告白
「あのさばあちゃん、唐突だけどさ、こいつ寮の雑用係として雇ってくれない?お金は少しでいいからさ」
唐突に俺が聞いた質問は彼女を訝しげな顔にさせた。……なんか英文和訳みたいな文になった。
「なんでさね」
「こいつが俺の部屋の窓を壊したからだよ」
そう言うと一瞬わけの分からないと言う顔になったが、
「そうかいそうかい、100円でもいいかい?」
と、許してくれた。
「いいよ」
「私なしで話を進めないで下さい。時給100円って安すぎませんか?労働基準法に抵触するしもし見つかったら危険だと思います」
と、アイリスの反論
「だれが時給っていったよ。日給100円だ。それにこれはボランティアみたいなもんだ」
「そんなバカな⁉︎」
「お前はバカだ。それでばあちゃん夕食は?」
「もう残っておらんよ」
「そんな……バカな⁈」
「貴方も馬鹿ですね。私と喋っている間にみなさんが食べられたのでしょう」
「なぁ、睦美、少し分けてくれんか?同じ三大落ちこぼれとしてお情けを」
今この寮に住んでいるのは俺と睦美、そしてもう一人しかいない。
この睦美俺と同じクラスにして隣人、そして俺と同じくとある理由から落ちこぼれとして見られている。
それはともかく、
必死の頼み、生死がかかった頼みだったのだが、
「やあよ、私だって成長期なんだから」
と、さも当然のことのように言った。
「もう十分育ってるじゃないかーーー!」
そう彼女はスレンダーな見た目に反し胸が大きいのだ。
「はいはい、ごちそうさま」
睦美はあっという間に残りのおかずを食べ終えるとさっさと自分の部屋に戻ってしまった。
「はいよ」
見殺しにされた。この食べ物の恨みいつか必ず晴らしてやる。そう心に決めた俺だった。
「すぐに支度するから少し待ってろ」
ここは俺の部屋。ばあちゃんが作ってくれたおかずは睦美が全て食べてしまったので、俺は仕方なく料理を作っていた。
そうすること15分後
「はいよ」
「私の分まで作ってくれたんですか⁈嬉しいです」
そう言って顔を近づけてくるアイリスにたじろいでしまうのは男子高校生としては当然のことかもしれない。
「これはなんですか?」
俺が作った料理を指さして聞いてきた。
「それは、麻婆豆腐っていうんだ。食べたこと無いのか?」
「ないですね、私の祖国は余り食にこだわっていませんから」
「そっか、美味しいから食べてみろよ。俺の麻婆豆腐は隠し味に鶏ガラを使っていて美味しいぞ。俺の得意料理だ」
まぁ、それもあるけど作った最大の理由は簡単だからなんだが。
それでも美味しそうに頬張るアイリスを見ていると自然と口元が緩んでしまう。
「どうかしたんですか?」
「いや、なんでもない。それよりさっき聞きそびれたけどなんで俺の部屋にいたんだ?」
「それは……」
アイリスは座り直すと説明し始めた。
「貴方がミカエルの契約者となったことを伝えるためです」
……こいつ頭おかしいの?
一人心の中で呟いた俺でした。