232話 和解
遅くなりました。
殿下、閣下を陛下に統一
只今、ソアラねぇーちゃんによる りゅーじーちゃんの大説教中。
”ガチャ”
そこへ、ソンブル翁を先頭に、アロガン、そして、アロガンの肩に乗
る”ガンプラ”……もとい、インヴィクタの分体のオブリヴィオン3人
に続き、櫻ばーちゃん、ゲキ、エドナさん、クレアさんにローゼ
が入ってきた。
「コントロールルームが荒れておったので、心配したぞ」
っと、扉を開けるなりソンブル翁が言う。
俺達も振り返り、入り口のソンブル翁達を見て、俺が
「ああ……」
と言いかけた時、ソアラねぇーちゃんによる 大説教中のりゅーじーちゃん
も、”チラリ”と入り口のソンブル翁達を見た。
「じーちゃん!まだ終わってないよ~」
とソアラねーちゃんに怒られ、
「はい!」
と答えながら、ねーちゃんの説教を俯きながら聞くりゅーじーちゃん。
「あっ!、そこにおられるのは、エドモンド陛下にカカ陛下ではないですか」
「どうして、こちらにぃ~」
クレアさんにエドナさんが、ベットに座る、エドモンド王と、カカ皇帝を見て
驚き聞く。
その言葉に、
「おー、リードにエリスか久しいの~」
と右手を軽く上げ答える。
その王の言葉に、臣下の礼を素早く取るエドナさん、クレアさん。
「よいよい、別にわしは王として、ここに来たわけではないんじゃから」
と照れながら言うエドモンド王に、
「では、何故ここにおられるのかの~」
と唐突に聞くソンブル翁を見て、
「はて?そう言う其方達は、どなたかな」
とエドモンド王は、カカ皇帝と顔を見合わせ聞いた。
「わしらは……」
エドモンド王の問いかけに、ソンブル翁が言いにくそうにしていたのを見た
櫻ばーちゃんが、代わりに言う。
「オブリヴィオンのソンブルさんじゃよ」
「「何っ!!」」
櫻ばーちゃんの言葉に、エドモンド王とカカ皇帝はみるみる顔色を変え、
丸腰のはずのエドモンド王は腰の刀に手を掛けるしぐさを取り、カカ皇帝に至って
は、今にも口から火を噴きそうになる。
「待ちなはれ~!待ちなはれって!」
と、そこに、ソアラねぇーちゃんに大説教中のりゅーじーちゃんが、急に飛び出
し、両手を広げエドモンド王は、カカ皇帝の前に立ちはだかる。
「どういうことだ、大鷲殿」
自分達の前に立ちはだかるりゅーじーちゃんに理由を問うエドモンド王に、
「味方じゃよ、あの3人は……」
と言う。
「「味方!?」」
エドモンド王と、カカ皇帝はりゅーじーちゃんの言葉に頭に?を浮かべ聞き返すと、
「セイア、説明して差し上げなさい」
と静かに櫻ばーちゃんが言った。
(えっ、俺~!かよ)
と突然、櫻ばーちゃん指名された俺は、驚き自分を指差し、思うのだった。
◇◇◇◇◇
「なるほど~」
「魔王ではない……」
頷くカカ皇帝と今一つ、俺の説明に合点がいかない様子のエドモンド王。
そこへ、ニールさんがやってきた。
「皆さんなぜここに……っ」
部屋に入るなり、エドモンド王と、カカ皇帝が居るのに気づき驚くニールさん。
「えっ、なぜ陛下達がここにおられるのですか!?」
その言葉に、考え込んでいたエドモンド王が顔を上げ、笑顔で軽く右手を上げ、
「おーっ、ニール久しいの~息災だったか?」
の王の言葉に、少しためらいながら、
「あっ、はい……」
そう答えながらも、状況が飲み込めないので、あたりの顔いろを伺うニールさん。
「ちょうどよかった、ニールさんからも説明してもらいませんか?」
と俺の問いかけに、
「えっ、何をです……セイア殿?」
と不思議そうな顔で俺に尋ね返すニールさん
「いや……この3人……オブリヴィオン達が俺達の味方だということです」
と俺がニールさんに言うと、エドモンド王もニールさんを見て言う。
「本当なのかニール?……オブリヴィオンは、魔王アロガン率いる敵ではなか
ったのか」
「はい、アロガン殿は魔王ではございませんし、オブリヴィオンは味方です」
と、王の問いかけに、真剣な顔で答えるニールさん。
「信じられん!娘を1度ならず、2度も襲ったのだぞ!2度も!」
と右手で2を表しながら怒鳴るエドモンド王に、
「はい……俄には信じられないでしょうが、むしろこの御方たちは、
我らの”創造主”だったのです」
ときっぱりと言うニールさんの言葉に
「なっ……」
絶句するエドモンド王と、目をむき出し驚くカカ皇帝だった。
◇◇◇◇◇
「すまなんだ」
と言いながら頭を下げるソンブル翁に続き、同じく頭を下げるアロガンに、
アロガンの肩から素早く床に飛び降り、同じく頭を下げるインヴィクタの
オブリヴィオン達に、
「恐縮です」
同じように頭を下げるカカ皇帝に、
「創造主様に頭をされられては……」
とばつ悪そうに言うエドモンド王に、
「これで、仲直りって、ことでいいですねエドモンド王もカカ皇帝もw」
とニコヤカニ言うミオンに、エドモンド王と、カカ皇帝もお互いに顔を
見合わせ頷くのだった。
それを見た、りゅーじーちゃんが言う。
「そろそろ、シノブ君達も戻ってくる頃じゃし……お昼にせんか」
その言葉を聞いて、真っ先に、
”グゥ~”とゲキのお腹が鳴った。
「本当、ゲキさんのお腹は正確ですねぇ~」
とエドナさんが笑いながらい言うと、一同爆笑するのだった。
◇◇◇◇◇
皆で、食堂に移り、りゅーじーちゃんが”お好み焼き”を焼き、ゲキが
”焼きそば”を担当で、俺が”タコ焼き”担当で、みんなに振舞う。
「あ~wヤキソバンだぁ~w」
とゲキの焼いた”焼きそば”に飛びつくエドナさん。
しかし、初めて見るこれらの食べ物におっかなびっくりのエドモンド王と、
カカ皇帝だが……。
「お父様、行きますよ……あーんw」
「こちらも行きますよwお父様」
ソフィーとシュイが食べるのを躊躇している2人に自分達の”お好み焼き”を
”こて”で切り分け口に運んだ。
2人は愛する娘に口元まで持って来られては、食べないわけには行かず、目を
瞑って”ガブリ”とお好み焼きを食べた。
「むっ、むむ!」
「なんだ。この食べ物はw」
”お好み焼き”を食べたカカ皇帝とエドモンド王が唸る。
「おいしいでっしゃろ」
と2人の顔を覗き込み言うりゅーじーちゃんに、
「うっ、美味いw」
「美味いではないか!」
目を輝かせて言うカカ皇帝とエドモンド王。
その言葉に、満足げなほほえみを浮かべ頷くりゅーじーちゃんだった。
◇◇◇◇◇
みんなが一通り、”お好み焼き””焼きそば””タコ焼き”を食べ終わったの
で、俺とゲキもお昼に有りつくことにした。
食べ終わったメンバー達は、一旦自室に戻り、出発の準備をする。
カカ皇帝とエドモンド王に対しては、ソフィーとシュイの部屋で休んでもらう
ことにし、オブリヴィオンのメンバーは、この地下5階の住居スペースに新たに
建てた、来賓用の建物で寛いでもらう……って言っても、俺達のアパートと同じ
造りの部屋なんだけどね。
「ほい、ソアラ出来たで」
”お好み焼き”を皿に盛り、ソアラねぇーちゃんにの前に置く、りゅーじーちゃん。
「あんがと」
ねぇーちゃんは、そうお礼を言うと、魔法で、皿ごと”お好み焼き”を自分サイズに
縮め、ついでに”こて”も縮めて、器用に切り分け食す。
”パクリ”と食べて、
「はふ、はふ……」
「うーん、やっぱじーちゃんの”お好み焼き”おひぃしいわw」
「そうじゃろw」
”カランコロン”
笑顔で会話する2人……っとその時だった、食堂の扉が開いて、
「う~んいい匂いだねぇ~」
と言いながらシノブが入ってきた。
「おお、シノブ君w今着いたんか?」
「Yes、Mr.オオワシ……じゃなくリュー」
「Happy New Year~」
シノブの言葉に
「あっ、はい、あけましておめでとうさん」
「おっ、おめでとう」
「おめでとう」
りゅーじーちゃんに続き、俺とゲキもおめでとうを言う。
ソアラねぇーちゃんは、未だ”お好み焼き”に集中しているため返事はなしだ。
「僕達もいいかな?」
「ええでぇ~、ここらに座り~」
その言葉に、シノブは食堂の扉の方に振り返り、
「Please come in(どうぞ中に入って)」
”カランコロン”
シノブの言葉に、ジェームズさんを先頭に、ヴァンスさん、ディノッゾさん
マクギーさんのαチームに続き、時田さんパーマーそして、最後に見慣れない
白人女性が入ってきた。
全員、軍服姿。
「どちらさん?」
とりゅーじーちゃんの問いかけに、
「OH、これは失礼Mr.リュー」
そうシノブが言うと、その白人女性が1歩前に出た。
20代後半で身長162Cmの少し小柄でかわいらしい感じ。
「こちらは、Missケイトリン・アレキサンダー……今回Mr.ディノ
ッゾとペアーを組んでもらうことになった人だよ」
そうシノブの紹介を受けたケイトリンさんは一旦、きりりと敬礼をした後、
「ケイトリン・アレキサンダーですよろしくお願いいたします」
と言う。
「はい、よろしゅう……そやけど、ケイトリンって言いにくいのぉ~」
と、いきなり初対面で失礼なことを言うじーちゃんに、俺が慌てて
「じーちゃん!」
と顔をしかめながら強めに言うと、ケイトリンさんはにっこり笑って、
「いいえ、いいんですよセイアさん……ケイトと呼んでください」
と改めて、笑顔でじーちゃんに言うのであった。
◇◇◇◇◇
シノブ達もお昼を食べ終わり、全員で手分けして、轟雷号とオブリヴ
ィオンの船”ギラン”に荷物を搬入する。
オブリヴィオンの船って言っても大きな円盤型。
直径250m
その前半分に2本の溝がありその溝が少し円盤からはみ出てる感じかな。
この溝が、所謂、飛行甲板になっていて、カタパルトによる”巨神器”
や戦闘機を発艦、着艦させるらしい。
因みに、轟雷号への荷物の搬入は後下部の格納庫ハッチから搬入するが、
”ギラン”の場合は、円盤の真下に荷物を置けば自動的にけん引ビームで
搬入作業が行われる。
(便利だね)
エドモンド王と、カカ皇帝もどうしても仲間に加わりたくて、王や皇帝と
言う高い身分にもかかわらず、みんなと同じように荷物の搬入作業を手伝
う。
その姿に、初めは参加を拒んでいたソアラねぇーちゃんも根負けしたって
感じで2人に参加を条件付きで許すことにしたようだ。
その条件ってのが……。
① 指揮権は、シノブの父ジェームズさんにあるで、その指揮に従うこと。
② 今度の作戦中は、エドモンド王と、カカ皇帝2人は絶対に喧嘩しないこと。
③ 決して無茶はしないこと。
その言葉を聞いたエドモンド王と、カカ皇帝は大喜びだったが……。
その傍ら、浮かない顔のソフィーとシュイ。
「どうしたんだい?」
って聞いたら、2人とも声をそろえて言う。
「「三番目の条件が一番守れないと思います」」
(えっ何、2人とも王や皇帝にもかかわらず、けっこう無茶するタイプなの!?)
ソフィーとシュイ言葉にそう心で驚く俺だった。
次には戦闘できるかな




