29 カメラ~その瞬間の感動を伝えたくて~
ツーリングの必需品、カメラを持って出かける理由を文字にしてみました。
バイク乗りにとって、ツーリングに行く時の必需品とはなんだろう?
ヘルメット? グローブ?
それは無ければバイクに乗れないので当たり前。
持っていかなければならない物ではなく、持っていきたい物という意味だ。
きっと『カメラ』と答えるヒトは少なくないと思う。
私もツーリングに行く時は必ずカメラを持っていく。
最近は携帯電話のカメラ機能が良くなったせいか、あらためてカメラを持つヒトは減っているらしい。
しかし、携帯電話のカメラではどうにも心許無い感じがしてしまう。
私はバイクで出かける前に、ジャケットのポケットにコンパクトカメラを入れる。
一眼レフのカメラも持っているのだが、こちらはバイクで出かけるとなると振動による故障が心配で、このところ出番が減ってしまっている。
とはいえ、最近はコンパクトカメラの性能も馬鹿に出来ない。
私が使っているものは、ポケットに収まる大きさながら有効画素数は1600万画素、光学ズームは24倍もの倍率を誇る。
コレが1万5千円もせずに手に入るのだから、驚かされる。
…少し話しが横道に逸れてしまった。
多くのヒトがツーリングの必需品として挙げる、カメラ。
何故、カメラを持っていくのだろう?
もちろん、ツーリングの楽しい思い出を残しておきたいというストレートな理由がほとんどだろう。
私は少し捻くれた性格をしているので、思い出というよりはその時感じたことを、その時見たことを、他の誰かにも知ってもらいたくてカメラを持っていっている…‥と言いたい。
きっと同じことを考えているヒトもいると思う。
しかし、写真を撮るのにも技術とセンスがいる。
残念ながら、私にはそれが無い。
ずいぶん無駄に何度もシャッターを切っているものの、バイクに乗って目にした色鮮やかな景色や、驚きの光景を未だに上手く伝えることが出来ていない。
朝陽が昇ってくる前の、あの紫ともピンクともいえない不思議な空の色。
冷たい空気の夜空に浮かぶ銀色の月が放つ、青とも白ともいえない透明な輝き。
バイクに乗ることで、世界に向かって開いた感覚が捉えた、当たり前にあるのに気が付かなかったその一瞬。
同じバイク乗り達はこの感覚を知っている。
きっと、この一瞬を感じることが出来る。
でも、欲張りな私はバイク乗り以外の人達にもこの感覚を知って欲しい。
もちろん、同じモノを見ても同じ気持ちになるとは限らない。
私たちが感じているものは、バイクに乗ったからこそ感じられる気持ちなのかもしれない。
それでもいい。
その瞬間の景色は、間違いなく私を感動させたのだ。
きっとバイクに乗っていなくとも、何かを感じてくれると思いたい。
そんな風に考えながら、何度もカメラのシャッターを切っている。
しかし…‥『これなら!』という写真は未だに撮れない。
私のような素人が誰かの心を少しでも動かすような写真が撮れるようでは、プロのカメラマンの仕事が無くなってしまう。
いくらカメラの性能が良くなっても、こればっかりはそう簡単に写真の枠の中に切り取れないようだ。
あの瞬間の、あの感動を、あの驚きを、バイクが教えてくれた世界を一枚の写真に切り取りたくて、今日もカメラを構える。
いつか、このレンズの先にある夕日の色が、少しでも誰かに伝わることを願って。
写真って難しいですね。
人間の眼がいかにスゴイかを改めて思い知ります。
眼で見たイメージが少しでも伝えられる写真が撮れたら嬉しいんですけどね。




