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異世界いったらヒーローごっこ ~夢勇者GUY BRAVE~  作者: グリンピースの豆ごはん
第4章 えっ!こっちでもヒーロー!?(学園編)
180/267

177話 男って浅ましい(文化祭)



「これは……」


「なっ……んっじゃこれ!」


絶句するゲキと俺。


 しかし、異世界組のソフィー、シュイ、クレアさんは俺とゲキが何で驚いている

のかわかないって感じだった。


「これがショーギーですか?」


「ショウギーはもっと小さいものでは?セイア様」


「なんだか奇妙な鎧ですねぇ~あれでは動きずらいと思いますが……」


 俺とゲキは、"人間将棋"と聞いて、武将などのコスプレをした人を将棋の駒の

ように動かすものだと思っていたんだけど、目の前にあるのは運動場に白線を引

き、将棋盤に見立てた所に、将棋の駒(ダンボールで作った)を着た人が立って

いる。


(確かに、歩は歩兵、桂馬は騎馬武者、王将は将軍(大将)と考えられるが、香車

、飛車、角行は何で表現したらいいかわからないし……それに、”成る”ってのを

どう表現するか……わからないけど……。)


「ん!?裏表同じだぞ、これでは”成れない”じゃないか?」


ゲキの言葉に俺もよく見て見ると、表裏同じ、桂馬の裏も桂馬となっているし、何

より上から見た将棋盤を模しているのではなく、でっかい将棋の駒を着た人が立っ

ているだけだよな。


(わかりにくいな)


そう思いながら、ソフィー、シュイ、クレアさんに俺とゲキが簡単な将棋の駒の動

きと、ルールーを説明しながら見ていると、後手の桂馬が敵陣に入り……。


「「え――――――っ!!」」


桂馬になった人が、自分で桂馬の駒の両端を左右に引っ張ると、”金”って書かれた

文字が現れた。


(なるほど……よく考えたね)


「後、5手で先手が勝つ」


しばらく将棋を見ていたゲキが言う。


「えっそうなんですか?」


思わずソフィーが聞き返すが、ゲキは黙って頷いた。


 ゲキが言う通り、5手後には先手の勝利となってこの勝負は決した。


 まだ、試合は何回かあるようだが、俺自身飽きて来たし、異世界組は恐らく見て

いてもわからないだろうから、ここを切り上げて場所を移す。


「少し、早いけどお昼にするか?!ゲキ」


「んっ、そうだな」


俺の問いかけにゲキが答え、美術室の方に歩こうとするゲキを俺は制して行った。


「うちのかあさんが作ったおにぎりだけでは、足らないだろう~ゲキ」


「いっ、やそんなことはない!」


と遠慮するゲキに、俺はにっこり笑ってこう言った。


「大丈夫!ブレイブ商会の経費で落としてもらうからw」


「ああ、そうか、なら」






◇◇◇◇◇





 運動場にある屋台テントに寄り、焼きそば、フランクフルト、から揚げをメンバ

ー分買い、美術室に向かう。


 俺のクラスもそうだが、ミオンやゲキのクラスのように教室で展示を行ている

クラスは、展示物がある為、教室でお昼を食べるわけには行かない。


(受付してる人は例外だけどね)


 空きスペースって言うか、運動場などで食べる人が多いが、中には食堂でお昼を

取る人もいる訳だが、限られた時間(お昼休み)なので人が殺到する。


 ただ、今回俺達”マン研”は部室である美術室で展示を行っていないので、空い

ている。


 そこで、マン研ではないが、ゲキ達や、ローゼも合流して、ここでお昼を皆で食

べようと言う話になっていたからだ。


 そのため、うちの かあさんが、メンバー全員のおにぎりを朝から作ってくれて

いた。


”ガラガラガラ~”


 俺とゲキは、買い出した焼きそばなどを持っているため、クレアさんに美術室の

戸を開けてもらう。


 美術室にある机に買ってきた、焼きそばやフランクフルト、から揚げを並べ、

ソフィー、シュイも手伝ってくれて、俺、ミオン、ソフィー、シュイのリュッ

クから、おにぎりが入ったタッパーなどをだす。


”ガラガラガラ~”


そこにタイミングよくミオンが現れる。


「おっ!私ナイスタイミングだね」


「ああ、そうだなミオン」


笑いながらミオンにそう言うと、


「手伝おうかセイア~」


と言うのでサラダが入ったタッパを指差し、


「かあさんが作ったコールスローサラダ出して、各自分の紙皿に入れてくれないか

?」


「わかったw」


ミオンが機嫌よく返事をし、タッパからコールスローサラダをとりわけ出している

と。


”ガラガラガラ~”


 今度は、シノブとアイーシャさんが入って来た。


「美味しそうな匂いですにゃw」


「そうだねぇ~Missアイーシャ」


シノブとアイーシャさんの会話を聞いていたミオンが、シノブに言う。


「シノブ~、ローゼとエドナさんは?」


「ああ、MissエリスとMissゾメルには、ここに来る途中声を掛けたから、

もうすぐ来るんじゃないかい?」


とシノブが言い終わるタイミングで、


”ガラガラガラ~”


ローゼとエドナさんが入って来た。


「あぁ~ヤキソバン~w」


「おっ、ソーセージだw」


入ってくるなり、エドナさんは焼きそばに、ローゼはフランクフルトに釘付けのよ

うだった。






◇◇◇◇◇





「「「「「「「「「「ごちそうさまでした」」」」」」」」」」


「ふぅ~お腹いっぱいw」


ミオンは、お腹をさすりながら言う。


 かあさんが用意した、おにぎり30個はきれいになくなった。


と言っても、だいたい1人2個づつしか食べてなかったので、余った8個のおにぎ

りは、ゲキとシノブが平らげたんだけどね。


 前もって、異世界組が梅干しが苦手だろうからと、かあさんが用意したおにぎり

の具は、焼き鮭、昆布、鰹節、焼きたらこ、高菜なんだけど、アイーシャさんは、

シャケと鰹節を好むようで、エドナさんは高菜を好むようだった。


「じゃ、腹ごなしにソフィー、シュイ振り付けのおさらいをするよ~w」


「「は~いw」」


3人が振り付けの練習をするのを横目で見ながら、他の皆と後片付けをし、エドナ

さんとローゼを見送ってから、残ったメンバーに手伝ってもらて、体育館前の特設

テントで販売するグッツを運ぶことにした。


「じゃ、俺達は先に行ってるからなぁ~」


「うん、わかった」


ミオンの返事を聞き、俺と残りのメンバーは美術室を後にした。






◇◇◇◇◇





 俺とゲキ、シノブはフィギュアの入った重い大きな箱を持ち、その他軽めの荷物

を、クレアさん、アイーシャさんに持ってもらってテントに向かう……と。



 体育館の前に設けたマン研の特別ブース前には、既に長蛇の列ができていた。


「なっ……」


それを見て絶句する俺に、列に並ぶ男達から、


「はやくしてくれよ~大鷲!」


「おい、押すなよ!」


「はやく、はやく」


と声が飛ぶ。


俺達は、慌てて、テント内の机にグッツを並べるが、並べる間にもテントに押し寄

せる男達。


「これくれ!」


「はやく、はやく」


「いくらだ!大鷲」


叫び、迫る男達。


「うわぁ~、これじゃ並べられないよ」


困る俺を見て、グッツを並べる手を止めたゲキが、テントに群がる男達の所に向か

い、思い切り気を放ってこう言った。


『整列!』


ゲキが渾身の気を放ちながら叫ぶ声に、”ビック”とした男達は、慌てて奇麗に1

列に並んだ。


(サンキュ、ゲキ)






◇◇◇◇◇





売れる売れる。


 用意したソフィー、ミオン、シュイの団扇(表に3人の写真入りで裏がそれぞれ

3人の似顔絵付き)。


 やはりダントツでソフィーの団扇がよく売れるが、他の2人のもそれに遅れるこ

と数分で完売する。


 次に完売したのは、3人それぞれの顔写真入付き、ミニペンライトだった。


 そして、ブレイブ商会でネット販売しているソフィーのフィギュアの半分サイ

ズのフィギュア。


 アイーシャさんが木彫りで作り、俺、ミオン、ソフィー、シュイが色付けしたも

の。


 値段を半分以下の3,000円にはしたものの、それでも高価なフィギュア……。


 が!、


あっという間に売れた。


 ただ、ついでに作った俺のフィギュアって言うかGUY BRAVのフィギュア

は、まるで売れなかった。




(こっちでは、まるで人気のないGUY BRAV トホホ)


 そこに、 もえいろクローバー(エースに扮んしたソフィー、ミオン、シュイ

が現れると、グッツを買った男達が色めきだした。


「「「「「「「「「「ウオー!!!!!!!」」」」」」」」」」


 色めき立つ、男達を一列に並ばせ、男達のスマホを預かり、順番に3人と写真撮

影をするゲキとシノブ。


「はい、1人一枚だぞ!」


「Mr.笑顔だ!撮るよ~チーズ」


「そこ、肩は組まない!」


「Goddam!手離さないと写真消去するよMr.」


隙あらば、ソフィー、シュイ、ミオンの手や肩、腰を触ろうとする男どもに注意を

促すゲキとシノブ。


(男ってホント浅ましいよな)







豆ごはんの高校は男子校。

なので皆女性に飢えていた……。

文化祭で女装してミスNo1を決める催しがあったんですが、

それの出場者の女装姿を見て、皆が思わず振り返ります。

かくいう私も反射的に見てしまいました。(汗)


中身男なのにねぇ……。

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