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100話 ダンジョンの報酬

 お昼を挟み、会議と言うか報告会は続いた。


 因みに、お昼はコントロールルームでアメリカンサイズのハンバーガーとフライ

ドポテトで、飲み物はソフィーのリクエストのレモネードで食事をとった。

皆がハンバーガーにかぶりつく中、ソフィーは1人上手くハンバーガーにかぶりつ

くことが出来ずに、時田さんからナイフとホークを借りていた食べていたのはご愛

敬かな。


 お昼を食べ終わり、午後の部。


 時田さんから、電風の丘ダンジョンで得た宝箱マジックボックスの中身につ

いての報告を受ける。


「えー、金貨500枚、銀貨1000枚に、宝石やアクセサリーが100数点に、

宝石を散りばめた短剣2点に長剣5点に、同じく宝石を散りばめたステッキ、それ

にプラチナのインゴットと3つに、マジックアイテムが7つ入ってございました」


「わーすごいわね」


と時田さんの報告に素直に喜ぶミオンだが……。


「そうかな?マジックボックス小2個と中が1個の中身としては少々少ないような

……」


と俺が呟くと、ミオンも”あれ”って感じで言った。


「それもそうね……」


「はい、マジックボックス中の1つは、空でございました。」


と真顔で言う時田さんに、ミオンが


「え―――はずれってこと?」


とふてくされたように言うと


「はい、さようですな」


と笑顔で言う時田さん、そこにゲキが口を挿む。


「とは言え、マジックボックス事態貴重なものだ……それにカラのマジックボック

スを使って、ミオンの例の新兵器とやらが自由に持ち運びできるのではないか」


「あっそーね、ゲキいいこと言うじゃない」


と満面の笑みでゲキの肩をポンポン叩きながら言うミオン。


そのミオンに少々困り顔のゲキであった。


そこに、咳ばらいを1つして、時田さんが話を続ける。


「コホン!で、異世界の8ヶ国の国からそれぞれ拠出していただいた、金塊を我々

の世界で換金して、この基地建設に必要なものを買いそろえてまいりましたが、既

に資金が底をつきかけております。」


と言う時田さんに、ミオンが即答した。


「また、出してもらえばいいじゃん」


そのミオンにソフィーも同調し言った。


「ミオン様の言う通り、お父様に話せば、幾らでもお出しできるかと……」


「いや、そうそう異世界の人に無理をさせるのはどうかと思う」


と俺が2人の意見に異議を唱える。


「えっ……なんで?」


「どうしてですか……私どもの世界を救っていただくのですから当然だと……」


俺の意義に納得いかないミオンとソフィー。そこにゲキが口を挿む。


「考えてもみろミオン、ソフィーさん……今、オブリヴィオンとの戦争状態が続

いているだろう?」


「うん」


「はい」


ゲキに言われ素直に頷く2人。


「戦争になると、兵士達の兵糧が大量にいることになる。国単位で兵糧のため食料

を買いこまれたらどうなる?」


「さぁ?」


「どうなるのですか?」


「町中の食料が不足し、物の値段が上がるそれは、食料だけの問題ではない他の

物資も戦争に費やされるから、いろんな物の値段が上がる。」


「「なるほど……」」


とゲキの言葉に感心する2人。そこに俺が口を挿んだ。


「まぁ、そうなんだ、ヒーロー……いや勇者として、俺達のために異世界の人達が苦しむってのは本末転倒だと思うんだ……そこで……」


と言いかけた俺の言葉にかぶせて時田さんが言った。


「そこで、なるべく我々の使用するものは、我々の世界から補給した方が良いのでは……と言うのがセイア様のお考えです。」


「そうなんだ、セイアもいろいろ考えてんだね」


「感服しましった。」


時田さんの言葉にミオンとソフィーが俺の方を向いて言った。


「そこで、まず、魔法アイテム以外の物を我々の世界で換金いたしました。」


「金貨、銀貨は溶かして純度を上げて固まりにして売却し、宝石やアクセサリー

類も換金いたしました。」


「そして、プラチナのインゴットにつきましては、そのまま換金いたしまして、金

貨銀貨の加工賃や換金手数料を引きまして……」


と手に持った電卓をたたき……それを俺達の方に向け言った。


「え――ざっと1億3千万かと」


「「「えっ――1億~!」」」


とその値段に異世界メンバー以外の俺とゲキ、ミオンが驚くが、シノブは1人平然

として言う。


「何をそんなに驚いているんだい~例のHU-16アルバトロスの購入価格だけで

も、3,7500ドル……約3千7百5十万円なんだ1億や2億くらいで驚いては

もらっては困るな~」


「「「え――!そんなにするの」」」


とシノブの言葉に、俺、ゲキ、ミオンが驚いて言う。

そんな俺達に笑顔で時田さんが言った。


「まぁ……兵器と言うのは金食い虫ですからね」


 無論この会話に異世界組の5人はぽか~んとしていた。


 因みにちょこと、気になってので、後で時田さんに聞いたのだが……今回の1億

といい前回の金塊8つといい、そんなに大金を手にしたら……税金ってかその辺は

どうなってるのか尋ねたら……すでに『ブレイブカンパニー』というペーパー会社

を設立させていて、そちらの方は、すべてクリアーにしているんだと……恐るべし、民間軍事企業。





◇◇◇◇◇





「えー次に魔法アイテムの方ですが……」


と時田さんが、俺達の前にあるモニターにリストを出しながら言う。


【リスト】


・簡易転移装置      1対


・魔物除けのテント    4張


・魔法の馬車       1台


・魔法の大釜       1つ


・ディバイダーアローの筒 3つ 


 魔法アイテムについてはニールさんが時田さんに代わって説明してくれた。


 ニールさんの説明によると……まず、『簡易転移装置』1対は、2つの魔法円を

刻んだ円形の台をあらかじめそれぞれの場所に設置すれば、お互いの装置のある所

に転移できるらしい。


(使いどころが微妙だけどな……)


 ただ、転移出来る距離はおよそ10Kmだそうだ。


 2番目の『魔物除けのテント』4張は、テント1張に3人が寝泊まりでき、このテントは名前の如く魔物が近寄らないテントらしい。


(ダンジョンでは便利かも)


 3番目の『魔法の馬車』1台ってのは、1頭引きの小型の馬車で、なんと普段は

、ジッポライターぐらいのカプセルに収納できるそうだ。


 ただ、馬は別だそうだ。


(これは何かに使えるかも……?使えるか?)


 4番目の『魔法の大釜』1つは、神話出て来るダグダの大釜のようにお粥が湯水

のように湧いてくる釜……。


 但し、無限に湧いてくると言う訳ではなく、1回につき、1,000人分だそう

で、しかもお粥と言っても西洋のお粥……つまりこの世界に来て初めて俺が食べ麦

の粥。


(う――んこれも微妙)


 そして最後の『ディバイダーアローの筒』3つは、一つの矢筒に10本の太い弓

で使う矢が入っている。この太い矢は、太さは通常の矢の3倍の太さで、矢の先は

、6つもついているって代物。


 これは、弓矢で放つと、途中6つに分離して、それぞれ目標に突き刺さると言う

もので、線でなく面で攻撃できるだけでなく、一度に6つの目標物に命中させるこ

とが出来るらしい……。


 しかも、矢筒が空になっても一日たてば、また10本に戻っていると言うので驚

きだった。


(これは、使えそう)


そう思っているとニールさんが俺ににっこり笑ったので、俺が徐に立ち上がり、皆

に言った。


「この『ディバイダーアローの筒』は……」


と言いかけたら、その言葉を取って、ミオンがすくっと立ち上がり、俺の代わりに

続きを言った。


「エドナさんに使ってもらおうよ~ねぇ、いいでしょ皆」


「ああ、もちろんだ!」


「Yes!of course」


「もちろん!」


「ですにゃ!」


「はい」


ミオンの言葉に、ゲキ、シノブ、クレアさんアイーシャさんにソフィーが笑顔で言った。


「え~いいんですかぁ~私でぇ~」


と戸惑うエドナさんにゲキが言った。


「このなかで弓の名士と言えばエドナさんのほかいないじゃないか」


そうゲキ言われ恐縮するエドナさん。

そんなエドナさんに笑いながらニールさんが、『ディバイダーアローの筒』3つを手渡した。


「後で、付き合うから早速、試射しに行こうエドナさん」


とゲキが嬉しそうに言った。


(おいおい、本当は俺が言って皆に同意を求めるってことでニールさんと事前に打ち合わせていたのに……)


 その時だった。


”ピピ”と電信を受信した音が鳴った。


ミオンは部屋の左の壁側にある計器の並ぶパネルの方に走りだし、手早く操作をして、俺達の正面にあるメインモニターに内容を映し出した。



 ワレ コマリゴトアリ タスケタリケリ 


 ケサ ファルコ ヲ ムカワセタ


 クワシクハ ファルコ ニ キケ


                  エドモンド


 少々文章的に難があるが、言いたいことは解る。


 如何やら、エドモンド王が何か困りごとがあって、伝令将校のファルコさんが今こっちに向かっていて、詳しいことはファルコさんから聞いてくれって事みたい。


(困りごとって何だろう?オブリヴィオン絡みかな?)


 そんなことを思っていたら、基地のレーダーがこちらに向かう飛行物体を捉えた。


「距離 10Km!」


電信の操作をしていたミオンが、操作パネルにあるレーダー画面を見て叫んだ。


ミオンの叫び声を聞いて、時田さんは素早くミオンの近くに進むと、ミオンの近

くにある操作パネルを操作して、レーダーがとらえたであろうこの基地に近づいて

来る飛行物体の方角にある監視カメラをズームして、その映像を俺達の正面の巨大

モニターに映し出した。


俺達はその映像を食い入るようにして見ていると……。


「うん?鳥?」


「鳥にしたら大きすぎるだろう」


ミオンの言葉にゲキが”ぼそり”と言った。


「ってことは……ファルコさん?」


「おそらくな……」


ミオンとゲキの会話に俺が口を挿む。


「……にしては、えらく早くないか?」


と言う俺の疑問にシノブが答える。


「それだけ、緊急の用向なのではないか?Mr.オオワシ」


「兎も角、ファルコを迎えにいってやりましょう」


とソフィーの言葉に一同頷くと、ファルコさんを迎えに行くため、コントロールル

ームを出て、地上に上がるのであった。


ディバイダーアローの筒は、勇者ラ〇ディーンのゴットゴーガン束ねうちと言う技とコ〇バロラーV

のビックブラストディバイダーからヒントを得ました。

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