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異世界いったらヒーローごっこ ~夢勇者GUY BRAVE~  作者: グリンピースの豆ごはん
第1章 突然の異世界 そして 突然のヒーロー!?
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11話   人類最強の男!?

------美音ミオン視点---


 朝、8時ぐらいにメイドのレラトさんに起こされるまでぐっすり眠っていた私。みんなが待つ昨日夕食を取った来客用の部屋へと向かったの。メイドのレラトさんに


「おはようございます♪」


と声を掛けられた時は、びっくりしたけど、すぐにニールさんの【全体思考転写】魔法の影響だと分かって私も、


「おはようございます。」


と返したわ。


「Good morning♪Missシラトリ」


 明るく能天気に言うシノブに


「ふぁ~おはよう。」


とあくび詰りで、あいさつする私。


「おはようございます」


「おはようございます」


「おはよう。」


「おはようございます」


と続けてあいさつする時田さんニールさん、大使のムチャリーさんに奥様のレボハンさんに、慌てて頭を下げて、


「あっ、はい、おはようございます」


と言う私。


 みんなで朝食を頂いた後、時田さんが言ったの。


「昨日、ニール様がおっしゃっていた物がそろっております」


と時田さんがニールさんに声を掛けると、


「ありがとうございます」


と御礼を言うニールさん。


「それでは、ご案内いたします」


と時田さんに言われ、ニールさんが、


「恐れ入ります」


と言ったわ。


 時田さんの案内で、ニールさんは地下倉庫へと向かったの。それを見ていたシノブが私にこう言ったの。


「僕達も行こう」


 そう言うシノブに私は黙って頷いたわ。私とシノブも2人に遅れて後を追ったの。




◇◇◇◇◇





 部屋を出て少々廊下を歩き、廊下の突き当たりを右に折れた所に地下に向かう階段があったの。時田さんを先頭にニールさん、シノブ、私の順に階段を下りたの。階段を下りて、時田さんが地下倉庫への扉を開けたわ。”ギーィィーーー”と言う音

が耳についたけど、それを我慢しながら、みんなに付いて地下倉庫へと私も入ったの。そこは学校の体育館の半分くらいのスペースで、少々カビ臭いと言うか、埃っぽい感じで、照明も暗かったわ。


「長い間使われていなかったので少々埃っぽいですが……」


と言う時田さんにニールさんは、


「いえいえ十分ですよ。ありがとうございます。」


 お礼を言って、作業の準備に取り掛かろうとしていたの。ニールさんは運び込まれた物のうち、まずは金属板を床に置いて、自分の杖を手に持って何やらブツブツと言いだした時、


「たぶん、あれは魔法の詠昌だと思うよMissシラトリ」


と私の耳元に向かってシノブが言ったの。


しばらく詠昌の後、杖を右から左に振り、ニールさんはこう叫んだ。


「Engrave Magic Square!」


地面に置いてある金属板にみるみる丸い円のような物とその中に見たこともない文字が次々に刻まれて行ったわ。


「すごい!」


「「OH!!」」


 次に、ニールさんは、10cmくらいの長さの水晶のような物を見て水晶に右掌をかざして、


「Expert Opinion!」


と言うニールさん。そしてしばらく水晶を見ていたニールさんが、お揉むろに顔を上げてたかと思うと、


「やはり、魔力が空のようだ……けど、これに……」


と言いながら水晶を両掌で包みこんで、


「Filling」


とニールさんが言うと両掌に包まれていた水晶が光り出したの。


「すごい!」


「「OH!!」」


 その場に居た私とシノブと時田さんがその光景を見てそう漏らしたわ。


「これで、なんとか使えそうです」


 私達の方を見てニールさんが言ったの。そしてその水晶を魔法陣らしきものの中心部に置くと、自分が身につけていたブレスレットや、ネックレスから宝石のような物を外して、魔法陣にそれぞれ配置して行ったわ。


「よし、これで準備は出来ました」


 作業を終え、そうニールさんが言ったの。


 それを見ていた時田さんが、


「これはどう言う装置なのですか?」


とニールさんに尋ねたわ。


「はい、これは姫の魔力波動を見付ける魔導機です。即席の装置っですが、理論上使えるはずです。」


 そして、魔法陣の中心部に置いた水晶の近くに別の水晶を置いたの。


「今置いた魔水晶は以前姫の魔力を充填させたものです。これで姫の魔力の波動を捜します」


それを聞いて、シノブが、


「つまり、それで姫様の居場所が分かると……」


「その通りです。」


とシノブに答えるニールさんに私の疑問を聞いてみる。


「でも、見つけてからどうするの?」


「はい、見つかればそれに【思考転写】の魔法を重ね掛けします。うまく行けば、連絡が付くはずです。」


「では、参ります」


 そう言って、何やら魔法の詠昌を始めた。


 1~2分くらいかな?魔法の詠昌が続けられたかと思うと、


「Exploration!」


 大きな声で言いながら、杖を大きく左右に振ったニールさん。すると、魔法陣に置いた宝石が右回りに次々と点滅しだしたの。その様子を私達は固唾を呑んで見守ったわ。10~20分くらいたったかな……突然中央の水晶とその近くに置いた水晶が交互に点滅しだしたの。


そして、突然ニールさんが叫ぶ。


「Thought-Transference!」


 それと同時に、魔法陣に置いてある宝石が一斉に光り出したの。


「姫、!姫!聞こえますかニールです。」


 必死に魔導機に向かって話し掛けるニールさん。すると……ビービー、ガーガーと言う雑音に混じり……。


「えっ……そのお声はニール様?」


「「「「OH!!」」」」


 みんな驚きの声を上げたわ。




◇◇◇◇◇




 お姫様……ソフィーさんの話だとセイアは無事だと……ただ、セイアが、”GUY BRAVE”に変身出来ると言う驚愕の事実を知ることになったの。 

 まだ、セイアと直接話はできないけれど、ソフィーさんを介してセイアから聞いた話は、到底信じられるものではなかったわ。


(GUY BRAVEは、私がシナリオを考えたヒーロー……それがセイアって)


 そう思っている私の横で、シノブも信じられないのかこう呟いた。


「Mr.オオワシがGUY BRAVEなんて……まるでマンガやゲームではないか……」


「そうね、本当マンガかゲームの世界だわね……」


とシノブに言う私に、


「しかし、異世界、エルフ、魔物……魔法が、存在する世界があるのだから、GUY BRAVEが本当にいてもおかしくない……ってことだな」


シノブの言葉に私も黙って頷いたの。



 ニールさんの見解では、魔物に襲われた時、セイアのソフィーさんを助けたいと言う強い”思い”と、ソフィーさんのセイアを助けたいと言う強い”思い”。2つの強い”思い”とGUY BRAVE=勇者と言う共通のイメージが重なりソフィーさんの膨大な魔力を使って生みだされたのではないか?と言うことだった。


「それより、セイアを助けないと……」


 ソフィーさんとの話では、本来あと1日でアルブ王国に到着するはずだったけど、予想外にゴブリンやワームに襲われ、本来のルートを外れ、馬車の車軸が歪んでしまって、車軸が歪んでしまった馬車では、スピードが思うように出せず、最悪、途中で馬車が壊れてしまうかも。このまま馬車が壊れずに行ければ、到着が2~3日ほどらしけれど、車軸が歪んだままでは、そう長い時間走れないだろう・・・と言うことらしいの。馬車を走らすスピードが、出せないらしいの。それに食料が後2日分くらいなんだって、セイアも、馬車をすて、UNICORNと合体したKentauros形態でソフィーさんを乗せて、走るってことも考えたらしいんだけど、それでも、丸一日昼夜ぶっとうしで、走ることになり、Kentaurosの後ろに乗るソフィーさんの体力がとても持ちそうにないだろうと言っていたわ。


 そこで、ニールさんがソフィーさんと連絡を取った同じ方法で、母国のアルブ王国のお父さんに連絡を取ってみたんだけど、今、魔王軍が各国に戦争を仕掛けてきたため、救援を送るための人材がほとんどいないそうなの。アルブ王国にあるソフィーさんの母国大使館に居る3人の女性騎士を派遣するのが関の山だそうで、それすら今からだと、間に合うかどうか……と言うことらしいの。そこで、ニールさんが何とか”異世界転移”を再現すべく今、時田さんに手伝ってもらって、装置を作ってるところだけど……。


「ニールさんの装置が出来たら、私だけでもセイアを助けに行く!」


 私のその言葉にシノブがニッコリ笑って、こう言ったの。


「僕も行くよMissシラトリ」


と言うシノブに、


「あなたが行っても、足手まといなだけよ!」


と憮然と言う私に、


「おいおい、見くびってもらっては困る。僕はこう見えても、Daddyから傭兵の訓練は受けてるのだよ。Missシラトリは安心してここで待っていてくれたまえ。」


と手を大きく広げ、自慢げに言うシノブ。そのシノブに向かい、私は口調を少し荒げ、言ったの。


「そう言う問題ではないの!私は行かなければならないの!あの時の借りを返すためにね!」


 そう言う私にシノブは不思議そうに尋ねる。


「借りって?なんだい」


「それは、あなたに関係ないことよ」


と言い切る私にシノブは、


「魔物が出る世界……に君が行っても足手まといなだけだよ」


 シノブが言うのは確かに正論。でも、私にはどうしてもセイアを助けたいって思いがあるのだから……。


「助っ人を呼ぶわ」


 そう言う私に、シノブは、


「その人は魔物と戦えるのかい?」


と聞いてくる。


「もちろん、高校生最強!……ううん、人類最強の男」


 私はそうシノブに言い切り、スマホを手に電話した。


プププ・プププ・プププ……トゥルルル、トゥルルル、トゥルルル。 


ガチャ!


「もしもし、私 セイアがピンチなの助けて!」


明日は、朝8時くらいにUPする予定です。

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