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112話 セイア救出作戦!

 気が付くと、俺は元の大鷲青空に戻っていた。


 体の節々が少々痛むものの、目立った外傷もない。


 取りあえず、あたりを見回すと、暗がりでよくわからないが、どうやら洞窟に居

るようだった。


 頭にメニュー画面を浮かべてみる。


 何もエラーなく表示される。


 そこで、変身してみた。


「 チェインジング!(Changing)」


の掛け声と共に俺の体が光だし変身した。


 ちゃんと再変身できることを確認した俺は、視界を暗視モードにして、洞窟を歩

いてみた。


 洞窟を歩きながら、自身に起こったであろう異常を考える。


 仕組みは違うが……俺が見た、キメイラと言うか、合成魔物がオブリヴィオン(魔王軍)の仕業だと考えると……。


 当初、俺達は、電波で魔物を操るオブリヴィオンに対抗して、ジャマー(妨害電波)で、それを阻害しようと考えその装置を作成した。


 結果、奴らは電波でなく、別の方法で魔物達を操るようになり、折角の装置は役に立たなかった……。


 が、


 奴らはそれを見て?知り?。


 そして、今までの奴らとの戦いで、俺、GUY BRAVEが機械仕掛けだと判

断し、半導体や電子回路に損傷を与えたり、一時的な誤動作を発生させる電磁パル

ス(EMP)を俺に照射したのではないだろうか?


確か……軍オタ(シノブ)が以前、漫画制作の折、そんな話をしていたような。


 核爆発では、強烈なガンマ線が高層大気と相互作用し、広域にわたってコンプト

ン効果?だったか、を発現させ、地磁気の影響で地球の中心に向かう電磁波の流れ

を発生させるとか。


 それが、いろんな電子機器に影響を与える……つまり電子機器に誤作動や損傷を

与える?だったような……。


 それを某大国はコンデンサーのようなものを使い、敵のミサイルや、兵器に照射

して撃退する兵器を開発してるとかしてないとか。


 唯、現在、有効半径はせいぜい100 m程度だと言っていたような気がする。


 俺が受けた電波?電磁波?あの”ミヨ~ン”て感覚がそれなのかは解らないが。


 おそらく、回路がショートするのを防ぐため、GUY BRAVE自身が変身を

強制解除したのかもしれない。


 そう考えると、ある程度辻褄が合う……。


 ただ、変身を解除された俺(生身の)があの高高度の高さから落ちて無傷……っ

てか死んでないのは不思議だが?


 そんなことを考えながら、歩いていると前方に薄明かりが見えて来た。


 視界を暗視モードから通常モードに切り替える。


 そこは、直径120mのドーム状の広場のようだ。

ドームの天井までの高さは40m弱と言った処か……。


 その広場のど真ん中に……長さ約20m、高さ13m、幅16mあろうかと言う

大きな岩!?……うっん!?今、岩が動いた。


 岩が動いたと思ったら、岩に開いた穴から手足が出て、頭が出てって……こい

つ亀!?


 大きな亀であった。


(あの有名な特撮怪獣映画の亀……にしては小さいか)


≪名称    ギガテストゥディネス ≫

≪戦闘力         10,000≫

≪防御力        30,000≫

≪スピード          150≫

≪MP          2,000≫

≪特技      鉄壁の甲羅、火岩 ≫



( はい~い!火岩ってなに?鉄壁の甲羅って……)


俺が心でそう呟いていたら、奴はいきなり口を大きく開けたかと思ったら、撃って

きやがった……大きな焼けた岩を。


”ボシュー”


と大きな焼けた高温の岩が俺に迫ってくる。


(ヤバイ!)


俺は、とっさに右に横っ飛びして、かろうじて避けたが、逃げる俺の方向に奴は

顔を移動させながら次々と焼けた岩を撃ってきやがった。


”ボシュー”


”ボシュー”


”ボシュー”


それを俺は地面に転がりながら、避け続けた。

すると奴は、これ以上首が回らないのか火岩を吐くのを止めた。


 俺はすかさず、地面から立ち上がると、右腕をマシンガンアームに変え左腕をエ

レクトリーアーム変えると奴に向け放つ。


「エレクトリックマシンガン!」


”バリバリバリ”


”カンカンカンカン”


全ての電気を帯びた弾丸を弾かれた。


 奴は、何事もなかったようにゆっくりと、俺の方に向きを変えてくる。


「ならば!」


俺は、右腕のマシンガンアームをワイヤーアームに変え、


「エレクトリックブースドナックル!」


左手で右の腕を掴み高圧電流を流しながら、ブースドワイヤーナックルを飛ばす。


”バキーン”


 やはり、先ほどと同じように何事もなかったかの表情で、俺の方に向くとそのま

ま又、火岩を吐きだした。


”ボシュー”


”ボシュー”


”ボシュー”


 奴が吐き出す火岩を、俺は右に左に避ける。

そして、奴の隙を狙って、ジャンプし、奴の背中(甲羅)に飛び乗り、すぐさま奴

の後方に飛び降りた。


そして、少し距離を取り、両腕をブレードアームに変え、更に腕のスリットからプログレッシブ ブレードを展開する。


 奴が、またのろのろと向きを変えている間に俺は奴に向かってジャンプして、2

本のプログレッシブ ブレードをクロスして叫ぶ。


「必殺クロスエンド!」


するとクロスしたプログレッシブ ブレードから衝撃破が起こり、奴の甲羅に命中

する。


”ドッカーン”


と言う爆音と共に奴の甲羅が弾け飛んだ……と思ったんだが、どうやら奴の甲羅の

表皮の1部が弾け飛んだだけで、奴にほとんどダメージを与えていないようだ。


(なんて奴だ……せめてガルーダスパークが使えたらな……)


 そんな中、ソフィーから念話が入った。


≪セイア様!ご無事だったんですね≫


≪ああ、何とかねぇ≫


≪今わたくし達は魔物の砦付近におります。すぐに助けに参ります……≫


 その時、奴のあのゆっくりとした方向転換が終わり、俺に向けて火岩を

吐く。


≪おっと、ワリーソフィー今、取り込み中なんで≫


そう念話で話しながら、奴の火岩を避ける。


”ボシュー”


”ボシュー”


”ボシュー”


 先程と同じく、俺は奴の攻撃を右に左によけながら、念話のソフィーに言った。


≪今、亀の魔物と交戦中なんだ、終わったら連絡する≫


 俺はそうソフィーに告げ、一方的に念話を切った。





◇◇◇◇◇





------美音ミオン視点---



 魔物の砦前約1kmの所で、電ちゃんに地上に降りてもらい、そこで私達も電ち

ゃんから降りたの。


そして、反り立つ電ちゃんの上にシノブが立ち、双眼鏡を使って、魔物達の砦を偵

察したの。


 しばらく観察していたシノブが、電ちゃんから降りて来て、私達が居る場所の地

面に砦の配置図を描きだしたの。


「っと」


描き終えたシノブが、配置図を指差しながら説明してくれたわ。


「ここの壁のように砦周辺を囲んでいる……植物系のモンスター……おそらく、Missシラトリ達が聞いた『大きな口の魔物が人を丸のみにする』と言われたモンスターだと思う。」


と見取り図の砦周辺を指し説明する。


「そして、Mr.シモトウゲ達が聞いたグレムリンとミノタウロスではなく、頭が

グレムリンで体がミノタウロスのモンスターと、僕たちが聞いたダイアウルフに乗

ったグレムリンではなくて、ダイアウルフの背中にグレムリンの上半身がくっつい

たモンスター……これらのモンスター達が20から30体は居るようだね。」


とさらに説明してね。


「それと砦中央には台形の形を重ねたような建物がこの位置……つまり砦中央に合

って、更にその周辺に投石器が4台並んでいる……この位置にね」


と地面に描いた図面に指をさしながら、詳しく説明してくれたの。


「さて、何処から侵入するかだな」


とゲキが言うと、シノブがゲキの言葉にさらに説明を付け加えた。


「あっ、それと砦正面から少し離れた所に、地上に突き出たトンネルのようなもの

があったんだ……おそらくだけど、そこが砦の出入り口ではないかと思うんだよ、

Mr.シモトウゲ」


と付け加えたの。


「だとしたら、侵入はそのトンネルと、上空から奇襲を同時に仕掛ける……」


とゲキが言いかけたら、それに電ちゃんが口を挿んだの。


「だめだよゲキっち、空からは侵入できないよ」


「何故だ電龍!」


「Why!?」


電ちゃんの言葉にゲキとシノブが疑問を投げかけたの。


「だって~あの塔(建物の上部)から障壁が張られてるから入れないよ」


「え!障壁!?」


「Really?」


シノブとゲキが電ちゃんの言葉に驚きそう言い返したの。


「本当だよ、僕には見えるんだ」


その電ちゃんの言葉に、クレアさんが口を開いたわ。


「そうしますと、このトンネルからしか侵入できない……ってことになりますね」


「でも、それだと敵に見つかるにゃ」


と言うアシーシャさんに私がこう言ったの。


「なら、陽動作戦すればいいじゃない?」


「そうだな、それがいいとは思うが……後はセイアの居場所がどこか?ってことだ

が……」


とゲキが言うとシノブが、


「普通に考えれば、あの建物の中……ではないかMr.シモトウゲ」


とゲキに言ったの。


「そうね、でも闇雲に行ってもね……」


と私の言葉に皆がう~んって考え込んだ時だったわ。


「あっ!セイア様」


ソフィーが急に叫んだかと思うと、その後、目を瞑り、無言になったの。


 そのソフィーの様子を皆で見守ったの。


(おそらく、今ソフィーはセイアと念話中だから)


 しばらく、皆でソフィーを見守っていると、また急にソフィーが、目を開け叫ん

だのよ。


「セイア様!セイ……」


どうやら念話が途中で切れたみたいだった。


「ソフィー!セイアはなんて言ってたの?」


の私の言葉にソフィーは、


「あの~今、セイア様は取り込み中だと……」


「えっ取り込み中って!?」


とソフィーに聞き返す私に


「はい……何でも……か…亀と交戦中だとか……おっしゃってました」


「「「「「え――――――――――――カメ!?」」」」」


「ニャメ―――――!?」


ソフィーの言葉を聞いて私達はそう叫んだの。


「か・カメって……」


と私がぽつりと言うと、ゲキがソフィーに尋ねた。


「で、セイアの反応はどこからだ!」


「はい、恐らくあの建物の地下からかと……」


「そうかなら」


ソフィーの言葉に、ゲキがそう言うと、ゲキよりも先に私が言ったの。


「皆、セイアを助けに行くわよ~!」


私の言葉に皆は頷いたの。


「では、作戦を言います!まず、ソフィーはここで魔物除けのテントを張って待機」


「はい、かしこまりました」


「で、次に電ちゃんは、上空から砦を攻撃!できれば障壁を破壊してぇ」


「うん、任せてミオンっち」


「電ちゃんの攻撃で障壁が壊れたら、私がブレイブロボで、あの口のモンスターを倒しつつ砦に侵入します。その間に、ゲキ、クレアさん、エドナさん、アイーシャさん、シノブがトンネルより侵入して、あの建物の地下へ入ってちょうだい」


私の説明を聞いた皆は頷いたの。


そして皆で、準備にかかったの。


 準備をするゲキを捕まえて私はこう言ったの。


「ゲキ、ついでに太陽剣の回収もお願いね」


私の言葉にゲキが、ニッコリ笑って、


「ああ、任された!」


と頷いたの。





◇◇◇◇◇





「 It’s Show Time♪」


と言うシノブの掛け声と共に、私達は砦に向かったの。


(セイア今行くからね♪)


 







『ギガテストゥディネス』(あの有名な特撮怪獣映画の亀……にしては小さいか)

これは、ご存じ特撮怪獣映画 大怪獣ガメ〇をヒントにしました。


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