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47話 マジックボックス!?



 俺は、ブレイブタンクの給弾作業に取り掛かっているシノブの側に馬車を引っ張

るユニコーンを馬車から外し、護衛につけると、他のメンバーと一緒に今倒したジ

ャイアントシャベルの遺体をこのフロアーの奥にあるジャイアントシャベル達が開

けた穴の付近に積み上る作業をした。


「ふ~う、これで終わりですかねぇ~」


と額の汗をぬぐいながらエドナさんが言った。


「ああ、お疲れ」


エドナさんにポツリと言うゲキ。


「後は俺が焼くから皆休んでいて」


俺がそう皆に言うと、ニールさんが俺の横に立った。


「このまま焼くと煙がこもるので……」


俺が両腕をフレイムアームアームに変え


「フレイムストーム!」


ジャイアントシャベルを焼くと横に居たニールさんが杖を振り


「Breeze!」


 するとジャイアントシャベルを焼いてモクモクと上がる煙をそよ風が

ジャイアントシャベルが開けた穴へと吸い込まれて行った。




◇◇◇◇◇





----------トレーラー内指揮所-----------



「はて?あの煙は……」


と指揮所でソフィーと監視モニターを見ていた時田さんが言った。


「なんでしょうか?」


同じように首をかしげるソフィー。


「地下で異常があったのでしょうか……オオワシ様に聞いていただけませんか?」


そう時田さんに言われソフィーは俺と通信を取る。


「あー、セイア様、ここから2キロ先の地下から煙が出ているのですが……何か

異常事態でしょうか?」


そう聞くソフィーに


「あっ、いや、単にジャイアントシャベルの遺体を焼いているだけだよ。

地上に出てる煙は恐らく奴らが出入りする為に開けたトンネルの出口から

漏れてるのだと思うよ。」


そう言う俺の言葉をそのまま、時田さんに伝えるソフィー。


「では、後に埋めておけねばなりませんね。」


とソフィーに微笑みながら言う時田さんだった。




◇◇◇◇◇





 ジャイアントシャベルを焼いて先を急ぐことにした俺達。

地下4階に向け通路を進んでいたら


「セイア殿、そろそろ例の場所かと……」


そうニールさんに言われ頭の中のデーターと地図を見る俺。


「そうですね……では」


 俺が先頭になり、少し皆から離れると他のメンバーはニールさんの周りに

集まる。


 ”カチ”なにかのスイッチが入ったような音がしたかと思うと俺達が居る通路の

前後に扉が上から降りてきて


 ”ガッチャン”大きな金属の音と共に俺達は閉じ込められた。

同時に天井にあった無数の穴から煙が……。


その時ニールさんが杖を高くかざしたと思うと


「Surround Shield!!」


 俺とユニコーン意外のニールさんの側に集まったメンバーの周りに【障壁】

つまり、バリアーを張って防御する。


 みるみる充満する煙。

すると俺の頭に≪名称 毒ガス≫と出る。


 そして何故か≪特徴 生物を死滅させるガス≫と出た。


 生物を死滅させるガスって俺には効かないってことで良いんだろうな。

それ以上の説明がないため考えるのはやめた。


 5分くらいたったら、次第に煙が引いて行き、俺達を閉じ込めた金属の扉が

天井へと収納された。


「皆、先を急ぐよ~」


ミオンの言葉に俺達は先を急いだ。




◇◇◇◇◇






 地下4階の入り口に到達したが大きな金属の扉に阻まれ先に進めない。

そこには俺達に先行していた偵察球が転がっていたので、回収した。


 その金属の扉の右わきに何やらパネルがあった。


「では、手順通りに」


そうニールさんに言われ俺は頭の中のデーターからこの扉の開け方の記録を出す。


 30×30cmの正方形の中に5cm角のタイル状の物がはまっていて真ん中が

開いている。これを手順通りに、ずらせていけば扉が開く仕掛け。


 本来は、5cm角のタイルに書かれた古代文字の意味が分かれば開けれる仕組み

だが、ニールさんのお父さん達は何パターンも試してやっと開けることが出来たら

しい。今回はそのお陰もあって、簡単に扉が開いた。


 俺が手順通りタイルを動かすと、”ズズズズッ”と重そうな音を立て、扉が上に

上がって行った。 俺は皆に手で制し、先に中に進み地下4階のフロアーの様子を

伺う。


 俺が中に入ると”パッ”と天井が明るくなった。


 そこには木造の長屋のような建物がずらりと碁盤の目のように並んでいた。横に

4棟で縦に5棟20棟の建物殆どが木造の為か、朽ちている建物が多いように思う。


 俺の手招きで皆も入って来て、そして俺の横にたったミオンが言う。


「ここは……。」


その問いかけに俺は頭のデーターを見て、


「ニールさんのお父さん達の見解では……騎士の100人隊長クラスの幹部の家…

…ってことだけど」


「100人隊長って?」


と聞き返すミオンに俺がジェスチャーで、”さぁ~?”ってやたらそれを見ていた

シノブが、


「恐らく……同じではないけど、たぶん大尉とか少尉とか位のクラスだと思うよM

issシラトリ。」


「大尉って?」


と再び聞き直すミオンにシノブが一生懸命説明する。そんな2人をほっといて俺は

近くの建物に入ってみた。俺が入るのを見てゲキも俺に付いてくる。




◇◇◇◇◇





 一つ一つの部屋に別れていて、一つの部屋が学校の教室……より少し大きいかな。

部屋の奥には炭化した……藁。たぶん寝どこ何だろう。机があるが椅子がないテー

ブル台所には人が使うには少々背が高いシンクらしき物がある。


 すると、奥のケンタウロスの寝室の横を調べていたゲキが俺に


「セイア……ちょっと」


 俺は手招きするゲキの方に近寄るとゲキは床を指さし、


「これ、何だと思う?」


と聞いて来たので俺はゲキが指さす所をじっと見ると、そこには幅40cm、長さ

30cm蓋まで入れた高さが40cmの蓋が開いた小型の……宝箱?。


 そうよくイベントなどでディスプレイされてたりする宝箱を少し小さくしたもの

が転がっている。


「やはり宝箱……だよな」


そう言うゲキに俺が頷くと


「でもな、おかしいっていうか……箱の中が見えないんだよ真っ暗で」


「?」


ゲキの言葉に俺は首を傾げながらその箱の中を覗くと……ゲキが言う通り箱の中は

真っ暗で何も見えない。


「ゲキ、ニールさんを呼んで来てくれ」


俺がゲキにそう言うとゲキは黙って頷きニールさんを呼びに行った。




◇◇◇◇◇





 ニールさんだけでなく、ミオンやシノブ他の皆も身守る中、箱を見ているニール

さん。その時、側にいたエドナさんがニールさんに言った。


「ひょっとしてぇ~……」


その言葉にニールさんはニッコリ笑って


「はい、おそらく……」


と言いかけたらエドナさんが


「マジックボックスぅ~♪」


と笑顔で言うエドナさん。


「マジックボックスって?ひょっとしてゲームのマジックバックみたいなもの?」


とミオンが口を出して来た。


「いや、そのマジックバックが分かりませんが……」


そう少し困りながら言うニールさん。それを聞いてゲキがミオンに


「お前はゲームのやり過ぎだ!」


と呟いた。


「で、マジックボックスって何ですか?」


と改まって俺が聞くと、


「はい、今は失われた技術ですが、たまにダンジョンなどで発見される箱です。

かなり貴重で高価な値段がします。そうですねこの大きさだと……馬車一台分

の荷物が納められますかね。


「「「馬車1台分~!!!」」」


 それを聞き、驚く俺とゲキとシノブ。 しかし、異世界組とミオンは少しも驚か

ず、平然としている。


「ほら、やっぱりマジックバックと同じじゃん♪」


と胸を張るミオン。そんなミオンをほっといてニールさんの説明を聞く俺達。


「そうですね……」


と言いながら宝箱の蓋の上にある突起物にニールさんが触れると、ホログラム

のような何もない画面が写る。


「このように画面に何もない状態の時は箱が空ですが……」


そう言うと、宝箱の蓋を開け蓋が開いた宝箱に自分の杖を近付けるニールさん。


 すると箱の入り口付近に近づけたニールさんの杖が俺達の前から”パッ”と消え

る。


「「おーーー」」


「OH!]


俺とゲキとシノブが声を上げる。


「そしてここをなぞると……」


 そう言いながらニールさんが宝箱の蓋の突起を触ると、先ほどと同じようにホロ

グラムの画面が出て来た。 先ほどと違うのはその画面に”マジックワンド ニー

ルと出た。


「「「えぇーーーー!!」」」


再び驚く俺、ゲキ、シノブ。


 驚く俺達をしり目にニールさんがそのホログラムの文字をタッチすると……


 宝箱の上に”パッ”っと現れ宝箱の上に浮かぶニールさんの杖。

それをさっと取って


「ってな具合です。」


と言うニールさん。


 それを見て俺はこれは使えるじゃないか!って思った。


 (それにしても、便利な世界だねぇ♪)














便利ですよねマジックバック……いや、マジックボックス(汗)

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