表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界いったらヒーローごっこ ~夢勇者GUY BRAVE~  作者: グリンピースの豆ごはん
第6章 暗黒大魔王 VS ギガ・ブレイブ(完結編)
236/267

231話 ブレイブ基地の異変




1月3日、朝9時、俺、ミオン、ソフィー、シュイの4人は、異世界のブレイブ

基地に転移してきた。


 地下3階、転移魔法円に着いた俺達は、何となく様子が違うことに気づく。


「あれ?、いつもなら、りゅーじーちゃんが、『お帰り~』ってアナウンスして

くるのに……」


 そう俺が呟くと……。


 俺達が居る地下3階に3体のアントマン達がやってきた。


 なぜ、このブレイブ基地にアントマンが居るか……。


 それは、この基地の警護をしてくれていた、ワールドディフェンス社の人

達は、元々は、シノブの護衛兼身の回りの世話をするためのスタッフ。


 なので、ンドワン国に戦闘機の訓練中のシノブの元に向かってしまった。


 そこで、手薄になったブレイブ基地の警護のため、オブリヴィオンから借りて

きたものなのだ。


「※▲◎§ΔΘ!」


「※▲◎§ΔΘ!」


「※▲◎§ΔΘ!」


何やら、アントマン達が口々に言ってるようだが……


 アントマン達は、俺達の言葉は理解している……しているが、


 俺達がアントマン達の言葉が理解できない。


 試しに、ニールさんが翻訳魔法を使ってみるもダメだったし、


 ソアラねぇーちゃんの聖霊リンクでもダメ……みたいだ。


「ごめん、何言ってるかわかんない……」


俺がそうアントマン達に言うと、3体のアントナンのうちの1体がおもむろにフリ

ップを出し、マジックで何やら書き出した。


(何書いてるんだろ?)


 アントマンは、書き終わると、すぐさま俺達にフリップを見せた。


 そこには『大鷲竜次さんが……』と書かれていた。


(あらら、アントマンって漢字書けるのね……)


と俺がアントマンに感心してると、


「えっ!、じーちゃんがどうしたの?」


と俺の肩に乗るソアラねーちゃんがアントマンに聞いた。


 すると、それに対して、アントマン達のパントマイムが始まったが……。


「セイア、この子達に聞くより、行った方が早いよ!」


とミオンが俺に言う。


「それもそうだな」


俺はミオンんに頷きながらそう答え。


「じーちゃんの所に案内してくれ」


とアントマン達に頼むと、


「「「*§☆@」」」


と言いながら頷いた。


 俺達は、3体のアントマンの後に続き、りゅーじーちゃんの元へと向かうのだ

った。





◇◇◇◇◇





”チーン”


 エレベーターが地下6階に着き、アントマン達を先頭に、コントロールルームに

向かう。


 そして、コントロールルームの入り口付近で、『どうぞ』って感じで先をアント

マン達に譲られたので、意を決して俺が扉の前に立つと……。


”スー”


と扉が開くと同時に……。


「「「「「うわっ!!!!!」」」」」


「っくさっ」


「酒臭い~」


 思わず部屋に充満するお酒の匂いに、その場にいた全員手で口と鼻を塞ぎ、

余りの匂いに、俺とミオンそう叫んだ……次の瞬間。


「あっ!?お父様」


「えっ!?お父様」


とソフィーとシュイが叫んだ。


 見ると、テーブルに持たれ酔いつぶれている りゅーじーちゃんの両脇に同じ

く酔いつぶれて倒れている2人の男の人が目に入った。


「「じーちゃん」」


 まず、俺とソアラねぇーちゃんが、りゅーじーちゃんの元へ駆け寄り、酔いつぶ

れたじーちゃんを揺り起こそうとする。


 ソフィーとシュイも、それぞれ、りゅーじーちゃんの脇に居る男性へと駆け寄り、


「お父様、お父様!」


「お父様……しっかりしてくださいませ」


と俺達同様に揺り起こそうとするが、びくともしない。


 すると、おもむろに りゅーじーちゃんが、むくっと起き上がり、


「まだまだ、この程度で酔いつぶれる大鷲竜次ではないわい!」


”ヒック”


そう叫び、しゃっくりをしながら、脇で酔いつぶれるエドモンド王とカカ皇帝に言

う……が、そのまま倒れ込んでしまった。


「ああっ」


俺は、倒れるじーちゃんの脇をつかみ引き上げようとするが、上がらない。


(ダメだ……こりゃ)





◇◇◇◇◇





 アントマン達に、りゅーじーちゃんを初め、エドモンド王とカカ皇帝を地下5階

の俺達の住居スペースに連れて行ってもらう。


 ここには、新たに病院……と言うより治療施設的な建物を作っている。


 3人をその施設のベットに寝かせた。


本来、ニールさんが居れば、”解毒魔法”の応用で、体内のアルコールを抜いても

らえるんだけどな……。


 今、ここに居るのは、魔法が使えない、俺とミオン……ソフィーにシュイ……

って、ダメじゃん誰も魔法をまともに使えないじゃんか!


「ああ」


思わず声を出し、我が姉を見る。


 俺に見つめられたソアラねぇーちゃんが、目をパチクリさせて自分を指差し、


「わちき」


と俺に聞く。


 俺は黙って頷くと、


「しゃーねーか」


そう言って、飛んでいき、順番に頭の上で、アルコールを抜く魔法を発動させた。





◇◇◇◇◇





「ふっぁ~、よく寝た~」


とソアラねーちゃんの魔法で、体内のアルコールを抜かれた、りゅーじーち

ゃんが、真っ先に目覚めた。


 そして、りゅーじーちゃんのベットの傍らにいる俺とソアラねぇーちゃんを

見て言う。


「どうした、セイアにソアラ……ん?早めにこっち来たんか?」


と、惚けたことを言うりゅーじーちゃんに、


「今日は1月3日だよ」


と俺が呆れたように言うと、


「えっ、もうそんなに経つか」


と少し驚いた様子。


「あちらのお客さんはど・う・し・た・の!」


とねーちゃんが語気を強め言うと、


「んっ!?はて?……どちらさんだったかな……」


と惚けたことをおっしゃるので、


「あちらの方々は、ソフィーのおやじさんのエドモンド王と、シュイのおや

じさんのカカ皇帝だと、俺は思うんだけど……なんで、2人がここにいる

の?」


俺の問いに、左右のベットに視線を向け、それぞれのベットのそばにソフ

ィーとシュイを確認しつつ、未だベットで横たわる2人の男の人を再確認

するも……。


「はて?なんでじゃろうね」


と問い返すりゅーじーちゃんにソアラねーちゃんが言う。


「やめてよ、もう耄碌もうろくしちゃったの?じーちゃん」


「何を言うか、わしゃ、まだ耄碌もうろくなんぞ、しとらんわい!」


とソアラねぇーちゃんに食って掛かるが……。


「じゃぁ~、なんでか説明して!」


と言い返され、


「んっ……なんでしゃろ?」


と考え込むりゅーじーちゃんに


「やっぱボケたんじゃない!」


とソアラねぇーちゃんにあっさり言われるのだった。





◇◇◇◇◇





「うっ~うーっ」


大きく伸びをし、次に目を覚ましたのは、カカ皇帝。


「あっ、お父様!」


目を覚まし、自分のベットの横に居るシュイの声に反応し、


「おっ、こっちに帰ってきたかw」


と、シュイを見て目を細めて喜ぶカカ皇帝。


「一体なにがあったのです皇帝」


とミオンの言葉に、こちらを見て、


「おお、ミオン殿に……勇者殿か」


と言う皇帝に、


「ここに何しに来たのさ」


と少々無礼ぎみに尋ねるソアラねぇーちゃんを見て、


「はて?この妖精は……なんじゃな」


と尋ねるカカ皇帝に、ミオンが答える。


「こちらは、妖精のチャームさんで、妖精に見えますが実は聖霊で……前世でセ

イアのお姉さんのソアラさんです」


と、くそ丁寧に説明するミオン。


「んっ!?妖精で、聖霊……で勇者殿の姉上???」


ミオンの説明に混乱するカカ皇帝。


「ソアラでいいわよwカカ」


(おいおい、皇帝を呼び捨てかよ)


胸を張り言う姉に呆れる俺だった。





◇◇◇◇◇





 ミオンのソアラねぇーちゃんの紹介にカカ皇帝が混乱していると、


「ふっぁ~」


と口に手を当てながら、エドモンド王が目を覚ました。


「お父様、お目覚めですかw」


「おお、ソフィー帰って居ったか」


ソフィーに声を掛けられ、嬉しそうに答えるエドモンド王。


(なんか、さっきもこのやり取り聞いたな……)


って俺が心でそう思っていると、


「おお、勇者殿、ミオン殿……それにシュイ殿もお帰り……んっ?、そこの

妖精はどなたかな?」


(これも、さっきと同じじゃないかな)


って思ったので、すかさず、ミオンより先に俺が答える。


「我が姉、聖霊のソアラです」


ミオンは俺が先に答えたので、口をパクパクさせ残念がる。


「なんと、聖霊様が勇者殿の姉上と!」


驚き、目をむくエドモンド王の反応に、胸を張りご満悦の表情のソアラねぇーちゃん。


「ところで、こちらには何をしに来られたのですか?」


と聞く俺。


「いや……そのー、魔王と決戦をすると聞き……ソフィが心配で……」


と、頭をかきながら照れ臭そうに言うエドモンド王に、


「お父様!国を預かる国王がそのようなことをおっしゃっては……」


とたしなめるように言うソフィー。


「しかし……」


と言い淀むエドモンド王に、俺が言う。


「しかし、一国の王である前に1人の父親としては心配で……とおっしゃり

たいのでは?」


その言葉に、エドモンド王だけでなく、隣のベットに居るカカ皇帝も黙って頷く。


≪ねぇ、ねぇ、父親ってそうなの?≫


と念話で俺に聞いてくるソアラねぇーちゃん。


≪ああ、そうなんじゃないかな≫


と俺も念話でねぇーちゃん答えると、


≪えっ、そうなの!≫


≪そうだよ!≫


俺が念押しで答えると、


≪じゃ、うちのとうさんも同じかな?≫


≪ああ、同じだよ≫


≪絶対!?≫


≪絶対だ!ただ……≫


≪ただ?≫


≪ただ、かなり、よわっちーから、すぐに倒されるけどねぇ≫


俺の念話の言葉に1人”クスクス”笑うソアラねーちゃん。


 その様子に、ミオンは一瞬、嫌悪感ぎみにソアラねーちゃんを見るも、

すかさず、エドモンド王とカカ皇帝の方を向き、改めて聞く。


「それは、わかりました……が、なら、なぜ3人がコントロールルームで酔いつ

ぶれてたんです?」


すると、2人がお互いの顔を見合わせ、


「「それは……」」


と同時に言う。


 お互い一瞬、顔を見合わせた後、カカ皇帝が言う。


「わしも、決戦に参加させてもらおうと……来てみたら、同じころ、エドモ

ンドも同じ理由でここにきておってじゃな……参加するのはわしじゃ、俺じ

ゃともめての~、結局どっちが強いか、勝った方が参加するってことになっ

てな……」


 ここまで話して、今度はエドモンド王が言う。


「で、ここには闘技場があるのを聞いておったのでな、そこを借りようと、

そこの御仁に……」


エドモンド王の言葉に、カカ皇帝が言う。


「そうじゃ、そこのじーさんが我らに言ったのじゃ!」


その言葉に りゅーじーちゃんが突然、手を”ポン”と叩き、大きな声で、

言い出す。


「あっ、思い出したわ!」


「そうそう、そこの2人がもめとったんで、喧嘩するより、飲み比べでわしに

勝ったら、セイアに参加できるよう言ってやってもええぞっていったんやわ」


その言葉に頷く、エドモンド王に、


「そうじゃ、そうじゃ、このじーさんが言ったんで、こーなったんじゃ、

悪いのはこのじーさんじゃ!」


りゅーじーちゃんに指をさしながら、言うカカ皇帝。


 自分の父親が、りゅーじーちゃんを指差し、事態の責任をじーちゃんに

押し付けている様子に、シュイが、青ざめた顔で、申し訳なさそうにし

ているので、それを見たミオンが代わりにカカ皇帝に向かって言った。


「あの~この人誰だかわかってます?カカ皇帝……」


その言葉に一瞬ひるむカカ皇帝。


「誰って……留守番のじーさんじゃないのか?」


と恐るおそるミオンに尋ねると、ミオンは黙って首を横に振り、


「セイア……つまり勇者のおじいさんです」


と冷たく言い放つと同時に、ソアラねぇーちゃんがすかさず言う。


「聖霊である私の祖父でもあるんだな~」


と意地悪く言った。


「「え――――っ!」」


2人声をそろえて驚く、エドモンド王にカカ皇帝。


「それは、失礼仕った」


と素早く、ベットの上で軽く、頭を下げるエドモンド王。


 そして、先にエドモンド王に頭を下げられ、しかも、娘のシュイから冷た

い視線を浴びたカカ皇帝は、体を”プルプル”震わせ、しばらく考えた挙句

……。


「すまぬ!許してくれ」


そう叫んだかと思うと、ベットの上で素早くジャンプし……所謂、”ジャン

ピング土下座”をした。


 それを見たりゅーじーちゃんは、


「カッカッカッ」


と時代劇TVの『水戸光圀』張りに大声で笑うりゅーじーちゃんに


(あんたね……)


と呆れる俺だった。







今まで、お待たせして申し訳ありません。


次回からは、戦いに向かいます……たぶん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ