世界の始まり
「まず初めにこの世の始まりから話をしたいと思います。昔彗星が地球に衝突して生物が生まれました。これがパンスペルミヤ説です」
確かパンスペルミヤ説とは彗星が衝突したことにより彗星のアミノ酸が変化して生物が生まれた説だった気がする。
……夢うつつだったからあまり覚えてない。
「それでそのパンスペルミヤ説が何の関係があるんだ?」
そう言うとアイリスは顔をしかめた。
「分からないなら口を閉じて待っていてください。では説明を再開します」
そう言うと話し始めた。え、俺はって……じたんだ踏んでましたよ、悔しくて。
「生物は長い年月をかけて進化していき、植物、昆虫、恐竜、動物へと進化していったのです。そしてそれを束ねる神が出て来ました」
「それが原始の神なのか?」
そう尋ねると、
「はい、貴方は各々の神話が似ていると感じたことはありませんでしたか?」
「確かに」
そう言われると似ている気がする。
「それは元々神話が同じルーツから生まれたからなのです」
炎で世界が焼かれその後に雨が降り海が出来たなどといった出来事は何回も神話で聞いたことがある。
それなら神話が似ていることに納得できる。
「神が生まれて何万年かは皆が平和な毎日を送っていました。もちろん死とか病気、食物連鎖などもありましたけれど皆平和に暮らしていたんです。ところがある日隕石が落ちて来ました」
恐竜がいた頃だから、
「もしかしてシバ・クレーターか?」
「しらな、知ってるんですか?」
「あぁ、授業で習った」
「はい、そのシバ・クレーターが落ちて来たんです。そこには今現在我々が伝承されているノアと言う一人の人がいました。彼はノアの箱舟と呼ばれるシバ・クレーターに乗ってやって来たのです」
「そうなると人類の祖先は宇宙からやって来たと言うことなのか?」
「はい、しかしノアの子孫には原始の神を信仰するものも出て来ました。彼等は
次第に数を増やしていきたくさんの神話が伝承されて来たのです。ノアはその後ヤハウェという神を後世に伝え、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教と分かれて行ったのです」
「そして神の下辺である天使の一人がミカエルです。彼は神に似しものという意味の言葉を与えられ、兄であるルシファーをも超える力を持ちました。つまり貴方は世界最強の天使の契約者ということです。何か分からないところはありましたか?」
「原始の神はどうなったんだ?」
「彼は