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39話 発見!?ケンタウルス遺跡ダンジョン


------異世界某所地下室---



 金属の壁に囲まれ、様々な機械装置や円柱型の水槽などが並ぶ一室。

広さは……おおよそ学校の体育館ほどあろうか……


 その一角に、小太りで、顔の下半分が白い髭に覆われ、額には深い横じわがあり

、頭頂部がハゲた1人の老人……そう、ソンブルおうと呼ばれる老人が、大

きな円柱形の水槽の前で作業を続けていた。


 静寂の中、老人が1人作業する音だけが部屋に響き渡っている。


 そんな中、


「よし、完成じゃ……」


と1人言うソンブル翁。


 翁が、作業する大きな水槽の中には、銀色の不定形でジェル状の物体がウネウネ

と浮かんでいた。


「後は、これを量産すれば良いだけじゃ。」


と1人ほくそ笑むソンブル翁であった。





◇◇◇◇◇






 ゴブリンの巣が空振りに終わった夜。夕食を済ませた俺達は交代で見張りをする

こととなる。


 実際、変身すれば眠気を感じることがない。

俺が1人ですると言ったのだが、俺には別の役目がある。ってことで、ここは平等

に男女で2班に別れて見張りをすることになった。


 ちなみに今日の夕食は、ハンバーグ。俺達がこのトレーラーで使う食器は、所謂

ワンプレーと言われる食器で、トレーと食器を併せ持つ。凹みが何個か合って、ト

レー下部左右にある大きな凹み左にご飯、右にメインディシュのハンバーグと付け

合わせのポテトがのり、上部の凹み3つは、それぞれ、左にサラダ、真ん中にフー

ルーツ(この日はオレンジ)そして、一番右の凹みに飲み物のコップ(各自のマグ

カップ)を置いて食事をとるようにしている。


 食べた後、食器を食器洗浄機で一気に洗えるように……水の節約ってことで。


 昼食のように、単品の場合は普通の皿を使う。


 ゲキとシノブはメインの所にハンバーグ2枚を載せ、ご飯は……てんこ盛りにし

ていたが……それでも足らなかったのか、自分たちでお湯を沸かして、2人して、

デカ盛りのカップめんを嬉しそうに食べていた。


 夜営は、夜9時から深夜2時まで、先に女性陣がする。


 クレアさん、エドナさん、アイーシャさんがトレーラーの外に立ち、ミオンとソ

フィーが指揮所で、レーダーやドローンを飛ばして、警戒していた。


 夜中の2時に見張りを男性陣と交代。


 俺達男の布陣は、ゲキとシノブが外で警戒し、ニールさんと時田さんが、指揮所

でそれぞれレーダーとドローンでの警戒をしてもらうことにした。


 俺は……その間変身し……充電係。


 トレーラ後部のガレージから変圧器を出して、両腕をエレクトリーアーム変える。

変圧器をトレーラーの給電口に繋ぎ、変圧器に開いてある2つの穴に手を突っ込み

充電開始。


 変圧器のランプが青の状態を保つよう。腕から流す電力量を調整しながら充電。

今のトレーラーの電力量は、40%。これが100パーセントになるまで作業を

続けるのだ。


(……にしても暇だな)





◇◇◇◇◇






 朝8時に俺は充電が完了した。その間、何事もなく無事夜が明けたようだ。


 充電が完了した俺は、ソフィーに抱きつき、俺のエネルギーを補給する。


 その後、皆でトレーラーの食堂で、仲良く朝食を取ることになった。


 トレーラーでの朝ごはんは、荷物の軽量化の為、シリアルで済ますことになって

いる。


 シリアルに牛乳を掛け食べる。それと、フルーツ(今日はグレープフルーツだっ

た。)


 こちらの世界のソフィーを初め、ニールさん、クレアさん、エドナさん、アイー

シャさんには好評のこの朝食も……若干2名には不評らしく、ゲキとシノブは、シ

リアルを食べた後、時田さんにホットドックを作ってもらい、それぞれ3つづつ、

頬張ばっていた。




◇◇◇◇◇





 朝食後、ゴブリンの巣付近から出発して、トレーラーに揺られりこと約3時間。


 目的のダンジョン……ケンタウロスの遺跡が見えて来た。ダンジョンの手前1k

mでトレーラーを停車し、トレーラーのレーダーやセンサーで、ダンジョンを遠め

に観察する。


 直径1kmくらいの丸い都市で都市の周りには、嘗て城壁があったであろうと想

像できる。


 しかし、城壁はすでにほとんどが崩れており、トレーラーのカメラ映像でも崩れ

た城壁の部分から都市の様子が見てとれる。


 都市の中心部少し小高くなっている所に円柱が三つ重ねたような塔というか、ジ

グラットのような建物が見える。


「Missラグナヴェール。レーダーの反応は?」


とシノブが聞くと、ソフィーが、


「中心の塔付近には、魔物及び生体反応はありませんが、その周りには、魔物の反

応が多数見られます。」


と言うソフィーの答えに、


「数は?」


と聞き返すシノブ。


「数は……おおよそ100です。」


とソフィーの答えに、


「ひゃ~く!!……ですか」


と驚く、クレアさん。


「数もそうだけど、種類の特定もさせないと……」


とミオンが言って来た。


「OK、では、Missシラトリ、ドローンで偵察を頼むよ。」


とシノブが言うとミオンが、


「ラジャー!偵察モードセット、バリブリーン発進!」


と元気のいいミオンの声が食堂のスピーカーから聞こえて来た時、運転席から、こ

の食堂にやって来た時田さんが、


「それでは、この間にお昼に致しましょう~」


と皆に声を掛けて来た。


「えっ!」


と時田さんの言葉に驚き、固まるクレアさんに、


「腹が減っては戦が出来ぬ……だ!」


とクレアさんにニッコリ笑って言うゲキ。


「あっ……はぁ」


ゲキのその言葉にそう言って頷くクレアさんだった。




◇◇◇◇◇





 今日のお昼は、時田さん特性、粗挽きソーセージにピーマンとオニオンにチーズ

を載せた所謂、Mサイズのピザ。それに、これまた時田さん特性の野菜ジュース。


 野菜ジュースは、ニンジンベースにセロリなどの野菜をブレンド意外と甘め。


 当然、例の2人は、ピザ+ホットドッグ2つづつ食べてる。


 ちなみに、ミオンとソフィーは戦闘中ってことで、指揮所でピザを頬張っている。


 食事をしながらドローンの映像を皆で食い入るように見ていると、


「「これは!」」


「にゃぁ!!」


と言うクレアさん、エドナさん、アイーシャさん。


「なんだ、あの小さいの!?」


「Oh!……どこかで見たぞ。」


とゲキとシノブが言うと、


「あれは、グレムリンです。」


とニールさん。


「「グレムリンってあの映画の!」」


と俺とミオンがハモルと、


「Oh!そーだ、僕もどこかで見たことがあると思っていた。」


シノブも言って来た。


「えっ、みなさんの世界にもいるのですか!!」


と驚くクレアさんにソフィーが、


「いえいえ、クレア、映画……つまり、お芝居って知ってるでしょう?」


とにこやかに言うに、


「お芝居!?……戯曲とかの?」


と言うエドナさんにソフィーが、


「後で、3人にはわたくしが説明してあげますから」


と微笑みながら言う。


(実際は、指揮所からスピーカーでソフィーがしゃべってるから、顔は見えないけ

どね……俺にはそう感じた。)


 ニールさんの説明では、あの俺達が映画で知ってるグレムリン……とは少し違う

……ってか、しいて言えば変身後の姿をしてて、身長は1.4mと映画のグレムリ

ンよりかなり大きい。


 手先が器用で、人間が使ってる武器や道具を使うことは、もとより、自分達でも

作ったり出来るそうだ。武器はクロスボー、投石機、剣、槍……魔法は使えないそ

うだ。


「いや~以前父達が来た時は、グレムリンではなくキラーラットだったのですが

……」


と少し恐縮ぎみに言うニールさんに、


「まぁ、かなり昔の話ですので……。」


と笑顔で言う時田さん。


「で、どうする……ミオン参謀。」


と俺が少しチャケて言うと、


「そうね……まずあの投石機が邪魔ね。」


と言うミオンにシノブも、


「まぁ、このトレーラは障壁を張れば投石機くらいなんともないだろうが……」


と顎に手をあて考える。




◇◇◇◇◇





 食事が終わり、ミオンが改めて皆に今回の作戦を告げる。全員が食堂に集合した。


(って、ミオンとソフィーがこっちに来ただけだけど……)


 まず、ミオンが、


「ニールさんの転移魔法って、どれくらいの距離なら転移させられます?」


との問いにニールさんは、


「そうですね……4km~6km位ですかね……。」


と答える。


「じゃ、このダンジョンの東西南北に数名づつ、転移させられますか?」


と聞くミオンに、ニールさんは、


「まぁ、はい、出来ると思いますよ。」


と答えた。


「じゃ、決まりね!」


と胸を張って言うミオン。



 ミオンが自信をもって考えた作戦がこれだ。


「まず、南にセイアとアイーシャさん、西にシノブとクレアさん、ニールさん。そ

して、東に、ゲキとエドナさん……それにブレイブタンクを転移させ。そして、正

面(北側)……グレムリン達の投石機の射程ギリギリ、100m手前から、このト

レーラーでまず、奇襲を掛け、それを合図に各人攻め込んでね。」


と言うのである。


ミオンの説明を聞いて、ゲキが、


「つまり、トレーラーを囮にして、混乱したところに各人が突っ込むんだな。」


と言うとミオンが黙って頷く。


「それと、セイア」


と俺の方を向いてミオンが言った。


「エドナさんにユニコーン貸してあげて」


と言うミオンに俺が、


「かまわないが……なんでだ。」


「東側から攻める私達のブレイブタンクは機動力が殆ど、期待できない……だから

、エドナさんには、ユニコーンに騎乗して敵をかく乱しながら、攻撃してほしいの」


と言うミオンに俺とエドナさんが頷いた。


「あぁ、それと西側のシノブ達の方も、シノブがバイクで行動して、敵をかく乱し

、クレアさんはニールさんをがっちり守ってね。魔法職は紙装甲だから……。」


と言うミオンにクレアさんとニールさんの頭に?が浮かぶ。


それを聞いたゲキが、


「ニールさんには近接攻撃の手段がないだろう、それに槍や刀に対しての防具もな

いし……」


とフォローすると、2人は納得したようだ。


「で、俺の方はどうする?」


って俺がミオンに聞くと、


「セイアは、適当に暴れて、この中で一番火力や機動力あるし、アイーシャさんな

ら、セイアの攻撃に合わせてくれるだろうし。」


と俺の方も向かずに言うミオン。


「適当……ね」


と俺は頭を掻きながら言った。




◇◇◇◇◇





 作戦が決まり各自出撃の用意をして、トレーラーを降りる。トレーラーの最後部

のガレージのシャッターがユルユルと開き、下部からスルスルとスロープが伸び地

面に付くと。、キュルキュルと機械音を出しながら、”ブレイブタンク”がトレー

ラーが出て来た。


「ブレイブタンク発進!」


と各自が耳につけてるハンズフィリーからミオンの声が聞こえる。


 シノブは電動オフロードバイクにまたがり、同じくスロープを下りて来た。


 俺は、すぐさま変身。両腕を横に開き、それから、両耳の側まで弧を描くように

上に上げ、


「☆ブレイヴ☆」


と、叫んび、両腕を前に下ろして両手をクロスさせると、


「☆スパーク☆」


と叫んだ。と同時に、両手が光かった瞬間、変身した……。


(やっぱ……ダッセ。)


 そして、俺はUnicornを呼び出す。


 各自班ごとに塊、ニールさんに【転移】の魔法で運んでもらう。


 ゲキとUnicornに跨るエドナさん、それにブレイブタンクがまず、転移す

る。


 そして、その次に、俺とアイーシャさんで、最後にシノブ、クレアさんニールさ

んが転移した。


 転移後、俺とアイーシャさんはニールさんを見送り、すぐさま近くにあった岩陰

へと身をかくした。


(さてさて、ゲームのようにう旨く行くかな……)


と思う俺であった。



いよいよ戦闘開始です。

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