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66話 電風の丘ダンジョン2(サンダーバード)

3つの岩山の真ん中の岩山にたどり着いた俺とミオン。

そこで、俺はミオンを一旦降ろして、ケンタウロス形態を解除し、Unicorn

も送還した。


「さぁ、ここから山登りだミオン~」


とミオンに笑いかけながら俺が言うとミオンは少々不満気味に


「えぇ~」


と答えた。


 道らしきものはないが、そんなに急勾配ではない所をひたすら歩き登る。


 しばらく、歩いていると段々ミオンと俺の間の距離が開きだした。

俺は、仕方なくミオンが俺の方に来るまでしばらく待つ。


 そして、ミオンが近づいては、俺が歩き出し、離れればミオンを待つを何回か繰

り返したころ、ミオンが息絶え絶えで俺に言った。


”はぁ、はぁ”


「セイア~ちょっとタンマ。もう歩けないよ~」


そう言うとミオンは岩山の斜面に腰を下ろし、座り込んでしまった。


「なぁ・……しゃねぇーな」


俺はミオンにそう言うとミオンに近づいて、しゃがみ込むミオンを抱き上げ、辺り

を見回した。そして、岩山の中腹の洞窟付近にある岩に向け右手を発射する。


「ブースドワイヤーナックル」


”ボシュ、シュルシュシュルシュル~”


勢いよく射出された俺の右手が洞窟近くの岩に突き刺さる。”バキ”


 そして、”シュルシュシュルシュル~”と勢いよくワイヤーを巻くと、俺の体は

ミオンを抱えたまま、勢いよく飛び上がり、あっという間に岩山中腹の洞窟付近へ

と上がっていった。


「ちょ、ちょ、また、そんな無茶する~」


と目を丸くしながらミオンが俺に抗議した。


「この方が楽だったろう?」


と抱きかかえていたミオンを降ろし、少しチャケて言うと、ミオンがぽつりと言っ

た。


「まぁ、……楽だったけど……。」






◇◇◇◇◇





 岩山の中腹にある洞窟に恐る恐る入ってみる。

幅20mで高さは40m位の広い洞窟を100m位進むと、直径100m、高さ6

0m位の大きなドーム状の場所にでた。


 ドームの中は洞窟の外から日の光が入っていたので、思ったより暗くなく視界は

良好のようだ。


 天井には、長さ3mの大きな魔水晶が伸びており、その周りに何本もの小さな魔

水晶の柱が花びらのように囲んで生えている。

 そして、ドームの床の中心部分には、木の枝や蔓で編んだような円形の座布団の

ようなものがあった。


「これって、ひょっとして……」


ミオンが、俺に問いかけるので


「ああ、ここはたぶん……」


と言いかけてら、ミオンが俺の代わりに言った。


「ボス部屋!」


その言葉に俺が黙って頷くと、ミオンはドームをキョロキョロ見渡し、


「ってことは……あそこが転移門に通じる通路かな?」


とミオンが指差す方を俺も見た。


 大きなドームの奥に、ぽっかり空いた幅3m位、高さ2.5m位の洞窟?って言

うか通路のようなものが見えた。


「たぶん、そーだろうな」


俺はミオンにそういうと、ミオンを伴ってその通路に向かって行った。


 ドーム奥の通路は暗く先が見えない。

俺だけなら、視界を暗視モードに切り替えれば、視界を確保できるが、それではミ

オンが見えないし、見えないところに入るのはミオンも不安を覚えるであろうと思

い、右腕をフレイムアームに変えて炎を出して松明代わりに進む。


 ミオンの手を引きながらゆっくり通路を進んでいると、暗がりが怖いのかミオン

が俺の手にしがみ付く……ってかあまりにも”ギュ”ってしがみ付くので、俺の肘

にミオンの胸が当たっている。


 俺はいつの間にかミオンの胸が当たる左肘に全神経が集中しているのを感じなが

ら通路を進んだ。


(これは、幸運なのか……じゃないのか?)


俺は少々困惑しながら通路を進んでいると、通路奥から明かりが見えた。


「あっ、明かりだ~」


と明かりが見えたとたんミオンが俺から手を離し、一目さんに明かりの方に走り出

す。


(おいおい……至福の時はもう終わりか……)


 ミオンに遅れて明かりが見える方に歩いて向かうと、そこには6畳くらいの部屋

があった。


 部屋は、壁全体が光っており、天井と床には魔法円があり、しかも天井の魔法円

方には中心に長さ50cmの魔水晶が突き出ていた。


「これが転移門?」


と先に部屋に入っていたミオンが遅れて入って来た俺の方を振り返り言った。


「ああ、たぶん……」


俺はミオンに頷きながら言った。






◇◇◇◇◇





 俺は、今一旦変身を解いている。

俺達は、突然このダンジョンに転移させられたので、何も持ってきていない。


 おそらく、シノブ達と合流できれば、多少装備が整うのだが……。

と言うのは、以前シノブは戦闘時に予備の弾倉などを入れておくため、ハードタイ

プのデイバックを背負っていたのだが、それより容量が入る例のマジックボックス

小を改造し、ショルダーストラップをつけ、デイバック代わりに背負っている。


 馬車1台分の容量があるマジックボックスなので、シノブの予備の武器弾薬以外

に、携帯食料や、飲料、その他のメンバーの予備の武器や装備品がそこに収められ

ている。


 だが、今の俺達は本当になんも持っていない。

幸いと言うか、ミオンが、宇宙刑事アリーの格好をしているので、ブラスター代わ

りのワルサーP38が一丁あるくらい……予備弾倉はもっていないけど。


 それと、たまたま俺が服のポケットに、後で食べようと入れていたチョコレート

が入っていたのを思い出し、安全地帯替わりのこの転移門の部屋について、”ホッ”

として、急に空腹を訴えたミオンにそのチョコレートを渡すため変身を解いたと言

う訳。


 俺の横で、嬉しそうにチョコを頬張るミオン。


(あらま、口の周りチョコだらけだよミオン)


「ミオン!」


と俺が声を掛け、チョコを食べ終わったミオンに黙ってハンカチを差し出す。


「あ、あんがと」


そう言いながら、俺からハンカチを受け取ったミオンが口の周りに着いたチョコを

拭いて、


「で、どうするの?セイア」


と尋ねてくるミオン。


「そうだな、俺達がこのまま転移門で先きに下の階に行って、ゲキ達と合流しても

いいんだが……シノブ達だけでここの転移門を目指すのは無理だと思う。」


「そうね、戦闘力の高いマクシムス将軍が一緒とは言え、ソフィーを守りながら

ワイバーンや、ここのボスと戦かって、ここにたどり着くのは難しいでしょうね」


と言うミオンに俺は頷き、こう言った。


「ワイバーンだけなら、俺がUnicornを呼び出し迎えに行かせれば、2往復

もすれば全員たどり着くことは容易だが……ここに着いた時、俺達のようにボスが

留守であればいいが恐らく、ボスが戻って来ている可能性の方が高い。」


「それに、ボスがここを留守にするタイミングを計って待つとしても……」


俺の説明にミオンも意見を重ねた。


「そうだ、あまり時間をかけすぎると今度は、この下の階にいるゲキ達が危険だ」


「そうね」


と俺の言葉に同意するミオン。


「で、どうするのセイア……」


そう聞き返すミオンに俺は、


「シノブ達の救援は俺達はできないから……」


「そうね、転移門は一方通行だもんね」


そう答えるミオンに俺はこう続けた。


「だから、シノブ達には自力でこの階層まで来てもらわねばならないが、その代わ

りここのボスは俺一人で倒す!。そしてこの階層に来たシノブ達をUnicorn

で迎えにいかせ、合流しゲキ達の救援に向かうのが、今の俺達のベストな方法だと

思うが……。ミオンどう思う?」


俺の言葉を聞いてミオンが少し考えてから、言った。


「そうね、かなり無茶だけど……それしかなさそうねぇ」


ミオンの言葉にお互いが頷いて、俺はそのことをソフィーに念話伝えた。






◇◇◇◇◇





 俺からの念話を受けて、驚き反対をしたソフィーであったが、シノブやマクシ

ムス将軍にその方法しかないと説得されしぶしぶ同意してくれた。


 しばらくすると、”ズシンズシン”と言う音とともに、俺とミオンが居る転移門

の部屋にまで振動が伝わって来た。


「ボスが帰って来たようだ」


そう言って俺が再び変身し、Unicornを呼び出すと転移門の部屋を出て、通路からボス部屋に帰って来たボスを確認した。


 全長15m、翼長(翼を広げた状態)25mで、全身黄金の羽に覆われた巨大な

鳥……。伝記ではサンダーバードと呼ばれる大きな鳥で、口には自分と同じくらい

の大きさのワイバーンを銜えていた。


「で、でかいな」


そう呟いた俺は、すぐさま通路より、ドーム状のボス部屋にUnicornと共に

飛び出すと、すぐさまケンタウロス形態になるべく合体シークエンンスを開始した。


 この階層のボスであるサンダーバーは、自分の巣であるドーム奥から飛び出した

俺とUnicornに驚いたのか、銜えて引きずっていたワイバーンを離し、俺の

方へ体を向けた。


 それを見たミオンが通路から、ワルサーP38で、サンダーバードめがけ発砲した。


”パン・パン・パン”と発砲するミオンの弾はサンダーバードの黄金の羽に阻まれ

弾かれる。


 すると、サンダーバードは俺でなくミオンの方を見て攻撃態勢を取った。


「今だ!」


俺はそう叫んで頭の中のカーソルを選択する。


≪Charge up Kentauros≫


 いつもの合体シークエンスでケンタウロス体型になった。


「完成!ケンタウロス!」


俺がそう叫んだ時、サンダーバードは頭の鶏冠を逆立て鶏冠が光ったと思うと、

口から稲妻をミオンに向け放った。


”ビリビリビリ~!ズド~ン”


「きゃぁ~――――――――!」


「ミ・ミオ――――――――ン!」



7月はホント週末がすべて予定で埋まってしまい

小説の時間がほとんど取れてません。


 なので、申し訳ないですが当分不定期の投稿になってしまします。

ごめんなさい。

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