259話 暗黒大魔将軍ゲーク登場
------(暗黒島内地下)------☆
自身の視界を暗視モードに切り替えてみても、何も見えない真っ暗な部屋。
≪本当、真っ暗ねぇ~≫
俺の中で、ソアラねぇ~ちゃんも呟くのだった。
『皆は、しばらくここで待機』
と、みんなに声を掛け、俺だけがその真っ暗な部屋に入る。
真っ暗で、何も見えない部屋……だが!
"ピッ”
≪Enemy≫
≪名称 ???≫
何か敵意のようなものを感じ、咄嗟に右手のアンチマジックシールドを
張った。
”ボー”
何か熱量の様な物が俺を襲ったようだが、それを咄嗟に張ったアンチ
マジックシールドが、防いでくれたようだ。
≪セイア!聖霊センサーに切り替えて≫
ソアラねぇ~ちゃんの指示のもと、俺は視界を聖霊センサーに切り替えた。
センサーなんで、視界が開ける訳ではないが、何となく部屋の奥に、
黒い塊があるのが分かる。
ここで、ソアラねぇ~ちゃんが俺に言う。
≪セイア!聖霊力ビーム≫
姉に指示を受け、俺は即座に実行した。
『聖霊力ビィ~ム!!』
”ピー”
≪ぬぉぉ~!≫
聖霊力ビームを浴びた黒い塊が、のた打ち回っているように、
俺には感じる。
≪セイア!視界を戻して≫
またしても姉の指示に、素直に従う俺。
視界を暗視モードに切り替えてみると……。
薄暗い、巨大な部屋!?……造りは、謁見の間のようにも見える。
『あっ!』
その部屋の奥にある、一段高い場所の中央の玉座の側で、両手、両肘を
床につき苦しんでいる黒い鎧の巨人を発見した。
"ピッ”
≪Enemy≫
≪名称 暗黒大魔将軍ゲーク≫
≪体長 25m≫
≪体重 150t≫
≪レベル不明≫
≪戦闘力 500,000≫
≪防御力 660,000≫
≪スピード 9,000 ≫
≪EP 1,900,000≫
≪特徴 ≫
・相手の視覚、聴覚、感覚を無くす暗黒フィールドを張れる。
・あらゆる物を切り裂く暗黒ソード
・目から暗黒ビーム(破壊光線)
・口から暗黒炎を吐く。
う―ん、真っ黒な鎧に真っ黒な兜。
兜の左右と、兜の中央上に大きな角があり、黒いマントを羽織り、
腰には剣を差しているって感じかな。
その腰の両刃の剣を抜き杖代わりによろけながら、暗黒大魔将軍
ゲークは立とうとしていた。
≪はぁ、はぁ、はっ……何のこれしきぃ~!≫
よろけながらも、立ったゲークに、俺は、高速タックルを掛ける。
『おりゃぁ~!』
”ガッチ”
俺にタックルを決められ、その反動で、
\\\ドスン!///
と、尻もちをつき、一段高い場所から、床に転げ落ちた、ゲークを、
俺は床に押さえつける。
≪なんじゃと!≫
俺に床に押さえつけられたゲークは、必死で剣の柄で、俺の背中を
何度も殴りつける。
\\\バコッ///
\\\バコッ///
\\\バコッ///
『んぐっ……!』
それに耐えながら、俺は叫ぶ。
『今だぁ~!ソフィー』
俺の声を聴いたバルタンクが、謁見の間らしき部屋に、ヘッドライト
を灯し入って来た。
”ブ~ン”
≪うっ……ま・眩しい!≫
バルタンクのヘッドライトが目に入ったのか、ゲークが手で顔を覆う。
その瞬間に、バルタンクはアームを伸ばし、
『転移!』
とソフィーが叫びながら、左手を魔水晶に置いたまま、右人差し指で紫色のボタ
ンを押した。
”ビシュン~”
紫色の光がバルタンクから飛んできて、俺とゲークの頭上で、
\\\パッ///
っと魔法円に代わり、俺とゲークをすり抜け、俺達が居る床に着いた。
……と、次の瞬間、俺とゲークは転移された。
◇
------(暗黒島内地上)------☆
≪ぬわぁ~……ま・眩しい!≫
と叫ぶ、暗黒大魔将軍ゲーク。
俺とゲークの真上には、青空が広がり、地面には先ほど俺とゲーク
を転移させた、紫に光る魔法円。
近くには、ギリシャのパルテノン神殿を、数倍大きくしたような神殿
が立っていた。
≪上手くいったわねwセイア≫
俺の中で、ソアラねぇ~ちゃん言う言葉に俺は、黙って頷き、今だ
錯乱状態の暗黒大魔将軍ゲークを抱え、背中の翼を広げ、飛ぶ。
≪なっ、何ぃ~!≫
暴れるゲーク。
『あっ、!』
あんまり暴れるので、俺は思わずゲークを落としてしまった。
\\\ドスン///
\\\ドンガラガッシャン///
空中に放り出されたゲークは、地面に落ち転がる。
(あ~、わりー、ワリー)
と、俺が心で詫びるも……。
ゲークは、持っている剣を杖代わりに立ち、
≪おのれ~!我をコケにしおって!≫
と叫び、
”ピー”
目から暗黒ビーム(破壊光線)を俺に放つ。
それを、”ひょい”とかわし、俺はゲークの前に降り立った。
ゲークは、剣を構え俺に向かって突進してくる。
それを見た俺は、右腕から高周波ソードを出し、
”ガチーン”
と奴が振り下ろす剣を受け止める。
”キーン”
高周波の共鳴が響き渡る。
(あれれ、高周波ソードを受けてもこの剣、折れないねぇ)
と思いつつも、俺は踏み込んだ左足の脛からミサイルを発射する。
\\\ドッ~カン///
\\\ドッ~カン///
\\\ドッ~カン///
が、
3発のミサイルを、足に受けても微動だにしないゲーク。
(実弾系は、ダメみたいだな……)
なので、俺はすぐさま後ろに跳びながら、高周波ソードを引っ込め、
右手をゲークにかざし発射した。
”ピー”
≪ふんっ、≫
俺の発射した、4連装プラズマ砲を剣の腹で受け止めるゲーク。
『ならば!』
と俺が額の角から、
『サンダーボルト!』
電撃を放つも、
≪ふんっ、≫
って、言って、剣の腹で受け止めるゲーク。
『これもだめか……ならば!』
『聖霊力ビィ~ム!!』
”ピー”
≪ふんっ、≫
俺の放つ、聖霊力ビィームも先ほど同様に、ゲークは、剣の腹で受け
止めようとするが……。
\\\バキンッ!///
俺の放った聖霊力ビィームは、ゲークの剣を砕き、ゲークの両目を潰した。
≪ぬわぁ――――!≫
雄叫びを上げ、崩れるように倒れるゲーク。
聖霊力ビィームで、打ち抜かれたケークの両目からは、”モクモク”と、
黒い煙が立ち上る。
やがてその勢いが増し、ゲークの顔を砕き、頭を砕き、ますます勢い
よく噴き出す黒い煙。
そして、ゲークの全身をも砕き、俺の頭上に黒い”モクモク”が広がる。
『やった!か!?』
と俺の言葉に、
≪まだよ、これからよセイア≫
と、俺の中で言うソアラねぇ~ちゃんの言葉通り、俺の頭上に広がる黒い
”モクモク”が何か形を作り出した。
”ピッ"
≪Enemy≫
≪名称 ギル(暗黒の龍) ≫
≪体長 40m≫
≪体重 50,000t≫
≪戦闘力 900,000 ≫
≪防御力 800,000 ≫
≪スピード 60,000 ≫
≪MP 900,000 ≫
※1分ごとに20%MP回復
≪特技≫
・頭の角から、黒稲妻
・目から、ストップ光線(相手の時間を止める)
・口から、ダーク煙幕を出し、ダークフィールドを派生させる。
(ダークフィールドに閉じ込められると、光や音を
遮断し、相手の目や耳の感覚を無くさせる)
・手の爪、 爪を相手に突き立て、魔力を奪う。
本当、真っ黒なドラゴンって感じの暗黒の龍ギル。
≪ギャオ~!!≫
大きな雄叫びをあげるギル(暗黒の龍)。
≪セイア、こいつは、知性も何もないから気を付けるのよ≫
と俺の中でソアラねぇ~ちゃんが忠告する。
『うん』
それに頷く俺だった。
暗黒大魔将軍ゲークのモデルは、ご存じ!?グレートマジ〇ガーの暗黒大将軍です。
キャラは少し違うけど。




