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159話 大鷲竜次!登場



 クレアさんの新しい鎧と武器を試すため、俺達はユリウスさんの工房からデンス

アーラ共和国にある冒険者支部の闘技場に来ている。


「ファイヤースピンシールド!」


「ソードオブファイヤー」


次々に技を決め、今、オーク2体を倒したところ。


 このオークは、以前アルブ国王で戦ったPossession Automat

onポゼッション オートマトンと言い、騎士達(この場合冒険者)の訓練用

に魔物を再現させて訓練する物で、本物の能力の80%出せる。


【クレア・リード】

≪名称 クレア・リード≫

≪レベル17≫

≪戦闘力        27,000≫

≪防御力        30,000≫

≪スピード          250≫

≪MP    4,500/5,500≫

≪状態         ☆【青】良好≫

≪武器≫  魔動剣

≪防具≫  魔動鎧

≪特技  魔動鎧騎士≫


(やはり、新しい鎧のせいで、レベルは上がっていないが、防御力、攻撃力が上

がっているようだ)


「ファイヤーブレード」


「とー!」


 そう叫んだクレアさんは盾を捨てて、思い切りジャンプしてオーク擬きに持って

いた赤く輝く剣で切りつけ倒した。


「すっ~ご~い、クレアさん」


「お見事ですぅ~クレア」


「お見事にゃん」


「It’s great~」


 ミオン、エドナさん、アシーシャさん、シノブが賞賛の声を上げる中、ゲキは

じっと考えていたようで、何も言わなかった。


 気になったのかクレアさんがゲキに駆け寄り聞いた。


「どうでした?ゲキさん」


「……いや、悪くない……悪くないが……」


「が……何ですゲキさんちゃんとおっしゃってください」


ゲキ歯切れの悪い返事にクレアさんが聞き返す。


「うん……」


聞き返すクレアさんにゲキが一呼吸置いて言う。


「最後の敵だからと言って、盾を自ら手放すのは……」


「あっそれは……」


ゲキに指摘され、慌てて説明しようとするクレアさんを制してゲキ

は続ける。


「短くなった剣の分、両手で力を込めて切り裂きたかった……んだろうが?」


「あっ!はい」


ゲキの指摘に頷くクレアさん。


「しかし、その剣……技は、熱で相手を切り裂くのだから、力を込めて切り裂く必

要はないと思う」


「あっ、はい」


素直に頷くクレアさん。


「それに、盾が邪魔で、正面から切りつけにくいのであれば、肩口から斜めに…

…袈裟切にすればいい」


「ああ、なるほどです」


ゲキの指摘に納得の様子のクレアさん。


「クレアさんの仕事はあくまでも防御なんだからね」


「はい♪」


ゲキの言葉に嬉しそうに返事をするクレアさん。


そこにミオンが口を挿む。


「それと”ファイヤーブレード”って叫ぶときに左手で剣をこう……なぞってさ、そ

んでもって切りつける時に”ファイヤークラッシュ!!”って叫べば、よりかっくい

いよ♪」


(お前……それって、どこぞの宇宙刑事の技名だろうに!)




◇◇◇◇◇




 かなり遅めの夕食をゾメル一家と一緒に取り、その日は冒険者ギルド支部の自

分達に与えられた部屋で休んだ。


 ただその時、時田さんが食後、食事をした店から大量のエールの入った樽を購入

し、既に満杯のマジックボックス大ではなく、ブレイブロボ・Gが格納してあるマ

ジックボックス中と、アイーシャさんがいつも持っている食料の入ったマジックボ

ックス小に、入るだけ詰め込んでいたのが少し気になったが……。


 次の日、朝早く起床し、朝食を済ませ、身支度をし、ブレイブ基地を目指して俺

達は飛び立った。


アルバトロスの機内で軽くサンドイッチで昼食を摂り、数十時間後、辺りはすっ

かり暗くなったころで、俺達はブレイブ基地上空に差し掛かる。


「アルバトロスよりブレイブ基地へ、着陸許可を求む」


とシノブが無線で基地へと着陸許可を求めると。


「ん?なんじゃ――と、ブレイブ基地よりアルバトロスへ……着陸を許可するでぇ

~」


と基地から返答があった。


(あれあれ~関西弁ポイよな……それにどっかで聞き覚えがある声だ)


俺がそう思っている間に、


Rogerラジャー、これより着陸態勢に入る!」


そう言うとシノブはアルバトロスを降下させ着陸態勢に入った。




◇◇◇◇◇




 砦(ブレイブ基地)の水の滑走路こと水路にはすでに水が張られていて、水路に

沿ってパイロットランプが水路脇に並べられている。


 しかも、水路の底に埋められたライトの光で水路が照らされていて着陸の目印に

は申し分ない。


「うわぁ~きれいねぇ~」


「きれいですねぇ」


「まさに光の道みたいですぅ~」


「道が浮き上がってるみたいです」


「キラキラにゃ~」


ミオン、ソフィー、エドナさん、クレアさん、にアイーシャさん達が口々に言う。


”シャー”


 水路(滑走路)の水をかき分け、アルバトロスは着水した。


 しばらく、ゆっくりと水路を進み、水路から滑走路状に整備された元砦の大通り

を中心部へと静かに進み、砦中心の丘の上にある3階建ての塔の手前で、アルバト

ロスを運ぶリフトの上に乗る。


 すると、リフトにある留め金が”カチッ”とアルバトロスのフロートに取りつけ

てある車輪にハマると、そのまま塔の1階部分まで丘を登り始めた。


 アルバトロスが、塔の1階部分まで上がると、丸い塔の壁がスライドし、そのま

まアルバトロスを塔の中に引きこんだ。


 全員がシートベルトを外し、手荷物を持って機外に出ると。


「お疲れさん♪」


と俺に声を掛ける老人が居た。


「えっ、あっ、って、りゅうじいちゃん!?」


俺は、驚き目をパチクリさせて言った。


「えっ、セイアのところの大阪のおじいさん!?」


「あっ、おひさしぶりです」


 ミオンとゲキも驚き言う。


 そんな俺達3人に笑顔で、りゅうじいちゃんは言う。


「おっ、ミオンちゃんにゲキやないかぁ~久しぶりぶりぶりっ子チャンやなぁ~」


 そんなりゅうじいちゃんに、俺とミオン、ゲキは固まる。


 俺達3人以外の(時田さんとニールさん除く)皆は、ぽか~んとした顔で、りゅ

うじいちゃんと俺達の会話を見つめているのに気が付いたりゅうじいちゃんは、皆

に向かって言った。


「セイアのおじいちゃんやっとります、大鷲竜次おおわしりゅうじと申します以後よろしく頼んます

ぅ~」


と深々と頭を下げた。


(いやいや、じいちゃん、あんたの本当の名前は、”竜次”と書いて”たつじ”で

しょ……”たつじ”が、じじくさいって勝手に俺に”りゅう”って呼ばせてるんで

しょが!)


と心で突っ込む俺であった。




◇◇◇◇◇




 大鷲竜次おおわしたつじ、言わずと知れた俺のおじいちゃん。


見た目、柔和な紳士。


 大阪で中学校の先生をしていた人で、俺のとうさん”大鷲健一”と叔父さんであ

る”大鷲譲二”叔父さんの父でもある。


 定年後、家で塾を開いていたが、3年前に ばあちゃんが亡くなってからは塾もや

め、大阪で1人暮らしをしていたはずなんだけど……。


 ただ、しゃべりだすと止まらない……のと、大酒のみが玉にキズ。


 今は、それほどでもないらしいが……。


 昔、俺の とうさんや譲二叔父さんが子供のころは、毎日、大瓶ビール5本と中

瓶ビール2本が晩酌だったんだって。


 それって、”アル中じゃん”って俺が言ったら、本人曰く、仕事中は元より昼間

は絶対飲まないんだとか。


 昼間や仕事中に飲むのが”アル中”で、わしは、昼間飲まないから”アル中”じ

ゃない!……んだと。


(あっ!)


≪ピッ≫


≪名前≫ 大鷲竜次おおわしたつじ

≪年齢≫  76歳

≪体重≫  58Kg

≪サイズ≫

     身長170Cm

≪戦闘力       30≫

≪防御力       10≫

≪スピード       5≫

≪AP   0/4,165≫

≪特技 マシンガントーク 大酒飲み≫  

≪状態     ☆【青】良好≫


(AP……ってアルコールポイント!?)

クレアの「ファイヤークラッシュ!!」はセイアが言う通り、宇宙刑事シ〇リバンの

「シ〇リバンクラッシュ」のオマージュです。


また、セイアのおじいさんのモデルは豆ごはんの父親です。

中学の先生ではありませんが、大瓶ビール5本と中瓶ビール

2本が晩酌でした。


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