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120話 太陽剣奪還の報酬

朝6時に起床し、宿屋の一階の裏庭にある水汲み場(井戸)まで降りて、皆で顔

を洗い歯を磨いてから、また皆で俺達男子の部屋に集まった。


 マジックボックスから朝ごはんを出す。


 今日の朝ごはんは……

パンケーキとハッシュドポテトそれに飲み物。


俺達は、アイスコーヒーで、ソフィー達異世界組はアイスティー。


 朝食を食べ終えて、各自自分の荷物を整理して、帰り支度をして部屋を出た。


「はい、お世話様でした」


と言って部屋の鍵をフロントに帰した。


「またのお越しをお待ち申しております」


って店主に言われ宿屋を後にする。


 そして、そのまま交易ギルドの出張所の建物に入る。


そして、2階にある宿場長の部屋まで行って、ドアをノックした。


「えっー冒険者Team Ultimateです」


って言うと部屋の中っからアメリオさんが、


「どうぞ」


と言う声がしたので、俺は部屋の戸を開け、俺を先頭に皆で職場長の部屋に入った。


 アメリオさんに促され俺達は、20人は座れる応接セットに座る。


「いや~お見事と言いますか~流石S級と言いますか~」


とニコニコ顔で言うアメリオさん。


「挨拶は抜きにして、まずはMr.アメリオこれを……」


とシノブがエドモンドさんの”太陽剣”をテーブルの上に置いた。


「おー!」


テーブルの上にシノブが置いた”太陽剣”を見て目を見開くアメリオさん。


「お確かめ下さい」


と俺が言うとアメリオさんは少々困惑した顔で言った。


「いや……確かめろと言われましても……本部でないと」


「ここに、我……いえラグナヴェール家のエンブレム(家紋)があります」


と横からソフィーがアメリオさんに言うが……。


「はぁ……確かにございますが……それだけでは……私これを見るの初めてですし

……」


「しかし、娘のわ……いえ何でもありません」


娘のわたくしがと言いかけてソフィーは口ごもった。


(うん、ソフィーしばらく黙っていようか)


「万が一これが偽物場合、私の首が飛びますからね」


「では、今回の報酬はどうなるだ」


と珍しくゲキが口を挿む。


「はい、魔物の巣及び砦の魔物退治については確認いたしておりますので、その分

については今お支払いいたしますが、”太陽剣”回収に関しては、本部……パルタ

スにある傭兵ギルド本部長マクシムス様の方へお届けいただいて本部長が確認の上

お支払い致すということでお願いできませんか」


「はい、わかりました」


アメリオさんの言葉に俺がそう返事をした。


「ありがとうございます」


と頭を下げるアメリオさんだった。




◇◇◇◇◇





交易ギルドの出張所の女性職員が、テーブルにお茶を配るのを待って、今回の報

酬の話になった。


「えっー今回の魔物の巣及び砦の魔物退治の報酬は……」


そう言って、アメリオさんが持っていた手提げ金庫からコインを出し、机の上にあ

るキャッシャートレイにコインを載せた。


「500万ドルマですのでギルド手数料1割を引いて450万ドルマになります」


と言いながら、白金貨4枚と金貨5枚をキャッシャートレイの上に置いた。


それを見たミオンがコインを手に取り数えて、


「はい確かに」


と勝手に確認する。


(っていうか、数えるまでもないだろうに)


「次に魔物素材の料金ですが……」


「まず、スロスの毛皮16枚が、160万ドルマ……」


と言い、再び手提げ金庫から白金貨1枚と金貨6枚を出し、キャッシャートレイ

の上に置いた。


「そして、スロスの鉄の鍵爪32本が、32万ドルマです。」


そう言って金貨3枚と銀貨2枚をさらに手提げ金庫から出し、キャッシャートレ

イの上に置く。


「そして、ハーピーの鉄の羽根900枚……9万ドルマになります」


さらに、手提げ金庫から銀貨9枚を出した。


「合計651万ドルマになります……お確かめください」


と言うアメリオさんの言葉を聞いて、早速ミオンがコインを確かめだした。


「あの~素材代からは手数料取らないんですか」


コインを数えるミオンを横目でみながら俺がアメリオさんに聞くと。


「はい、既に素材ごとに区分けしていただいておりますので、いりませんよ」


と俺の疑問にそう返すアメリオさんだった。


 アメリオさんの話だと、傭兵も冒険者もクエスト報酬に対してはそれぞれラン

クに応じて手数料を取るのだそうだ。


S級とA級はクエスト報酬の1割で、B級は2割、C級は3割だそうだ。


 一見、逆塁審課税のように不公平感はあるが、そもそもS級とA級の報酬の金

額はB級、C級より金額が高いのと、報酬手数料のほかに、年会費を支払ってい

て、それがS級とA級は1人頭10万ドルマ(金貨1枚)なのに対して、B級、

C級は1人1万ドルマ(銀貨1枚)になるそうで、傭兵は単独なので1人分のみ

支払えばいいが、冒険者はチームの人数分納めなければならない。


うちの場合だと10人分だから100万ドルマ(白金貨1枚)になる。


(まぁ、うちの場合イーシャイナ王国持ちってことは内緒だけどね)


 また、級が昇格すると昇格時に一律一人10万ドルマを傭兵、冒険者のギルド

に支払わねばならないらしく、これらクエスト手数料を含む各手数料は、各ギル

ドの運営費だけでなく、引いてはデスロ同盟国の税収の一部……但し、ポリスパル

タスの場合は殆どの男子が傭兵に登録する義務がある為、税収の殆どを占めてい

るそうだ。


 それは兎も角、ミオンがお金を数え終わったみたいなので、ミオンに俺の巾着

を渡し、そこにお金を入れさせて、その巾着をゲキに預ける。


「んっもーなんでゲキがお財布持つのよ~」


と不満そうに言うミオンに


「何でって……お前より安心だから~」


と俺が言うとミオンは


「だって、ゲキ、お金の種類すらわからないんだよ~」


って、俺に言い返すので、俺がニッコリミオンに笑って言った。


「だから……だよミオン♪」


俺の言葉に絶句するミオンであった。




◇◇◇◇◇





 報酬の内”太陽剣”回収に関して以外を受け取った俺達は、交易ギルドの出張所

を後にして、馬小屋に向かい預けていたバイクを受け取ると、グランド(馬車置

き場)を通り、路に出てから、魔法馬車を出す。


「出でよ!馬車」


そう言って、俺は、地面に”ポ~イ”ってジッポライター型のカプセルを投げる。


”ボ~ワン”と煙と共に馬車が現れた。


続いて、俺は一旦変身してユニコーンを召喚することにした。


「 チェインジング!(Changing)」


の掛け声と共に俺の体が光だし変身する。


 そして、すぐさまユニコーンを召喚する。


 ゲキが、俺が召喚したユニコーンを馬車に繋いでいる間に、荷物(マジックボ

ックス各3個)を積み込み、バイクに俺とシノブが跨り、俺の後ろにソフィーが

乗り、シノブの後ろにミオンが乗る。


 そして、馬車の御者はゲキが勤め、それにクレアさん、エドナさん、アイーシ

ャさんが乗る。


 本来、俺がガルーダ形態で空を飛び、他のメンバーが電龍の背中に乗って移動

すればあっという間にパルタスに着くんだけど……。


 すでに、宿場108とパルタス間は、開通しており、昨日のお昼から物資を載

せた商隊馬車が行きかっており、目立つというか要らぬ騒ぎを起こさないように

と、思ってのことなんだけどね。


(まぁ、電動バイクやらユニコーンも目立つことには変わりないけど)




◇◇◇◇◇





 お昼丁度に俺達はパルタスに着いた。

途中、何度かすれ違った商隊の人達に二度見されたけどね。


 冒険者専用馬車置き場前で、馬車に積んだ荷物、マジックボックス(小2つと

中1つ)を下ろし、馬車を元のカプセルに戻す。


「戻れ!」


そう言って、カプセルを投げた時のポーズの逆再生のようなアクションをすると、

馬車は”ボワット”消えて俺の手元にジッポライター型のカプセルが戻ってくる。


 次に、ユニコーンを送還し、俺とソフィー以外のメンバーで、マジックボックス

(小2つに中1つ)それにバイクをトレーラーに積みに行ってもらい、冒険者ギル

ド会館に居るニールさんやシノブの所の修復班2名それに連絡将校のファルコさん

と合流し、以前夕食や昼食を取ったお店【ウェールス】に先に行って、お昼を食べ

ていてくれと皆に言った。


 そして、俺は変身を解いて、シノブから預かっていた”太陽剣”を持ち、傭兵ギ

ルド本部にソフィーと向かうのだった。





◇◇◇◇◇





 ソフィーと一緒に傭兵ギルド本部の建物に入り、傭兵A級の受付で、本部長のマ

リオンさんへ面会のアポを取る。


 しばらく待つと、案内人が俺達の所へ来たので、その案内人について、本部長室

へと向かった。


「「ハァハァ……」」


相変わらず、俺とソフィーは7階まで上がる階段にバテバテである。


(なんで7階にあるんだよ!)


と心では思うが口にはしない。


 しばらく通路を進むと、通路奥にある部屋の扉の前で、案内人の人は足を止め、

部屋の扉をノックする。


”コンコン”


その音に部屋の中から声がした。


「どうした!」


その部屋の声に対し案内人は


「冒険者チーム、Team Ultimateをお連れしました」


案内人の言葉に


「うん、わかった、お通ししろ」


の声に


「はい、失礼します」


そう答え、ドアを開けて、俺達を部屋の中へ入るようにジェスチャーで促した。


 俺を先頭にソフィーが入ると、それを確認した案内人はドアを閉めた。


「下がってよろしい」


そうマリオンさんが案内人に声を掛けると、


「はい」


そう言ってマリオンさんに一礼して、案内人が出て行った。


それを確認したマリオンさんは、俺達に向かい。


「ご苦労様でした。どうぞ、おかけください」


と言って一礼し、席に座るよう促した。


「「はい」」


俺とソフィーはその言葉に同じく一礼して席に座った。


「早速ですが、マリオンさんこれを……」


そう言って席に座るなり、俺は”太陽剣”をテーブルの上に置いた。


「では!」


そう言って、マリオンさんは、碌に見ようともせず、席を立ち部屋の奥の自分の机

の後ろにある金庫のようなものの所に行き、コインを数枚出してきて、テーブルの

上にキャッシャートレイと共に置いた。


「一応、規則ですので1割引いております」


と言うのである。


「えっ、確認は……?」


と驚き言う俺にマリオンさんはニッコリ笑って、


「姫、これは本物ですよね」


「はい」


マリオンさんの問いに力強く頷くソフィー。


 それを見て、にこやかに言った。


「イーシャイナ王国の姫が、本物だとおっしゃっているのですから、

私が改めるまでもないでしょう」


その言葉に俺は一瞬、絶句して、


「あっ、はい」


と答えたえると、マリオンさんが机の上にあるキャッシャートレイを俺の方に

差し出し、


「白金貨9枚、900万ドルマです……勇者殿お納めを」


「でも……本物でないとマリオンさんの首が飛ぶのでは?」


って俺が言ったら、


「エドモンド王はじめ王族と一部の将兵しか、”太陽剣”は誰も見たことはない

んですよ~」


「えっ!」


「だから今回、あなた方に依頼したのです」


とあっけにとられる俺にウインクした。


(ああ、なるほど)



初めから仕組まれていた?みたいですね

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