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57話 シノブの誕生会



「いっつ、しょう~たいむだ」


「「「「「「「Happy Birthday Shinobu~♪」」」」」」」


 俺を含めた部屋に居た7人がシノブに向かって言った。

そしてシノブに向け、俺、ミオン、ソフィーが特大のクラッカー(バズーカタイプ)を鳴らす。


”パンパンパン”


そして音とともに、シノブに向けられた特大クラッカーから紙吹雪がシノブに降りかかる。


「Wow!」


そう叫びながら、飛んでくる紙吹雪を避けようとして……


そんなシノブに、ゲキとアイーシャさんが笑顔で声を掛ける。


「メイトリックス、誕生日おめでとう」


「おめでとうですにゃ」


「んー?」


紙吹雪を避けようとして、そらせた体をゆっくり立て直しながら、あたりを見回して……


「おぼっちゃま、お誕生日おめでとうございます。」


と時田さんに笑顔で声を掛けられようやく事態を飲み込めたようだ。


時田さんに促され、シノブは部屋に入り席に着き、テーブルに並べられた料理を見て目を丸くしている。


「これは、ソフィーさんとエドナさんが、ぼっちゃまのために手作りなさったお料理ですよ」


とメイドのレラトさんがシノブに耳打ちすると、


「Really?こ・これをMissエリスとMissラグナヴェールが……僕のために?」


とレトラさんに聞き返すシノブに黙って笑顔で頷く。


「こちらの食べ物がよくわからなかったのでレトラさんにお手伝い頂きましたが……」


「スイーツ以外はあまり作ったことがないのでぇ~お口にあいますか……」


とソフィーとエドナさんがシノブに笑顔で言う。


「Wonderful~こんなの生まれて初めてだよ♪」


「Missエリス、Missラグナヴェールありがとう~」


あまりにも感激したのか涙目でソフィーとエドナさんにお礼を言うシノブ。


それを見て、時田さんももらい泣きをしているようだ。


 そこに、メイドのレトラさんがエドナさんの手作りバースデーケーキに17本

のろうそくを立てて、火をつけて、シノブの前に置く。


「Wow!」


目を丸くするシノブに、レトラさんはにっこり笑って


「これもエドナさんの手作りケーキです。」


「Wow!Thank you……Thank you very muchMi

ssエリス」


感動したシノブが、エドナさんに何度も両手で握手するシノブ。


「さぁ、さぁ、シノブまだ仕事残ってるよ~」


とミオンがエドナさんと握手をしているシノブに言うと、


「ああ、そうだった。」


とケーキの前に座りなおすシノブ。


 シノブがケーキの真正面に座ったのを確認して、”Happy Birthda

y to You”の歌を全員で合唱し……。シノブが息を思い切り吸ってそして

ケーキのろうそくの火を一気に吹き消すと、全員で声をそろえ、


「「「「「「「「お誕生日おめでとうシノブ」」」」」」」」」


と言った。




◇◇◇◇◇





 皆で、楽しく食事をしながら談笑し、食事が終わるころシノブのために

エドナさんが焼いたケーキを皆でいただく。


「Delicious~♪」


エドナさんのケーキを一口食べて、驚いたようにシノブが言う。


「ホヒト(本当)タンロービ(誕生日)にもらったンキー(クッキー)もイヒシカッツウ(おいしかった)けどケーキもイヒシカッツウ(おいしい~)」


ミオンも口いっぱいにケーキーを頬張りエドナさんに言った。


「そうだなおいしいな♪」


「うん、うまい」


俺とゲキもケーキを食べながら感想を言う。


「エドナおいしいよ」


「おいしいですにゃ」


「ん・おいしい」


クレアさん、アイーシャさんニールさんも口々に言う。


「レトラさん、時田、Delicious~だぞ2人共食べてみたまえ」


とシノブが言うが、時田さんは首を振り、


「いえいえ、わたくしは執事ゆえ……」


と断る横でレトラさんがケーキを受け取り、


「では、お言葉に甘えて~」”あうん”


と一口食べて、


「う~んおいしい~こんなの初めて~」


ほっぺに手を当ててそう言う。のを見て時田さんが固まる。


「いいから、時田、一口食べてみなさい」


シノブに再度言われ、困りながらもケーキを受け取り、一口食べて


「Oh~なんと!これは……おいしゅうございますな~」


と満面の笑みで言う時田さん。


 エドナさんは、皆に褒められ少し照れくさそうに


「あ・ありがとうございます……、うれしいです。」


と体をくねくねさせながら言った。


 ケーキを食べ終えたころミオンが徐に言った。


「ほいじゃ、そろそろ皆プレゼントをシノブに渡そうか」


とミオンが言い出したので、皆シノブ用のプレゼントを渡す。


 ミオンは、アルティメットマン タイガーの(平成アルティメットマン初代と言

われる)防衛チーム"ゴッツ"のユニホーム一式とヘルメットをシノブに渡す。


「この服は革のつなぎになってるから、冬にバイクに乗るとき温かいし、何より

カックイーから着てね~」


と言うミオンにシノブは


「Wow!It's cool♪」


と言いながら喜んでいた。


「じゃ、俺はこれだ!」


と俺がシノブにプレゼントを渡すと


「開けていいか?」


と聞くので俺は


「もちろん~」


と言いながら頷くと、嬉しそうに包みをきれいにはがして……


「Wow~!ミンミン人形だ~」


と人形を見てこれまた嬉しそうに俺の両手を取り握手してきた。


(喜んでもらえて光栄だ)


 この後、ニールさんからは”翻訳眼鏡”を渡される。この”翻訳眼鏡”は

普段ソフィーをはじめ異世界のメンバーであるクレアさん、エドナさん、アイーシャさんが

授業中かけてる眼鏡と原理は同じもので、本来テレパスの魔法で言葉は翻訳できるが文字までは

翻訳できないため、ニールさんが開発した魔動具の一つで、こちらの文字(日本語)を異世界文字

に変換して見える眼鏡だそうだが、シノブのはその反対のバージョンの眼鏡らしい。


 試しにソフィーに異世界文字を書いてもらいそれを眼鏡でかけて見ては驚きの声をあげ、はしゃいでいた。


 その次はクレアさんから指空き手袋をもらったシノブは不思議そうにクレアさんに尋ねる。


「これは……」


「いえ、先日ダンジョンの戦闘時、つけている手袋が、かなり擦り切れていたようなので……」


とシノブに説明するクレアさんに思わず感激したシノブは、クレアさんに抱き付き


「Thank you……Thank you very much Missリード」


急に抱き付くシノブに目を丸くしながら固まるクレアさん。


 そして、アイーシャさんからは、ミオンの誕生日と同じ木彫りのシノブ人形を渡さ

れこれまた嬉しそうにそれを眺めながら、


「Beautiful!Beautiful」


を連呼しながら子供のようにはしゃぎまわる。


そして、ソフィーからは口寄せのワッペンを受け取ると説明を聞き試してみる。

時田さんから、愛用のガバメント(銃)を受け取るとグリップ部分にワッペンを貼る。

そして、それを側にいたゲキに渡すとゲキは黙って離れた場所にある花瓶台にシノブ

の銃を置く。それを見たシノブが叫んだ。


「Maggi~Come here~」


するとシノブの銃が花瓶台からシノブの方に飛んできてシノブの手にすーと収まった。


「「おー」」


初めて見る時田さんとゲキが思わず声をだした。


シノブは、自分の手元に戻ってきた愛用の銃を見てニヤニヤしながら、


「 Great~!!」


と叫んでいた。


 ちなみにシノブは愛用の銃に愛称をつけているそうだ、拳銃ガバメントのほうがマギーで

愛用のライフルH&K XM8の方は、ジョンらしい。


 そして、最後にゲキがシノブにプレゼントを渡す。


「これ、使ってくれとは言わんが、お前に持っておいてもらいたいんだ。」


そう言ってシノブに渡したものは……


「Ninja suit?」


ゲキからプレゼントを受け取りそう呟いた。


「ニンジャではないが、俺の死んだ親父の戦闘用の衣装だ」


そういうゲキに、シノブは驚きながら言った。


「Mr.シノトウゲのDaddyは……」


そう言いかけたシノブにゲキが


「ああ、俺が3歳の時にな、おふくろと親父は事故で亡くなった……」


そういうゲキにシノブが言う。


「言わば、形見ではないか……そんな品を……僕に?」


「ああ、お前ならセイアと同じで俺の背中を預けられるからな……」


ゲキにそう言われ、感激のあまりゲキの父親の戦闘服を握り締め、ワナワナ震えだしたかと

思うと、


「Mr.シノトウゲ~!!!」


と徐にゲキに抱き付いてきた……んだが、ゲキは抱き付こうとするシノブをするりとかわす。


 ゲキにかわされたシノブはそのまま床に倒れてた。


「すまんな、俺は男同士、抱き合う趣味は持たないんだメイトリックス」


と床に倒れこんだシノブにゲキは言った。


アルティメットマン タイガー=ウ○トラマンティガ

ゴッツ=ガッツ


シノブの銃の愛称はテレビドラマ『ベイシティ刑事』(ベイシティコップ)の劇中で主人公刑事2人

が自分の愛銃につけた愛称です。小池刑事の愛銃はジョンJon(S&W M29 2.5インチカスタム)、星野刑事の使用銃はマギーmaggi(コルト・ナショナルマッチ コンバットカスタム)

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