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茜色の観光客

長くはならないハズ(--;)

荒れ果てた広野とチリチリと地面を焦がす日差し朽ち果てたその土地はどこまでも静寂と言う殻に閉じ籠ったように静だ。


ここはかつてシグマと新・国連との開戦の地、そして雨の降らない不思議な土地





復旧しはじめた街並み、戦闘の後はまだ癒えないが町は活気ずき人の賑わいが耳に入ってくる。


「今日は当たりは無いのか……」


平日の昼間に少年が街を彷徨くのは異様、人の目を惹き付けるのは当然なのだが今日に限って不思議と気にならない。

回りを見るとみんなは何かを見ている、気になり野次馬に紛れ込み様子を伺う。

「変人か?それにありゃリックにスロバーじゃねぇか……」


どうやら揉め事の用だ同じ高校の不良リックとスロバーはつい最近退学になったばかりの奴だ、そしてボケッーと二人を見上げているのは東洋人の少年だ、その少年は奇抜だ雨の降らないこの土地で茜色のカッパに茜色の傘をせよっているその傘は異様に大きく二メートルはある長さだ。


「てめぇ!英語しゃべれねぇのか!慰謝料払え!」


痺れを切らしたリックが手に持つナイフで切りかかった!

アブねぇと飛び出そうとする前にドスと鈍い音が響きリックがドサッと倒れる。

「誰か日本語わかる人いのかなー?通訳のお願いしたいかなー?」

リックをスロバーに押し付け回りに呼び掛ける……どうやら俺しか日本語が分からんらしい。

溜め息を付き俺が出ていく。


「通訳してやる、今日は当たりの用だしな」

「じゃあ、頼むかなー」


それは聴くにも絶えない罵声を浴びせる少年、と其を通訳する俺……正直きついぞ。


「ふぅ〜、ありがとかなー、君名前は何かなー?」

「あぁー、俺はフラディオ・アマダだ、アンタは?」

「僕様は赤羽 天だよー」テンそいつはそう名乗ったしかしこんな治安の悪い街になんの用なんだ?

しかもこんな子供が、一人考えこんでいると服をグイグイ引っ張られる、つい考えこんでしまうのは悪いくせだ。


「ねえー君これ、見たことないかなー?」

「これって?シグマの奴等が持ってる隕石?じゃねいか」

「知ってるの?案内してほしいかなー?」


コイツは何を言っているだ……死にに行くもんだ。


「ダメダメ死にたいのか?」

「死にたい分けないかなー、僕様は此が要るんだー、ねぇお礼は弾むかなー」

「うっせぃ!はなせー!俺は死なん!」


百六十半ばの少年は俺にくっついて離れない。

不毛な闘いは人目を引くが幸運にも放してくれた。


「お腹すいたぁ〜レストランに行きたいかな〜?奢るからついて来て欲しいかな〜?」

「はぁ……なんなんだよまぁ、タダメシにありつけるのはラッキーだぜ」

何はともあれこのガキを連れてレストランに来る、騒ぎそうな態度だが意外にも大人しくメニューを見て俺に伝える、其を通訳しヘラヘラと笑う顔を引き締め俺の顔を黒い笑みで見る。


「さっそくだけど、君の知っている事を話しほしいかなー」

「隕石の事か?対した事はしらないぜ?」


水を飲みながら聞いてくるテンそれを聞いてもピクリとも反応しない。


「言い方を替えようその隕石のある場所とシグマの護衛の位置、調べてくれるかなー?」

「なんで俺に?」

「んー日本語ができるからかなー」


なるほど、簡単な理由だなだが断る!!俺はまだ死にたくないんでな!


「取り敢えず前払いで100万で成功報酬に200万でいいかなー?」

「………」

「いいかな?」

「わーったよ!」


ちくしょう!バカバカ金の魔力に負けたー!

さすが日本人!金持ってやがる!


「さぁて、宿を探すかなー」

「お、おい頼んだメシはどーすんだよ」


先に来ていたオレンジジュースを飲み干し傘を背負い店を出ようとする。


「んー好きにどうぞー、僕は宿をさがすかなー」

「……てめぇ日本語しかわからなねぇだろ?」


あっ!そうだったと傘を引きずりながら席に座り直す。


「家に来いよ民宿なんだ、部屋は狭いが料理の腕は保証するぜ、それにお前は当たりみたいだしな」

「当たり?」

「面白いことが起こりそうってことだよ」


食事を済ませ家にいく、奥には親父が料理の下ごしらえをこなし雑誌を読んでいる。


「ただいま、客連れてきたぜ」

「おう!なんだ坊主家出か?」

「違いますよー観光ですよーそれに僕様はテンと言う名前ですよ」


相も変わらずヘラヘラとした表情を緩めることなくチェックインの手続きをするふとパスポートが落ちる、それを拾ってやるたまたまみた中身に驚愕した。


「に、28ーー?!その成で?10も歳上なかよ?!」

「へぇ?言わなかったけ?」



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