249話 あのなぁ~、……まぁ、いいか
「さぁ~て、これをどうしようか……」
俺は、ソアラねぇ~ちゃんと分離し、元の大鷲青空に戻って、そのデカ物を
見つめていた。
≪名称アスピドケロン≫
≪体長 350m≫
≪体重 15,000t≫
≪レベル不明≫
≪戦闘力 0≫
≪防御力 1,000,000≫
≪スピード 4,000≫
≪MP 500,000≫
≪特徴 攻撃力0、魔獣運搬用≫
「Wow!」
「Oh my God! 」
戦車から降りてきた ジェームズさんやガレリアさんが、口々に言う。
その側には、ヴァンスさん、時田さんにマクギーさん、それにガレリア
さんの部下のオルドさん、メッシュさんの姿もあった。
「これ、おいしいかな?ミオンっち」
「やめときなさい電ちゃん」
ミオンもブレイブロ・ボマークⅢから降りてきて、その巨大な亀
を見て、ミオンの肩に乗るミニ電龍と会話を交わす。
「こいつは、死んだ戦海魔獣将軍ラブロしか扱えんものだろう?」
俺の横でゲキが言う。
「確かに」
「なら……」
俺の言葉にゲキが言いかけ時、ソアラねぇ~ちゃんが言う。
「あら、わたし、この子扱えるはよ~」
「「「へっ?」」」
思わず、間抜けな声を出してしまう俺、ゲキ、ミオン。
「What!?(え!?何だって?)」
その言葉に、ルズドさんが驚き言う。
「どう言う事かな?Missソアラ」
ジェームズさんが、ソアラねぇ~ちゃんに聞いた。
「どう言うっ……って、コントロールってか、命令できるよw」
「命令できるって、どう言う……」
ミオンが、ねぇ~ちゃんに聞き返すと、
「んっ……例えば、OPen!」
と、ソアラねぇ~ちゃんが、アスピドケロンに命じると、スピドケロンの背中の
甲羅が左右に開いた。
「「「Wow!」」」」
それを見て、ジェームズさん、ルズドさん、マクギーさんが声をあげる。
「これなら、巨神器とかも運べるね」
とミオンが言うと、ソアラねぇ~ちゃんが、ニコニコと笑いながら、
「うん、運べるよ~w」
と答えたのを聞いたジェームズさんが、みんなに向かって言う。
「よし、これを使って追撃戦に入る!」
「「「「「「Yether!」」」」」」
「「「はい!」」」
ジェームズさんの言葉に、ワールド・ディフェンス社のメンバーと、俺とミオン、
ゲキが、元気よく返事をするのだった。
◇◇◇◇◇
只今、お昼のランチ中♪
と言っても、ここ、轟雷号の食堂に居るのは、俺、ソアラねぇ~ちゃん、
ミオン、シュイ、ソフィー、ゲキ、エドナさん、クレアさん、そして、
エドモンド王にカカ皇帝。
他の人達は、追撃戦の準備に追われているので、各自持ち場で、
お昼を取っている。
お昼のメニューは……。
ロコモコ……飯の上にハンバーグと目玉焼きを乗せ、グレイビー
ソースをかけたも。
「「「「「「「「いただきます」」」」」」」」
「「……ダキアス」」
俺達が、声をそろえて言いながら、手を合すのを見て、エドモンド王
と、カカ皇帝も見よう見真似で手を合す。
そして、エドモンド王とカカ皇帝が、一口食べて、
「「ん!?、これは……」」
と言うので、俺が、
「えっ、お口に合いませんか?」
と聞くと、2人とも首を振り、同時に言った。
「「フリカデレ!!」」
「はいw」
エドモンド王とカカ皇帝のそろって言う”フリカデレ”の言葉を聞いて、
にっこり笑って言うソフィー。
「セイア様たちの世界では、これをハンバーグと呼んでおられます」
シュイが、自慢げに言う。
「ほう~ハンバグラか……」
「いえ、ハンバーグです、陛下」
とエドモンド王の間違いを指摘するシュイ。
「しかし、タマゴ……目玉焼きか……それを乗せると味がまた変わる
のう」
「うん、まろやかになると言うか……」
カカ皇帝の言葉に、エドモンド王が同意する。
「後で、このレシピをもらえんかの~」
「あっ、わしも」
「じゃ、後で時田さん言っときますw」
とミオンが2人に言うので、俺が、
「いや、これなら、俺が書きますよ、そんなにむずかいい訳じゃないから」
と言うと、ミオンが少し驚いたような顔をして、
「セイア、料理得意だったっけ?」
と聞いてくるが、そこへ、ゲキが口を挟む。
「これは、料理と言うほどのものではないだろう~、誰でも作れるぞミオン」
「えっ、私はできないよ~」
ゲキの言葉にそう反論するミオンに、俺とゲキが口をそろえて言った。
「「お前だからな」」
その言葉に、ミオンは絶句し、固まるのだった。
◇◇◇◇◇
食後、ソフィーを除く、異世界組(エドモンド王とカカ皇帝含む)メンバー
に加え、ゲキに、”魔力の実”を1人2つづつ支給し、魔力及び気力を回復し
てもらう。
その間に、俺は、ソフィーを連れて、食堂奥にあるブリーフィングルームへ
と向かう。
俺のエネルギー補給のために。
いくら、エネルギー補給だと言う大義名分があったとしても、ソフィーの
父親の前でキスするのは、少々気が引けるのでね。
ブリーフィングルームへ、ソフィーと共に入った俺は、部屋の戸を閉め、
ソフィーを抱き寄せ、キスをした。
最近は、お互いそれが自然であるかのように、濃厚に大人のキスをする。
「……」
「……んっ!」
何か気配を感じ、キスを中断し、目を開けてみると……俺達の顔の左横に
顔がある。
シュイだった。
俺達のキスを食い入るように見ていた。
(これはいつものことだ)
が、
その右横には……。
「ミオン!!」
の顔があり、同じく俺とソフィーのキスを、食い入るように見つめている。
「お前たち、どっから入った!」
キスを邪魔され、少し怒り気味に言う俺。
「「ないしょw」」
2人そろって、笑顔で言う。
「もう、青い光が頭から出てるからエネルギー満タンになったんじゃなぁい?」
とミオンが不敵な笑みを浮かべ俺に言う。
「あっ、まぁ……」
「「じゃw」」
ミオンとシュイは、2人揃ってそう言うと……。
「なぁっ!!」
強引に俺の唇を奪った。
(あのなぁ~、……まぁ、いいか)
怒ろうと思ったが、男としてはうれしいので、2人のなすままにさせる俺で
あった。
◇◇◇◇◇
簡易転送魔法円を使い、アスピドケロンに、バルタンクと戦車一両を積み
込む。
ここに、俺とソアラねぇ~ちゃん、クレアさん(巨神器含む)で、戦車に
乗り込む、ルズドさんガレリアさん、オルドさんにメッシュさん。
そして、バルタンクに乗り込む、ソフィー、シュイにゲキに加え電龍が
乗り込む。
クレアさんの巨神器ジャンは、転送せずにそのまま、乗り込んでもらう。
《それでは出発~!》
俺達は、轟雷号や”ギラン”よりも先に出発した。
砂浜を移動するアスピドケロンは、多少揺れたが、海に入ってからは、
揺れもなく快適だ。
外からは分からなかったが、アスピドケロンの背中の甲羅は、マジッ
クミラーみたくなって居て、外の様子がよくわかる。
「きれいですね~」
「ホント、きれいだわ~」
その光景にお姫様2人は、感動したのかそう呟いた。
(いやいや、今から決戦なんですけど)
と、俺は心に思ったが、
(今はまだいいかw)
と、思い直すのだった。
◇◇◇◇◇
------(暗黒島(暗黒龍魔王軍団本拠地))第三者視点---☆
王国の謁見の間を巨大にしたような一室。
そこに、巨大な6人の魔将軍が玉座の前に控える中、中央の玉座に座る
のは、セイア達が今戦っている相手……暗黒龍魔王……その名をゲーグ。
そこへ、この魔王城の警備をしているゴーレムが、玉座の前に控える、
6人の魔将軍の内の1人、怪鳥魔将軍メッサの元へやってきて、跪き
耳元で報告する。
それを聞いて、一瞬眉を顰めるメッサ。
「何っ、アスピドケロンがこちらにもどって来るとな」
それを聞いた暗黒龍魔王ゲーグが言う。
「何かあったのかメッサ」
「ははっ、」
一旦、頭を下げてから、立ち上がり言う。
「ゲーグ様、今、ゴーレムから報告によりますと、アスピドケロンが
こちらに戻ってまいります」
「何っ!」
「それは、解せんな」
と、超人魔将軍ジオと、猛魔爬虫獣将軍マルクが、暗黒龍魔王ゲーグ
より先に声を上げた。
「解せんと言うより、単にラブロが、自分1人おめおめと逃げ帰って
きただけではないのか?」
それに異議を唱える恐魔虫将軍マンサ。
「奴は、そのような者ではないわマンサ!」
と怒鳴る猛魔爬虫獣将軍マルク。
「しかし、あれは奴しか扱えないのではなかったか?」
「ああ、確かに……」
猛魔爬虫獣将軍マルクは、ラブロに言われ、黙ってしまう。
「しかし、我らはともに意識の共有をしておるのだ、それが先ほど
途切れた……と言うのであれば、」
と、超人魔将軍ジオが言いかけたが、そこに暗黒龍魔王ゲーグが先に言う。
「戦死した……」
そこに暗黒龍魔王ゲーグが先に言う。
「確かに、意識の共有は途切れたが、現にアレが戻ってくるならば、
奴は生きてることになろう」
とラブロが反論するが……。
「もしくは……」
と暗黒龍魔王ゲーグが言いかけた時、
「アレを奴らの内の誰かが操っている……ですな」
死霊魔将軍ジルが言う。
「んなっ馬鹿なっ!!」
その言葉に驚き、声を荒げるラブロ。
「落ち着けラブロ!」
マルクがラブロに言い、興奮し、立ち上がったラブロを強引に座らせた。
「ラブロ、そう悲観することはない、奴らがあれを使い、わざわざこちら
に出向いてくれるのだ」
「なら、あれごと一気につぶしてしまえば良いではないか?」
と不敵に笑い言う暗黒龍魔王に、
「はっ、」
と傅くラブロ。
「考えてもみー、奴らが、自分達のあの船を使わず、わざわざ、こちらの
アスピドケロンを使って攻め入ると言うことを」
「なるほど、奴らの被害も相当……だと言うことですな」
と怪鳥魔将軍メッサが暗黒龍魔王に言う。
それを聞いて、玉座から立ち上がった暗黒龍魔王ゲーグは、
「よし、奴らをこの魔王城に引き入れ、一気に叩くのじゃ!」
と魔将軍達に檄を飛ばすのだった。
◇◇◇◇◇
------(轟雷号第一艦橋内)---☆
「全艦発進用意!」
ジェームズさんが、号令を発した。
それを聞いて、通信士のマーカーさんが、
『ギラン発進用意願います』
と無線で伝える。
『ギラン発進用意できてます、いつでもどうぞ!』
”ギラン”オペレーターのアビーさんからの返答と、
「轟雷号発進用意完了しました」
と時田さんの言葉に、ジェームズさんは頷き言う。
「よし、これより”マ 二号”作戦を開始する!目標、魔王島!」
『了解!』
ギランオペレーターのアビーさんからの無線の返事と共に、時田さんが、
「目標!魔王島……アイアイサー」
の言葉を発した。
その言葉を聞いたジェームズさんは、
「全艦発進!」
と、号令を発した。
ジェームズさんの号令と共に轟雷号と”ギラン”は、魔王島に向け、
発進するのだった。
マ 二号作戦は、アニメ宇宙戦艦ヤ〇ト2199の『メ 二号作戦』のパロディーです。




