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異世界いったらヒーローごっこ ~夢勇者GUY BRAVE~  作者: グリンピースの豆ごはん
第4章 えっ!こっちでもヒーロー!?(学園編)
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173話 修学旅行(救出裏編・監禁)



------第三者視点---



 話は少し戻ります。


「この無礼者!この私を誰だと……」


 男に担がれたシュイはわめき散らすが、


「何言ってんだかさっぱりわからん!黙れ!」


と言うが、シュイにはその言葉が理解できないようで、更にわめいた。


 どうやら、テレパスの魔法をかけていない男達はシュイの言葉が分からないし

、男達の言葉もシュイには分からないようだ。


「うるさい!ザヒール黙らせろ」


シノブの脇を抑えながら後方を歩く男が言った。


「分ったジャパ」


 先頭を歩く男が、そう言って真ん中でシュイを担いでる男の所まで行き、


「ナミルそいつを降ろせ」


 そう言われ、ナミルと呼ばれた男は徐にシュイを降ろすと、シュイを無理やり

立たせ。


”ドスッ”


と当て身を入れた。


「グッ」


シュイは当て身を受けぐったりする。


「おい、LADYに乱暴はよせ!」


シノブがそう言うと、


”ビシッ”


「……っ!」


とザヒールがシノブを平手で叩き黙らせる。


 シノブの腕を拘束バンドで後ろでに縛り、目隠しをして、気を失っているシュイ

共々、幌付トラックの荷台に無理やり乗せ、ジャパと呼ばれる男がトラックを運転

し、ザヒールと呼ばれる男と、ナミルと呼ばれた男は、シノブ達の監視の為、同じ

く荷台に乗った。


"バン”


”ブルルルルン~”


 トラックは、どこかに行くため動き出した。




◇◇◇◇◇






 そして、トラックに揺られること30分、不意にトラックが停車したかと思う

と、


”ギィーギィ~ギー”


と錆びたシャッターが開くような音がして、再びトラックが動き出し、停車する

と再び、


”ギィーギィ~ギー……ガシャン”


と今度は、シャッターが閉まる音がして、トラックのエンジンが切られると、運

転席から降りれ来たジャバが、荷台に居るザヒールとナミルに向かって言った。


「おい、ザヒール!ナミル!降ろせ」


ジャバの言葉にナミルはシュイを担ぎ、ザヒールはシノブの脇を掴んでトラックか

ら降ろす。


(ん!これは鉄の香り)


 無理やり歩かせられ、目隠しで何も見えないが、わずかな臭いを感じ、シノブは

心でそう呟いた。


 シノブとシュイが連れてこられた場所は、大阪の某所、埋め立て地にある、もう

何年もそのままにされている潰れた鉄工所だった。


「ご苦労だったな同志!、ジャバ、ザヒール、ナミル!」


と3人に声を掛ける男の声を聞き、


「ん!?その声はナセル・ベン・アーメド!」


シノブが声の方を向いて言う。


「おお、覚えて追ったか」


 シノブに”ナセル・ベン・アーメド”と言われた男はそう言ってシノブに近づ

き、シノブの目隠しを取って言った。


 目隠しを取られ、少し眩しいのか瞬きをしながら、ナセルを睨むシノブに、両手

を上に上げた大げさなアクションで、


「おお、怖わ~流石ジェームズ・マクギャレットの息子ってとこだな、父親に似た

鋭い目つきをしておるわい」


「ふん!今に見ていろよナセル!」


ふざけるナセルにシノブが言い返すと、


「ん?助けを当てにしているようだが、お前を運んだトラックにも、ここにもお前

の靴の底に仕掛けたGPS発信装置を阻害するためのジャマーが仕掛けてある……。

それに、ここに居るファハドがここに来る道中の防犯カメラをハッキングして痕跡

を消してあるのでな……。いかにマモル・トキタでもここは見つけられんさ」


「っ……」


ナセルの言葉に悔しそうに唇を噛むシノブだった。


「同志ジャバ、ザヒール、ナミルすまないがお客様を案内してくれ」


「「「はっ」」」


「同志ナセル!あの余計な女は始末した方が……」


と、横に居たファハドが言うが、


「いや、生かせておけ」


とファハドに手を上げ言葉を制しして、


「どうせジェームズ同様、女の命を救うために大人しく捕まったのだろうて……。

なら、生かしておいた方が良いとは思わんかファハド」


とファハドにニッコリ笑顔で言うと、


「はっ、確かに」


ナセルにそう答えるファハドだった。




◇◇◇◇◇





ジャバ、ザヒール、ナミルに連れられ、廃工場奥にある元は事務室らしき部屋に

連れてこられたシノブとシュイ……っと言っても、気を失っているシュイはナミル

に担がれてのことだが……。


 廃工場奥にある事務室内部は、半分はそのままに、後の半分は、牢屋に改造され

ていた。


 牢の中にシュイを降ろし、ナミルが牢の外に出ると同時に、ジャバに促され牢に

入るシノブ。


牢に入り際、ジャバにシノブが言う。


「ルームサービスは何時までだ!?」


その言葉にムカッと来たジャバがシノブの顔を殴りつける。


”バコッ”


「かはっ…」


ジャバに殴られシノブは後ろ手に縛られたまま、牢の床に崩れ落ちた。


「生意気な小僧だ!」


そう言葉を吐き、牢の鍵を”ガチャガチャ”と閉めて、ジャバはザヒール、ナミル

と共に事務室の扉も閉め出て行った。


「ふぅ、まったくジョークの通じない奴らだ」


そうシノブは1人ごちりながら、床を転がり同じく牢の床に寝かされているシュイ

の耳元に顔を近づけ、


「Missカカ……Missカカ……」


とシュイに話しかけた。


「うっ……」


 しかし、シュイは何かにうなされているようだった。


「Missカカ……Missカカ……」


シノブはシュイにもう一度話しかける。


「うっ……ラグナヴェール何、私に気安く話しかけてるんですか!」


と突然”ガバッ”と上半身を起こし、叫ぶシュイにシノブが言う。


「落ち着いてくれたまえMissカカ」


そのシノブの声に”ハッ”として床に寝ころんでいるシノブの方を見て、


「あっ!メイトリックス様……このようなところで寝ておられるのですか?」


とキョトンとした目でシノブを見た。


「ん?……ああ、僕達、攫われたんだよMissカカ」


「っ……?あっ!あの連中に!……このカカ帝国の姫であるわたくしを拐かすとは

、言語道断!お父様に言って火あぶりの刑にしてくれます!」


と胸をはるシュイにシノブが顔を引きつらせながら、


「いや~ここは僕達の世界だから、それは無理だと思うよMissカカ」


とシノブに言われ一瞬きょとんとしたシュイが思い出したように頷き、


「ああ、そうでしたわ」


と納得した。




◇◇◇◇◇





「ワールドディフェンサー社への身代金6,000万ドルの要求と、我ら支配地域

を取り囲む連合軍の撤退を打診しました」


「うむっ」


ファハドの言葉に小さく頷くナセル。


「期限は3日……どう出て来るかですね」


「まぁ、連合軍の撤退はあるまいが、どうあがいても身代金は支払うことになる

だろうて……」


ファハドの言葉に腕組をしながら言うナセル。


「しかし、そう簡単に……」


と爆弾を作りながら、ナセルの側に居たジタンが言うと、


「いや、ここを見つける事が出来ない以上!、払うだろうな」


その横でファハドが言った。


 しばらくして、ナセルが席を立ち言う。


「では、わしは身代金受け取りの準備にC国へと出向くとするか」


そう言ってシャッターの方へ歩き、シャッター前に居るジャバ、ザヒール、ナミル

に目で合図して、シャッターを開けさせた。


”カシャン”


”キーーー”


「ファハド、ジダン……後は頼んだぞ!」


外に出る時、中に居るファハド達の方を見て言った。




◇◇◇◇◇




 シノブは、どうにか立ち上がって、牢屋の壁に右の踵をぶつけた。


”コン”


 すると、右足のスニーカーのつま先からナイフ上の刃物が飛び出した。


「OK!」


そして座っているシュイの後ろに回り胡坐をかいて、器用にも足を使って後ろ手

に拘束されたシュイの拘束具(結束バンドの大きいの)を切り始めた。


”キコキコ”


”プチン”


「YES!」


シュイの拘束具を切って、思わずそう言うシノブ。


そして、履いていた右足のスニーカーを脱ぐとそれをシュイが拾って、シノブ

の後ろへと回り込み、スニーカーから出てる刃物の刃先を使いシノブの拘束具も

切った。


”プチン”


「YES!」


スニーカーを履きなおし、辺りをうかがうシノブ。


 その時、シュイが、不意に頭を押さえ、


「っう……」


「どうしたんだい?Missカカ……」


頭を押さえるシュイに心配そうに声を掛けるシノブ。


「いえ、大丈夫ですわ~時折、頭の中であの忌まわしいラグナヴェールの声が

するような……」


 この時、シュイはそれがソフィーからの念話だとは気づかないでいた。


「でも大丈夫ですわ……早いところ悪者をやっつけちゃいましょう

メイトリック様」


「OK♪Missカカ……行くよ~」


2人はお互いの顔を見合わせそう言うと、


「ジョー・チャックゥ~!」


「ピエンフア!」


シノブとシュイは左の二の腕にあるリングに触れながら叫んだ。


見る見る2人の服装が変わる。


 シノブは学生服から、迷彩服にブーツで、背中にはマジックボックスを背負

い、手にはライフル、腰には拳銃を装着の姿に、シュイは、セーラー服から青

いカカドレス(丈の短めのチャイナドレス)にブーツ姿で、腰にはスカーフの

ようなもので巻き付けた瓢箪の水筒を装備している姿へと変わった。


「「IT’S SHOWTIME~」」


そう2人で声をそろえて言うのだった。







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