209話 (あらま!)
------オブリヴィオン副総帥フロワ視点---
ブレイブ基地(ケンタウルス砦)北東某所。
"バラバラバラ......"
「ん!?、奴らが来たようだぞサディコ」
我の隣に立つサディコパゴノーラ(氷結の巨人)にそう言うと、巨人は持っていた
三又の槍を黙って構えた。
空を飛ぶ鉄の箱……回転翼で揚力を発生させ飛ぶ……。
我々の元の世界でも大昔あったと伝えられている乗り物……チョッパー。
その中には、普通人族の男とキャットピープルの女が乗っている。
また、その500m後方の地上からは、奴らが移動に使っている車輪の着いた鉄
の箱!?……奴らが言うところのトレーラが見える。
そしてその後方から、金属の馬!?に跨る普通人族の男とエルフ族の女。
「ふんっ!}
我は”魔力感知”を使った。
例の姫の魔力は感じられない。
「こっちは外れだ」
そう横に立つ巨人に我は告げると、転移魔法円を即座に発生させ転移した。
◇◇◇◇◇
------セイア視点 ---
俺は、GUY BRAVAに変身後、ユニコーンを召喚し、ゲキに渡した。
その間にシュイが基地の外苑部の堀の水を使い巨大青龍を出す。
次いで、電龍が巨大化している間に俺はフェニックスと合体して”ガルーダ形
態になると、電龍、青龍を従えて空に舞った。
基地から南東方向に進路を取り、しばらく青龍、電龍達と飛んでいると……。
(見えてきました……デカ物が)
身長!?約30mの大きなドラゴン……確かファイアー・ドレイクって奴だった
か?
”ピッ”
≪Enemy≫
≪名称デロべファイアー・ドレイク≫
≪戦闘力 350,000 ≫
≪防御力 280,000炎攻撃無効、再生能力≫
≪スピード 10,000≫
≪MP 500,000≫
≪特技 炎系攻撃、飛行能力あり≫
×1
(ん!?んっ、デロベって……もしや)
俺は、視界をドラゴンにズームする。
よく見るとドラゴンの額に見たことのある間抜け面が……。
(デロべのおっさん(将軍)復活してやがんの)
◇◇◇◇◇
デロべのおっさん……もといファイアー・ドレイクドラゴンの頭上には体長50
cmの……。
”ピッ”
≪名称 バジリスク≫
≪戦闘力 15,000 ≫
≪防御力 1,000毒耐性≫
≪スピード 15,000≫
≪MP 10,000≫
≪特技 毒、石化光線、飛行能力あり≫
×100
(えっ!え―――――!バジリスクって翼あるけど飛べなかったんじゃないの~)
驚きつつも、地上へと視界を切り替える。
”ピッ”
≪名称 マンティコラ≫
≪戦闘力 5,000≫
≪防御力 4,000毒耐性≫
≪スピード 3,000≫
≪MP 3,500≫
≪特技 毒針、噛みつき≫
×20
体長4mのライオンで、尻尾にはサソリのような毒針がある。
”ピッ”
≪名称 オヴィンニク≫
≪戦闘力 3,000≫
≪防御力 2,000炎耐性≫
≪スピード 7,000≫
≪MP 4,000≫
≪特技 火炎、≫
×10
体長1.5mの黒い大きな毛むくじゃらの猫。
”ピッ”
≪名称 サラマンダー≫
≪戦闘力 20,000≫
≪防御力 15,000炎攻撃無効≫
≪スピード 2,000≫
≪MP 10,000≫
≪特技 火炎、再生能力≫
×10
体長2m……思ってたのよりでかいな。
”ピッ”
≪名称 マグマゴーレム≫
≪戦闘力 10,000≫
≪防御力 30,000炎攻撃無効≫
≪スピード 500≫
≪MP 10,000≫
≪特技 熱、肉弾戦≫
×20
体長8m……溶岩製のゴーレム。
思ったより数が少ないね。
◇◇◇◇◇
ミオンとシュイは、サイドカーで現在俺達の居る地点手前1kmの地点で、待機
してもらっている。
ミオン達の横には、護衛のブレイブロボ・Gが立っているのを確認した俺は、電
龍に声を掛けた。
「電龍!バジリスクを任せる!」
「あいよ、喜んで~」
電龍には、毒耐性だけでなく石化無効の能力があるらしい……。
最近知ったんだけどね。
なので、バジリスクは電龍に任せ……。
「青龍はしばらくここで待機な」
俺の言葉に黙って頷く青龍
そして俺はファイアー・ドレイクドラゴンに向け、自身最大の攻撃を仕掛ける。
両腕を前に突き出し、掌から勢いよく炎を吹き出しながら急上昇した。
俺が両掌から炎を出すと同時に、Phoenixも翼を含む全身から炎を吹き出
し……やがて俺の全身は炎に包まれた。
「ガルーダ・シャイン!」
俺がそう叫ぶと、俺の体を包む炎の温度が上がり、炎の色が赤から黄……そして青
色に変わり……真っ白な光に包まれた。
真っ白な光に包まれた俺は、そこで急上昇を止め、そこから一気にファイアー・
ドレイクドラゴンってか、デロべのおっさんに向け急降下した。
降下速度はグングン上がり音速を超え……おおよそ、M2.4(マッハ2.4)
に達し……。
そして、降下を続けファイアー・ドレイクドラゴンにぶつかる寸前で、
「ガルーダ・スパーク!」
そう叫んだ俺はそこから反転し、急上昇した。
音速を超える急降下で発生した衝撃波と共に、俺の全身を包むプラズマの炎を同
時にファイアー・ドレイクドラゴンと、その周辺に居た魔物達にぶち込んだやった。
”ドッカーン”
濛々と立ち込める黒煙。
しかし、おっさん(ファイアー・ドレイクドラゴン)は立っていた。
体の鱗は剥がれ落ちていたものの、体には何一つ傷がなかった……だけでなく、
その剥がれた鱗さえもすぐさま再生している。
「馬鹿か~!俺に炎攻撃は効かんぞ小僧」
と俺に言うなり、おっさん(ファイアー・ドレイクドラゴン)は口からプラズマ化
した火球を放ってくる。
「おっと」
俺はそれをひらりと躱す。
おっさん(ファイアー・ドレイクドラゴン)には、確かに攻撃が効かなかったが
、マンティコラとオヴィンニクには効いたみたいで合わせて30体の魔物はこの攻
撃で消し飛んだようだ。
(後は、おっさん(ファイアー・ドレイクドラゴン)と、サラマンダー10体にマ
グマゴーレム20体)
「今度は、わしから行くぞ小僧!」
そう言うと、おっさん(ファイアー・ドレイクドラゴン)全身を炎に包み背中の翼
を羽ばたかせ空に飛ぼうとした、その時だった。
「今だ青龍!(シュイ)」
俺は後方に待機する青龍に言った。
◇◇◇◇◇
------オブリヴィオン副総帥フロワ視点---
我が転移した時には、すでに戦闘が始まっていた。
ドラゴン擬き(電龍)が、上空でバジリスクを追い回し、勇者は自身最大の攻撃
をデロべ(ファイアー・ドレイク)に向け放っていた。
「ふんっ、その攻撃はデロべには効かんがな」
そう我は口にするが……。
勇者の攻撃で、マンティコラとオヴィンニクが全滅する。
「なるほど……」
そう呟いた我は、辺りを”魔力感知”で探ってみる。
勇者にドラゴン擬き(電龍)、それに水の龍擬き(青龍)……。
そして、少し離れた所に普通人族の女2人……その横にはゴーレムか……。
「こちらも外れ……か」
「奴らも少しは考えている……と言うことか」
我は、再び転移魔法円を即座に発生させ転移した。
(ふふっ、ならばあそこにおると言うことだ)
◇◇◇◇◇
------セイア視点 ---
全身から炎を吹き出し、飛び上がろうとするおっさん(ファイアー・ドレイ
クドラゴン)に、青龍が大きな水の塊と変化してぶつかる。
”ドッカーン”
爆音と共に大きな爆発が起こり、おっさん(ファイアー・ドレイク)はその衝撃
で地面に叩きつけられた。
(水蒸気爆発ねw)
おっさん(ファイアー・ドレイク)が地面に叩きつけられたことにより、下に居
たマグマゴーレム10体が粉々に吹っ飛び、サラマンダー5体の体が千切れた。
しかし、千切れたサラマンダー5体は、同じく粉々に飛び散ったマグマゴーレム
の体から漏れ出る溶岩の熱を利用して再生して行く。
(あらま!)
そしておっさん(ファイアー・ドレイク)も、しばらくは動けなかったが、もの
の数秒で立ち上がる。
(これまた、あらま!)
「野郎~!!なめた真似を~」
そう凄んで、俺を睨みつける おっさん(ファイアー・ドレイク)だった。
戦いは続きます。




