを薄めたエーテル錠を使うの

だとか。


 それはさておき、アップルツリーマンから別れてしばらく歩いていると、大きな

岩で出来たドーム状の建物?が見えてきた。


「あれは、なんだろうね」


と尋ねるミオンにフェリクス王子も首をかしがながら、


「何かの入り口でしょうか?」


と言った。そんな2人にシノブがドームに向かい走りながら声を掛ける。


「兎に角行ってみようじゃないか」


1人先に走り出すシノブを俺達も追いかけた。




◇◇◇◇◇





例の眼鏡を掛けて、そのドームの入り口らしき、高さ1.6m幅6mの大きな石

板横に書かれている古代文字を読む。


「入口上部にある円盤の針が一周する間に、入口にある溝迷路の左から棒を通し、

右にある穴に刺せ……What?」


古代文字を読んでシノブが意味が分からないのか、考え込むと、横からミオンが入

り口らしき石板の溝の模様や、上にある針付の円盤などを丹念に見てから、俺にこ

う聞いてきた。


「これってさ、ひょっとして……電○イライラ棒……じゃない?セイア」


ミオンにそう言われ、俺は改めて入り口と思わしき石板を改めて眺めて、


「そーいや、似てるかな?」


と言うと、シノブもそれを聞いて改めてマジマジと眺め直し、


「OH!ゲームでやったことあるよMissシラトリ」


と言うシノブに、ミオンは自慢げにシノブに言い返した。


「でも、知ってる?このゲームって、元々日本のバラエティ番組でやってたのが元

だって」


ミオンのその言葉に目をむいたシノブが言った。


「Wao!そうだったのかMissシラトリ」


シノブの言葉に、胸をはるミオン。


(お前……年幾つだミオン!……どうせネタ元は、うちの とうさんだろうけど)


「じゃ、この上の針が一周する間にClearすればいいんだな」


と言いながら入口付近あった棒を抜き取ろとした時、それをミオンが慌てて制止し

て言う。


「ちょっちょっちょっ!こういうのって失敗したら、プレイヤが死ぬってのが定番

なんだから……」


とミオンに言われて”へ”って驚いた顔をして、刺してある棒を抜くのを止めて俺

の顔を見るシノブ。と同時に、俺の顔を見ながらニヤニヤするミオン。そしてこう

言った。


「やはり、ここは無敵の勇者様でなければ……ねぇ」


と俺にウインクしやがった。


(確かにGUY BRAVEである俺なら、例え高圧電流が逆流しても死ぬことは

ないけどね)


 俺はしぶしぶ、シノブに変わり棒を引き抜いた。と同時に入口上部にある円盤の

針が動き出す。


 初めは、下に10Cm下げすぐ横に50cm移動これを3回繰り返すと、次に上

から3つの板が、交互に降りてくるゾーンに差し掛かる。


「ガンバレMrオオワシ!」


とシノブの声援を受けながら、ここをタイミングを計りながらクリアして、次に風

車のように回転するゾーンに差し掛かり、ここも慎重にタイミングを計りながらク

リアした。


 皆が息を飲んで俺を見守ってる中、次のゾーンに差し掛かる。今度はU字の3連

続のゾーンを抜け、上に上がるそして渦巻き状になったゾーンに差し掛かった時、

ミオンが言った。


「後15秒!」


その声を聴きながら、逸る気持ちを抑え、慎重に渦巻きの中心へと棒を進め……。


「5・4・3・2……」


とミオンのカウントが進む中、ゴールに棒を突き刺した。


「ふっ~、間に合った」


と俺が言葉を口にした時、ブザー音が辺りに鳴り響く。


「えっ、失敗!?」


と驚きながら言う俺の前にあった岩の板が、”ズーズーズー”と上に開きだした。


(なんだよ脅かすなよ)




◇◇◇◇◇





 ドームの入り口に入ると、そこには人が3人並んで通れる通路が地下に向かって

伸びていた。取りあえず、俺、クレアさん、ゲキが前列、第2列にエドナさん、ミ

オン、アイーシャさん、そして第3列にシノブ、ソフィー、マクシムス将軍で、

殿シンガリをフェリクス王子が務める形で地下へと続く通路を降りていく。


 初め暗かった通路だが、俺達が入ると等間隔に並んだ壁にある松明が、自動で”

ポッ””ポッ”とついて行く。


 しばらく通路を地下へと進んで行くと、進行方向左側の壁がなくなり、深い谷

間と言うか、崖になっていた。


 その時だった俺のレーダー&センサーが反応する。


≪ENEMY≫×20


俺は慌てて、反応がある谷底を覗いた。


≪名称         風亜人≫

≪戦闘力       2,000≫

≪防御力      1,000≫

≪スピード     1,000≫

≪MP       2,000≫

≪特技       風の団扇)≫


×20


頭に浮かんだデーターを声にして皆に伝える。


それを聞いて、ミオンが言った。


「えっ風亜人?って言うよりあれどう見ても天狗に見えるんだけど」


その言葉にゲキも頷き言う。


「確かにどう見てもあれは天狗だな」


 ミオンやゲキが言うように、修験道の衣服に身を包み高下駄を履き、手にはヤス

デの葉のような団扇を持っていたし、顔は赤く鼻が異様に長い。


(確かに天狗だな……)


俺がそう思った時、フェリクス王子が叫んだ。


「そんなことより迎撃を!」


 その言葉に俺達はソフィーを右の壁側に下げ、谷から上がってくる風亜人

(天狗)を迎え撃つため、崖側に一列に並んで迎撃態勢を取った。


「エレクトリックマシンガン!」


「スピンシールド!」


「ライトニングアロー!」


「行け!グラン・クラッシャー!」


「撃心流奥義の1つ 真空切り!」 


「氷結ブレード!氷結フラッーシュ!」


「電空ぅ~ブーメラン!」


俺、クレアさん、エドナさん、マクシムス将軍、ゲキ、フェリクス王子、ミオンが

攻撃するも、クレアさんスピンシールドだけが弾かれた。


(やはり、同属性の場合攻撃力で違いがあるのかも)


と思っていたら、クレアさんはそれを見て盾での攻撃を諦め、剣を抜き叫んだ。


「ソードオブファイヤー」


すると剣先から炎が吹き出し、風亜人1体を焼き尽くした。


 シノブはその間、愛用の銃(XM8)をフルオート射撃して、数体の風亜人

(天狗)を倒し、アイーシャさんは、谷底から上がってくる風亜人(天狗)を

如意棒を伸ばして串刺しにした。


「残り9体!」


とミオンが叫びながら、再びブーメランを残りの風亜人(天狗)に向け放った。


「電空ぅ~ブーメラン!」


残り9体のうちの1体を倒すが、その時残り8体のうちの2体の風亜人(天狗)が

、両手に持っているヤスデの葉に似た団扇を仰ぐと、見る見る小さな竜巻が2つ起

こり、俺達に向かって襲ってくる。


「やばい!」


俺はそう叫び、即座に両腕をブレードアームに変えると、すぐさまプログレッシ

ブブレードを展開し、2つの竜巻の内の一つに向かってジャンプして、竜巻近の

高さに達すると、展開したプログレッシブ ブレードをクロスさせる。


「必殺!クロスエンド」


すると、クロスしたプログレッシブ ブレードから衝撃波が起こり、衝撃波が当た

った竜巻は消えた。


 しかし、1つ残った竜巻がシノブを襲う。


「しまった!」


俺が空中でそう叫んだ時、シノブは竜巻に気づき避けたが、竜巻の端がシノブの持

っていた銃のストラップをかすめ、ストラップが切れてしまった。


「Oops!」


シノブを襲った竜巻は、そのまま通路の壁に激突する。


”バーン”


大きな音と共に通路の壁が一部が剥がれ落ちる。


”ガラガラ”


「キャー!」


通路の壁の破片が飛んできて、ソフィーの驚き叫ぶ声を聞いて、マクシムス将軍が

とっさにソフィーの体に覆いかぶさり、破片を防いだ。


「ありがとうございます。マクシムス将軍……お怪我ありませんか?」


と聞くソフィーに、体に着いた埃を払いながら笑顔で言った。


「なんのこれしき!」


 今度は、別の2体の風亜人(天狗)が履いている高下駄を俺達に向けて蹴りだし

た。


「ソードオブファイヤー」


「ライトニングアロー!」


「撃心流奥義の1つ 真空切り!」 


「氷結ブレード!氷結フラッーシュ!」


それを迎撃しようと、クレアさん、エドナさん、ゲキ、フェリクス王子が、攻撃を

仕掛けるが、空中を進む風亜人(天狗)の4つの高下駄は軌道を変え、皆の攻撃を

あっさり交わす。


「えっ!リモコン下駄!?」


ミオンはそれを見て驚きそう叫んだが、すぐさま自分のブーメランを飛ばし、


「こっちだってリモコンなんだから!あいつらを切り裂きなさい、電空ぅ~ブーメ

ラン!」


と叫びながら、ブーメランを放つと、ミオンのブーメランは空中を逃げ回る高下駄

を必要に追い回し、やがて切り裂いていった。




◇◇◇◇◇





 こちらの攻撃に慣れて来たのか、残り8体との風亜人(天狗)との一進一退の攻

防が続く中、アイーシャさんは、如意棒での攻撃を諦め、武器を吹き矢に変え、1

体の風亜人(天狗)に吹き矢を放った。


”シュッ”


放たれた吹き矢の矢は見事、風亜人に命中する。


「Good Job!Missアイーシャ」


と弾の交換をしながら、シノブがアイーシャさんに笑顔で声を掛けた時、シノブの

目の前に風亜人(天狗)が降り立ち、持っていたヤツデの葉のような形の団扇を剣

のようにして、切りつけて来た。


「Oops!」


シノブはそう言いながら持っていた銃(XM8)でそれを防いだが、風亜人(天

狗)に腹を蹴られ


「Ouch!」


その反動で崖に落ちて行く。


「Ahhhhhhh!」


「危ない!」


俺はそう叫んで、右腕をワイヤーアーム変え落ちるシノブに飛ばした。


「ブースドワイヤーナックル!」


 落ちていく、シノブの襟首を間一髪掴むことができた、が……その反動でシノブ

は持っていた銃(XM8)を手から放してしまい、銃は崖の下に落ちて行く。


「Oops!」


すると、崖の途中に宙ぶらりんのシノブ目掛けて、2体の風亜人(天狗)が団扇

を剣のようにして、切りつけようと迫ってくる。


 それを冷静に見ていたシノブは、迫る1体に向け腰のガバメントを抜き発砲す

る。


”パン””パン””パン”


シノブの放つ3発の銃弾を顔面に受けた風亜人(天狗)の1体はそのまま崖へと

落ちて行く。


 それを見てもう1体は、距離を置いた瞬間、シノブはニヤリと笑ってこう叫んだ。


「Come here~Jon!」


そうシノブが叫ぶと、崖の下に落としたはずのシノブの愛銃(XM8)が、崖の下

から飛んできてシノブの手に収まった。そして……それを距離を置いた風亜人(天

狗)に向けフルオートで射撃する。


”タタタタタタ”


不意を突かれシノブの放つ銃弾を浴びた風亜人(天狗)は、そのまま崖下へ落ちて

行った。


(そうだった、シノブの銃にはソフィーからもらった、口寄せのワッペンが張って

あったんだったな)


俺は、”ほっ”とした。


俺が、シノブを引き上げている間に、ゲキは手甲に仕込んだ小柄を次々投げて、残

り5体の風亜人(天狗)の内3体を倒し、ミオンもブーメランでなく、腰のP-3

8を抜き射撃して、もう1体を倒した。


最後の1体はもちろん俺が、左腕をエレクトリーアーム変えて、右手に添えて発射

した。


「エレクトリーブースドワイヤーナックル!」


を飛ばし、残りの1体を殴るのではなく掴んで、思い切り高圧電流を流して黒焦げ

にしてやった。


(ふぅ~第一波は何とかなったか)



劇中の「電○イライラ棒」は昔バラエティー番組で有名になりその後某メーカーからゲームが出たほど

人気ありました。

今回やっとソフィーにもらった”口寄せのワッペン”が活躍できました。

後、風亜人が使うリモコン下駄ってもちろんあの方の武器ですが……でもこちらはリモコン高下駄ですから(笑)

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