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異世界いったらヒーローごっこ ~夢勇者GUY BRAVE~  作者: グリンピースの豆ごはん
第6章 暗黒大魔王 VS ギガ・ブレイブ(完結編)
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262話 ソアラ散る!


『!?』


俺は状況が呑み込めず、膜の内側を叩きながら、


『ねぇ~ちゃん!駄目だ!ダメだってば!』


『元にもどしてよねぇ~ちゃん!!』


ひたすら、喚き散らす。


 俺が、ギガ・ブレイブから離れたことにより、すでにギガ・ブレイブの姿

が消え、そこには、素のソアラねぇ~ちゃんが居る。


 いや、本来、この距離(数百メートル)からでは、肉眼では見えるはずは

ないのだが、”見える”と、言うよりそこにねぇ~ちゃんの存在を感じてい

ただけかもしれない。


≪セイア、元気でねw≫


『ねぇ~ちゃん……』


≪短い間だったけど、あんたが大きくなった姿を見れて、

私うれしかった……≫


『ねぇ……ちゃん』


≪とうさん、かあさんによろしく言っといてねぇ≫


『……』


≪あっ、それと、ミオンちゃん、ソフィーちゃん、シュイちゃん

みんないい子だから、男としてちゃんと責任取りなさいよ~≫


『責任って……』


≪……3人のうち誰かと結婚しなさい!≫


『け・結婚って!』


≪3人共、あんたのために命がけで戦ったんだから……ねぇ≫


『……そんなの決めれないよぉ~』



≪……だろうね≫


『……』


≪なら、あんた、こっちの世界に住んだらw≫


『こっちの世界に……』


≪こっちの世界なら3人一緒にお嫁さんにできるしぃ~w≫


”イヒ”


と言いながら、いたずらっぽく笑うソアラねぇ~ちゃん。


そして、こう続ける。


≪……それにぃ~この世界にセイアが居たら……

もしかしたら、私の生まれ変わりと会えるかもよぉ~w≫


『えっ!』


驚く俺。


『!?それ、どう言うこと』


『どう言うことだよ、ねぇ~ちゃん!』


≪……≫


俺は、驚きねぇ~ちゃんに聞き返すも、返事がない。


 いつの間にか俺は”ギラン”甲板の上に居て、俺の周り

を覆う、シャボン玉のような透明の膜は、消えてなくなっ

ていた。







------(ギル(暗黒の龍)頭上)(第三者視点)------☆




≪聖霊力マキシマム!≫


ソアラは、両手を頭上に広げ叫ぶと、


ソアラの頭上に巨大な光の玉ができる……っと、同時に彼女の姿が

消えてなくなった。


ソアラが作った大きな光の玉は、ギル(暗黒の龍)の方に向かう。


 危険を察したのか、ギル(暗黒の龍)が自身に迫る光の玉から

逃れようとするも……。


”ギャオ~ン”


 光の玉は、ギル(暗黒の龍)を捉え包み込んだ。


≪今よ!ジェームズ≫


ソアラの合図を聞いた轟雷号のキャプテンシートに座るジェームズが、



≪対消滅弾発射!≫


と叫ぶと、射撃手のヴァンスも同じく、


≪対消滅弾発射!≫


と言いながら、トリガーを引いた。


”ボシュ”


”シュルシュルシュル”


轟雷号の艦首のドリル状の部分が、光に包まれたギル(暗黒の龍)に

向かって、飛んでいく。


と同時に、轟雷号のキャプテンシートに座るジェームズが言う。


『全艦、急速離脱!』


の掛け声とともに、”ギラン”と轟雷号は、その場を離れる。


\\\ボッカァ~ン!///


 大爆発とともに、大きなきのこ雲ができる。


 その大爆発は、ギル(暗黒の龍)と言うより、島ごと吹っ飛ば

したのだった。









------(オブリヴィオン島からの帰路)轟雷号船内☆



 俺は、自分の使命が終わったと言う安堵感……と言うより、

姉をなくした喪失感に見舞われ、轟雷号内の自室カプセルホテル

に閉じこもっていた。


ソフィーやシュイだけでなく、幼馴染のゲキも俺にかける言葉が、

見当たらないのか、誰も俺に声をかける者がいなかった……


 あの、いつも俺にズケズケものを言うミオンでさえ。


 行と違って、ソアラねぇ~ちゃんが、いなくなったため、轟雷号と

ギランは、通常航行で、ブレイブ基地を目指している。


 おそらく、ブレイブ基地に到着するには、後数時間はかかるだろ

う。


 その間俺は、食事もとらず、唯、ただ、自室でベットの上で天井

を”ボー”と見上げたまま過ごした。


(結局、俺は何だったんだろう……)


 ただ、ただ、それだけを自問自答して……。









 数時間後、轟雷号と”ギラン”はブレイブ基地へと帰還した。



「セイア!着いたよ~w」


ミオンの明るい声に促され、轟雷号の自室を出、艦をみんなと共に降りた。



 そこには、さくらばーちゃんにりゅーじーちゃん……


そこには2人の他に、この異世界に来たことがない2人が居た。


「「お帰りセイア!」」


声をそろえて出迎えるその2人は、


「あれ、なんでジョー叔父さんに甚平叔父さんが、

ここにいるの!?」


思わず2人に問いかける俺に、なんだか言いにくそうに


「いや……その、兄貴達もここに来てるだよ」


とジョー叔父さんが言う。


「へぇっ、兄貴って……」


と俺が聞き返すタイミングで、ジョー叔父さんと甚平叔父さんの

後ろから現れたのは……。


「セイア!」


「セイア!」


「えっ!……とうさん、かあさん……何で!?」


突然、現れた我が両親の姿に動揺する俺。


「なぁ~んでって、セイア……あなた母親をなめてはいけませんよw」


「えっ!どう言うこと、かあさん」


「どう言うことって、時々、あなたが変だったのよ」


「俺が変!?……」


「そう、なんか我が息子であって息子でないような気がしててね」


「息子でないような……ってどう言うこと」


俺の質問に少し考えてから、かあさんが言う。


「……う~ん、言葉では説明できないけど……

母親の感!……かしらねぇ」


(俺の身代わりのプロキシ オートマトンのことだろか……

でも、あれは俺を完璧にコピーしてははず……だけど)


と俺が心でそう呟いたタイミングで、


「痛てててっ!」


とうさんが、横に立つジョー叔父の耳をつかんでこう言った。


「あんまり、かあさんが言うもんだから、こいつを問い詰め

たんだよ。」


「えっ、いつ……!?」


「ああ、あのクリスマスパーティーの後だ」


「えっ、じゃぁ~お正月の時は……」


と驚き聞き返す俺に両親は声をそろえて言う。


「「知ってたw」」


と笑顔で言う2人。


「じゃ~ソアラねぇ~ちゃんのことも!」


と俺が聞き返すと、


急に2人は、怪訝そうな顔になり、


「ソアラのことは……もう言わない約束だろうセイア!」


って、悲しそうな顔で言うとうさん。


「いや、こっちの(異世界)で、ねぇ~ちゃんが生きてて

……生きてて…でも……」


俺は言いながら、涙が急に溢れて何も言えなくなった。


 そんな俺を抱きしめ、背中をポンポンと叩いてくれるかあさん。


そこに突然!


「わたしがどうしたのセイア!」


って、ねぇ~ちゃんの声が聞えた。


「へぇっ!」


その声に驚き、声のするほうに俺が振り向くと、そこには小さな

6歳のころの、ねぇ~ちゃんが立っていた。


「ねぇ~ちゃん!!」


驚く俺に


「恥ずかしながら、戻ってまいりました」


って照れながら、敬礼するソアラねぇ~ちゃんが立っていた。


と同時にとうさん、かあさんが笑顔になり、頭をかきながら


「いや~ソアラにお前を脅かせって言われててな~芝居して

たんだよ~」


と、とうさんが言った。


 俺は、その言葉に固まった。


 ねぇ~ちゃんの説明によると、全聖霊力を使い光の玉を作った時点で

、消えかけて居たらしいんだけど、轟雷号の対消滅弾がさく裂し、

ギル(暗黒の龍)共々島が吹っ飛んだ瞬間、ソアラねぇ~ちゃんの体に

残ったほんのわずかな聖霊のエネルギーに、大量の魔力が集まったそう

だ。


 そして、それを使い再び自分の体を再構築させたらしい。


 で、


あまりに膨大な魔力が集まったので、自身の体を人間サイズにできた


ってことらしい。


 そんでもって、自分が死んだと思い込んでいる俺を驚かせたくなって、


一足先に、転移魔法で、ブレイブ基地に帰って来たところで、とうさん

と、かあさんに遭遇。


 

 ねぇ~ちゃんとの再会に両親が喜び、この異世界での俺の活躍を説明。

 

ねぇ~ちゃんから聞いた両親は、一応納得してくれたって言うこと

だった。


で、


 俺をさらに驚かせるために、ねぇ~ちゃんがこの世界に居たこと

と、蘇ったことは、俺には内緒にしようと言い出して、


とうさんとかあさんの先ほどのお芝居になったわけだが……。


(とうさんって不器用で芝居下手だったと思っていたが……案外

……ってか、ソアラねぇ~ちゃんに言われ娘かわいさってことかもな)


「じゃ、みんなそろったことだし、粉物パーティーと

行こうかの~」


明るくりゅーじーちゃんに、


みんな笑顔で、


「「「「「はいw」」」」」」


と返事をするのだった。








 これで、俺の勇者としての役目は終わったが、この後1年を

かけて、この世界の国々に招待され歓迎の宴に招かれ続けるこ

とになる。



 それから、俺とミオンは高校を卒業して、同じ大学に進学。


 ゲキは、さくらばーちゃん共々っていうか、家ごと

この異世界に移住し、『撃心流』道場を開いた。


 もちろん、道場には騎士を辞めたクレアさんエドナさんも師範代

として参加している。


シノブは高校卒業後、アメリカの大学に進学。


また、ソルジャーとしての武者修行と称して、各国々を転戦してい

る……もちろんそこにはアイシャさんも同行してるよ。


 後、ローゼは甚平叔父さんのところでバイク屋の手伝いをしてる。



あっ、そうそうソアラねぇ~ちゃんは……神になりました。


って言っても、この世界を救った生き聖霊として、各地にねぇ~

ちゃんを崇拝する人々が現れたので、ブレイブ基地にソアラ神殿

を建て、そこで各地からの巡礼者に祝福の言葉を贈るのが、ねぇ

~ちゃんの仕事になったって感じかな。


そんなこんので、その巡礼者を受け入れるためにソフィーとシュイ

は、ブレイブ基地を拡張して、都市にするため異世界に残ってもら

っている。


 時々俺とミオンが遊びに行くけどね。




 まあ、そのあたりの話は、また今度ね。




「完」







































長い間、お待たせして申し訳ありませんでした。

これでやっと完結致しました。


今回のことを踏まえ、次回作は、なるべく途切れないように頑張ります。


読者の皆様には、長きにわたりお付き合いいただきありがとうございました。

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