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115話 砂漠のシノブ、雪山のクレア、エドナ、アイーシャ

------シノブ 視点---



気が付くと僕は、砂漠の真ん中に立っていた。


取りあえず、背中に背負っているマジックボックスを降ろし、中から双眼鏡を取

り出した僕は、周りを確認したんだよ。


「ん?街か……」


 僕の居る位置から時計の1時の方向にポツリと、小さな建物が並んでいるのが見

えたんだ。


「人がいる気配はないようだが……」


双眼鏡をのぞきながら、そう呟いた僕は、兎に角双眼鏡で見えた街に向かうことに

した。


 背中にマジックボックスを担ぎ、ひたすら太陽が照り付ける砂漠の中、額から吹

き出す汗を手の甲で拭いながら、30分は歩いただろうか……。


 やっと石作りの崩れ掛けた街の門らしきところを抜け、街に到着した。


「誰かいませんか~!誰か」


そう叫びながら、白い石造りのドーム状の建物を1軒、1軒、声を掛け、戸を叩い

ては見たんだけど誰もいないのか、返事は返ってこない。


(石で出来とるけどまるでEskimoエスキモーの家、イグルーのようだね)


そう思いながら、家の側面にある窓のようなもの見つけ覗いてみたんだけどね。


 窓から覗くと、広さ20畳くらいのリビング的な感じの部屋でその端にはかまど

のようなものがあり、部屋の中央には朽ちたテーブルやら、椅子が転がっているん

だよ。


(誰もいないようだ……)


 仕方ないので、ドーム状の家が並ぶ通りを抜け、街のメインロードらしき道を街

の奥へと僕は進んで行ったんだ。


メインロードを進むこと約5分、何やら岩山?ん?違うな……そう、これは!


 エジプトのアブ・シンベル神殿のような建物?神殿が見えて来たんだ。


 確か、アブ・シンベル神殿には大神殿と小神殿の2つがあるんだけど、これはど

ちらかと言うと大神殿の方に似ていた。


 大きな岩山を掘って作られたであろう、神殿。


 神殿入口の両脇には王?と思わしき人物が左右2体づつ、椅子に座っている巨大

な像があったんだよ。


「Wow!」


そう僕は口にしながら中央の入り口へと入ってみた。


 薄暗いが、見通せる神殿内部。


「Wow!」


 またもや僕の口から驚きの言葉が漏れた。


 神殿内部の左右の壁には、高さ5mにもなる先程入口で見た王と同じ顔の石像が

並んでいたんだ。


そして神殿の奥にある扉のない広さ10畳くらいの部屋に到達した。


そこには高さ1m位の外の入り口にあった王の座像と同じ石像が4つ並んでいた。


「この神殿に祭られている神?王?は余程自分が好きなようだな」


そう呟きながら部屋を見回すが、暗くてよく見えないんだよ、そこで僕は、服のポ

ケットからライト(懐中電灯)を出して部屋を照らしながら見回してみたら、そ

こに地下に降りる階段を見つけたんだ。


 ライトの明かりを頼りに階段を慎重に降りてみると……そこには100畳くらい

ある、恐らく大広間のような部屋に出た僕は、丹念にその部屋を調べてみると、階

段を下りた正面に、2段くらいの段の上に、玉座がありそこには……。


「Oh, yuck!(げーっ、気持ち悪い!)」


そこには、王らしい人物のミイラ?ほとんど朽ちた人が座っていた。


 しかし、その王と思わしき朽ちた遺体が抱えてる……物を見て僕は思わず叫んで

しまった。


「ん?Woah, that’s cool!(うわぁ、スッゲー!)」


 そう、恐らくそうだと思う、Missラグナヴェールが言っていた剣”太陽剣”

がそこにあったんだよww。


 僕はそうっと、ミイラに触れないようにミイラが抱える太陽剣を抜き取るよう

にして、僕が剣を手にしたとたん、玉座に座っていた王のミイラが”ガラガラガ

ラ”と崩れた。


「Oops!」


そう僕が叫ぶと、急に大広間の左の壁が左右に”ズズズ”と開いたと思ったら……。


「Oh my god!」


そこから出てきたのは……体長5mもある大サソリだったんだよ。


すぐさま僕は手に持っていた”太陽剣”をベルトに刺してJon(愛銃XM8)を

手に持ち大サソリに向け、フルオート射撃をした。


”タタタタタタタタタ”


 しかし、僕がJon(愛銃XM8)から放つ5.56mmの弾丸を全て弾いたん

だ。


”カンカンカン”


”お前の攻撃など効かない”と言わんばかりに、大きな鋏を”カチカチ”と閉じたり

開いたりしながら、こちらの様子をうかがう大サソリ。


「Shit! 」


そう僕は叫び、アサルトライフル下部に設置してあるグラネード弾を発射した。


”シュポン”


”ドカーン”


グラネードが奴(大サソリ)の体に命中すると爆炎を上げ、しばらく奴は動きを止めたんだけどね……。


直ぐにまた鋏を”カチカチ”として”何ともないぞ”とアピールするんだよ。


「Damn it! (ちくしょう!)」



すると奴(大サソリ)は尻尾の先を僕に向け……。


「What!?(え!?何だって?)」


推定50cmの円錐形の毒針(と思われる)を発射した。


 とっさに僕は横っ飛びし、それを避けた。


 大サソリが放った毒針はそのまま玉座に命中し、玉座もろとも王のミイラを粉々

にしたんだよ。


 僕は玉座のあった段から転げ落ち、そのままの勢いを殺さずに大サソリの横をす

り抜け、1階の入り口に通じる階段目掛け、全力疾走をしたんだ。


 それを見て慌てて方向返還し、僕を追ってくる大サソリ。


(以外に早いなこいつ)


 途中追いつかれそうになったんだけど、かろうじて階段を駆け上がった直後、奴

(大サソリ)の大きな鋏がさっきまで僕が居た階段下の床を砕いた。


”ドンガラガッシャン”


(ふぅ~間一髪!)


僕は階段からその様子を見て、そう心で呟いた。


って、こうしては居られない早く上へと逃げなくては……。




◇◇◇◇◇





------クレア 視点---



 私……それに、エドナにアーシャの3人は、さっきまで魔物の砦の地下に居たと

思っていたら、突然、吹雪が吹き荒れる雪山に居たんです。


「さ・寒ぅ~い~」


「ひゃっくにゃん!」


私の横のエドナがそう言い、その横のアイーシャがくしゃみをして、二人ともブル

ブル震えていたんです。


「兎に角どこか退避場所を探しましょう」


と私の言葉に2人はだっまって頷いてくれました。


 しばらく、私達は震えながら雪山を歩いていると、アイーシャが何かを見つけたのか、指をさしながら叫びました。


「にゃにゃっ!あそこに洞窟の入り口が見えるにゃ」


アイーシャが指差す方を私とエドナが見て見ると、


「あぁ~洞窟ですねぇ~」


「そうね」


エドナの言葉に私も頷き、


「じゃあ、そこに皆で避難しましょう」


そう私が言って、私達3人は洞窟を目指しました。




◇◇◇◇◇





 洞窟の中に入ると、そこは小さな村の集会場(20畳)くらいの広さの空間だったんです。


 外の吹雪が吹き込んでくるわけでもないのに、なぜか壁や床が凍っていたんです。


「風がない分少しはマシにゃけど、でも寒いにゃ」


そう震えながら言うアイーシャ。


 その時、エドナが私に向かって言ったんです。


「クレア、炎をだしてぇ~」


「ええ、いいけど、何か燃えるものを探さないと……炎を出しても燃えるものがな

いと魔力だけでは長く炎を出していられないから」


「そうねぇ~……じゃあ、取りあえず私の矢を燃やすぅ~?」


と私にエドナが言ったんですけど、


「うん、でも、その通常の矢を全て燃やしても10分も持たないと思うわよ」


と言うとエドナは少し困ったような顔をして、


「えぇ~じゃぁ、どうするクレア?」


と聞いてくるので、私は2人にこう言ったのです。


「じゃ、私が何か燃やせるものがないか、外に行って探してくるから、2人はここ

にいて」


「えっ、クレア大丈夫……私も行くよぉ~1人じゃ危ないじゃない」


そうエドナが言ってくれたので、エドナと2人で外に出ようとして、アイーシャに声を掛けようと振り向くと、既に彼女は体を丸くして床に寝ころび、出て行こうとする私とエドナに尻尾だけ振って、”いってらしゃい”をしていたんです。


(まぁ、猫族は寒さに弱いから……仕方ないな)


そう思い、エドナと洞窟を出ようとしたその時だったんです。


 遠くから、


”ズシン””ズシン””ズシン””ズシン”


と地響きのような音が聞こえ、微かですが私達が立っている洞窟の床も揺れました。


「えっ!」


「あぁ~!」


「にゃに!?」


 私達は驚き声をあげたんです。


 私とエドナが急いで、洞窟の外に出てみると……。


「あれは!」


「なぁに!?あれ」


洞窟の外を見て驚く私とエドナの横に来たアイーシャも


「にゃんだあれは!」


と驚いたんです。


”ズシン””ズシン””ズシン””ズシン”


地響きの正体は……何と!身長3mのスノーマン(雪男)だったんです。


 それを見て私達は気づきました。


 私達が入った洞窟は……スノーマン(雪男)の住処だったんです。


 すぐさま、私達は臨戦態勢を取りました。


「ライトニングアロー!ディバイダー」


エドナがすぐさま弓矢で攻撃をしました。


 エドナが放った”雷”を伴った太い矢が、スノーマン(雪男)に命中する寸前6つに別れ、その6つの矢が次々に……。


 スノーマン(雪男)の顔に当たる寸前、スノーマン(雪男)が口から吐いたブレスにより、6つの矢は見る見る凍りつき、地面に落ちて行きました。


「あぁ~凍り付いちゃった」


とエドナが驚き言いました。


 私はすぐさま剣を抜き、叫びました。


「ソードオブファイヤー」


私の剣から炎が伸びて、スノーマン(雪男)の顔に命中!……。


したんですが、


「やったにゃん!」


「倒したのぉ~」


それを見ていたアイーシャとエドナも、勝利を確信したのかそう叫びました。


 でも、私の放った炎が顔に当たり、一瞬、熱がるそぶりを見せたスノーマン(雪男)だったんですが、その後、怒りをあらわにして、口からブレスを私達に向け放ちました。


「危ない!」


私はそう叫び、すかさず剣を地面に突き刺し、こう叫びます。


「ファイヤーウォール!」


”ゴー”


”シュルシュルシュル”


スノーマン(雪男)が放つ氷のブレスを私の魔法の炎の壁が阻みました。


 それを見てさらに怒り狂ったスノーマン(雪男)が、私達の方に向かってきます。


”ズシン””ズシン””ズシン””ズシン”


(ど……どうしよう)














砂漠のシノブ、雪山のクレア、エドナ、アイーシャがピンチを迎えます

さてさて、どうなりますかな?

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