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異世界いったらヒーローごっこ ~夢勇者GUY BRAVE~  作者: グリンピースの豆ごはん
第1章 突然の異世界 そして 突然のヒーロー!?
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23話 GUY BRAVEのエネルギー補給


 その後、部屋に戻った俺。その俺の部屋にシノブと時田さんがシノブの予備の服と靴を持ってきてくれた。


「シノブ、サンキュー」


と軽くシノブにお礼を言うと、シノブは”ぱっ”と両手を広げ、


「気にしないでくれ、君と僕の中ではないか~」


と言ってくれたんだけど……


(俺、そんなにお前と仲良くなった覚えはないが……)


という思いは胸に終い。


 シノブから服と靴を受け取る。


 まずは、靴を履いてみた。


「う……うん、少しゴソゴソだけど、詰め物すれば履けないことはないな。」


シノブの靴のサイズは27cm……俺は26cm。


(まぁ、そんなに走り回るわけでもないから良いかな。)


 一旦、靴を脱ぎ、次にシノブから受け取った服を着てみる。濃いグレーのフロッグコートと呼ばれるものだ。白いシャツを着てズボンを履き、ベストを着てその上にフロッグコートを着る。


 本来、これにアスコットタイを付けるのだけど……今はそれ以前の問題が……


「う……ん丈が長い。」


 シノブは身長185cm、俺は身長172cm……丈が少々長い。フログコートの中に着るワイシャツは、ごまかせるが……ズボンとコートの袖が……長すぎる。コートからは俺の手が出ないし、ズボンは長袴のように引きずっている。


(やはりアメリカ人は足が長いのか?)


 そう思っていると、


「やはり、少々……」


とシノブの服を着た俺を見て、時田さんも言葉にならないようだ。


「そうだな……仕立て直してもらわないといけないな。」


とシノブも俺の姿を見て言った。


 その時、部屋に居たメイドさんが俺達に声を掛けて来た。


「あの……よろしければお直し致しましょうか。」


 その言葉を聞いて、俺達はメイドさんの顔をちらっと見た。


「できるのかい?この服はこの世界の服ではないのだよ。」


とシノブがメイドさんに言う。


「あっ、はい。魔法付与の特殊な生地で無ければできますよ。この世界にもこれと同じではありませんが、このような殿方の服もありますから。」


「それは、すごいな。」


とシノブがメイドさんに言う。


「では採寸いたしますね。」


「ありがとうございます。」


と俺はメイドさんにお礼を言い、採寸してもらった。


「では、明日の朝までにはお部屋にお持ちいたします。」


と言って服を持って俺の部屋を出て行った。


「シノブありがとう。時田さん!ありがとうございます。」


と俺は二人に頭を下げた。


「これで明日はビキニアーマー着て行かなくて済むよ。」


と笑顔でシノブと時田さんに言う俺。


「Mr.オオワシのビキニアーマーで王と謁見する姿も意外とCoolだったかも」


 俺に向かって笑顔で言うシノブ。


 俺はそうシノブに言われ一瞬シノブを睨むと、シノブは両手を上げて、


「Joke、Jokeだよ。Mr.オオワシ……American

 Joke!」


と笑いながら俺の部屋を出て行った。時田さんも、苦笑しながらシノブの後を追って俺の部屋を出て行った。


(お前の冗談は笑えない……)


と独り部屋に残った俺は思った。




◇◇◇◇◇





 夜、6時ごろ夕食の為また、客間へとみんなが集まった。


 夕食は……まずは、サラダ、シュー・フリゼと言うなにかの葉もの……やや繊維質が固く、味はキャベツの味を濃くした感じで、時田さん曰くイタリアのカーボロネロの味だそうだ。パミドール、ルーバブって言う何かの葉の軸が入っており、パミドールってたぶんトマトだと思う。それらに、かなり甘めのドレッシングをかけて食べる。


 なぜ甘めのドレッシングか……一口食べて意味がわかった。ルーパブって茎……”すっぺ~”んだわ。


 シノブやミオンも俺と同じように、


「「すっぱ~い!!」」


って思わず言ったくらい。


 しかし、ゲキは平然と食べいた。甘めのドレッシングと絡めて食べると程よい酸味が心地よい。


 サラダの次に出てきたのが……ゆで”ザリガニ”のクリームソース添え。出てきたときは”ギョエー”って感じだったけど、食べると以外と言っては失礼だが、美味しかった。このザリガニは、ここ王都の湖に住む淡水ザリガニだそうだ。


 それを食べ終わると、アートソッパっていうスープ 。多分、こっちの世界で言うエンドウ豆?のスープに似てると時田さんが言っていた。


これは……まぁ普通のスープって感じだった。


 で、最後、メインなのかな?料理は…… ショットブッラールと言うんだけど……要は、ミートボール料理かな。これは安心して食べられたかな。


 もっと、こう”ギョエー”って感じになるのかな?って思っていたけど、お昼ご飯もそうだったけど、意外と普通?って思った。




 食後のお茶の後、明日の予定をジョセフさんから聞く、午前10時ごろに王城に入城してほしいとのこと、王様と謁見の後、王様や各大臣達との会食、つまり昼食会らしい。


 説明を聞いた後、俺、ミオン、シノブ、ゲキは王に謁見する時の作法をニールさんからレクチャーしてもらい。みんな各自部屋に戻った。




◇◇◇◇◇





 俺も部屋に戻ってベットで寝転んでいると、”コンコン”とドアをノックする音が聞こえたので、


「はい、どうぞ」


と声を掛けると、扉を開けて入ってきたのはミオンとソフィー。


「どうしたんだ?」


 ベットで寝転んだまま、顔をドアのミオン達に向けて言う俺。ソフィーの背中に手を回し、ソフィーをそっと部屋の中に誘いながら、自分も俺の部屋に入って来るミオン。


 俺は2人を見てベットから起きあがり、ソフィーとミオンに近付いた。


ミオンは、俺を見てこう言う。


「セイア、今GUY BRAVEのエネルギーどれくらい残ってんの?」


と聞いて来たので、俺は頭にEnergyって浮かべると……


≪Energy20,000/35,000≫


と俺の頭の中に表示された。


「うん……≪Energy20,000/35,000≫」


と言うと、ミオンが俺に、


「じゃ、補充しとかないと……ね♪」


となにやら意味ありげな言い方。


「あっ、まぁ、そうだけど……」


と言い淀む俺にミオンが、


「明日、王様と会うんだし、ひょっとしたら王様の前でGUY BRAVEにならないといけないと思うの。」


ミオンの言葉に俺は、


「まぁ、その可能性は……あるよな」


と頷きながら言った。


「じゃ、はやく、抱きつきなさい。」


と、手で牛を追うような仕草で言うミオン。そのミオンの言い方に、俺とソフィーはお互い顔を赤くして、固まった。


その様子を見てミオンがニヤニヤ笑いながら、


「さぁ、早く♪、この世界を救うためよ。2人とも早く!、さあ、さあ~」


と俺とソフィーを嗾ける。


 俺とソフィーはミオンに急かされ、近付いてお互いの顔を見つめた。


 ”バクバクバク”俺の心臓が高鳴る。手も震え、動けない……ソフィーも少し震えてるようだ。


 ミオンはそんな俺達を”ジー”っと見つめている。


 俺はそのミオンのジッと見つめる視線を感じて、ふぅ~っと息を吐いてから、ミオンの方を向いて言った。


「あのさ、……どうでもいいけど、何でお前が見てる前でしなきゃいけないんだ!」


と俺がミオンに噛みつくと、


「何で?って……そりゃ、私がGUY BRAVEの生みの親だからにきまってんじゃん、生みの親としては見届ける義務があるのよ!義務が……!」


と少し強い口調で、でも顔はニヤケながら言うミオン。


(はぁ~、何が生みの親だよ、あれはマンガの話し出し、第一お前はストーリ担当で、GUY BRAVEのデザインや性能の設定には加わってなかったじゃないか……)


と内心怒ってはみたが……ミオンの言うとおり、GUY BRAVEのエネルギーは、常に補給しておかなければならないのは、俺自身、前回の戦闘で痛感してはいる。


(それにしても、ニヤニヤしやがって……ミオンは昔から俺やゲキが照れたり、恥ずかしかったりすると余計からかう癖があるよな……ら……)


 とは、思ったものの、俺の顔は赤く、体は火照っているし、ガチガチ。おまけに心臓バクバク……・


(そうだ、俺がすると思うから、旨くいかないんだ!ここは、俺の得意の妄想で、誰かに成りきれば良いんだ!)


 そう思った俺は、頭の中で、ある世界的なスパイ映画の主人公を思い浮かべた。

 そして、彼が映画の中でいつも女性を扱うところを思い浮かべる……


 すると、スーット体が軽くなり、心臓のバクバクも収まってきた。俺は、スパイ映画の主人公のように、そっとソフィーに近付くと、スート彼女の背中に手を回し、彼女を抱き寄せる。


 ソフィーは、突然の事に少し怯えているようだけれど、俺に抱き寄せられ、俺の顔が近付いてくると、そっと目を閉た。俺はそのまま顔をソフィーに近づけソフィーの口に口づけをした。


(やわらかい~……し、暖かい……)


 そして、俺はそのまま……唯の口を付けただけのキスではなく。……お・と・な・のキスをし続けた。

かなり、濃厚な奴。


 ソフィーは初め目を開いたまま固まっていたが、俺の濃厚なキスを受け、いつの間にかソフィーの手が俺の背中に回り、撫でまわす。


 すると、ソフィーから大量の魔力が俺に注がれるのを感じる。やがて、エネルギーが溜まったのか、俺の頭の先から青白い稲妻のような光が放たれる。


 口づけを終え、ソフィーの唇から俺は自分の唇を離して、ソフィーの顔を見ると……


 目がトロ~ンとして、まだ、してほしそうな顔のソフィー。


「終わったよ……すごく良かったよソフィー。」


と言う言葉を聞いてソフィーは我に返った。


「はっ、」


 俺は、側で見ているミオンの方に振り返ると、そこには放心状態のミオンの”あんぐり”として、呆然と立ち尽くす姿が見えた。


(どうだ、ざまあみろ!)


と思う俺。


 俺が、しばらく放心状態のミオンを見つめていると……ミオンが言った。


「だ・だっ・れが!!!そこまでしろって言った~!」


と言うと俺の頭を手で叩いた。”バシ”と良い音がした。


「えへへ」


と、いたずらっ子のような微笑みを浮かべ俺は、ミオンに言った。


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