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162話 むぎゅ、むぎゅ、むぎゅの刑



「じゃぁ、それを私達で再現してもらいましょうか?」


って意味深な笑みを浮かべミオンが言う。


(えっ再現?って)


「ソフィー、シュイちょっと」


そう言ってソフィーとシュイを手招きして呼ぶミオン。


 小声のミオンの話に真剣に聞き入るソフィーとシュイ。


「えっ!あっ、はい」


心なしか顔を赤らめるソフィー。


「それは、素敵ですぅ~ミオン様」


とはしゃぐシュイ。


(何なんだ……何かすっご~く、嫌な予感)


そして、徐に3人が俺に近づき、ミオンが


「じゃぁ~セイア君着てるシャツ脱ごうか~」


って言って、シャツとパンツ姿の俺のシャツを脱がせる……。


と同時に、ミオンが目配せしてシュイが後ろから俺を羽交い絞めにした。


「えっ!」


俺が驚き声を上げると同時に、ソフィーが俺の腰にタオルを巻く。


 そして、


 ニヤケながらミオンが、徐に俺のパンツを脱がせる。


”ガバッ”


「おっ、な・何すんの~!!」




◇◇◇◇◇





 3人が体を洗っている間俺は、シュイがお風呂のお湯で作り出した”お湯”のロ

ープで縛りあげられ身動きが出来ないようにされてた。


(そこまでする?素直に言えば、俺別に一緒にお風呂入ってもいいんだけど……)


”ザブ~ン”


「「「「ふぅ~」」」」


4人同時に吐息を漏らす。


 俺は、本日2回目のお風呂。


「で、どうやったのシュイ?」


徐にミオンが尋ねる。


「え~こうでしたか」


と独り言のように言いながら、先程俺にしたように背中から抱き付き胸を当ててくる。


「なるほど……”むぎゅ”ねぇ」


とミオンは納得したように言うと、ソフィーに目配せして、


「じゃぁ、私達は前からってことで」


そう言うと、ミオンが俺の左手側から、ソフィーは右手側からと、俺の胸に押し付けてくる。


”むぎゅ、むぎゅ”


三方向から、攻められる俺。


(……う~ん気持ちいいぃ~)


 しかし、気持ちよすぎて困ったことに……。


俺の腰に巻いたタオルが、テントを張りそうになる。


(困った……このままじゃミオンとソフィーに感づかれてしまう)


って思ったら、


”ガラガラガラ”


お風呂場の扉が開いた。


 誰が入って来たのかソフィーとミオンが邪魔で俺からは見えない。


 当然、ソフィーとミオンからも見えないが、シュイが入って来た人を確認して言

う。


「あら、ゲキさん、クレア、エドナ3人お揃いで?」


その言葉にミオンとソフィーが俺から離れ、振り向き気づく。


「なぁ~にやってんだお前ら!?」


その言葉にシュイが平然と答える。


「むぎゅむぎゅの刑です」


「はぁ?なんだそれ!」


シュイの答えにゲキがそう答えると、俺の背中に抱き付き胸を”むぎゅ”っと当てて見せる。


 それを見て、ゲキが


「なんて破廉恥な!」


と叫ぶが、ゲキの左右にバスタオルを巻いて立っているクレアさんとエドナさんを

見て、ミオンが言う。


「ハレンチって言うけど、ゲキも混浴しに来たんでしょ」


と言い返すと、少し狼狽えたゲキが、


「バカ言え!女風呂のお湯がなかったから仕方なくだ!」


「仕方なく混浴するんだ!」


とゲキに追い打ちをかけるミオン。


「ゲキさん達もむぎゅむぎゅの刑どうです」


と更にシュイが言い放つ。


「あっ、……」


絶句するゲキ。それを見てミオンが止めを刺す。


「ゲキは固まるだけで面白くない~!セイアみたいに可愛く照れてくれないと!」


そのセリフにゲキだけでなく俺も固まる。


(お前、俺の反応が面白いからやってんのか!迷惑な!)


って心で反論したとき俺の体に別の異変が……。


 頭が急にくらくらし、顔が熱っぽい。


 そんな異変にゲキの横に居たクレアさんが気づき、俺に近寄る。


「セイアさん!大丈夫ですか?」


片膝をつき俺の右腕を掴もうとするが……。


 その時、見えてしまったんだよ……彼女の体に巻いたバスタオルの隙間から……。


「うわっ!」


俺はそう声を上げ……意識を手放した。




◇◇◇◇◇





「セイア様!」


「セイア様ぁ~」



 気が付くと俺の目の前には、心配するソフィーとシュイの顔があった。


「ん……うっ……ん」


俺が起き上がろうとするが、力が入らずそのままベットへと倒れこむ。


「無理なさらないでください」


「なんなら、わたくしが添い寝して差し上げましょうか」


俺を心配して言う、ソフィーとシュイ。


(シュイの添い寝はいらない)


 俺を寝かしつけると、ソフィーが、冷水で絞ったタオルを俺の頭に載せなおす。


どうやら俺は、自分の部屋のベットの上に寝かされているようだ。


「俺はどうしたんだ」


と俺が言うと、ソフィーが優しく


「お風呂で倒れたのですよ」


と言ってくれた。


(あっ、そうか!)


 ゲキがお説教する声が聞こえる。


 顔を横に向け見て見ると、俺のベットの傍らで、正座させられ、ゲキに怒られて

いるミオン……その隣に りゅうじいちゃん!の姿があった。


(何で りゅうじいちゃんが正座させられてるの?)


 ゲキの言い分としては、元とは言え教師、本来、子供を指導する立場人間が、混

浴を許したことにと、そもそもここの管理人として俺達が帰って来た時点で女湯に

お湯を張り忘れたことは職務怠慢だって事らしい。


 ミオンについては、セイア(俺)をからかうだけの為に、ソフィーとシュイをそ

そのかし、挙句、俺が湯あたりを起こしたってことだが……。


(止めを刺したのはクレアさんなんだけどねぇ……)


ってことは、この場では言えない。




◇◇◇◇◇





 翌日、俺はもうすっかり元気になった。


 多少クレアさんに対して、ぎこちない対応しかできないけどね。


 今日は、朝から色々と準備に追われる。


 それは、クレアさんの誕生会!


 本来であれば、彼女の誕生は4日前の8月20日なんだけどね。


 本当は俺達の世界に戻ってからする予定だったんだけど、カカ帝国でシュイを迎

えに行ったり、そこで、魔王軍オブリヴィオンの襲撃やらなにやらで遅れてい

たんだよ。


 それに、あのカカ帝国襲撃以来、音沙汰のない魔王軍オブリヴィオン


 何時もの事だと言ってしまえばそれまでなんだが……。


(奴ら、本気でこの世界を支配する気あるのかな?)


 今この世界の各国に奴らの情報を送ってもらえるよう、無電で依頼するとともに

、シュイのお父さんの皇帝に頼んでご自慢のスパイを全世界に放ってもらい

情報収集をしている所。


 それに、りゅうじいちゃんもクレアさんの誕生会に参加したいって駄々捏ねるの

で、ここですることになった。


 新メンバーのローゼとシュイについてもこのことは仲間になった時点で伝えてあ

る。


 今回、りゅうじいちゃんの提案で”大阪名物の粉もんパーティー”をすることに。


 今ローゼは、ゲキと共に地下一階の工作室で、以前ここにあったケンタウロス達

の武具から盾を集めそれを加工して大きな1枚の鉄板を再作中。


 エドナさんは、例によって食堂でケーキを作成中だし、ミオン、ソフィー、シュ

イ、は食堂の飾りつけをしている所だし、俺と、りゅうじいちゃん、それに時田さ

んの3人はエドナさんと同じく厨房で、キャベツを切ったりペースの生地を作った

りと天手古舞なんだわ。


 ニールさんはこの誕生会とは関係ないが、今度俺達が元の世界に戻った時の為の

アイテムを製作中で、この基地に帰って来てからずーと自室にこもり切りなんだよ。


(一応、パーティーには顔を出してくださいとお願いはしてある)


 そんでもって、指してすることのない、シノブとアイーシャさんと今回の主人公

のクレアさんは……、現在3人で闘技場で模擬訓練してもらっている。


「セイア!りゅうじちゃん何か手伝おうか?」


食堂の飾りつけを終えたミオンが、忙しく動き回る俺と、りゅうじいちゃん声を掛

けるが……。


「「……んーミオンはいい」」


と声をそろえて俺とりゅうじちゃんが言う。


 固まるミオン。


「わたくし達に何かお手伝いできることはありませんか?」


とソフィーが声を掛けて来ると、りゅうじちゃんは即座に答える。


「ソフィーちゃんはキャベツの千切りできるかの?」


「千切り……?ですか」


と首を傾げ言うソフィーにミオンが、


「セイアみたいに細く切るのよ」


と言いながら俺が切ったキャベツを指差す。


「ああ、はい、かしこまりました」


そう答え嬉しそうに俺の横に来てキャベツを切り出した。


そして、シュイには、


「そこにある食材を賽の目切りできるか?シュイちゃん」


と声を掛けるがソフィーと同じく首を傾げるシュイ。


「賽の目?」


その言葉を聞いてミオンが、りゅうじちゃんがすでに切ったタコやチーズを指差

し言った。


「ほら、あんな感じ1Cmくらいに四角くね」


「ああ、はい、かしこまりましたぁ~」


とまたもや嬉しそうに俺の横に来て材料を賽の目切にしだした。


(あの~ソフィーもシュイも切るのはいいんだけど、もう少し離れてくんないかな

~こう引っ付かれると、俺が切りにくいんだけど……。)


 皆が無心で作業する中、自分だけすることがないミオンがもう一度、俺と、りゅ

うじちゃんに尋ねて来た。


「ねぇ、ねぇ、何か手伝おうか~」


その言葉に、俺とりゅうじちゃんが作業の手を止めて言う。


「「断る!」」









豆ごはんが小学生の時、クラスの女子に良くからかわれていました。

例えば、小学校ではまだ体操服に着替えるのに男女とも同じ教室で

着替えていたころ。

体育の授業が終わり、服を着替えようとした時のことです。

他の男子がなかなか教室で着替えようとしませんでした。

不思議に思いつつも次の授業の為1人教室に入ると……。

教室で女子全員が僕を見るなり、「きゃ~!!!!」って

大合唱をしたのです。

別に女子達が裸って訳でなくすでに着替え終わっていたのですが、

クラスの女子全員に叫ばれびっくりしたのと、恥ずかしいのとで

顔が真っ赤になって固まりました。


それを見た女子全員が急にケタケタと笑い出したって事があります。


要は、僕をからかっただけのようでしたが、その当時の僕は女子に

いじめられたと、ず~と思っていたら、20歳の時、同窓会でその

話題になり、何で僕にあんなことしたのって同級生の女子の一人に

聞いたら……。


「だって~♪豆ごはん君……かわいいんだもん♪」


と笑いながら言われたことがあります。


その言葉に僕が絶句したのは言う間でもありません。


(俺はお前らのペットじゃねぇ~ぞ!)

とは言えませんでしたが……(笑)





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