表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界いったらヒーローごっこ ~夢勇者GUY BRAVE~  作者: グリンピースの豆ごはん
第4章 えっ!こっちでもヒーロー!?(学園編)
210/267

207話 Fairy(妖精)とピーちゃん





 翌朝、すっかり元気になったマクギャレットさんを見て、主治医のコバッチュ

先生を初め、看護師さんは、大パニック!


 特に主治医のコバッチュ先生は、「もう治った」って言うマクギャレットさんの

言葉を信じられず、再検査をした……。


 再検査後のMRIの画像を見て、


「し・信じられん……摘出したはずの脾臓が、元通りになってる!?」


そう声を上げ言うコバッチュ先生に、ニッコリ笑って時田さんが言った。


「ボスは伝説のソルジャーですから」


「……」


その言葉に絶句するコバッチュ先生だった。


(伝説の……と言うよりそこは魔法だと思うんですが)






◇◇◇◇◇





 元気になったマクギャレットさんと、ジョー叔父さんと共に一旦ンドワン国に

戻り、そこで2人とは別れ俺達は、異世界のブレイブ基地に戻った。


 今は、ブレイブ基地の東南側にりゅうじいちゃんのリクエストで作った。通称

『お花ドーム』で、俺とソフィー、シュイにミオンを加えた4人でくつろぎ中だ。


 この『お花ドーム』って言うのは、所謂温室ってやつで、ドーム球場くらいの

大きさのガラス張りのドーム状になっており、機械的な温度調節と言うより、ど

ちらかと言うと、魔法的な管理で、季節を問わずいろんな花が咲いているわけさ。


 これは、じーちゃんがこっちに持ってきた、死んだばーちゃんの仏壇に、ばー

ちゃんが好きだった百合の花を常にお供えしてやりたい……というので、ニール

さんの協力の下、作った温室ドームなんだけど、どうせなら百合だけでなく、い

ろんなお花も咲かせようってミオンが言い出して、百合以外にも100種類くら

いのお花を咲かせている訳だけど……。


”ピー”


あ、そうそう、ジョー叔父さんが飼っていたピーちゃんなんだけど、今はこっち

に居るのよ。


 あの後、叔父さんと話し合ってね、俺が預かることになったんだけど……。


 俺達の世界にある俺の家で飼えるわけもなく……。


 それに、こっちにはりゅうじいちゃんも居るから、俺がいないときでも世話焼

けるし……ってんでこっちに連れて来たんだけどね。


 今、そのピーちゃんは『お花ドーム』を飛び回ってる。


 背中には小さな人を3人ほど乗せて……。


 かく言う、お花畑に腰を下ろしてる俺達4人のうち、俺とソフィーの肩と言わず

、頭と言わずには、沢山の蝶やトンボの羽を持つ、体長10Cmの小人がぎっしり

載っているんだけどね。


『Fairy』(妖精)と呼ばれる……人!?。


 人ではないな……。


 この世界の『Fairy』(妖精)って言うのは、生まれて3歳までに死んだ子

供の魂が、稀に魔力を纏って実体化している……存在だそうだ。


 普段は、アルブ国(エルフ系)のある森中のお花畑で、春から秋までを過ご

し、冬はウクラハンバ王国(ドワーフ系)の山にあるお花畑で過ごしているんだが

、越冬のためウクラハンバ王国(ドワーフ系)の山へ移動する途中にここを見つけ

居ついてしまったって訳さ。


 3歳児の魂ってことで、無邪気。


 今も自分達が飛べるにも関わらず、ピーちゃんの背中に乗って遊んでいる。


 何故かそれをピーちゃんは嫌がらないんだよねぇ~不思議なことに。


 そして、俺とソフィーの頭や肩に載っているのは……お食事中って訳さ。


 俺やソフィーの体から漏れる微量の魔力を食べてるってか、浴びているって感

じかな。


 もっとも、オブリヴィオン(魔王軍)に感知されないよう、ドーム自体に防御

をしてあるからここでは、ソフィーもローブを着ておらず、いつものワンピー

ス姿で寛いでいる。


”キーンコーンカーンコーン”


 その時、学校のチャイムに似た音が鳴った。


「みんなぁ~急いで東屋に行くわよ~」


そう叫んだのは、ここのFairy(妖精)達のリーダーのチャームさん。


”ピッ”


≪種族≫Fairy(妖精)


≪通称 ≫チャーム


≪名称≫ チャーム


≪年齢≫ 生前6歳 Fairy歴1000年


≪戦闘力         300≫


≪防御力         20≫


≪スピード       200≫


≪MP≫   ※600/600≫


≪状態   ☆【青】良好≫


≪魔法≫  風、火、土、水 全般


※但し、体を魔力で形成しているため、全体の魔力の2/3を使い果たすと消滅す

る。


 身長12Cm、茶髪で、ボーイッシュな感じの女の子と言った雰囲気のあるF

airy(妖精)で、背中には蝶の羽根が生えており、他のFairy(妖精)達

が、3歳までに亡くなっているのに対し、彼女は6歳で亡くなっているので、他

のFairy(妖精)達と違い、人間だった時の記憶を持っている。


\\\わぁ~い///


 チャームさんの声に、Fairy(妖精)達は一斉に、ドームの東側にある木製の

東屋に移動する。


「じゃ、俺達も東屋に避難しよう~」


俺が、ソフィー、シュイ、ミオンに言ってお花畑から立ち上がると、指笛を鳴らす。


”ヒィ〜ウィ!”


 すると、先程までFairy(妖精)達を乗せてドーム中を飛んでいたピーちゃ

んが、背中にFairy(妖精)達を乗せたまま、俺の方に飛んできて俺の足元に

舞い降りた。


 地面に着地したピーちゃんは、背中のFairy(妖精)達が飛び立つのを待っ

てから、俺の肩に”ひょい”と飛び乗る。


「セイア、早く行かないとずぶ濡れになっちゃうわよ」


ミオンはそう俺に言ってから一人で東屋に走って行く。


(おいおい、薄情者)


 俺は、肩に載せたピーちゃんに気遣いながら、また、ソフィーとシュイの手を

ちゃっかり握って東屋へと急いだ。


(えへへ)




◇◇◇◇◇





ドームの天井部分に”モコモコ”と黒い雲が現れた次の瞬間!


”ザ――――――――――――ッ”と雨が降って来た。


 これは、ドーム内にあるお花畑に水を撒く……と言う魔法的装置。


 この装置により、定期的にドーム内の花達にお水をあげている訳。


(本当に魔法って便利だね)


 なんて考えていたら、雨が上がった。


\\\キャホ~ウ♪///


 雨が上がった途端Fairy(妖精)達は東屋を飛び出して行った。


 それを、微笑ましく俺達が眺めていると、


”ピンポンパンポン~”


「セイア、ミオンちゃん、ソフィーちゃん、シュイちゃん、至急コントロールル

ームに戻って来なさい」


と、りゅうじーちゃんの呼び出しがかかる。


(何だろう?)


と思いつつも、俺達はブレイブ基地中央にある塔の地下6階に急ぐのだった。




◇◇◇◇◇




 コントロールルームの扉が開くと同時に俺は、りゅうじーちゃんに言う。


「どうしたの!?りゅうじーちゃん!」


その言葉に、りゅうじーちゃんが答えようとした時だった。


”ウィ~ン”


 再びコントロールルームの扉が開き、先程まで地下4階の闘技場で、”気”の訓

練をしていたゲキと、その後ろにさくらばーちゃん、それに、それを見学し

ていたクレアさんとエドナさんも続いて入って来て、ゲキが言う。


「何があった!?セイア」


 その言葉に俺は一瞬心に思う。


(いや、俺も今、来たところなんだが……)


 因みに、ゲキが今、さくらばーちゃんと訓練している”気功術”は、ゲキが今まで、

第3のチャクラ(マニプーラ・チャクラ)と呼ばれる腹部の臍のあたりに足から吸

収した大地の”気”をそこで十分錬り、放出していたのだが、威力はあるが、時間

が掛かるのと、”錬る”と言う作業はかなり体力を消耗するらしい。


 そこで、さくらばーちゃんは、腹部の臍のあたりで”気”を錬り、放出するのではな

く、第1のチャクラから第7のチャクラ(頭頂にある)に順番に”気”を送り、最後

はその第7のチャクラから”気”を放出することを繰り返し、その速度を上げる。


 イメージとしては、体を抜ける”気”が、音速とか光速のような速さまで、速度

が上がったら、それを手や手に持った武器から放出するらしい。


 そして、さくらばーちゃんが使う技「撃心流気功旋風!」や「撃心流気功手裏剣!

」は、それに回転を加えて放ってるらしい。


 今までゲキが使っていた”気”を錬り放つ”気功術”とばーちゃんの気の速度を上げ

て放つ”気功術”を両方使えて、初めて”撃心流”の使い手と言えるらしい。


……って話より今は、りゅうじーちゃんの話だった。


「りゅうじーちゃん何があったの?」


と俺は気を取り直して、りゅうじーちゃんに聞くと……。


「オブリヴィオン(魔王軍)が攻めてまいりました」


と、りゅうじーちゃんの代わりに時田さんが素早く答えた。


 りゅうじーちゃんは、言うべき言葉を先に時田さんに言われ、口をあわわ、あわ

わしている。


「「「「「「「えっ~」」」」」」」


時田さんの言葉に、俺を初め、ミオン、ソフィー、シュイ、ゲキ、クレアさん、エ

ドナさんが声を上げた。


(なんで、ここが分かったんだろう?)





ここで第4章は終わりです。

次回、幕間を挟んでいよいよ第5章に突入します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ