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51話 時田さんの相談



「「「「「「「「「いただきます」」」」」」」」」


 時田さん以外の皆で席に着き、合唱して食事を始めた。


 シノブとゲキは、いっぺんにトンカツ、海老フライ、フランクフルトハンバーグ

、唐揚げをカレーの上に乗せお口いっぱいにしてカレーを頬張る。


(おいおい、誰も取らないよ……。)


「うっ……これは」


とカレーを一口食べたクレアさんの言葉を聞き、時田さんが心配そうにクレアさん

を覗きこみ。


「お口に……」


その言葉にクレアさんは首を横に振りながら口の中のカレーを飲みこんで、


「いえ、スパイシーでおいしいです。こんな食べ物があったんですね。」


それを聞いて時田さんは見る見る笑顔になり、


「それはようございました。」


 そのやり取りを見ていた俺は、ソフィーに聞いた。


「大丈夫?辛くない……」


その俺の問いかけにソフィーは


「はい、おいしいです。以前カカ帝国を訪れた時、南部の料理だと

言われ食べた物に似ていますが……こちらの方が味がまろやかでこく

があっておいしいです。」


その言葉にミオンが


「えっ、この世界にカレーあるの?」


と驚いてソフィーに聞き返すミオン。


「はい、同じかどうかは分かりませんが……でも、カカの方は

もっと香辛料がきつく、辛くて食べれませんでした。」


そういうソフィーの言葉に時田さんがニッコリ笑って、


「ひょっとしたら、本場のインドカリーのようなものかもしれませんね」


「食べてみたいな~」


時田さんの言葉にそう言うミオン。


「そのうちな。」


「そのうちだ。」


とミオンに言う俺とゲキであった。




◇◇◇◇◇





 食事の片付けが終わり、今は各々自由時間を楽しんでいる。


 ニールさんと時田さんは読書中。で、クレアさん、エドナさん、アイーシャさん

それにシノブとゲキは武器防具の手入れをしている。ミオンとソフィーはトレーラ

ーのシステムの点検中。


 俺は……俺はすることがない。暇なので自分を含めた今回戦闘を経験したメンバ

ーのステイタスを見て見る。



【大鷲 青空】GUY BRAVE

≪名称 GUY BRAVE≫

≪レベル10≫

≪戦闘力        100,000≫

≪防御力         25,000≫

≪スピード        25,000≫

≪EP   50,000/50,000≫

≪状態     ☆【青】良好≫

≪特技    勇者≫


【下峠  激】

≪名称 下峠 激≫

≪レベル7≫

≪戦闘力         9,000≫

≪防御力         6,000≫

≪スピード          140≫

≪MP    5,500/7,000≫

≪状態   ☆【青】良好≫

≪特技  武芸者≫


【忍・メイトリックッス】

≪名称 忍・メイトリックッス ≫

≪レベル7≫

≪戦闘力    9,000≫

≪防御力    4,000≫

≪スピード     120≫

≪状態   ☆【青】良好≫

≪特技  ソルジャー≫


【白鳥 美音】

≪名称 白鳥 美音 ブレイブタンク≫

≪レベル5≫

≪戦闘力           9,000≫

≪防御力           8,000≫

≪スピード             90≫

≪EP        800/1,000≫

≪状態   ☆【青】良好≫

≪特技  作戦参謀 移動砲台≫


【クレア・リード】

≪名称 クレア・リード≫

≪レベル5≫

≪戦闘力         7,500≫

≪防御力        10,000≫

≪スピード          100≫

≪MP      500/2,500≫

≪状態   ☆【黄色】普通≫

≪特技  鎧騎士≫


【エドナ・エリス】

≪名称 エドナ・エリス≫

≪レベル5≫

≪戦闘力         7,500≫

≪防御力         2,000≫

≪スピード          150≫

≪MP      800/2,500≫

≪状態   ☆【黄】普通≫

≪特技    弓騎士≫


【アイーシャ】

≪名称 アイーシャ≫

≪レベル5≫

≪戦闘力         7,500≫

≪防御力         2,000≫

≪スピード          500≫

≪MP      700/2,500≫

≪状態   ☆【黄】普通≫

≪特技  忍者≫


【ニール・ラーキン】

≪名称 ニール・ラーキン≫

≪レベル7≫

≪戦闘力         12,000≫

≪防御力            100≫

≪スピード           150≫

≪MP      1,000/30,000≫

≪状態   ☆【黄】普通≫

≪特技  魔導師・錬金術師≫



 今回戦闘に参加していない時田さんとソフィーのデーターは頭に浮かんでこない

が、俺はなんと2つもレベルが上がっている。


 それ以外ではミオンの戦闘力が異様に高いが……これはブレイブタンクの性能に

よるところが大きい。




◇◇◇◇◇





 そろそろ就寝の時間になった……って言ってもまだPM10:00だけど。この

世界の夜は早い。


 今晩の見張りだが、くじ引きで決めた結果こうなった。


一番手 ゲキ、クレアさん

二番手 ミオン、アイーシャさん

三番手 シノブ、エドナさん

四番手 ソフィー、ニールさん

ラスト 時田さんとセイア


 1組2時間の交代制。今回は外ではないし、魔物もほぼ出ないだろうと言うこと

で、この体制……実に楽だな。




◇◇◇◇◇





 順番に交代で見張りをこなして行って、殆ど朝、夜間の見張りと言うより早起き

したって感じなんだけど、時田さんと見張りについた。


 後、2時間もたてば皆起きて来るんだけどね……。


 しばらくして、俺と時田さんはそれぞれトレーラーの左右に別れ見張りをしてい

たんだが、時田さんが俺の方に近寄ってっきて声を掛けて来た。


「大鷲様、今よろしいでしょうか」


「はい、どうしました時田さん」


俺は時田さんにそう言い返すと


「少しご相談ごとがありまして……」


恐縮しながら言う時田さん。


「はい、どんなことでしょう」


俺がそう言うと、時田さんは畏まってこう言った。


「実は、ぼっちゃまの事なんですが……」


「えっ、あっ、シノブがどうかしました。」


「はい、もうすぐ、ぼっちゃまのお誕生日でして……」


「へっ、えっ、誕生日……はぁ。」


 ポツリポツリと時田さんは俺に事情を話し出した。時田さんが言うには6月11

日がシノブの誕生日らしい。……いつもは、シノブのお父さんの社員の人が集まり

一流ホテルで周りに女性を侍らせたりして、盛大にパーティーを行ってるってこと

だ。 まぁ、おぼっちゃまだから当然と言えば当然。”リア充爆発”。別に羨まし

くないけどね……本当だよ羨ましくないからね(泣)。


 で、話が逸れたが、この前のミオンの誕生日で、俺の家族の心こもったミオンの

誕生会をしり、自分もそう言う誕生会がしたいと言いだしたらしい。


 そこで、毎年行われる一流ホテルでの誕生会に皆を招待したいとのこと。時田さ

んの話を一通り聞いて俺は言った。


「時田さんのお話は分かりました……がそれではシノブが望んでいる誕生会にはな

らないでしょう。」


「……と言いますと」


俺の言葉に時田さんが驚き聞き返す。


「う……ん、たぶんシノブが望んでいるものはミオンと同じだと思いますよ。」


「えっ、白鳥様と同じ!……ですか……。」


「はい、たぶんですけど……。ミオンの両親は仕事が忙しく彼女にかまえない分

、彼女に高価な物を与えたり、わがまま放題にさせてきました。でも、それでは

彼女の心にある寂しさは埋まらなかった。 うちの とうさんって俺よりお人よ

しなんですよ。だから、そんなミオンをほっとけないって思ったらしくうちの家

でミオンの誕生会をするようになったんです。」


「ほう、そうだったんですね……で、うちのぼっちゃまも、そうだとおっしゃるの

ですか?」


と聞き返す時田さんに


「はい、ちょっと失礼な言い方になるかもしれませんが、シノブのご両親も、たぶ

んシノブにかまえていないのでは?それに危険を回避するためとはいえ身分を偽っ

たりしていたのでしょ。そんな状況じゃ、本当に心を許す友達も出来なかったと思

いますよ。」


「はい、確かにご推察の通りです。」


俺の話を黙って聞いていた時田さんがそう呟く。


「だから、本当に心を許せる家族って言うか、仲間がほしいんだと思います。最近

のシノブは生き生きしてるように思いますし、幼い時に両親を亡くしたゲキと仲が

良くなったのも頷けます。」


「えっ、下峠様はご両親を亡くされておられたのですか……。」


驚く、時田さんに黙って頷きこう答えた。


「はい……」


 しばし、会話が止まる。


 そこで、俺から口火を切った。


「わかりました!シノブの誕生会は俺に任せてもらえますか」


そう言う俺に時田さんは尊敬のまなざしでこう言った。


「はい、よろしくお願いいたします。……しかし、大鷲様はお若いのに……流石、

勇者様、この時田感服いたしました。」


と俺に深々と頭を下げる時田さんだった。



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