240話 戦海魔獣軍団(後編終わり)
やっと、轟雷号同様、うちのパソコンの修復完了いたしました。
ご迷惑、ご心配かけてすいませんでした。
ごめんなさい海難の龍の名前を間違えていました
正しくはティアマトです。
"ピッ”
≪名称ティアマト≫
≪体長 40m≫
≪体重 4,450t≫
≪レベル不明≫
≪戦闘力 750,000≫
≪防御力 900,000≫
≪スピード 8,000 ≫
≪EP 2,000,000≫
≪特徴 津波、大渦、海流を操れる
目からフリーザー光線等 ≫
(ソアラねぇーちゃんの解析でも未知数なところがあるんだな……)
海難の龍は、プレシオサウルス似た姿の体長40mドラゴン。
(それにしても……海底に居る俺達に津波攻撃って……効果あるのかな?)
俺が、何となく疑問に思っている中、 轟雷号が攻撃を開始する。
≪主砲並びに副砲1番、2番打てっ~!≫
”ズキュ~ン”
”ズキュ~ン”
”ズキュ~ン”
”シュルシュルシュル”
≪続いて、魚雷1番~4番連続発射~!≫
”ゴボッ”
”シュー”
”シュー”
”シュー”
”シュー”
轟雷号の攻撃を見た海難の龍の額にある大きなオパールが、青く光っ
た。
みるみる、海難の龍の周りに大渦が発生し、その大渦で轟雷号が発射
したショックカノン砲(衝撃波)や魚雷を防いだ。
\\\ドッ~カン///
≪Shit!(クソ)!≫
悔しがるジェームスさんの声(念話)が俺脳裏に入ってきた。
≪なん~かさぁ天変の龍と同じパターンで防がれてるよねぇ~≫
ソアラねぇーちゃんの独り言も俺の脳裏に聞こえる。
≪さて、どうやって攻めようか≫
そんな時、上空で例のテントウ虫を殲滅した俺の左腕が、戻って来た。
(まずは……)
≪ハイドロプレッシャーボルテックス≫
口の装甲が、左右に開き、発射した。
”ゴー――”
\\\ズバーン!///
海難の龍の周りにある大渦を貫くが……。
大渦の中にいる海難の龍には届かない。
≪だめか……≫
俺は、そう呟くと、ソアラねぇーちゃんに聞いた。
≪あれ、後、何発打てる?≫
すると、俺の中のねぇーちゃんが言う。
≪そうねぇ~うん――3発がギリ……かな≫
≪わかった≫
ねぇーちゃんの答えに俺はそう頷くのだった。
◇◇◇◇◇
------(轟雷号第一艦橋内)---☆
「ボス、すべての攻撃が、あの大渦に弾かれます」
「うむっ……」
パーマーさんの言葉に、顎に手をやり、しばし、考え込むジェームズさん。
”バタン”
シュイが急に倒れた。
「魔力切れのようだ」
副官の席から、すくっと立ち上がると、倒れたシュイを抱きかかえ言
うカカ皇帝。
「すまんが、この子をベットで休ませてくる」
「ええ、どうぞ」
カカ皇帝の言葉にジェームズさんが頷き答える。
艦橋をシュイを抱きかかえたまま、去ろうとする、カカ皇帝の背中に
「あとは任せろフォ」
とエドモンド王がそう声を掛けると、カカ皇帝はそのまま振り向かずに
「ああ、任せたエドモンド」
とだけ答え出て行った。
カカ皇帝が艦橋を出たのを見たジェームズさんが、唐突に時田さんに命令
した。
「あの大渦に突っ込め時田!」
「アイアイサー!」
ジェームズさんの突然の暴挙とも言える命令に、何の反論もせず、轟雷号の
舵を切る時田さんを見て、パーマーさんが
「ちょっ、ちょっと、待ってくださいそんなことしたら、この轟雷号は、
バラバラになりませんか?」
「なるかもしれんな……」
と時田さんの横に座るバンスさんがそう答えた。
「えっ、じゃぁ――!」
と慌てふためくパーマーさんに、
「落ち着け、パーマーとやら」
とエドモンドさんが口を挟む。
「はい――っ、この船がバラバラになると言うことは、我々は死ぬってことですよ
ぉ~!分かって行ってますぅ~エドモンドさん!?」
「ああ」
興奮気味にエドモンド王に食って掛かるパーマーさんに
「パーマー君!」
と、操縦桿を握る時田さんが一喝する。
「パーマーとやら、バンス殿は、”なるかもしれぬ”と言った
だけで、”バラバラになる”とは言っとらんではないか」
「あっ、ええ……」
「Mr.パーマー!死中に”かつ丼”を食えだよ!」
「はっ……ぁ?」
と混乱気味に言うパーマさん。
その時、時田さんが冷静に言う。
「ボス、それも言うなら、”死中に活路を見出せ”です」
冷静に突っ込まれ、一瞬固まるジェームズさんだが、
「そう、それそれ」
と、時田さんに指を指しながら言うのだった。
◇◇◇◇◇
------海底(轟雷号とセイアが居る付近)---☆
俺が、まさしく今、海難の龍を包む大渦に”聖霊力ビーム”を放とうとした
時だった。
轟雷号が、大渦に突っ込んで行く。
≪えっ、ジェームズさん一体何を……≫
驚く俺にジェームズさんが言う。
≪死中に活路を見出せだ!Mr.セイア≫
≪えっ、なんです!≫
俺が聞き返すが、それには答えてくれないジェームズさん。
(何を考えてるんだ?あの人……)
と俺が心に思うと、
≪まぁ、何か考えがあるみたいだからいいんじゃなぁい?≫
とソアラねぇーちゃんに言われ、俺は何もせず見守ることにした。
轟雷号は、大渦に飛び込み、大渦の回転逆らうことなく、海難の龍の周
りをぐるぐると回りだした。
≪全砲門を開け!≫
≪撃ち方初め!≫
ジェームズさんの号令の下、轟雷号の全砲門を渦の内側、つまり、
海難の龍に向けショックカノン砲(衝撃波砲)を
放った。
”ズキュ~ン”
”ズキュ~ン”
”ズキュ~ン”
”ズキュ~ン”
”シュルシュルシュル”
\\\ドッ~カン///
\\\ドッ~カン///
\\\ドッ~カン///
\\\ドッ~カン///
海難の龍の体のあちらこちらに、次々に命中するショックカノン砲
(衝撃波砲)。
ショックカノン砲(衝撃波砲)が、命中した海難の龍の体から、
次々と虹色のシャボン玉が漏れ出ている。
≪ほう~死ぬ気で我に飛び掛かってくるとは……なかなかやる≫
≪ならば。こちらもその気で参ろうか≫
海難の龍はそう呟くと、自分のを取り巻く大渦を解除した。
≪えっ?、えっ?≫
その様子に驚く俺……。
轟雷号を指揮するジェームズさんも突然無くなった渦に、警戒して、轟雷号
を海難の龍から距離を取った。
すると、しばらくして、奴の額が光ったと思ったら、俺と
轟雷号に異変が起こった。
≪ん!?体が何かに押さえつけられてるようだ……≫
俺は、異変に気付きそう呟いた。
◇◇◇◇◇
------(轟雷号第一艦橋内)---☆
轟雷号艦内に、宇宙戦艦ムサシの警戒音が鳴り響く中。
「ソフィーさん、魔力供給を!」
「Mr.トキタ障壁を!」
パーマーさんが悲痛な叫びをあげる。
その様子に、すぐさまソフィーは魔力を供給し、時田さんは障壁の
スイッチを入れる。
「Mr.パーマーどうした!」
とすぐさまジェームズさんが、パーマさんに聞く。
「轟雷号の深度計が、限界を超え、深度1万2000mを指しているん
です!」
「どういうことだ!Mr.パーマー」
「わかりません……」
「レーダーやセンサーでは、現在位置は先ほどから、変わっれないよう
ですけど……転移魔法ってやつですかねぇ~」
と、レーダー&通信士席に座るマーカーさんが口を挟むが、
「いや、転移魔法ではない!おそらく……ハイドロプレッシャーの魔法を、
広範囲にしたものだろうて……」
とエドモンド王がの発言に、時田さんが聞き返した。
「シュイ様が使う、水の圧力を高めて放つのと同じと言うことでしょうか
……エドモンド殿下」
「ああ、おそらくそれの広範囲版だろう」
「水圧を操る魔法か……」
エドモンド王の言葉に、独り言のように呟くジェームズさんだったが、
「ボス、どうします?」
ヴァンスさんの言葉を受けて、
「Mr.パーマー障壁を張った状態でいつまでもつ?」
「はい、30分はもつかと……しかし、魔力エネルギーを障壁に集中
しての話ですし、……その間、武器は使えませんよ」
パーマーさんの言葉に、黙り込むジェームスさんだったが、
「んっ?ボス、何か信号をキャッチ……あっ、モールス信号!?」
マーカーさんの言葉に顔を上げ、
「んっ、どうしたMr.マーカー」
とマーカーさんに尋ねた。
「ここでは、電波が使えないはずですが……」
不思議がるマーカーさんに、
「いいから、読み上げてみろ」
と催促するジェームスさん。
「はい、えーと……轟雷号の先端の光が消えているが、もう対消滅弾が撃てる
のでは……と」
それを聞いて、エドモンド王が言う。
「それは、外に居る勇者殿からではないのか?」
「えーと、待ってください……あ、そうです!ギガ・ブレイブからの通信です」
マーカーさんがそう答えると、
「Mr.パーマーそうなのか?」
とパーマーさんに尋ねるジェームスさん。
「……あっ、えっ……と、はい、修復完了してます」
その答えを聞いて、ジェームスさんがすぐさまヴァンスさんに言う。
「艦首対消滅弾発射用意!」
◇◇◇◇◇
------海底(轟雷号とセイアが居る付近)---☆
修復が完了した右手を、自身の前にかざし、アンチマジックシールド
を最大に張る俺。
(腕が重いけど……)
(これでこの距離なら無線が使える……)
と言っても、かなり出力は弱い……ので、覚えたてのモールス信号で、轟雷号
にメッセージを送った。
って言うのは、ここから見て、対消滅弾修復のため轟雷号の先端が光に包まれ
ていたのが消え、元のドリル状の先端が現れていたからだった。
俺自身、轟雷号のように水圧で”ぺしゃんこ”にはならないが、この水圧の
中では思うように体を動かすことが困難である。
したがって、俺ができることは、”聖霊力ビーム”を放つこと……。
しかし、それも後、撃てて3発……とても俺一人で、海難の龍を仕留
めることは無理だと思っていたのだが……。
その時、轟雷号の先端の修復が完了していることに気づき、奴に感づ
かれ無いよう、モールス信号で、轟雷号に連絡を取ってみたって訳。
どうやら、ジェームスさんも分かってくれたみたいで、轟雷号が発射体制に
入ったのを確認した俺は、ビームを放つ。
≪聖霊力ビーム!≫
俺の放ったビームは、見事、奴の頭部を吹っ飛ばした。
\\\ドッ~カン///
奴の頭部が吹っ飛んだのと同時に、周りの水圧が元に戻った。
(何とか対消滅弾発射まで持たせないと……)
徐に、アンチマジックシールドを張ったままの右腕を飛ばした。
"ボッシュ”
”ゴー”
俺が放った、アンチマジックシールドを張ったままの右腕は、今まさに
再生しようとしている奴の頭部に張り付き、再生を妨害する。
再生しようとする奴の頭部付近からは、大量の虹色の泡が、
絶え間なく出続けていた。
≪目標!軸線上に乗った!≫
≪対消滅弾発射!≫
ヴァンスさんの声(念話)が頭に聞こえ、轟雷号のドリル状先端部分が、
奴目掛け飛んでいた。
そして!
\\\ドッ~カン///
大爆発し、上がる水柱は、ミオン達が乗る”ギラン”近くまで立ち昇ったのだった。
この後、地上戦に入る予定です。




