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60話 「あちょ~!!」

やっと、更新できました。

 翌朝、エドモンドさん達と軽めの朝食を取る。

 ただ、約2名には、朝からステーキが振る舞われた。

たぶん時田さんかニールさんがここの執事長に耳打ちしたに違いないwww。

振る舞われた、ステーキをぺろりとたいらげるゲキとシノブを見て、王のエドモン

ドさんと王妃のカリーナさんは目を丸くして驚いていた。


 せっかく来たのだからってことで、ここイーシャイナ王国のリュキア州王都があ

るキアの街を散策することになった。


 ちなみに、イーシャイナ王国は主に4つの州から成り立っている。


リュキア州その中心都市はキア市で王都であり商業が盛んな人口200万人都市。

王都であり商業が盛んな都市で、その周りに2000人規模の村が、200ほど

ある。        


ポントス州その中心都市は、ポトス市で、綿花の栽培、蚕の養殖で綿や絹の産業

が盛んな人口100万人の都市。周辺には2000人規模の村が200ほどある。

ルシタニア州その中心都市はルタニ市で、農業の盛んな農業都市。人口は100

万人。周りに2000人規模の村が300ほどある。


ガリア州その中心都市はガラリア市で、貴金属の加工の盛んな都市。

周りに2000人規模の村が100ほどある。


 元々この4つの都市は大昔は別々の国だったらしい。

度重なる魔物の襲来で疲弊した国々から、魔物を追い出し、統一したのが、初代イ

ーシャイナ王国の国王と言うことだ。




◇◇◇◇◇





 散策ができるといっても、王が指定する王城周辺の貴族たちが住む一角のみの見

学。これは、オブリヴィオンとの戦争で、都市警備をする騎士の不足もあるが、な

によりオブリヴィオン達に狙われているソフィーと俺達の安全を考えてのことだ。


 俺は昨日と同じ、ロンティーにジーパン。半袖のワッペンシャツを羽織っている。

ソフィーはお姫様ルックではなく、木綿の半そでのワンピース。そしてミ……オン

は、髪の毛をツインテールに結び、白のブラウスにウエスタン風のベストに同じく

ミニスカート……それにブーツで……右太ももには銃のホルスター……?


 って、これひょっとして、『宇宙刑事ジャイダー』に出てくるパートナー刑事

の『アリー』のコスプレじゃないのか?


 まぁホルスターに収まっているのは『アリー』の専用のブラスター銃ではなく、

P-38 だけど。


「んじゃ、ソフィーお店に案内してね~」


「あ、はい」


元気よくミオンはソフィーに声を掛け、それに笑顔で答えるソフィー。



 ミオンが張り切っているのは、例のケンタウロスの金貨をソフィーの父エドモン

ド王にイーシャイナのお金に交換してもらい。ソフィーを初めとするイーシャイナ

の王侯貴族御用達お店にあるものを作ってもらうためなんだけど……なぜかそれに

俺が付き添いでついて行くことになった。


 本来、ソフィーの護衛には、クレアさん、エドナさん、アイーシャさんが付いて

行のが当たり前だが、勇者の俺がついて行くほうが、我々より適任ってことで、俺

になった。


(おもにオブリヴィオンに対しては俺の方が適任だからってさ)


 シノブ、ゲキ、クレアさん、エドナさん、アイーシャさんの5人はこの貴族エリ

アの端にある比較的庶民的な店が並ぶ(騎士たちがお買い物する)エリアに出かけ

るようだ。シノブに以前クレアさん達とお金を両替した時に俺が持っている金貨を

一枚両替(10万円)し、ゲキはもともとお金を持っていないので、使った分だけ

俺達の世界のお金で返してくれたら良いと言って金貨1枚を渡した。


 そうそう、ニールさんは魔法省に戻って残務整理をし、時田さんはイーシャイナ

王国の財務担当者と今後の費用の交渉を行うそうだ。


 出発前、シノブが貴族エリアとはいえ、この世界では丸腰では危険なので、俺に

ミオンと同じように拳銃を所持した方が良いと言ってきたが、俺はすでにゲキにあ

るものを作ってもらっていたのでシノブの提案を丁寧に断った。




◇◇◇◇◇





 王城から30分くらい3人で歩いたら、そのお店に到着した。


 本来、王侯貴族はお店では服を作らない。

ほとんどが自分の屋敷に職人を呼んで作るのが普通なのだが、今回は街を

見るついでにお店を訪ねた。


白い漆喰の壁の木造の2階建の建物にブルーのタイルで店の名前を描いている。


≪翻訳≫を頭の中で俺が選択すると、『ジャネル』って出た。


「えっ!ジェネルって」


と俺が驚き、思わず声を出すと、ミオンも俺の言葉を聞いて驚いて、


「こっちの世界にもジャネル……あるんだ~」


そう言うミオンに俺は、


「たぶん同じではないだろうが……」




◇◇◇◇◇





 おジャネルで、俺が描いた絵を見せ、ミオンの採寸をして、細かいところ

をミオンがお店の人に指示を出し、注文を終えた。

何を注文したかは出来てからのお楽しみ。約半月位かかるそうだが。


 高級服屋のジャネルを出て、俺達3人はシノブ達が待つ、このエリア(貴族街)

の端にあるお店に向かう。


 すると、向こうからこの街と言うか、この貴族エリアには似つかない3人組の男

達とすれ違う……。


(冒険者?なのか)


 別に貴族街と言っても、身分による通行制限はないので、それほど不思議ではな

いけど……。シノブ達がいる街はずれの店ならともかくこの辺のお店で平民が買い

物できるほど安いものは売っていないし、第一、貴族の紹介でもない限り、平民は

店に入れてもらえないはずだけど……。


 不思議に思いながらも男達とすれ違ったのだが、すれ違いざま俺に3人の男のう

ちの1人が、俺に


「おいおい、昼間から女2人といちゃいやしてんじゃねぇ~よ!」


と言ってきたが、俺は


(別にいちゃいちゃした覚えはないし、ただ歩いていただけなんだが)


そう思いながら、男を無視して歩いていると、その男が俺の歩く方に戻って来て、

俺の肩を掴み、


「お前に言ってんだよ!小僧!」


と大声で俺に言うが、俺は肩を掴んでいる男の手を黙って肩から掃って歩こうとし

たら、残りの2人の男達が、俺の前に回り込み立ちはだかって、


「小僧、良い度胸だ……しかし、痛い目見たくなかったらその女達を置いてここか

ら立ち去りな。」


と言いながら腰の剣の柄に手をかけて俺を脅してくる。


それを見て、ソフィーが男達を睨みながら大声で、


「無礼者!この……」


と言いかけたので俺が手でソフィーを制して、それ以上言わないように目で合図し

た。


(下手にソフィーの身分や俺が勇者だと口走らないように)


すると、俺に一番初めに声を掛けた男が、


「なにが無礼者だ、お前たちの格好からして、貴族や王族でもあるまい。」


(いや、貴族ではないけど、お姫様に勇者なんですがね)


男の言いように、少しにニヤけて、思わず心で突っ込みを入れる俺。


それを見て俺の側に居た1番初めに声を掛けた男が切れたのか、俺の胸ぐらを掴み


「なに笑ってんだよテメー!」


それを見たミオンが慌てて銃を抜き、男に構えるも、男はミオンが何をしようとして居るか理解していないようで、俺の胸ぐらを掴んだままミオンを無視する。


「その手を離さないと撃つわよ!」


と凄むミオンに、男は俺の胸ぐらから手を離し、今度はミオンの方に詰め寄ろうと

したので、俺は腰のホルスターからヌンチャクを取り出し、


「あちょ~!!」


と叫びながら、ヌンチャクを某香港俳優バリに振り回し、そして脇にヌンチャク

を挟んだ後ポーズを決める俺。


それを”ぽ~か~ん”と見る3人の男達。


(そうだった、銃もそうだけどこの世界の人達はヌンチャクを知らないんだった。)


 俺は、”ぽ~か~ん”とする男たちを無視して、まずはミオンに迫ろうとしている

男の頬をヌンチャクを振り回し、遠心力を加えたヌンチャクで叩きつけた。


「わちゃ~—―—――!」


 ”バキ”と大きな音がして、


「ぬぐっ……」


男は声にならない呻き声をはき、その場に頬を抑えながら崩れ去った。


(たぶん頬の骨折れてると思うよ)


 このヌンチャク、実は金属製っていうか、ゲキが撃心流の斬馬刀を作る製法で

鉄を生成して作ってくれたもので、並みの剣なら”ぽきり”と折ってしまう代物。


 その様子を見て正気に戻ったのか、残りの2人の男が腰の剣の柄に手を掛けたの

が見えたので俺はすかさず、1人の男の方に駆け寄り回転させたヌンチャクを男が

剣の柄を掴んでいる手の甲に当てた。


「あちょ~!!」


 またもや、”バキ”と大きな音がして、男が


「て・手が!!!!」


って言いながら剣の柄を掴んでいる手の甲を抑えながらその場に倒れた。


 俺はすかさず、体をくるりと回転させ、もう1人男の懐に入ると、回転させたヌ

ンチャクを男の脇腹の少し上に叩き込んだ。


「わちゃ~―――――!」


 再び”バキ”と大きな音がして、


「っ……」


3人目の男もその場に崩れた。


「さっ~すが~セイア」


「流石ですセイア様」


そう言ってミオンとソフィーが俺に駆け寄ってきた。




◇◇◇◇◇





その様子を近くの建物からじっと見ている1羽のハトがいた。



≪やっと……見つけたぞ!≫





ジェネル=○ャネル

某香港俳優=ブ○ース・リー

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