210話 合体攻撃
------ユニコーン(セイア視点) ---
俺の背中にはゲキとクレアさんが乗り、その少し前にはブレイブトレーラーが
居る。
そして上空には……。
"バラバラバラバラ”
シノブとアイーシャさんが乗る戦闘ヘリAH-64D アパッチ・ロングボウが居た。
≪では、ぼっちゃま、空に居るガーゴイルとやらをお願いいたします。≫
≪ROGER!≫
≪我々は正面の巨人を相手いたしますので、下峠様達は、左の雪だるま
(スノーマン)とナメクジ(スラグ)をお願いいたします。≫
≪心得た!≫
時田さんはそう無線でシノブとゲキに指示をすると、ローゼに言う。
≪ゾメル様前方の巨人に照準を合わせてくださいませ≫
≪了解~≫
とローゼが返事をすると、トレーラー上部20mmバルカン砲やミサイルが備え付
けてある回転塔がゆっくりと回転し、前方の巨人に照準を合わせた。
≪Fire!!≫
ローゼはそう叫ぶと同時に指令室でトリガーを引いた。
”バリバリバリバリ~”
無数の弾が、トレーラ前方の巨人を襲う。
が、
「ふんっ!」
巨人はそう言って手に持つ三又の槍を左右に振ると、瞬く間に巨人の前に氷の壁が
出現し、トレーラーから放たれた無数の弾を防いだ。
”ピッ”
≪名称サディコパゴノーラ≫
≪戦闘力 350,000 ≫
≪防御力 300,000 ≫
≪スピード 10,000≫
≪MP 500,000≫
≪特技 氷壁防御、氷結攻撃≫
×1
(なるほど……これは簡単にはいかないね)
◇◇◇◇◇
そのころ、空中ではシノブとアイーシャさんが乗るアパッチ・ロングボウとガー
ゴイルが空中戦を演じていた。
”ピッ”
≪名称ガーゴイル≫
≪戦闘力 20,000 ≫
≪防御力 10,800 ≫
≪スピード 20,000 ≫
≪MP 20,000 ≫≫
≪特技 岩石装甲、高圧水攻撃≫
×20
ガーゴイル達が、次々にシノブ達の乗るアパッチ・ロングボウに向け、口から高
圧の水を吹き付ける。
次々に襲って来る高圧の水を華麗に避けるシノブ。
「It’s great.(どんなもんだい)」
敵の攻撃を華麗にかわす自分に向け、自画自賛のシノブ。
”バリバリバリバリ”
その間にガーゴイルに照準を付け、機首下にある30mmチェーンガンで次々に
倒して行くアイーシャさん。
「That’s great!(すごいじゃん!)Missアイーシャ、伝説のパイ
ロットの記録を軽く抜いたねぇ~」
のシノブの言葉に、
「えへへですにゃ」
と照れ笑いをするアイーシャさんだった。
(確かに3分と経ってないのに、18匹はすごいよ……すごいけど……あれはア
ニメの話だからねシノブ)
◇◇◇◇◇
「「業火旋風!!」」
ゲキとクレアさんが呼吸を合し、炎の竜巻を派生させ迫り来る体長2mのスラグ
(巨大ナメクジ)向け放った。
”ピッ”
≪名称スラグ≫
≪戦闘力 2,000 ≫
≪防御力 1,800粘膜防御≫
≪スピード 2,000≫
≪MP 2,000≫
≪特技 粘膜走行、体当たり≫
×5
スラグ(巨大ナメクジ)は、自分が出す分泌物の上を時速50kmの速さで滑り
ながら獲物を襲い、また、その粘液は相手にまとわりつき自由を奪う……らしいが
、そんな相手に、ゲキが櫻ばーちゃんから教わった「撃心流気功旋風」
にクレアさんの「ソードオブファイヤー」を合わせて炎の竜巻で敵を焼き殺すと言
う技を放ったんだが、それが見事に迫り来る5匹のスラグ(巨大ナメクジ)を次々
に巻き上げ、焼き殺して行った。
これは、2人で息を合さないとなかなか成立しない技らしいが……、2人は息
ピッタリだったって訳。
因みに、ゲキはエドナさんとも、合体技を開発してるらしい。
(まぁ、仲がいいから出来ることだよね)
◇◇◇◇◇
------オブリヴィオン副総帥フロワ視点---
ブレイブ基地上空
「ふんっ、マジックシールドか……」
「我には意味がない」
我はそのままシールドを通過して、敷地内に侵入する。
敷地内の中心にあるジグラット(塔)を見つけ思う。
(おそらくこの下に……)
面倒だが、1階ずつ調べるしかない。
ジグラット(塔)中に入ると飛行艇があった。
(なるほど……。内燃機関を使用しておるのか)
奴らの空飛ぶ乗り物を見て感心していた我だが、すぐに気を取り直し地下へと降り
た。
地下一階……ここは以前の工作室をそのまま放置してあるようだ。
地下2階……んっなんだ、この大量の木人形は!?奴らのすることがわからんな。
地下3階……転移魔法円!?にしては少し描かれる魔法円の模様が違うような…
…。
地下4階……!?闘技場か……その横の建物は!?意味が解らん。
地下5階……これは!?集合住宅なのか……。
地下6階……ん!?どうやらここがあたりのようだ。
扉をすり抜け、魔力感知が示す部屋に入る。
「曲者!」
中に居た老女が我の気配にすぐさま反応し、
「撃心流気功手裏剣!」
(?魔力で回転させているのか)
小さな渦巻きが我に向けられ放たれるが、そんなものは我には効かない。
我をすり抜け後ろの壁にぶち当たる。
「なっ……」
驚き目を見開く老女。
それを無視して、その傍らの少女に言う。
「見つけたぞ!」
◇◇◇◇◇
「これでも食らえ!?」
”ビリビリビリ~”
「ふんっ!それで全力か?ドラゴン擬き!」
デロべファイアー・ドレイク(おっさん)は、自身の体にまとわりつき放電する電
龍を無理やり引き剥がし、地面に叩きつけ言う。
「ふんぎゃっ!」
地面に叩きつけれれた電龍が思わず声にする。
続けて、デロべファイアー・ドレイク(おっさん)は、電龍の尻尾を掴みそして……
大空に投げた。
「あれ―――――~」
それを見て俺は思う。
(おまえ結構このパターンだよな)
俺がそう思っていた時だった。
「うっわ、ロボ!ツインショット!」
驚くミオンの声が聞こえた。
振り返ると、地面に隠れていたアントマンがミオン達を襲ていた。
”ピッ”
≪名称 アントマン(オブリヴィオン雑兵)≫
≪戦闘力 1,500≫
≪防御力 900≫
≪スピード 120≫
≪武器 顎、酸≫
×5
(?以前より少し強くなってないか)
「小僧何処みてんだ!」
デロべファイアー・ドレイク(おっさん)はそう言って、口からプラズマ化した
火球を数発放って来た。
ミオン達に気を取られていた俺はそのうちの1発を喰らってしまう。
”ドッカ~ン”
爆発と共に俺は落下する。
「セ・セイア!」
「セイア様!」
その光景を見たミオンとシュイが叫ぶ。
◇◇◇◇◇
------ユニコーン(セイア視点) ---
「「業火旋風!!」」
スラグ(巨大ナメクジ)に続き、スノーマン(雪だるま)やピング―(ペンギ
ン)の魔物を倒したゲキ達。
残るはサディコパゴノーラ(氷の巨人)とビックシザース(大蟹)のみ。
「ふんっ!」
巨人はそう言って手に持つ三又の槍を左右に振ると、瞬く間に氷の岩が出現し、
トレーラーに放たれた。
≪ラーキン様≫
時田さんが無線で叫ぶと、
「はい」
ニールさんはトレラーに障壁を張る。
”ドスン””ドスン”
と障壁に氷の岩が当たり砕ける。
”ズズズーン”
ってトレラーは振動し、揺れるものの無事だった。
≪そっちの状況はどうだい時田≫
ガーゴイルを倒したシノブが無線で状況を訪ねてきた。
≪少々てこずっております≫
≪OK、こっちは片付いたからそちらに合流する≫
≪了解でございます、お坊ちゃま≫
それを聞いたローゼが時田さんに言う。
≪武器のコントロールをそちらに返します時田さん≫
≪私が出て奴の氷の壁を破るから、そのタイミングで一斉掃射を≫
≪はい、しかしゾメル様その作戦は少々危険かと≫
≪大丈夫、バールにやらせるから≫
≪なるほど、さようですか……了解いたしました≫
武器のコントロールを運転席の時田さんへと渡したローゼはトレー
ラーを飛び出した。
「いでよバール!」
ローゼは手に持った手鏡からバールを出し、即座に命令する。
「バール超振動ホーン!」
「グッモー!!」
自分に向け突っ込んでくるバールを見て巨人は、
「ふんっ!」
そう言って手に持つ三又の槍を左右に振ると、瞬く間に巨人の前に氷の壁を
出現させるが……。
「そんなの効かないよ!」
と笑みを浮かべて言うローゼ。
”バキバキバキ”
”ドッカーン”
ローゼの言う通り、超振動ホーンで氷の壁を粉々に砕くバール。
それを見て目を見開く巨人。
≪みんな~今よ≫
それを見たローゼが無線で叫んだ。




