表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界いったらヒーローごっこ ~夢勇者GUY BRAVE~  作者: グリンピースの豆ごはん
第4章 えっ!こっちでもヒーロー!?(学園編)
175/267

172話 修学旅行(救出表編)



時田さんと、一緒にここの施設の駐車場に向かうと、そこには一台の黒塗りのバ

ンが止まっていた。


 バンの後ろの扉を時田さんが開けると、コンピュータやらいろいろな機材を操る

、1人の男の人が座って作業をしていた。


 名前は、”ブライアン・パーマー”年齢は24歳、身長173cmの細身で眼鏡

を掛けた見るからにオタクって感じの人。


 時田さんによると、元世界的なハッカーだそうで、その腕を見込んでシノブのお

父さんの会社に雇われたそうで、元軍人の多いシノブのお父さんの会社では、珍し

い存在らしく、はっきり言って戦闘能力は皆無らしい。


「あっ、ボス、今ここの施設の防犯カメラの映像からその場所のさらわれたであ

ろう時刻の映像を出すね」


と俺達って言うより時田さんに言う。


その言葉に黙って頷いた時田さんは、車内に乗り込みモニター前に座った。


 俺達全員バンに乗り込めないので、代表して俺、ミオン、ゲキが乗り込む。


 他の皆はバンの外で待ってもらっている。


パーマーさんの横でモニターを食い入るように見る時田さんと、パーマーさん

の後ろで俺、ミオン、ゲキもモニターを見ていると……。


「ん!」


「「「えっ!」」」


時田さんと共に俺達が映像を見て声を上げる。


 俺達がいなくなり、ベンチで寝ているシュイを側で扇子で仰いでいるシノブの元

に、頭にターバンを巻き、サングラスに黒のスーツ姿の3人の男が急にシノブとシ

ュイに近づいたかと思うと、寝ているシュイに何か突き付け、シノブに何か言って

いるようだった。


「残念ながら音声はないいですよ~ボス」


って映像を見ている時田さんを初め俺達に言う。


「……」


「「「……」」」


その言葉に時田さんも俺達も返事をせず、画面を更に見る。


 シノブは持っていたスマホを1人の男に渡し、受け取った男はそれを壊してベン

チ横に捨てた。


 同じく別の男が、シュイの鞄から、シュイのスマホを出して壊して捨てた。


 シュイが何やら男達に怒鳴っているようだが……。


 そのシュイを1人の男が徐に担いだかと思うと、シノブを連れ、3人の男達はそ

の場から立ち去って行った。


「ん――!」


その映像を見た時田さんが唸る。


「パーマー君、坊ちゃんの靴に仕込んだGPSの反応は?……」


突然、そう言う時田さんであったが、その問いにパーマーさんは首を横に振り、


「信号が拾えませんボス」


と言うと、


「何とかしろ!」


と目を血走らせ、怒鳴る時田さん。


(普段の時田さんとは全然違う!)


 その時、俺があることを思い出し、


「あっ、シノブの位置は分からないですけどシュイの位置なら俺わかるかも」


って言ったら、


 時田さんは俺の方を向き、俺の手を強く両手で握り笑顔で言った。


「本当ですか?大鷲様」


「いっ!」


(時田さん、痛い、痛いって手が折れる~)





◇◇◇◇◇





まず、俺達の身代わり(プロキシ オートマトン)を時田さんにお願いして、持

って来てもらう。


 そのプロキシ オートマトンを各自が起動する……。


 但し、シノブとシュイのは本人がいないため、強制起動させた。

この場合、シノブとシュイのプロキシ オートマトンは、受動的な行動しかとれな

いので、その辺は、俺、ミオン、アイーシャさんのプロキシ オートマトンにフォ

ローさせるように命じておいた。


 そして、俺達の身代わりであるプロキシ オートマトンを施設内に戻し、そのま

ま修学旅行を続けさせる。


 次に俺以外の皆に人垣を作ってもらい……。


「 チェインジング!(Changing)」


変身する。


 そして、ソフィーに


「その魔法のネックレスでシュイに念話を試みてもらう。


「シュイさん、聞こえますかソフィーです……」


「……」


 しばらく、ソフィーの念話の様子を皆で伺うが……。


「駄目です、セイア様……反応は感じられますが、シュイさんは気を失って念話で

きない状態のようです」


と悲しげにソフィーが俺に言うが、それは俺には想定内の事なので、ソフィーにこ

う告げる。


「大丈夫だ。悪いが、そのまま念話を続けてくれないかソフィー」


「えっ……はい、かしこまりました」


 俺の言葉に少しは驚いたようだが、ソフィーは素直に俺の指示に従いシュイとの

念話を続ける。


 それを見て、俺はGUY BRAVEのセンサーで、シュイの居所を探る。


”ピピピッ”


 頭の中でシュイのいる方向が出た。


「シュイの反応を捕らえました」


俺がそう時田さんに言うと、それに頷いた時田さんが、出発の準備を部下達に命

令した。





◇◇◇◇◇





 黒塗りのバン(指揮車)と別に同じタイプのバンを用意してくれて、俺以外の

メンバーはその車に乗り込んだ。


 俺は……変身しているので乗り込めない。


(GUY BRAVEってかさばるのよねぇ~)


 俺は、誕生日にニールさんからもらった”透明マント”を装着する……っと装着

と同時に俺の姿が消える。


 で、指揮車、俺(GUY BRAVE)、そしてうちのメンバーを載せたバンっ

て順番で出発した。


 バンに挟まれた俺は、ひたすら走った。


(まぁ時速100kmで走れるので余裕なんだけどね)





◇◇◇◇◇





「次の信号を右です時田さん」


無線で前を走る指揮車の時田さんへ指示を出す。


「はい、了解です大鷲様」


俺の支持を受け、前を走る指揮車が右に曲がる。


 実は、俺も最近知ったんだけど、GUY BRAVEには無線の送受信ができる

様になってるんだって。


(シノブ~そう言うのもっと早くいってよ~)


 そうやって走ること30分……シュイの反応がある場所から約1km手前で俺

達は車を止めた。


「あまり大勢で言っても目立つから……」


って俺が声を出すと、俺の姿が見えないので、俺がいる方向と逆向きだった皆が、


「「「「「「「ああ、そっち!」」」」」」」


って、言いながらこちらに向きなおした。


 ゲキだけは、初めからこちらを向いていたけどね。



「行くのは、俺とゲキ、それにアイーシャさんの3人で」


俺のその言葉にゲキ、アイーシャさんが頷き。


 2人は、即座に左の二の腕のリングを触りながら叫んだ。


換着かんちゃく!」


「イズミニェーニイェ!」


腕輪が光、あっという間に学生服から、戦闘服姿に変わる。


 特に、アイーシャさんは戦闘服に変わると同時に、”偽装”の魔法が解け、猫耳

姿になった。


 それを確認した俺は他の皆にこう言う。


「後の皆はここで待機ね」


その言葉に、ミオンを初め他のメンバーが頷くも、ソフィーだけは少し不安な様

子。


「ソフィー大丈夫だよ~」


「うん、伝説の勇者は伊達じゃないわよソフィー」


俺とミオンの言葉にソフィーは渋々頷いた。


「じゃ、俺が先行するから、俺の合図を待ってからゲキとアイーシャさんは来てく

れ」


の言葉にゲキとアイーシャさんが頷いたのを確認し、


「ああ、時田さんシノブ達の救出後の後始末よろしくです」


「かしこまりました」


時田さんにそう言って、シノブ達が監禁されているであろう場所へと向かった。





◇◇◇◇◇






”ガシャガシャガシャ”


 いくら透明で見えないとは言え、俺が走ると金属音のような足音が響くので、残

り200m手前からゆっくりそーっと歩く。


 現場に到着して様子を伺う。


 大きな鉄工所?のような朽ちた建物の大きな入口の前に、ライフルこそ持ってい

ないが、おそらく服の下に拳銃を忍ばせた見張りが5人居た。


 その様子を皆に無線で知らせる。


「拳銃を持った見張りが入口に5人居る」


「了解、今から、アイーシャさんとそっちに向かう」


「ラジャー」


ゲキからの無線にそう答え、しばらく待つこと10分。


 夕方の太陽の光でかなり伸びた建物の影から”にゅ~”とゲキとアイーシャさん

が顔を出した。


 まるで俺が見えてるようにゲキは、俺の方を見て頷くと、アイーシャさんと共に

建物の影から飛び出し、見張りの前に立つ。


 それを見て驚く見張りの男達。


 直様、懐から一斉にゲキとアイーシャさんに拳銃を向けたその時だった。


 右手を、見張りたちの方に向けたゲキが叫ぶ。


「不動!金縛りの術!」


 一斉に、ゲキとアイーシャさんに拳銃を向けた見張りの男達が、そのままの姿で

固まる。


 その固まった男5人にアイーシャさんが、しびれ薬を塗った吹き矢を刺して行く。


”シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ”


 ゲキの術でも10分間は動けないはずだが、念のため”しびれ薬で30分は動け

なくする。


 そして、俺は透明マントを外し、ゲキ達と合流し、入口の前に立ち、扉を開けよ

うとした、まさにその時だった。


”シュパ、シュパ、シュパ”


 閃光のようなものが3回光る。


「ヤバイ」


俺とゲキはお互い顔を見合わせ、慌ててすぐさまゲキがシャッターを切り裂いた。


「秘儀!一刀両断!」


”シュパ”


そして中に入って驚いた。


「あっ、ん?どう言うこと」


 そこにある光景に、俺、ゲキ、アイーシャさんは呆然とするのであった。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ