表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/267

71話 電風の丘ダンジョン7(ジェネラル・ブリーカー!)

-----ソフィー視点『電風の丘ダンジョン』地下3階層---


「 It’s PARTY TIME ~!」


そう叫びながら、シノブ様は、洞門から一目散にグリフォン(グリフィン)の右側

に走りこみながら、持っていた銃(H&K XM8)をグリフォン(グリフィン)めが

けフルオート射撃を行います。


”バリバリバリ”


それを合図にマクシムス将軍は、腰の大剣を抜きながら、同じく洞門からグリフォ

ン(グリフィン)の左側に回り込み、そしてまさに切りつけんとばかりにグリフォ

ン(グリフィン)に向かって走り出しました。


「うおぉぉ――――――!」



 シノブ様のフルオート射撃を背中の翼を羽ばたかせて風を起こし、すべて弾くグ

リフォン(グリフィン)。

弾を弾いた強い風の煽りを受けシノブ様も風で吹き飛ばされます。

グリフォン(グリフィン)の翼が起こした風に吹き飛ばされるとき、持っていた銃

(H&K XM8)を落としされたシノブ様。


「Shit!」


シノブ様はそう叫ばれました。


その時、グリフォン(グリフィン)左後ろ足付近にマクシムス将軍が切りつけられ

ました。


「ぬぉ――――――!」


”バキ―――――ン!”


 将軍がグリフォン(グリフィン)の左後ろ足付近に力いっぱい切りつけましたが、

グリフォン(グリフィン)の体は思いのほか硬く、将軍の剣はポッキリと剣の中ほ

どから折れてしまいました。


「ぬぁに~!」


折れた剣を見て叫ぶ将軍をグリフォン(グリフィン)は後ろ足で蹴り上げると、

将軍は円形の床をコロコロと転がります。


 そして、グリフォン(グリフィン)は、翼を羽ばたき、空中へと上がります。


「ピィー!」


とグリフォン(グリフィン)が一声鳴き、マクシムス将軍を再び狙おうと空中で弧

を描いて方向を変えようとした時でした。


「Chance!」


そうシノブ様が叫ばれたかと思うと、背中に背負ったスティンガーミサイルを手に

して構えると、


「Shoot!」


そう叫びながら、トリガーを引かれました。


”バシュ―――――――――”


 轟音と共に炎を後ろに吐きながら、ミサイルと言う物が飛んでいきました。

そして、丁度弧を描いて方向転換しかけて背を向けているグリフォン(グリフィン)の翼の根元付近に命中しました。


”ボカ~ン”


「ピィー!」


 ものすごい爆発音と火柱が上がり、グリフォン(グリフィン)は悲鳴ともとれる

鳴き声を上げ、地面に真っ逆さまに落ちていきました。


グリフォン(グリフィン)の翼はボロボロになり、背中は大きな火傷のように爛

れています。


 円形の床に転がっていたマクシムス将軍は、折れた剣をすぐさま捨てて、すくっ

と立ち上がり、地上に落ちてきたグリフォン(グリフィン)めがけて駆け寄ります。


「マジカルパワー・オン!」


と大声で叫ばれたマクシムス将軍の体は一瞬光り輝きました。

そして、倒れたグリフォン(グリフィン)を抱えて立たせたかと思うと、クリンチ

と呼ばれるように抱き付き、両腕でグリフォン(グリフィン)の胴回りを抱き込み

、絞り込むように締め付けました。


「ジェネラル・ブリーカー―――――――――!」


「ピィー!」


グリフォン(グリフィン)は背骨から肋骨にかけてを圧迫されて苦しみだします。

あまりの苦しさにクチバシで将軍の兜をつつきまわします。


 マクシムス将軍の兜は、グリフォン(グリフィン)クチバシでつつかれ、穴だ

らけになり、やがて、将軍の頬に頭から流した血が垂れてきました。


それでも将軍は攻撃の手を緩めません。


「マジカルパワー・マキシマム!」


そう将軍が叫ばれますと将軍の両腕が光りだし、腕の太さが倍になり、さらにグリ

フォン(グリフィン)を締め上げます。



「ピィ―――――――――!」


とグリフォン(グリフィン)が大きく一鳴きしたかと思うと、その後、口から血を

吐いてぐったりしました。


 それを見て、将軍は腕の力を緩めますと、グリフォン(グリフィン)はそのま

ま円形の床に崩れ落ちます。


 ちなみに、マクシムス将軍がお使いになった技は、魔力を力に変えるものです。

本来、わたくし達の世界の人間は、魔力を魔法に変るのですが、将軍は生まれた時

からの特異体質で、魔力をそのまま筋力に変えてしまえるそうです。


「Good Job!ジェネラルマクシムス」


そう言いながら、将軍に駆け寄るシノブ様。


力を使い果たし、床にくずれるようにすわり込む将軍も笑顔でそれに答えられます。


 そして、シノブ様が手を貸し、立たれた将軍に向かって言います。


「あれは、ブリーカーと言うより、ベアハッグって技だと思うよ」


それを聞いて口をあんぐり開けて呆然とするマクシムス将軍。


 その時です、死んだグリフォン(グリフィン)の死体がブレだしたかと思うと、

虹色の泡となって一旦消え、その後光の玉が、グリフォン(グリフィン)の死体

があったところに浮かびます。それを見て将軍がおっしゃいました。


「おお、ドロップしたか」


それを聞いてシノブ様は将軍にこうおっしゃいました。


「ボーナスアイテムかい?なら、倒したのはジェネラルマクシムスなのだから、あ

なたが受けるべきだ。」


と言いながら手で、”どうぞ”と言わんばかりにジェスヤーされます。


「うん?いいのかシノブ殿」


そう遠慮がちに言う将軍に、シノブ様は笑顔でおっしゃいました。


「Yes of courseどうせ異世界人の僕が使えそうな物はではないだろ

うし、第一ジェネラルマクシムス、さっき剣が折れて武器はないのだろう?」


そうシノブ様に言われ将軍は


「まぁ、その通りだが……では遠慮なく」


そう言ってそ光の玉を掴まれました。


「ぬぉ――――――!」




◇◇◇◇◇





俺がケンタウロス形態のまま、死んだワイバーンをサンダーバードの巣であるド

ーム外に排除している時、ソフィーから連絡が入った。


ソフィーの話だと、今3階層のボスを倒したところだそうだ。

これから、転移門を通って、俺とミオンの居る4階層に向かうというのだが……

 ただ、3階層のボスであるグリフォン(グリフィン)を倒した折にマクシムス将

軍が魔力を使い果たしてしまい、エーテル錠を飲ませたが、回復には少し時間が、

かかるとのことだった。


「で、どうするのセイア」


とミオンが聞いてくる。俺は少し思案しながら思ったことをミオンに言った。


「ソフィーがこの階層にたどり着けば、俺のセンサーが感知するから、当初Uni

cornを迎えにやって、アイーシャさんに騎乗してもらい戦闘力のないソフィー

を回収し、その後もう一度、Unicornを出して、マクシムス将軍騎乗でシノ

ブを回収しようかと思っていたのだが……あの2人なら、ソフィーを回収する間、

万が一ワイバーンの攻撃を受けたとしても、しばらくは耐えれるだろうと思ってい

たんだがな」


と俺が当初の考えを口にすると、ミオンは腕組しながら俺の話を聞いて、こう言っ

た。


「シノブはともかくマクシムス将軍は剣だけでしょう……魔法が多少使えるとしてもそれは無理なんじゃない……それにその肝心のマクシムス将軍が弱っているのなら、尚更ね」


 右手の人差し指を顎に当てながら少し考えたミオンは俺にこういった。


「セイアさ、ケンタウロス形態で皆をお迎えに行きなさいよ~それでシノブ達と合

流したら、Unicornを分離して、セイアはそのままシノブ達の所に残って、

アイーシャさん騎乗でソフィーをここまで送り届けた後、もう一度Unicorn

を戻して、今度はセイアと合体してケンタウロス形態で、マクシムス将軍とシノブ

を乗せて戻ってきたら?」


そう俺に腕組しながら、少し上から目線で言うミオンに俺は、


「でも、それでは、アイーシャさんとソフィーがここに戻るまでお前を一人にす

ることになるぞ……いいのかミオン?」


そう聞き返すと、


「幼馴染を心配してくれて、ありがとう~って言いたいところだけど、よく考えて

みてセイア?」


と少しお説教もモードのミオンさん。


「よく考えて?って言われても……俺なりに考えてのことだけど」


と俺がミオンに言い返すとミオンは少し呆れた顔でさらに俺に言う。


「あのね、今私たちが居るところは何処かしら~セイアさん」


そう言われ俺が少し萎縮しながら答えた。


「サンダーバードの巣……」


「でしょ、では、ワイバーンの天敵はなに?セイア君」


俺の答えを聞いて、さらに質問してくるミオン。


「あっ、さ・サンバーバード……です。」


その答えを聞いて、満足げにさらにこう告げる。


「ってことは、奴らはここに入ってこないよね~」


そう言われ俺がコクコクと頷くのを見てこう続ける。


「ここに居る限り、少なくとも私はワイバーンに襲われることはない……しかも、

今のミオンちゃんには、これがある」


と自分の左の二の腕の腕輪を指差し俺に言った。


(確かにミオンの言うとおりだ)


そこで、改めてミオンを見てみる。


【白鳥 美音】

≪名称 白鳥 美音 ≫

≪レベル6≫

≪戦闘力   3,000≫

≪防御力     100≫

≪スピード    200≫

≪状態   ☆【青】良好≫

≪MP   15,000≫

※MPは電空ブーメランのMPを現す。

≪特技  作戦参謀、電空ブーメランによる中距離攻撃≫


(ゲゲ、ミオンのレベルが上がってる……ワイバーンを倒したからか)


「どう、ご納得していただきましたかセイア君」


「あっ、はい納得しました」


ミオンの問いに俺が、素直に納得した旨を伝えると、ミオンは右手の人差し指を外

に向けこう言った。


「じゃ~勇者殿……存分に暴れてらっしゃい!」



【マクシムス将軍の必殺技】

本文にあった通り、彼は魔力を直接身体強化並びに筋力強化に使える特異体質

です。

これは、アニメ鋼鉄○ーグのリスペクトです。

アニメでジー○が使う技のパロディー


「マジカルパワー・オン!」 =「マグネットパワーオン!」

「ジェネラル・ブリーカー!」=「ジー○ブリーカー」

から考えたのですがこの○○ブリーカーと言う技、当時でも物議をかもしだした

技で、どう見てもプロレスのベアハッグなのですが、名前はブリーカーと言う物でした。

ようは敵の背骨を折る技ってことで、サバ折と言われるブリーカーと言う名前にしたのかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ