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147話  勾玉!



 この港を管理する、虎族の担当者に料金を払い、飛行船の管理を任せる。


 って、言っても唯、預かってもらうだけだが……。


 おおよそ3日分の停泊料として、2万4千ジェイドをウクラハンバ王国の銀貨3

枚(3万デイゴ)でも支払えるか?と聞いたら支払えると言うので、それで支払っ

たんだが、但し、お釣りは出せないと言われ少し考えたが、どうせここで両替した

ら1割手数料を引かれるし、この国の冒険者ギルドに行けばここのお金を手数料な

しで交換できるんだし、何より今はアイーシャさんの実家に行く前に西隣の街に急

ぐ必要もあったので、お釣りはいらないと言いそのまま料金を支払払った。


 と言うことで、早速、この港町の西側にあるゴーラトの街に向かうことにした。


 このゴーラトの街はデンスアーラ共和国第二の都市で、経済の中心地らしい。


 因みに、俺達が降り立った湖はオージラ湖と言い、飛行艇を止めたこの港町は、

ガーヴァニと言う街だ。


 ついでに言うと、ここ、デンスアーラ共和国は獣人族と鳥人族の国で、テーブル

マウンテン側面には、前も言ったが、鷲・梟族が住み、テーブルマウンテンの北側

には狼族、犬人族が暮らしていて、シュヴェール森と言う森で狼族は狩猟で生計を

立てており、その森の南側の平原コーカス平原には、犬人族が主に羊、牛,山羊,の

放牧で生計を立てているそうだ。


 そして、残る虎族・猫人族で、まず虎族は、湖の南側と西側に住んでいて、その

東側にある”緑ヶ森”で主に林業で生計を立てる者、もしくはこのガーヴァニの港

町で、漁や船での運搬で生計を建ている者に分れる。


 猫人族はと言うと、同じくこのガーヴァニの港町の東側にある”緑ヶ森”で製材

や木工品の製作で生計を立て居ると言うことらしい。


 首都は、湖の北東にあるスタリーツア。


 4年に一度武術大会が行われ、狼・犬・虎・猫・鷲・梟の全種族の代表が参加す

るらしいが、この大会で優勝した者の種族がここデンスアーラ共和国の首長として

4年間この国を治めると言う。


 今は、虎族の長、チーグルさんがこの国の首長らしい。


 ああ、それともう一つ。


 ここの獣人族の呼び方は、狼族、犬人族、虎族、猫人族、鷲族、梟族と呼ばれる

のには意味があって、猫人族と犬人族だけが人が付くのは主に顔立ちからそう来て

いると言うことだ。


 猫人族と犬人族は、アイーシャさんとイーシャイナ王国の伝令将校の鷲族のファルコさんを比べれば一目瞭然、アイーシャさんは、尻尾があるものの、ほぼ人間で、それに猫耳と鼻が猫の面影があるのに対し、ファルコさんは殆ど”鷲”。


 翼が背中から生えているのと、腕が人のようになっていて、2足歩行するものの、殆ど”鷲”の姿をしている。


 これが、○○族と○○人族と呼び方が変わる所以らしい。





◇◇◇◇◇





 まず、俺が、魔法馬車を出した。


「出でよ!馬車」


そう言って、俺は、地面に”ポ~イ”ってジッポライター型のカプセルを投げる。


”ボ~ワン”と煙と共に馬車が現れた。


続いて、俺は一旦変身してユニコーンを召喚することにした。


「 チェインジング!(Changing)」


の掛け声と共に俺の体が光だし変身する。


 変身後、ユニコーンを召喚し、そのユニコーンを馬車に繋ぎ、続いて飛行艇より

降ろしたマジックボックス中からいつも使う電動オフロードバイク2台を出す。


 しかし、バイク2台に4人乗ったとしても、馬車が小型なのでマジックボックス

小2つに、マジックボックス中1つの荷物に加え、残り7人は乗れない。


 そこでまず、俺が変身したままで走ることにして、(GUY BRAVEは時速

100kmで巡行して走れるため)後2人位をどうにかしないと……って俺が考え

ていたら、俺の横でミオンマジックボックス中の蓋のパネルを操作しながら叫んだ。


「ブレイブ・ロボGO!」


マジックボックス中から大きな光が飛び出し、ブレイブ・ロボが姿を現した。


「私はロボの肩に乗って行く!」


そう言ってロボの所まで駆け寄ろうとするミオンのにローゼが声をかける。


「あの~私も乗りたいのだが……」


その言葉を聞いたミオンがローゼの方に振り返り、


「ん?ああ、いいよ~♪一緒に乗ろうローゼちゃん」


そう言ってローゼの手を取り一緒にロボの元に向かい、腕の時計型無線機でロボに

命令する。


「ロボ私達を肩に」


『マッシ!』

 

ミオンの命令にロボは、2人を右掌に載せて胸のあたりまで上げると、ミオンは先

にロボの肩によじ登ると小さいローゼの手を取りロボの肩まで引き上げた。


「んっしょっと!」


「あ……ありがとうミオン」


「いいえどういたしまして」


ロボの肩に引き上げてくれたミオンに、少し言いにくそうにお礼を言う

ローゼの言葉を受けて、ミオンはにっこり笑って言った。


 突然のロボの出現に、街を行きかう虎族の人が一瞬目を見開き戸惑っ

たようだが、その後平静に何事もなかったように振る舞っていた。


(たぶん思うに、元々この世界にはゴーレム自体は珍しくないし、モンスター化したゴーレムでなければ、驚かないのだろう)


 バイクには、シノブと時田さんが乗り、シノブの後ろには、アイーシャさんが乗り、時田さんの後ろにはエドナさんが乗った。


 そして残るゲキが馬車の御者をして、馬車の荷台にはニールさん、ソフィー、クレアさんが乗った所で、


「出発~っ!」


ブレイブ・ロボの肩に乗っているミオンが大きな声で皆に言った。


 それを合図に、バイク、馬車、ロボ、俺が走り出すのであった。





◇◇◇◇◇





 時速、30kmくらいで俺達は進んだ。


 っていうのは、馬車にしても、バイクにしても俺にしても、ここの整備された道

では、もっとスピードが出せるのだが、ロボを走らせることになるので、それでは

ロボの肩に乗るミオンやローゼが振り落とされる恐れがあると思い、速度を抑えて

の移動って事になった。


それでも1時間と立たないうちにゴーラトの街に俺達は着いた。


 デンスアーラ共和国は、アルブ王国同様、木材の生産地でもある。


 と言っても、アルブ王国は木からとれるパルプを使った紙製品と木版による印刷

が主なので、実質木材や木製品はデンスアーラ共和国が供給している。


 だからと言う訳なのか、個々の街先ほどのガーヴァニの港町同様、木製の家と言

うか丸太をそのまま使ったロッジ風の家々が立ち並んでいる。


 俺達は、ゴーラトの街の大通りを通り冒険者ギルド支部の建物を目指す。


 大通り沿いには沢山の建物ロッジが軒を並べており、色々なお店がある。


 飲食店、雑貨屋、衣料品店に家具屋さん、魔動具屋さんに、武具屋もあるようだ。


 そして大通りを中ほどまで進むと、ひと際大きな3階建てのロッジ風の建物が俺

達の目に入って来た。


「ここかな?」


ミオンの言葉に


「はいですにゃ、ここですにゃ」


と、にこやかにアイーシャさんがミオンに答えると同時にロボの肩から飛び降り

て、俺の所まで走って来て、


「着きましたにゃ」


と教えてくれた。


(いやいや、飛び降りなくても、声を掛けてくれるだけでよかったのに)


 俺達はギルド支部の正面玄関前で止まり、馬車の荷台からニールさん、ソフィー

、クレアさに降りてもらってから荷物マジックボックスを降ろした。


 そして、、ユニコーンを馬車から外してからを送還すると同時に俺も変身を解い

た。


 さらに、馬車を元のカプセル状に戻した後、残る電動オフロードバイク2台と、

ブレイブ・ロボをマジックボックス中に仕舞った。


 マジックボックス小2つをシノブとアイーシャさんが、それぞれ1つづつ背負

い、俺とゲキでマジックボックス中を2人で運びギルド建物の中に入る。


 少し広めのエントランスの正面には、ギルドでおなじみのカウンターがあっ

た。


 ここのギルド支部は、冒険者、傭兵、商業の各ギルドの受付が分かれておらず、

皆同じ受付で処理されるようだ。


俺とシノブが冒険者証を提示して、部屋を取る。


ここは6人単位の部屋しかないため、第1TEAMと第2TEAMで1部屋ずつ抑え、1つを女子6人に使ってもらいもう一部屋は男子5人で使うことにした。


 そして、俺は約1億2千万弱ある”預かり”から、幾ら掛かるかわからないので、1億と手持ち資金として30万ここの通貨に両替する。


 1億は、アイーシャさんの実家でソフィー人形を作ってもらうための資金なんだけどね。


 デンスアーラ共和国の通貨はジェイド。


 両替して俺はびっくりした。


 何でって、ここのお金って金貨とかじゃなくて……勾玉まがたまなんだ。


 各種の通貨はこんな感じ。


貨幣種類1ジェイド=約1円


深緑勾玉   10万ジェイド

紫勾玉1万ジェイド

青勾玉 1千ジェイド

赤勾玉  100ジェイド

白勾玉   10ジェイド

ガラス勾玉1ジェイド


 なんでも獣人族と言うより鳥人族の都合に合わせたって事らしい。


 普通の金貨なんかだと、空を飛んでると落としたりするから見たい。


これをここの人達は、紐を通してネックレスやブレスレットにして身に着けてるん

だって。


 まぁ、べんりちゃ~便利なのかな?


 1億ジェイドは、深緑勾玉が10万ジェイドなので、深緑勾玉1000個……か

なり重い。


 なので、即座にそれをマジックボックス小に仕舞った。


 そして、手持ち資金の30万ジェイドの内10万ジェイドを時田さんに預けた。


 そしたら、シノブも第2TEAMの経費として”預かり”をしていたお金の内、

10万ジェイドを両替して手持ちにするようだ。


 部屋に入って荷物を降ろした俺達は、まだ夕食まで少し時間があるので皆でここ

の街を散策することにした。


「Mr.オオワシ~折角だからTEAM別に散策しないかい?」


といきなりシノブが提案してきた。


「ん?別にいいけど」


シノブの提案に俺がそう答えた。


「お坊ちゃま、わたくしは夕食のレストランの予約に行ってまいりますので」


とシノブに時田さんが言うと、


「あっそうだな、時田頼む……ここの名物料理が食べれる店がいいな」


「はい、かしこまりました」


時田さんはそう言って、冒険者ギルドの受付の人に話を聞きに行き、先に街に消え

て行った。


「では、第2TEAMは僕の所に集まってくれたまえ」


時田さんが街に消えたのを見たシノブが徐にそう言うと、第2チームのニールさん

、アイーシャさんとローゼに1人ずつに紫勾玉(1万ジェイド)を手渡すとこう言

った。


「これはここでの経費だ(おこずかい)受け取ってくれたまえ」


(あ~ん、なるほどそれがしたかったのね)


と俺はシノブを見てそう思うのであった。



異世界のお金を手に入れたシノブはきっと使ってみたかったんでしょう。

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