風恋祭
四つ角の街灯で待ち合わせた
ジーンズに浴衣じゃ釣り合わない
笑いながら踊りから抜け出した
うちわを私の帯に差して
ビニール入りの金魚みたい
ふわふわ泳いでも
見えない壁が はしゃぐ気持ちを
いつか冷ましてしまいそう
花簪を揺らす風が 心の糸をそっと奏でる
熱に浮かれて 腕を取っても
はぐれるなよって それだけなのね
人混みは偶然を作りすぎて
走り寄る彼女の鼻緒が切れる
スニーカーの背中に恋のせて
ごめんと私を置き去りにする
お面かぶって金魚すくい
すいすい逃げられて
あなたみたいに上手くなれない
涙で網が破れそう
花簪に残るぬくもり 宵闇 風が吹き盗っていく
もう一度あとで 約束しても
友達だから それだけなのね
花簪を揺らす風の行方をずっと見つめていたい
こころ 鳴らして さまよっている
私だけじゃないはずだから