11 冬とバイクのこと
冬はバイクは冬眠派ですか?
寒くても乗る派ですか?
雪国の皆さんはゴメンナサイ(>_<)
私はせっかく一年中バイクに乗れる地域に住んでいるので、真冬でも乗る派です。
今回はそういうお話しです。
バイクは転倒する乗り物だということは先にここで記した。
となると当然、路面凍結してしまう地域では冬の間はバイクに乗ることが難しくなる。
私が住んでいるのは関東平野の真ん中あたりなので、路面凍結とは縁遠い。
つまり一年中バイクに乗ることが出来る幸せな地域に住んでいるということになる。
しかし、それでも冬場は寒いからと冬眠をするライダーは多い。そして春の訪れと共にまた走り始めるのだ。
私は堪え性のない性格なので、冬の間も相変わらずバイクに乗り続けている。
確かに冬場のバイクは寒い。
当然だ。冬なのだから。
冬の朝、かじかむ手をすりあわせながらバイクカバーを外す。
冷え切った車体を駐輪場から出し、ゆっくりと路肩まで押していく。
燃料コックをonからPRIへ回し、待つこと約10秒。
燃料コックを元の位置に戻し、チョークレバーを引いて、キーをONまで回す。
セルボタンを押し込む。
セルモーターが回り、エンジンに始動を促す。
かからない。
一度キーを元の位置へ戻す。
気温が低いため燃料も気化しにくくなり、バッテリーの能力も低下するので、なかなかエンジンがかからない。
アクセルをほんの少し開け、キーを回し、もう一度セルボタンを押す。
キュキュキュとセルモーターが動き、続いてバッ、バババッとエンジンが目を覚ます。
アクセルを調整しながらチョークレバーを戻し、そのまましばらくエンジンが落ち着くのを待つ。
冬場の暖機運転は少し念入りにおこなう。
慌てて乗ると吹け上がりが悪くなるからだ。
待つ間に首にネックウォーマーをし、ブーツとオーバーパンツのすそを整え、ヘルメットをかぶり、グローブをはめる。
エンジン音が安定してくる。
ここまでやってやっと出発だ。
確かにちょっと面倒ではある。
エンジンの始動は2回でかかれば良い方で、4回、5回と繰り返すこともある。
スーパーシェルパにはキックペダルが付いていないので、これでかからなければ押しがけをしないといけない。
乾燥重量110kgと軽いバイクだが、小走り程度までしか出来ない私にとっては、押しがけは一苦労だ。
こんな風に苦労をしてエンジンをかけ、走り出すとまた次の苦労がある。
直接風を受けて走るバイクは、ハンドルを握る指先がどんどん冷えていく。
やがて指先は寒いを通り越して痛みを感じるようになり、冷えた体はバイクの操作をぎこちないものにさせる。
シェルパはナックルガードが風除けになってくれるおかげでそこまで酷くはないが、それでも長時間乗っていると辛くなる。
少し冬眠したくなる気持ちも解らなくもない。
ブーツとヘルメットは当然だが、冬用のジャケットにオーバーパンツ、ネックウォーマーに冬用のインナーやグローブと装備品が大げさになっていく。
それでも寒い時は寒い。
でも、それも含めてバイクに乗るということなのだ。
真冬にバイクで通勤すると変わり者扱いをされたりするが、好きでやっているのだから気にもとめない。
それに、冬には冬の良さがある。
湿度が低くて空気の澄んでいる冬は、遠くにあるモノがよく見えるようになる。
早朝には畦道の向こうに富士山がくっきりと見え、夜空の月や星も輝きを増したように見える。風は冷たいが空はどこまでも高く、透明な青が気持ちをスッキリとさせる。缶コーヒーが格段に美味しくなるのもこの時期だ。
私は信号待ちで熱を持ったエンジンを抱くようにしてグローブをした両の手を温め、透き通った空気の中を走り続ける。
寒くともバイクで走り続けられる幸せを一緒に抱きしめながら。
シェルパは始動性があまり良くないので、冬場はエンジンをかけるのに苦労することがあります。
暖機運転もじっくりしないと調子を崩すので手間はかかりますね。
でもバイクに乗れれば幸せ!
そんな単細胞バイク乗りのお話しでした(^_^)ゞ