説明
「はぁー、お前何言ってるんだ?俺は契約者なんかじゃなくて普通の高校生だぞ。そもそも宗教とか信じてないし」
うちは代々法華経の宗派だったはずだ。それに俺が何たらかんたらの契約者になるわけがないし、なった記憶もない。
そんなことを思いながらかわいそうな子を見るような目で見ていると、
「貴方は何年か前に何かを経験したんじゃないですか?それで貴方はミカエルの契約者になったのだと私達はてっきり思ってました」
何かってなんだよ!
「何かってなんだよ。そんなことに心当たりは……うっ」
今一瞬炎の中に少女がいたような幻覚が
……、
「どうしました?」
「なんでもない。少し頭痛がしただけだ。それより私達ってことは他にも俺がミカエルだかなんだかの契約者だって思っているやつがいるのか?」
「他は分かりませんが、我がイングランド魔法連合王国はそう考えています」
「イングランド魔法連合王国だって⁈」
イングランド魔法連合王国とはイングランドの王が元々のイギリスの領地に加え、デンマークとオランダを併合して出来た国で世界屈指の魔法師排出国である。
「はい、私はそこの災害対策本部の三番目に位置しています」
……その災害対策本部とはこんなばかな人材を使わなければならないほど人材が困窮しているのだろうか。
「今失礼なこと考えていませんでしたか?」
考えてました。
「いいや、別に」
と、うそをスラスラ述べる俺。
「貴方は私がばかだばかだと言いますが、私は魔法大学を史上最年少で首席で卒業したんですよ。貴方の学校のテストの点数何点なんですか?」
それを今聞くか。
「ぐっ、英語85点、数学81点」
「はっ」
「笑うなよ」
「いや、笑うつもりはなかったんですが、つい笑ってしまいました」
「お、俺がばかだって言ったのはその脳みその使い方についてだ。しかも日本じゃこれは高得点て言うんだよ」
「あっ、逃げた」
逃げてない!!
「それであんた達は俺がミハイルの契約者だって言うのか?」
訝しげにそう聞くと、
「はい、ミハイルではないのですが、貴方が紛れもなく契約者であると考えています。まぁそう言っても分からないと思いますから、私が詳しく教えて差し上げます」
と、高飛車で上から目線な視線を浴びせられた。
その時俺は殺意と言うものを覚えた。