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70話 電風の丘ダンジョン6(スティンガー)

その光の玉は近づくミオンの方に急に飛んだかと思うと、ミオンの腕に張り付いた。


「おっ!」


「キャー――――――!」


 しかし、次の瞬間、ミオンの腕に張り付いた光がミオンの左の二の腕で腕輪

に変わった。


「あっ……あーなるほどなるほど」


 ミオンは急に独り言を呟く。


「大丈夫かミオン!」


と大声をだし駆け寄る俺に、ミオンが手をパタパタさせ、


「あっ、うん大丈夫だよ」


「これは!」


ミオンの腕にハマった腕輪を見て俺が言った。その言葉にミオンはあっけらからん

とした顔で俺に言う。


「あっこれ、やっぱこれボーナスアイテム見たい」


とニコニコっと笑って俺に言うミオン。


 改めて、ミオンを見てみる。


【白鳥 美音】

≪名称 白鳥 美音 ≫

≪レベル4≫

≪戦闘力   2,000≫

≪防御力     100≫

≪スピード    100≫

≪状態   ☆【青】良好≫

≪MP   10,000≫

※MPは電空ブーメランのMPを現す。

≪特技  作戦参謀、電空ブーメランによる中距離攻撃≫


「……電空ブーメランて?」


と疑問に思う俺にミオンが言った。


「この子の名前にみたいよ」


 ミオンの話だと、サンダーバードが光に変わり、ミオンの腕に張り付いたと同時

に、この腕輪の使い方が頭に入って来たんだと。それによると、ミオンが右手をか

ざして、名前を叫ぶと、鳥の飾りが翼を広ると同時にその翼が三日月型の刃に変形

し、ミオンが攻撃したい相手の処に電撃を発しながら、飛んでいき、切りつけた後

、またミオンの腕に戻ってくる。まさにブーメランだということだ。


戦闘では連続1時間しか使用できないが、5時間ほっておくと魔力が自動で回復

し、再び使用できるようになるそうだ。そして、普段、邪魔な時は消すこともで

きるらしい。


(なるほど、ボーナスアイテムだわ)


 そーそー、ミオンに気を取られて忘れていたが、俺のレベルがまた上がったよ

うだ。


大鷲 青空】GUY BRAVE

≪名称 GUY BRAVE≫

≪レベル12≫

≪戦闘力        120,000≫

≪防御力         35,000≫

≪スピード        35,000≫

≪EP   45,000/60,000≫

≪状態     ☆【青】良好≫

≪特技    勇者≫




◇◇◇◇◇





-----ソフィー視点『電風の丘ダンジョン』地下3階層---


「これは……」


「なにが起こってるのにゃ?」


「おー水面が割れて行きよるわい!」


「おお、モーゼのようではないかい?」


わたくし、アイーシャ、将軍にシノブ様が目の前の光景に声を上げました。


 沼の水面が二つに割れて、そこに人が通れる道ができていました。


 驚く、わたくし達をしり目に、その水面が割れて出来た道へシノブ様は、ニコ

ニコしながら進み入って行こうとされます。そして、今だにその場に立ち尽くす

、わたくし達に向かって振り向き手招きをされます。


それを見て、将軍がわたくしに、


「ひ・姫、参りましょうか」


「えっ、はい」


そう言って、わたくしとマクシムス将軍が、シノブ様を追いかけ水面の割れて出

来た道へと歩いて行きました。その後をアイーシャも追いかけて来ます。


「ま・待ってにゃ~」




◇◇◇◇◇





 俺とミオンが、シノブ達と合流の仕方を話し合っていた時、忘れていた存在が動

き出した。


 そう、さっきサンダーバードがここに戻って来た時、銜えていた奴。ワーバーン。

俺は、てっきり死んでいたと思っていたのだが、単にサンダーバードの電撃で気絶

していただけのようだ。


「クエー!」


と大きな鳴き声を出すと、頭を振って起き上がった。


 そして翼を急にバタバタさせたかと思うと、所かまわずブレスを吐きまわった。


 大きさは10数メートル。サンダーバードより少し小さめ。


≪名称 ワイバーン≫

≪戦闘力    20,000≫

≪防御力   10,000≫

≪スピード     300≫

≪MP     5,000≫

≪特技   風のブレス(超音波)≫


 ワイバーンが吐くブレス(超音波)が、ここのドーム型の天井や壁に当たり、

崩れた破片が落ちてくる。

”バーン”””メリメリ””ガッシャーン”


「キャー――――!」


「おお!」


ミオンと俺が頭を押さえながら、転移門の部屋へ通じる通路に避難する。


 するとミオンが急に怒り出した。


「んもー、クエークエーって五月蠅いわねぇ!」


と言うと、右手を左の二の腕にある腕輪にかざして、叫んだ。


「電空ぅ~ブーメラン!」


すると、腕輪の鳥の飾りが翼を広ると同時にその翼が三日月型の刃に変形し

、稲妻を引きずりながら、ワイバーンの喉元に飛んで行った。


”グサ””ビリビリビリ~”


そして、ワイバーンの喉元をそのまま食い破ると、弧を描がいて再びミオンの

腕に戻って来た。


喉を食い破られたワイバーンは声も上げずに、その場に崩れ落ちた。


「へへぇ~、どんなものよ」


とミオンは倒れたワイバーンに自慢げに胸を張って言うのであった。




◇◇◇◇◇






-----ソフィー視点『電風の丘ダンジョン』地下3階層続き---


道と言うより通路と言うべきでしょうか、道の両側は高さ3mの水の壁

です。


 そこを意気揚々と進むシノブ様、その後を堂々と歩かれるマクシムス将軍。

アイーシャは、辺りを警戒しながらわたくしの前を歩き、わたくしは正直お

っかなびっくりで歩いています。数百名メートル歩いたでしょうか、沼の道

を抜け、わたくしは、ほっといたしました。


 沼を渡り切り、わたくし達の目の前に見えるのは……洞門。

小山位ある大きな岩山にぽっかり空いた穴。


 しかし、反対側は見えています。

洞門の向こう側に見えるのは、直径20m位の大理石で出来た円形の床に魔

物が伏せた状態で居りました。

全長は3m位でしょうか、獅子の体に鷲の頭と翼を持った魔物。


「グリフォン(グリフィン)ではないか?」


そうシノブ様が魔物を見ておっしゃいました。


 そして、シノブ様が呼ぶグリフォン(グリフィン)と言う魔物の後ろには、

上下に魔法円があり、しかも上の魔法円は支えや壁もないのに空中に浮いて

います。そして、空中に浮いている魔法円の中心からは下の魔法円に向かっ

て長さ50cmの魔水晶が伸びております。


わたくし達は、グリフォン(グリフィン)に気づかれぬように洞門の手前ま

で進みそこから、洞門向こう側の様子を伺います。


「あそこが、当面のゴールと言うことか」


とマクシムス将軍が呟かれました。その将軍の言葉に黙って頷かれるシノブ

様。


「その前に、あれを倒さないとねぇ~ジェネラルマクシムス」


シノブ様は、そう言いながら将軍にウインクされました。


「奴には翼がある……空に飛び立たれると厄介だぞ」


とウインクするシノブ様に将軍は言いました。


「それなら良いものがあるんだ」


そう言いながらシノブ様は背負っていたマジックボックス小を降ろすと、何や

ら筒のようなものを出してきました。それを見た将軍はシノブ様に聞きました。


「それは?」


不思議そうに尋ねる将軍にシノブ様は自慢げにおっしゃいます。


「これは、通常スティンガーミサイルと呼ばれているFIM-92 スティ

ンガーだよ。ジェネラルマクシムス」


「ほーよくわからんがすごいのだろうな」


と苦笑するマクシムス将軍。


 わたくしにもよくわかりませんが、後でシノブ様にご説明していただいたと

ころによると、FIM-92 スティンガー(FIM-92 Stinger)

は、アメリカのジェネラル・ダイナミクス社が1972年から開発に着手し

1981年に採用された携帯式防空ミサイルシステムとご説明頂きましたが

……やっぱりよくわかりませんねぇ。


将軍もたぶんお分かりではないと思いますが、そんな将軍をほっおておいて、

シノブ様はわたくしとアイーシャの所までこられ、こうおっしゃいました。


「Missラグナヴェールは、ここでMissアイーシャと待っていてく

れ」


「はい、シノブ様」


わたくしにそう声を掛けられた後、アイーシャの手を取りおっしゃいまし

た。



「Missアイーシャ、Missラグナヴェールを頼む」


「はい、ですにゃ」


 そして再び、マクシムス将軍の所に戻り、お2人で何やら打ち合わせを数分

した後、背負っていたマジックボックス小を降ろし、アイーシャに預け、その

代わりにスティンガーミサイルと呼ばれている武器を背負い、手には愛用の銃

(H&K XM8)を持たれて、高らかにおっしゃいました。


「 It’s PARTY TIME ~!」


そう叫びながら、シノブ様は、洞門から一目散にグレフォン(グリフィン)の

右側に走りこみながら、持っていた銃(H&K XM8)をグレフォン(グリフ

ィン)めがけフルオート射撃を行います。


”バリバリバリ”


それを合図にマクシムス将軍は、腰の大剣を抜きながら、同じく洞門からグリ

フォン(グリフィン)の左側に回り込み、そしてまさに切りつけんとばかりに

グリフォン(グリフィン)に向かって走り出しました。


「うおぉぉ――――――!」



ミオンちゃんのパワーアップです(笑)


この後、マクシムス将軍の必殺技炸裂します(笑)

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