33話 戦闘データ!?
「おっーーー!!、お前、¥60,000ーもたりねぇ~のかよ~!!!!」
と、俺の声がンドワン国大使館の建物中に響き渡った為、びっくりした
ソフィーが、慌てたように2階の自分の部屋から降りてきて、
「セイア様!どうかなさいましたか!」
と俺の手を握りそう言う。
(いや……ソフィーには関係ないんだけど。)
と心に思いつつ俺は、ソフィーに手を握られたので、案の定、頭から青白い光がちょろちょろと出ていた。
俺はソフィーに、
「いや、なんでもないよ……ミオンが6万もの大金を俺に出せって行ってきたんだよ。」
と言うと、ソフィーは笑顔で
「6・マ・ン イエン……と言うのがどれほどの価値化分かりませんが、
それなら、わたくしがお父様にお願いすれば……」
と言うソフィーの言葉にミオンが飛びつく。
「えっ!それ本当!?……じゃ~ソフィーには……」
と身を乗りだし言うミオンに、俺はミオンの腕を引っ張り止める。
「ミオン!!」
思わず大きな声になってしまいソフィーが”ビック”とした。
「あぁっ、ゴメン驚かせて。」
と俺が謝ると、首を横に振り、
「いえ、大丈夫です。」
と答えるソフィー。
「ミオンにお金は渡さなくていいからな、どうせコスプレに使うだけだし。」
と俺が言うとソフィーは首をかしげて、
「コ・スプリ?」
と呟く。
「いや、コスプレ……んー。用は仮装……そう仮装するのがミオンの趣味。」
と、言うとソフィーは”なるほど~”って感じで自分の手を”ポン”と打って
大きく頷いた。
「だからさ、そんなんに、いちいちお金出していたらきりないからね」
と、ソフィーと俺がこんな会話をしてる間に、ミオンは現金の入った封筒から6万円を抜いて、ちゃっかり自分の財布に入れていた。俺はそれを横目で見つつも、ミオンの行動を止めずにスルーし、残った現金を時田さんに預ける。
そこにシノブが現れた。
「今、いいかな?Mr.オオワシ。」
「ああ」
とシノブに答えるとシノブは俺の前の席に座りこう言った。
「GUY BRAVEの頭の中の表示件なんだが……」
「ああ、出来そうか?」
GUY BRAVEの……と言うか俺の頭の中に浮かぶ表示。
つまり、レベルや武器選択等の表示を英語から日本語に変えれないか、
もう一度、マンガでのGUY BRAVEの設定をシノブに見直してもらっていたのだった。
「結論からいえば……OKだMr.オオワシ。」
「そうか、それは助かる。」
とシノブのOKにそう言うと、シノブが俺に説明をする。
「GUY BRAVEは、対侵略者の送りこんでくる機械人に対抗するため、
地球の科学技術の粋を集めて作られた戦闘アンドロイドだ。」
俺はシノブの話に”うんうん”と頷く。
「GUY BRAVEの修理、メンテナンスに至るまで地球の防衛チームで行われる。」
俺は再び、シノブの話に”うんうん”と頷く。
「そして、あれは8話だったか言語変換するシーンがあったんだ。」
「そーか」
と俺は頷きながら言った。
「……そうだったねMissシラトリ~」
と言ってシノブはミオンの方を見る。シノブに話を振られ、ミオンは慌てて自分の財布を鞄にしまうと、
「えっ!……あっ……うんそうよ8話よ。」
と目線を上に向け右手の人差し指を唇にあてて言った。
ミオンの言葉にシノブは頷き、俺に
「そう言うことだよMr.オオワシ。」
俺はシノブの言葉に頷くと、すぐさま、みんなから離れ客間の隅まで行って、変身する。
「GUY BRAVE-----!!」
見る見る俺は光に包まれる。そして、GUY BRAVEとなった俺が現れる。
その様子を見ていたミオンが一言俺に言う。
「セイア、やっぱ変身ポーズ考えようよ♪」
「いや、また今度にしようミオン。」
俺は慌てて、ミオンに言うと、
「じゃ、私が考えとくからね♪」
(いや~……考えなくていい。)
と思いつつ、しらん顔してると。
「絶対、私が”かっくいい”の考えるからね!セイア!」
と俺に念を押してくるミオン。
(しつけーぞミオン!)
と心には思ったが、俺は引きつった笑顔でミオンに
「ああ、頼むよミオン。」
と言うと、ミオンは胸を張り、右手の拳で自分の胸を叩いて、
「うん!まかされた。!」
と言った。
そんなミオンとのやりとりの中、シノブが俺の(GUY BRAVE)の首の
後ろを手で触りながら、
「あっ、ここ」
と言って俺の首の後ろを押したかと思うと、”パカ”って首の後ろの部分が、
上に向かって開いた。
「やはり、これはUSBケーブルが刺せるんじゃないか?」
と言うシノブの言葉にミオンが俺の首の後ろに来て覗きこむ。
「そーだね、刺せると思うよ。」
とミオンがシノブに言うとシノブが、
「じゃ、パソコン持ってくるよMr.オオワシ。」
と言いながら部屋を出ようとしたシノブにミオンが、
「んじゃ、私が書き換え作業やろうか?」
と言うと、シノブはミオンの方に振り返り、
「OH!、そーだったね……Missシラトリは、システムの勉強していたんだ
ったねぇ。」
と言うと、ミオンは自慢げに
「まぁねぇ~」
とシノブに言い返した。
◇◇◇◇◇
USBケーブルで、パソコンと繋がれた俺の傍らに、ミオンがパソコンの操作をしている。
「これでよし!」
と言いながらパソコンのEnterボタンを押して言うミオン。
書き換えが始まったのか、俺の頭の中で、言葉には表しにくい感覚なんだが……
しーて言えば”ザーーーーーー”って感じがする。
その作業をソフィーとシノブが見守っていたのだが、ミオンの言葉を聞きシノブが言う。
「そーだ、ついでに戦闘データーを取りたいから、GUY BRAVEが今まで戦
ったり、経験したメモリー……記憶のバックアップを取れないかいMissシラト
リ~」
と言うとミオンはパソコンの画面を見ながら、
「うん……容量大きいけど……圧縮すれば、なんとかなるか……
出来るよシノブ。」
とミオンとシノブの会話を聞いていた俺は、
(GUY BRAVEの記憶?……)
と疑問に思いミオンに聞いてみる。
「それって、GUY BRAVEの戦闘データーだよな?」
と俺が聞くと、
「戦闘データーってより、セイアの見た物すべてだよ」
とパソコンの画面を見ながら言うミオン。
「あっ!」
っと思わず叫び、立ちあがろうとした。
「あっ、ちょ!セイア今作業中何だから動かない!」
ミオンが慌てて俺に言うと、俺は”ゴメン”と頭を下げようとして、またミオンに怒られる。
「もう!セイア!ハウス!」
なんでって、俺の見た物すべてってことは、あの時ソフィーが馬車の中で体を拭
いていて、”キャー”と言うソフィーの悲鳴が聞こえ、思わず馬車のホロの中に飛
び込んで、スライムに襲われる裸のソフィーを見てしまったのがみんなにばれるっ
てことだし、何よりみんなにソフィーの裸が見られてしまうってことだろう?
そう思い、俺の顔がみるみる赤くなり、”あっ”っと言う俺の声を聞いて、ソフ
ィーも気づいたらしく、見る見るソフィーの顔も赤くなって行った。
そんな俺とソフィーの様子に
「どうしたんだい~Mr.オオワシ、Missラグナヴェール」
とシノブがキョトンとして、聞いて来た。
俺は顔を赤くしながら困った顔をして、シノブに、
「いや~それはちょっと……」
と小声で言うと、パソコン画面から目線を外したミオンが、俺とソフィーを見て、
ニンマリ笑い。
「あぁ~ん、何か見られて都合悪いことあるんでしょ……2人とも」
と言うミオンに俺は、
「いや、あっ……あれは事故何だよ……事故!」
その言葉に、ミオンはジト目で俺とソフィーを見ながら、視線を上に向け考えるよ
うな仕草で、
「2人共、Kissは……私の前でも平気で出来るってことは……それ以上!?」
と言いかけたので、俺とソフィーは慌てて首を振り、俺が、
「いや、ソフィーがお湯で体を洗ってる時、スライムに襲われて……」
と言いかけた俺にミオンはジト目で、
「襲われて!どうしたの!」
と言って来たので、
「ソフィーの悲鳴を聞いて、馬車のホロの中に入ったら……」
と子声で口淀んでいると再びミオンが、
「入って、ソフィーの裸を見たってことなのねぇ。!」
と呆れながら言うミオン。
その傍らで話を聞いていたシノブは、目を剥いて固まっている。
その横で俺とソフィーは、うろたえていたら、ミオンは”はぁっ”とため息をつ
いて、こう言った。
「わかったわ!じゃ、バックアップデーターのその部分は、私が責任もって削除し
てあげる。」
そのミオンの言葉を聞いて、俺とソフィーは”ほーっ”と息を吐き、胸を撫で下ろ
した。
そんな俺の側にミオンが近寄ってきて、俺の耳元で、
「今度、ゴブリンを倒した時は、すべて私の物にしていいよね。」
と囁いた。
そのミオンの言葉に、コクコクと頷くことしか出来ない俺であった。




