表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
227/267

223話 なんで?”ガンプラ”




 泣きじゃくるソフィーを何とかなだめ、みんなの待つ会議室に入る。


(こういう時、本当は嘘でも役に立つ……とか、お前が必要だ!的な

ことが言えないのが、俺の悪いところだよな……)


 そんなことを思いつつ、会議室の席に着いた。


 すでに、みんなは各自自分の席に着き、飲み物を飲んで寛いでいた。


 テーブルの前に開いている2つの席に俺と、ソフィーが就く。


 俺、ソフィー、ミオン、シュイにニールさん、シノブにゲキ。


 で、ローゼ、クレアさん、エドナさん、アイーシャさんは俺達の後ろにある椅子

に座っている。


 時田さんは、みんなの飲み物の給仕係をしていた。


 そして、俺の対面にはソンブル翁とアロガン!


(見つけたんだ~)


 少し拗ねているようにも見えるが……。

 

 後で、ゲキに聞いたら、意外とあの場所の近くで見つけたそうだ。


 で、どうやって説得したか……って聞いたら。


 説得と言うより……強引にって言うか、力づく!?……だそうだ。


 ゲキの”気”をソアラねぇーちゃんの”聖霊力”で強化し、アロガンの放つ、光弾、

光刃、すべての攻撃をはじき、”気”と”聖霊力”エネルギーの融合技で……

ボッコボコ。


 にしたらしい。


(ゲキが強いのか?……アロガンが弱いのか……はたまた、我が姉 大鷲澄空オオワシソアラが無茶

苦茶なのか……)


(……って、たぶん、おそらく、絶対、大鷲澄空オオワシソアラのせいだろうな)


 ソフィーは対面するソンブル翁とアロガンを見て、少し硬くなる。


 ソンブル翁もコーヒーを飲みながら、ソフィーを”チラッ””チラッ”と見ては目を反らす。


 アロガンに至ってはソフィーを絶対に見ようとしなかった。


 俺は、ソフィーの手を”ギュッ”と握りしめ、大丈夫だよと声を掛けようとした

ら、アロガンの少し横、テーブルの上にあるものを見つける。


(んっ……って、あれ”ガンプラ”!?)


 そう、あの有名なアニメ”ガンボーイ”のプラモデル……”ガンプラ”がそこにあった。


(なんでここにガンプラが……)


って思っていたら、


「おっ、勇者殿、先ほどは失礼いたした」


と俺に向かってお辞儀する。


(はい~っ!?)


驚き俺が目を丸くしていると、ミオンが俺に言った。


「あっ、セイア、このガンプラ……」


(やっぱ、ガンプラだよな)


「インヴィクタさんの分体!」


「分体!」


「そうよ、この私の力でこのガンプラと格納庫に居るインヴィクタとリンクさせたのよ~」


って、自慢気に言うソアラねぇーちゃん。


(おいおい、いくらリンクさせたからって……プラモデルが勝手に動くか!?)


 驚いている俺をよそに、


「あんたたち、ソフィーにごめんなさいわ!」


と、大声でソンブル翁やアロガン、インヴィクタに向かって言うソアラねぇーちゃん。


「あっ、はい!」


と真っ先に”ガンプラ”……もとい、インヴィクタはテーブルの上で土下座する。


 ソンブル翁やアロガンは、未だモジモジとして黙っている。


 そんな2人を見てねぇーちゃんは言う。


「あらら、いいのかしら、そんな態度だと私達このまま帰っちゃうわよ~」


「いいのかな~」


って言いながら、ソンブル翁の顔を下からなめるように見つめるソアラねぇーちゃん。


その言葉に、


「いや……その」


言葉を濁し、黙り込むソンブル翁。


「……」


無言のまま正面を見つめるアロガン。


「わかった!帰る!」


と大声で怒るソアラねぇーちゃんを見て、慌てて席を立ち、


「わっ、……すまなかった……このとうりじゃ」


と言いながら、頭を下げるソンブル翁。


「ア・ロ・ガ・ン~!」


と、未だ何もしないアロガンにねぇーちゃんは、語気を強めて言うと、しぶしぶ

と言う感じで席を立ち、


「スマン」


と聞き取れない声で言うアロガン。


「聞こえない!」


再び、ねぇーちゃんは、語気を強めて言う。


「スイマセン」


さっきよりは大きいが、まだ聞き取りずらい声で言うアロガン。


「はっ~ん!、あんたまだ懲りないようねぇ~」


「ゲキ、こいつにお仕置きしてやって!」


と言いながらゲキに目くばせるるソアラねぇーちゃん。


 ねぇーちゃんの目くばせを受け、スーとゲキが席を立つと、


「あっ、いや、……ごめんなさい!」


と慌てて席を立ち頭を何度もペコペコ下げながら言うアロガン。


 それを見ていたソフィーが、”クスッ”と笑い。


「もう、いいですよw」





◇◇◇◇◇





「は~いw、みんな、セイア達も席に着いたことだし、そろそろはじめようか」


手を”パンパン”と叩きみんなに言うソアラねぇーちゃん。


 一同が、手を叩き言うねぇーちゃんに注目すると、


「じゃ、とりあえず、オブリヴィオンについて説明してくれる……ソンブル」


「むっ、はっ!?」


突然の指名に、飲みかけのコーヒーを吹き出しそうになるソンブル翁が、持って

いたカップをおいて、口元のコーヒーをハンカチで拭ってから、


「えぇーっ、ゴホン」


咳払いをしてから、


「そもそも、我らオブリヴィオンは……」


と話し出した。


 ソンブル翁の話によると、そもそもオブリヴィオンとは、α銀河の片隅ある

イプシロン星系第4惑星の名前だそうだ。


 住んでいたイプシロン星系の太陽の寿命が終わりに近づいたので、オブリ

ヴィオン星の人々は、止む終えず故郷を捨て、船団を組み、宇宙の流浪の旅

へと旅立ったんだって。


 しかし、移動中船団の一部の船が、空間跳躍ワープ中に何らかのトラ

ブルを起こし、船団本体からはぐれてしまったらしい。


 トラブルの原因は……空間跳躍ワープのエンジンの故障だったらしい。


 そこで、修理のためこの星に立ち寄った。


 この星についてから何とか宇宙船の修理を試みたが……。


 この星、およびこの星系の太陽には、ゾーンニュームと言う空間跳躍

(ワープ)のエンジンに必要な物質がなかったため、やむなく仲間の船団と

の合流をあきらめ、この星に移住することにしたらしい。


 幸いと言うか、この星は、故郷のオブリヴィオン似た緑あふれる星だっ

たそうで、宇宙船の乗組員総勢500人でこの星の開拓を始めた。


 しばらくは、平穏だった……らしいが。


 街を作り、作物を作り……その生活圏を広げて行く……。


 この星は珍しく、俺達の地球やオブリヴィオン達の星、オブリヴィオン

星と違い、大地震や台風などの大きな自然災害がほとんどなかったそうだ。


 しかし、この星に移住して100年、平和に暮らしていたオブリヴィオン

達の前に……奴らは現れたんだと。


 この世界の人間達が言う、ドラゴンや魔人族達。


 巨大で圧倒的なパワーではあるが、武器などが原始的なので、光線銃や

先進の武器を持つオブリヴィオン人は当初、楽勝だと考えていたが……。


 それは間違いだった。


 それは、『魔法』だった。


 物理法則を無視し、イメージを武器やエネルギーに変えられるこの能力

にオブリヴィオン達は苦戦した。


 しかも、それに加えて圧倒的な体力と再生力。


 それでも何とか撃退はできた……が、


 この星に移住して、100年当初の500人が2,000人をやっと超

えたところの人口が、この戦いで激減し、半分の1,000人に減ってし

まった。


 それからは、減った人口を増やすのと、奴らが使う『魔法』について研

究したらしい。


 そして、この星の生物に宿る『魔法』を発現する遺伝子を見つけ、

それを自分たちに付与した。


 また、この星並びに、この星系徹底的に調査し、奴らがおおよそ

100年に1度、襲って来るであろうことも判明する。


 また、この星の『魔法』を発現するためのエネルギーは、どうやら

この星の衛星……つまり月から及ぼされていることも突き止めた。


(へぇ~月から魔力がねぇ~)


 それに加えて、実は月内部のコアは、魔力の塊で、それが月の地上へと

にじみ出て、それが太陽の光……厳密には太陽風に煽られこの星に降り注い

でいるらしい。


(なるほどね)


 しかも、月内部のコア付近で高濃度に溜まった『魔力』をそのままにし

ておくと月が崩壊するってことも分かったらしい。


 そして、その崩壊を防ぐシステムが、所謂、この世界で言う”ヘルゲート”

だってことも?


 そこまでの話を聞いて、ニールさんが手を上げ発言する。


「えっ、ヘルゲートって、あなた方が作られたのではなかったのですか?」


その質問にソンブル翁は答える。


「それは、トレント達の話であろう」


「あっ、はい」


ニールさんは、ソンブル翁の言葉に頷きながら答えた。


「あれは、我らがこの星に来る前からあったのじゃ」


「と、申しますと……」


「帥達、エルフ族もそうだが、トレントは我らがこの星に来てから作った

種族なんじゃよ」


「えっ!……それは……どういう……」


と戸惑いソンブル翁に聞き返すニールさんに、


「ちょっと、待ちなさいニール!ソンブルの話を最後まで聞きな~質問は

その後でw」


と、ソアラねぇーちゃんは、戸惑いながらソンブル翁に質問しようとする

ニールさんの言葉を遮った。


「あっ、はい、失礼いたしましたソンブル翁……どうぞ続きを」


ニールさんの言葉に1度頷き、続いてソアラねぇーちゃんともお互い頷き

合ってから、話を続けた。


 この星の魔力に満ちた状態ってのは、この月からの光と、100年に1度

暴れまわるドラゴンや魔人族達がもたらしているのだと言う。


 したがて、ドラゴンや魔人族達は所謂、”生物ではない”と言うことらしい。


 誰が作ったのかは分からないが、この星の魔力を維持するための一種の

システムだってことらしい。


 だから本来、ドラゴンや魔人は倒すのではなく、奴らが暴れるだけ暴れ、

魔力を使い果たすまで放っておくのがこの星の魔力を維持するのには一番

いい方法なんだそうだ。


 とは言え、この星に住む、人間オブリヴィオンにとっての被害は甚大

で、到底放っておけないレベルなのも事実だった。


 そこで、100年に1度、奴らが現れる”ヘルゲート”付近の海洋にある島を

要塞化し、オブリヴィオンの住む地域に来る前に迎撃してしまおうと言

うことになったそうだ。


 それが、この世界の人達が言う”魔王の島”オブリヴィオン島ってことらしい。


 迎撃するには、戦力を整えなければならない。


 『魔法』を発現する遺伝子を付与したとは言え、奴らと比べるとその力は

非力。


 そこで、より魔法を使える種族を作る!ってことになったそうだ。


 その魔法をより使える種族を作る過程で、1部、この星の魔物と言われる

物が、含まれるそうで、トレントもその一つ。

 

 そして、生まれたのは……。

 

 ①エルフ族……長寿命で、知性もあり、何より魔力を多く保有できるが、

      戦闘センスや、体力、繁殖力に難があり。


 ②獣人族……体力、繁殖力、闘争力は申し分なかったが、エルフに比べ、

      寿命並びに魔力保有量は少し劣り、

      行動が、本能に引きずられやすく、他の種族との共闘が

      難しい。


 ③ドワーフ族……小柄ながら耐圧性に優れ、魔力保留量及び力も獣人並み

        で、手先が器用で知的レベルも高いが……

        頑固で融通が利かない。


 これを聞いて、驚く、ニールさん、エドナさん、アイーシャさん

にローゼ。


(アロガンだけでなくエルフ族、獣人族、ドワーフ族も作られた種族……

だったんだ)

 

 そしてついに完成したのが……。


 『ケンタウルス族』……知力、体力、魔力、それに戦闘力……どれを

           とっても他の種族に勝る。


 だ、そうだ。


(なるほどねぇ~って、ニールさん、エドナさん、アイーシャさんに

ローゼが驚くのも無理はないよな……この俺でもびっくりなんだから)


”ガンプラ”よく作ったな~

実は”ガンプラ”ブームの前に、宇宙戦艦ヤマトのプラモデルも流行っていたんですよ。

プラモで、ヤマトの名シーンを再現したものです。

ガンダムのプラモデル→”ガンプラ”ですが、ヤマトのプラモデルは、”ヤマプラ”

とは言わないんだよなぁ~?

不思議?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ